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(連載2)日本はガチンコ外交に備えよ ← (連載1)日本はガチンコ外交に備えよ  ツリー表示
投稿者:岡本 裕明 (非居住者カナダ・男性・海外事業経営者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-18 10:30 [修正][削除]
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3425/3425
 日本の外交や通商交渉はなぜ、ガチンコ勝負ができないのでしょうか?個人的には交渉官の腹づもりではないかと思います。外交官にしろ、通商交渉団にしろほぼ全員役人です。彼ら役員は首にもならないし、キャリアに傷もつきにくいシステムになっています。言い換えれば「乗り切れば」良いわけです。この「乗り切る」というのは流れに沿ってうまく講じるという意味であり、主義主張を何が何でも通す、というスタンスにはなりません。

 また、日本のキャリア役人は数年で転勤するという仕組みがあります。つまり、専門官はいてもその指揮者は毎度変わるわけでそのたびに作戦と攻め方は変わってしまいます。私はそうではなくて大型交渉は信賞必罰のチーム制にすべきではないかと考えています。もちろん、そのトップである担当大臣の首を含めて、という意味であります。これぐらいの迫力あるチーム編成にしないと外交などやっていられません。

 「脱退やむなし」と叫ぶのは喧嘩する相手に「訴訟するぞ」という言っているようなものです。相手は「ご自由に」というはずです。そんなことは相手にとって痛くもかゆくもないからであります。つまり、喧嘩における訴訟も国際交渉における脱退もそれを言った時点で「負け」であります。その国際感覚を日本人はもう少し磨いてもらいたいと思いますし、交渉官は気構えを持つべきだろうと思います。

 特に私が耳にするのは「次から次へと案件があるのにこの案件まで手が回らない」というボヤキであります。日本政府が真剣勝負をするような案件なら担当チームは通常業務から引き抜くぐらいの覚悟とスタッフの体制の強化をすべきでしょう。かつて、「日本には役人が多い、少ない」という議論がありました。国際水準からすると絶対人数はるかに少ないのですが、できる人間もはるかに少ないと思います。役人がプロ意識をもって交渉にあたる心構えが必要だと切に感じています。(おわり)

(連載1)日本はガチンコ外交に備えよ  ツリー表示
投稿者:岡本 裕明 (非居住者カナダ・男性・海外事業経営者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-17 22:26  
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3424/3425
 トランプ大統領と習近平国家主席の貿易戦争、英国離脱を巡るEUと英国の綱渡りの交渉、カナダとアメリカのNAFTA交渉、更には北朝鮮と韓国の南北和平に向けた交渉など今、世界各地でガチンコ外交やガチンコ通商交渉が行われています。これらの交渉は国家の将来に大きな影響を及ぼす重大な決定事項であり、その交渉の一つひとつの過程で完璧なステップを踏んでいかないと勝利には結びつかないものです。また、各国の情報部が様々な侵入調査を行い、相手の手の内を探りながら弱点を突いていく、というのも常套手段です。

 日本の外交交渉はどうでしょうか?先週行われた国際捕鯨委員会総会では日本が求めていた商業捕鯨一部再開等の提案が否決されました。直後の報道には国際捕鯨委員会の脱退もありうるというトーンの記事が散見できました。あるいは国連のユネスコ関連においては世界記憶遺産を巡り南京事件の資料の登録で嫌な思いをしたばかりなのに昨年末に「慰安婦関連資料」の登録の動きがあり、報道ではそんなことになればユネスコ脱退もやむなし、と大きく論じられていました。

 「脱退」という表現は私にはあまり芳しくない響きがあります。大戦中、日本は国際連盟脱退を国家として苦渋の決定しました。それを受けて、国連会議で日本代表の松岡洋祐が1時間近い大独演を行うものの他の国から賛同を得られず、その会議を中座して脱退した「事件」がトラウマのように頭をよぎるからです。トラウマというのは普通自分がやった行為に対するものだと思います。私がこの「事件」を大学生の時に学び、その後、松岡洋祐研究をし、戦前外交史を学び、海外に住み、日本の外交を比較的間近に感じることが多かった中で「脱退」というカードは切り方を間違えると「終わり」になる、ということをまざまざと見せつけられたことが大きかったのであります。

 日本語の「脱退」とは縁を切るという意味であり、将来の没交渉を意味します。他国も脱退はよくあります。アメリカやイスラエルはユネスコを脱退していますし、ノルウェーやアイスランドは国際捕鯨委員会に入っておらず、正々堂々と捕鯨をしています。日本は一方で、調査捕鯨と称してその調査後の鯨肉を市販しているという「狡い」やり方をしています。言い換えればひどい敵を作らないよう最善の努力を施しながら丸く収めるやり方とも言えるでしょう。アメリカ、イスラエル、ノルウェーは脱退していることを逆手に利用し、相手方からの再交渉を引き出す土壌を作っており、いつまでも好き勝手にするという意味ではないのです。(つづく)

「一帯一路への支援」の裏にある真の狙いとは?   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-16 17:37 [修正][削除]
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3423/3425
 「本当は火の車なのに、よく言うね」。そう思ったのは、中国の習近平国家主席の大盤振る舞い発言だ。習氏は自身が提唱してからまる5年経つ新シルクロード経済圏構想「一帯一路」について、北京で開かれた「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合で、今後3年間で600億ドル(約6兆6000億円)をアフリカ向けに拠出すると発表したのだ。 「一帯一路」は中国のマネーパワーによって推進される、とは一般的な見方なのだが、だまされてはいけない。そのパワーは張り子の虎同然である。

 外貨準備など中国の対外資産は外貨が流入しないと増えない。流入外貨をことごとく中国人民銀行が買い上げる中国特有の制度のもと、中国当局は輸出による貿易黒字拡大と、外国からの対中投資呼び込みに躍起となってきた。ところが、2015年以降は資本逃避が激しくなり、最近でも3000億ドル前後の資本が当局の規制をかいくぐって逃げている。そこで、習政権が頼るのは債券発行や銀行融資による外国からの資金調達である。対外金融債務はこうして急増し続け、外国からの対中投資と合わせた対外負債を膨らませている。主要な対外資産から負債を差し引いた純資産は今やゼロなのだ。

 今後は「債務超過」に陥る可能性が十分ある。米トランプ政権は年間で3800億ドルの対中貿易赤字を抱えており、少なくてもそのうち2000億ドル分を一挙に削減しようとして、中国からの輸入に対し矢継ぎ早に制裁関税をかけている。中国の海外との全取引によって手元に残るカネ(経常収支)は縮小を続け、ことし6月までの年間で683億ドル、昨年年間でも1650億ドルである。対米黒字が2000億ドル減れば、中国の対外収支は巨額の赤字に転落してしまう。しかも、外国からの投資も大きく減りそうだ。米中貿易戦争のために対中投資が割に合わなくなる恐れがあるからだ。

 習氏が一帯一路圏などへの投融資を増やそうとするなら、外国からの借り入れに頼るしかないが、それなら高利貸しかサラ金並みの金利でないと、自身の負債が膨張してしまう。現に、中国による一帯一路圏向けの借款金利は国際標準金利の数倍に達しているとみられる。そればかりではない。習氏は外貨が手元になくても、「資金拠出します」と言ってみせるからくりを用意している。港湾や高速道路、鉄道などインフラを融資付きで受注する。受注者は中国の国有企業、それに融資するのは中国の国有商業銀行、従事する労働者の大半は中国人である。とすると、受注側の資金決裁はすべて人民元で済む。そして、負債はすべて現地政府に押し付けられ、しかも全額外貨建てとなる。中国はこうして「一帯一路への支援」を名目に、外貨を獲得するという仕掛けである。安倍晋三政権も経団連も「一帯一路に協力」とは、甘すぎる。

地域金融等の視点から必要な「競争政策」の見直し   
投稿者:鈴木 馨祐 (神奈川県・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-13 14:21 [修正][削除]
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3422/3425
 9月27日、自分が事務局長を務める自民党の金融調査会(会長:根本匠衆議院議員)で、「経済・社会構造の変化を踏まえた競争の考え方~地域金融を中心に~」を取りまとめました。人口減少などの影響で、地域経済における金融への需要は漸減傾向にあります。一方で、供給側は地方銀行の数が数十年間ほぼ変わっていないなど、ほぼ固定している状況です。結果として需要よりも供給が大きい状況が構造的に生じてしまっており、地域金融機関の経営は極めて厳しい状況になってきています。

 本来、地域金融機関は適切な金融仲介機能を果たし、また知己の産業活性化に向けて積極的な役割を果たすべきものですが、経営が厳しいことで、積極的な役割を果たせていない状況にあります。こうした中で、今後地域金融機関が自らの経営判断として経営統合を選択するケースも増えてくることが予想されています。先日の福岡銀行と十六銀行のケースはその一つです。本来、こうした重大な経営判断は、顧客の便益を著しき阻害しない範囲で、適正に行われるべきで、もし現状、独占禁止法上の企業結合審査が実態とあわない状況で行われた結果、こうした経営判断が歪められることがあるとすれば、それは日本経済や地域経済にとって明らかなマイナスです。今回の経営統合の案件においては、認めるかわりに債権の縮小を求められるなどの判断がありました。少なくとも、重大な経営判断を行う以上は、何をもって「独占状態」とし、「市場」や「提供されるサービス」とは何を指すのか、等に関する法的な予見可能性がなければなりません。

 特に、最近のFintechのような技術革新や、機能別・横断的な規制体系への見直しによって、様々な金融機能への新規参入の余地が増えていることを考えれば、資金需要者にとっての選択肢は急速に拡大することが予想されています。その中で、金融機関に関する「独占」を狭い地理的範囲で同じ種別の法人の単位で厳格に判断してしまえば、資金需要者側に選択肢があるにもかかわらず、競争が阻害されているとの過度な判断により結果として地域金融機関の経営体力を奪い、金融機能が逆に提供されない事態を生み出しかねません。それでは独占禁止法の趣旨である「公正な自由競争が行われ国民の便益が守られる」という本旨からすれば、まさに本末転倒と言わざるを得ない。

 こうした観点から、独占禁止法及びその運用等に関して時代の変化を踏まえたより柔軟な見直しが必要である、というのが我々が取りまとめた趣旨です。もしろん、グローバル企業における需要の地理的範囲をどうするのかなど、他の観点の見直しも必要というのは言わずもがなです。独占禁止法の運用に当たって、公正取引委員会という三条委員会が客観的に状況判断・監視をすることは極めて重要だという視点に異論はありませんが、時代の変化に伴う競争環境変化を遅滞なく運用に反映することができなければ、経済的に大きな障害ともなりかねません。2018年の「骨太の方針」「未来投資戦略」にも記されているこのポイントについて、なるべく早期に何らかの対応を行うことが求められます。政府与党の一員として、日本経済の健全な成長のために引き続き尽力してまいります。

(連載2)中国人ICPO総裁失踪事件について ← (連載1)中国人ICPO総裁失踪事件について  ツリー表示
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-12 10:47 [修正][削除]
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3421/3425
 第3の矛盾点は、仮に中国政府による孟宏偉総裁の拘留が、その不当性において国家レベルの犯罪を構成するものであっても、誰も救い出すことができないことです。ICPOと雖も、中国の国家主権を前にしては捜査権を及ぼすことはできず、中国政府の為すに任せるしかないのです。警察組織であっても警察活動ができないという矛盾は、政治犯が存在する国の不条理を物語っており、中国が、人々の基本権を等しく保障することを旨とする現代国家ではない証左ともなりましょう。

 そして、第4の矛盾点は、同総裁の失踪の真の原因が、中国共産党内部の権力闘争でも、刑法上の汚職でもなく、ICPOの方針に対する中国政府による反対の意思表示であった場合に生じます。これまでも、中国は、国家ぐるみで他国に対してサイバー攻撃やテロ支援を行ってきたとする指摘があります。また、麻薬密売、臓器売買、人身売買、海賊版の製造・販売などの犯罪に関しても、共産党幹部の利権とする見方もあります。
 
 孟宏偉総裁が、組織トップとしてこうした犯罪に対する国際的取り締まりの強化に動いていたとしますと、中国政府は、同氏を脅迫してでもこの政策方針を阻止しようとしたかもしれません。憶測の域はでないものの、同総裁は、ICPOと出身国中国との間の板挟みとなり、この解き難い矛盾に苦しんでいたのかもしれないのです。

 以上に矛盾点を述べてきましたが、この耳目を驚かす失踪事件、同総裁が中国出身であるが故に迷宮入りとなるのでしょうか。真相が闇に葬られるとしますと、それは、中国自身が魑魅魍魎が蠢く暗黒大陸である現実を浮き上がらせることになるのではないかと思うのです。(おわり)

(連載1)中国人ICPO総裁失踪事件について  ツリー表示
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-11 19:34  
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3420/3425
 目下、ICPO(国際刑事警察機構)では、同機構設立以来、前代未聞の大事件に遭遇しています。それは、あろうことか、ICPOの孟宏偉総裁その人が失踪してしまった、という事件です。この事件の発端は、どうやらICPO総裁に中国出身者が就任するという矛盾に満ちた人事にあるようです。

 第1の矛盾は、国際社会における中国に対する認識不足、あるいは、先走った過剰期待に起因しています。共産主義イデオロギーに基づいて建国された中国には、未だに政治犯が存在しています。共産党が敷く一党独裁体制に反対を表明する、‘自治区’が独立を主張する、政府が決め、実行している政策を批判する…といった政治的発言を国民が口にすれば、即、犯罪者として処罰の対象となります。
 
 一般国民のみならず、特権階級とされる共産党員もまた安心してはおられず、権力闘争に敗れた要人、あるいは、最高権力者のライバルとなる党員達もまた‘犯罪者’のレッテルを張られて失脚する可能性があります。現在、習近平国家主席は、腐敗撲滅運動の名目で‘抵抗勢力’となり得る要人たちを次々と粛清しており、孟宏偉総裁の失踪も、一連の粛清に絡んでいると指摘されています。言い換えますと、中国では、政治と経済どころか政治と刑事も分離されておらず、警察活動に関する国際組織のトップを輩出する国としては不適切であると言わざるを得ないのです。

 第2の矛盾は、国際刑事警察機構のトップが、自らの出身国から犯罪(汚職)の廉で身柄を拘束されている疑いが強いことです。ここに、犯罪を取り締まるべき国際レベルの警察トップが‘犯罪者’であるという重大な矛盾が生じています。もっとも、仮に、孟宏偉総裁が実際に汚職に手を染めていたならば、人物評価が不十分であったという点で、同氏を総裁のポストに就けた国際レベルの人事に責任があるのですが、実際には、上述したように権力闘争の犠牲者であった可能性の方が高いものとも推測されます。とは言え、中国政府は、同氏の失脚の原因を政治的粛清であるとは決して認めず、汚職によるものとして押し通そうとするでしょうから、真相はどうであれ、表向きは、世界の警察のトップが犯罪者という構図のみが残されてしまいます。(つづく)

「日中通貨スワップ協定」は習氏の尻拭い   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-11 18:20 [修正][削除]
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3419/3425
 中国が米国の対中制裁関税「トランプ弾」に直撃され、メディアは世界の金融市場不安をあおり立てるが、浅慮に過ぎる。トランプ政権の対中強硬策なかりせば、中国は従来通り債務主導で傍若無人の対外進出策をとり続け、金融市場と安全保障両面で世界不安がどうしようもなく高まる。米中貿易戦争はエスカレートする一方だ。トランプ政権は24日に中国からの輸入2000億ドル(約22兆円)分を制裁対象に追加する。すでに制裁開始済みの500億ドルと合わせ2500億ドルに達するが、トランプ大統領は中国が追加報復すれば全ての対中輸入品に25%の制裁関税を適用すると表明している。トランプ政権はこれによって年間3800億ドルに上る対中貿易赤字を早急に2000億ドル削減する目標を立てている。

 現在、国際金融不安の元凶とされる中国の債務は銀行、「影の銀行」合わせた総社会融資ベースでみるとリーマン・ショックから現在までの10年間で5倍、対国内総生産(GDP)比は10年前の1・1倍から2・1倍に跳ね上がった。急速な債務膨張を支えてきたのが対米貿易黒字である。米国の対中貿易赤字は10年間合計で2・85兆ドルで、中国人民銀行はドル換算でほぼ同額の人民元資金を発行してきた。人民銀行資金は商業銀行などを通じて同国の融資総量(債務にほぼ匹敵)を19兆ドル以上増やした。

 この「錬金術」を可能にするのが、中国特有の通貨金融制度で、中国人民銀行は自身が決める基準交換レートで流入するドルをすべて買い上げ、人民元資金を市中銀行経由で企業、地方政府、家計へと供給する。人民銀行は外貨を裏付けにして融資を加速させ、不動産開発や工業生産に振り向ける。同時に、対外投資や軍拡にも外貨を投入してきた。習近平国家主席肝いりの巨大中華経済圏構想「一帯一路」の推進や、南シナ海などへの海洋進出はリーマン後の米金融緩和に支えられてきたわけだ。米中貿易戦争はそんな習政権の野心に冷水を浴びせる。中国の国際収支黒字は年間1000億ドル前後だから、トランプ政策は中国を赤字国に転落させる腹積もりだ。外貨不安を抱える中では対外進出策も思うに任せられなくなる。

 窮地に立つ習政権が頼りにするのが世界最大の債権国日本である。中国は対米貿易黒字や外国からの対中直接投資を通じて外貨をためてきたが、海外企業買収や資本逃避のために外貨流出も激しい。そこで外債発行や銀行借り入れを通じて対外金融債務を急増させている。それに最も貢献しているのが日本の金融機関だ。邦銀は10年間で国際金融市場に1・36兆ドル資金を供給してきたのに対し、中国は海外からの借り入れを1・4兆ドル増やしている。親中派の経団連や財務・経産官僚、日銀は日中通貨スワップ協定締結が日本企業や邦銀のためになると言い立てるが、だまされてはいけない。それは習氏の尻拭いなのだ。

中国は国家運営の厳しさを露呈か?   
投稿者:岡本 裕明 (非居住者カナダ・男性・海外事業経営者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-09 20:18 [修正][削除]
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3418/3425
 ポンペオ国務長官と中国外務大臣、王毅氏との会談は米中外交をめぐる舌戦になったようですが、最近の中国の様々な発言に虚勢を張ったようなスタンスが見られるのは何故でしょうか?先日、フィナンシャルタイムズ紙の香港駐在の幹部記者の就労ビザの延長が拒否されました。この点についても中国外務省報道官がわざわざビザ拒否の正当性を主張する会見を開いていますが、もともとこの記者が香港民主化活動の支援者と見做されたことがビザ拒否の理由であったことは明白であります。中国は体制を受け入れる者とそうではない者を明白に区別する姿勢を強化しています。

 10月8日、上海市場は株価の大幅安に見舞われました。この原因を探ると香港経由で外国人投資家が大量の売りを浴びせたことが直接の引き金となっています。その規模、1600億円となっています。上海市場は個人投資家が主体で市場構成バランスが脆弱な体質となっているため、ボラ(変動率)が高くなり、一週間の連休明けを待ち構えていた外国人の強烈なパンチを食らったということなります。なぜ、外国人は中国投資から一歩、引いたのでしょうか?もともと中国を支援していたのはドイツなど欧州勢。ところがEUが盤石の体制かといえば英国離脱問題にイタリアもがたがたし始めた中でメルケル首相の求心力の賞味期限もあります。そこにアメリカが貿易戦争を仕掛け、アジアでは親中国派を見直すの政権が次々と樹立され思った以上の防戦を強いられているというのが正直なところでしょう。このところ、中国による日本への政治的圧力が少ないのは日本を敵に回している余裕がないためであります。

 今、注目を集めているのがICPO(インターポール、国際刑事警察機構)の孟宏偉総裁の処遇であります。孟氏は中国当局に拘束された後、ICPOを即座に辞任していますが、理由が何であれ、粛清される公算があります。これは習近平体制に反する人間は全て捕まえる、ないし、国外追放するという恐怖政治そのものであり、時代錯誤甚だしいものがあります。アメリカがこんな体制を放置することはなく、私が貿易戦争は更に深度を増すだろうと申し上げたのは最終的に民主主義との戦いに挑んでいるように見えるからです。孟氏や女優の脱税事件で思ったのは韓国がそっくりの体制である点です。先週、韓国では李明博元大統領に有罪判決が下り、収監されました。朴槿恵元大統領同様、現政権が反対勢力潰しを徹底して行う点で勧善懲悪を模した弾圧そのものを国民が拍手喝さいで受け入れる点は似ています。これはかつて中国の文化大革命で紅衛兵という形で思想コントロールを受けたのとほぼ同じ構図が現代でも続いているといってよいのではないでしょうか?

 気をつけなくてはいけないのは日本も影響を受け、その傾向がこの数年強まっており、メディアが毒されはじめ、左翼論法を堂々展開していることでしょうか?朝のニュースチャンネルでも某民法の解説者の左寄りのコメントに「そうですよねー」とほとんど何も考えていないアシスタントの同意は恐ろしいほどのマインドセットを生み出します。アシスタントの頷きは無意味極まりないと思います。私はオリンピック10年後の激変ということを何度も申し上げてきました。日本、韓国、ソ連、ギリシャなど歴史が裏付けています。その中国、今年が北京五輪から10年目に当たります。個人的には今はまだ、序章でこれから大きな激震が待ち構えているように感じます。

王毅外相のウイグル発言から考える   
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-06 21:04 [修正][削除]
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3417/3425
 中国によるウイグル人に対する大規模な弾圧行為に対し、目下、国際社会からの批判の声は高まる一方です。強まる対中批判に耐えかねたのか、中国は、国連総会をウイグル弾圧批判に対する弁明の場とし、王毅外相が壇上で熱弁をふるったそうです。中国の弁明戦略の基本方針は、問題の焦点をテロ対策に絞ることです。論理構成としては、(1)イスラム過激派はテロリストである(ウイグル人は、そのイスラム教徒である)、(2)住民の安全のためにテロリストを取り締まるのは政府の義務である、(3)この義務において全ての政府が同じことをする、そして、(4)(国家として当然のことをしているので)中国は悪くない、という結論に導いています。一読しますと、どこにも論理破綻がないように見えます。しかしながら、この王外相の演説は、肝心な部分については沈黙しています。それは、第一に、(3)にある‘同じこと’の内容であり、第二にウイグルには独立問題があるという事実です。

 報道によりますと、王外相は、中国が行っている具体的なテロ対策措置については、全く触れていなかったそうです。中国側は全世界の諸国に共通するテロ問題として扱いたいのでしょうが、中国に対する批判の焦点は、中国が誘導したい方向とは別のところにあります。国際社会は、中国が実行しているウイグル人に対する非人道的で残酷な‘ジェノサイド’に抗議しているのであり、テロ対策に反対しているのではないのです。おそらく、中国は、自国が具体的に‘していること’が問題視されていることを十分に自覚しているからこそ、沈黙戦略で論理構成意図的にから外し、‘ないこと’にしようとしたのでしょう。

 そして、何よりも中国は、ウイグルには独立問題があることを頭から無視しています。中国の行政区の名称である新疆ウイグル自治区の‘新疆’とは、‘新たな土地’を意味しています。つまり、‘新疆’とは、18世紀に至り、清国が同地を征服した際に命名した名称であり、漢人の固有の地ではないのです。今日の国際社会にあっては、民族自決の権利が原則として認められておりますので、その大半がトルコ系ウイグル人であり、イスラム教徒でもあるウイグル人には独立国家を有する権利があります。ここでも、中国は、独立運動の存在が表面化すれば、もはやテロへの一点争点化の誘導は通用しなくなることを怖れて、独立問題をも‘ないこと’にしようとしたのでしょう。

 これらの二つの沈黙を考慮しますと、王外相の演説は、聴衆を惑わす狡猾な詭弁と言わざるを得ません。中国は、国連演説において批判点をずらし、ウイグル問題の焦点を巧妙にすり替えたのですから。果たして、同演説は、会場から満場の拍手を以って支持されたのでしょうか。トランプ大統領の演説後の会場の反応には失笑もあったとされていますが、中国の王毅外相の演説に対しては、それが耳に聞こえる声にならず、心の内にとどまるものであったとしても、ブーイングの嵐だったのではないでしょうか。

経済成長なき市場原理主義に無力感   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-03 11:10 [修正][削除]
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3416/3425
 カンヌ国際映画祭最高賞「パルムドール」に輝いた是枝裕和監督の「万引き家族」を見た。印象に残った風景は下町の裏通りにひっそりと佇む古びた駄菓子屋さんだ。にわか妹になった小さな女の子の万引を手助けするお兄ちゃんに、気付いた店主の爺さんがやんわりとさとした。そればかりか女の子にみやげまでもたせた。万引の技をにわか父さんに仕込まれた少年は思う。「お店がつぶれなければ、いいじゃないか」と。大資本のスーパーならびくともしないだろうが、零細な店はどうかと、かなり気になって仕方ない。ある日、駄菓子屋さんが廃屋同然、抜け殻のようになった。「忌中」の札を見て、その字の意味を理解できなかった少年は、そうなったのは万引被害ではなく、爺さんが亡くなったためだとは知らず、激しく動揺する。それを機に、万引を絆にした偽装家族の崩壊が始まる。

 映画の時代設定は昭和、いや平成のいずれだろうかと迷ったが、経済の観点からすれば今の時代とみていいだろう。「持つ者」がより豊かになり、「持たざる者」がより貧しくなる。競争社会の勝者と敗者の格差が広がり、底辺の者には行き場がない。市場原理主義は民間の活力を引き出すと評価され、1990年代後半から安倍晋三政権に至るまでの日本の基本路線になっているが、何かが欠けている。経済成長なき市場原理主義は社会の無力感を生むという視点がないのだ。

 消費税増税と緊縮財政は日本型市場原理主義の産物である。法人減税と政府財政の支出抑制をセットとし、社会保障財源には消費税を充当する。消費税収は社会保障財源となって社会の弱者や低所得層にも配分されると考える向きが政官財、メディアに多いが、それはカネのやりくり計算である家計簿の発想でしかない。国家の経済成長を妨げ、「万引き家族」を受け入れる経済環境を痛めつける。その症状を悪化させるのが消費税増税である。

 2014年度の消費税率の5%から8%への引き上げ後の雇用者報酬と家計消費の前年比増加額から家計の消費税増税分負担額を差し引くと、雇用者報酬が労働需給の逼迫を受けて16年から増え始め、今年に入って増加基調が加速している。しかし、消費税増税負担を考慮すると、増加率が力強さを示す前年比3%以上になったのは今年になってからだ。家計消費のほうは消費税増税後急減したあと、17年からプラスに転じたが、消費税増税負担分を差し引くと、増税前より低いままだ。しかも雇用者報酬とは逆に下向きである。ボーナスは増えたが懐具合は一向によくないと感じる諸公が多いはずである。その心理は簡単にぬぐい去られないので、消費は増えない。消費減は猛暑のせいではない。零細商店もスーパーも「万引き被害」ではなく、消費税に苦しめられている。

安倍総裁候補勝利を受けて   
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-02 12:12 [修正][削除]
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3415/3425
 自民党本部で総裁選挙が行われ、安倍晋三候補553票対石破茂候補254票で、安倍総理大臣が引き続き自民党総裁となることが決まりました。今回の総裁選挙は、現職の総理大臣の改選ということで、安倍政権の経済政策や外交への評価を問うものでしたので、この結果については、政策や政治の安定性、経済政策の予見可能性の観点から、非常にプラスだと思われます。

 経済を見れば、マクロ経済環境や雇用情勢等、民主党政権当時からかなり改善している一方で、真に民間主導の経済成長の好循環に完全に入っているかといえば、そこはまだまだといわざるを得ません。これまで、金融緩和や法人税減税などを実行してきましたが、それが経済の好循環に結びつくためには、民間企業が「借金をしてでもビジネスを拡大する」というマインドを持てるようにすることが必要です。
 
 当然これまでのようなバラマキの財政出動をしても効果が無いことは様々なデータが証明していることであって、今真に必要なのは、ビジネスの障害となっている規制を取り除く、適切な規制緩和であり、労働市場改革を、抵抗に屈することなく、今の景気状況が悪化しないうちにしっかりと力強く進めておくことです。また、変化のスピードが速い今の国際環境の中で、日本が勝ち残っていくためには、グローバルな様々な規格や標準、ルールを創ることに積極的に関わっていくことが必要であり、安全保障面においても、中国の脅威の深刻化や朝鮮半島情勢の不透明化に対応できるよう、アメリカを東アジアにしっかりと繋ぎとめておくことが必要です。

 こうしたことを訴える安倍総理が、党員票においてもバランス感覚が働く中で55%以上を得たということは、今後の政策実行のスピードを考えるうえで、非常に良かったと言えるのではないかと思われます。私も今後とも、与党の一員として、日本をより前に進めていくため、全力で取り組んでまいりたいと思います。

(連載2)詭弁と危うさに彩られた「平壌共同宣言」 ← (連載1)詭弁と危うさに彩られた「平壌共同宣言」  ツリー表示
投稿者:斎藤 直樹 (神奈川県・男性・山梨県立大学教授・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-02 08:42 [修正][削除]
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3414/3425
 前述の通り、米国が相応の措置を取ることを条件にして寧辺の「核施設」の廃棄に応じる用意があることを金正恩が示唆した。米国が取るべき相応の措置について金正恩は言及を避けたが、朝鮮戦争の終戦宣言であろうとみられる。すなわち、金正恩にとって焦眉の課題は寧辺の「核施設」の廃棄と引き換えに終戦宣言を実現し、その流れに乗じて平和協定の締結を目論んでいるのであろう。その調子で、その他の施設の廃棄に合わせ、経済制裁の解除、体制保証、在韓米軍の撤収、米朝国交正常化、膨大な量に及ぶ経済支援などをトランプに要求するといった図式を金正恩が思い描いている節がある。金正恩が喉から手が出るように欲しがっている見返りを米国が次から次へと与えても、金正恩は近隣の韓国と日本を射程に捉えた核ミサイル戦力は最後まで手放さないという強かな展望を描いていると推察される。

 そうした金正恩の目論む非核化のやり方に理解を示しているのが文正恩である。南北首脳会談を前にした9月13日に文正恩は「北朝鮮は『未来核』を廃棄して『現在核』まで廃棄する」と発言した。文在演の理解では、上述の核実験場の廃棄とエンジン試験場やミサイル発射台の廃棄により「未来核」が廃棄される一方、米国が相応の措置を取れば寧辺の核施設を廃棄することにより「現在核」も廃棄されることになる。「未来核」は廃棄されたと文在演は評価したが、決して「未来核」は廃棄されたわけではない。5個から9個の核弾頭が2018年1月から製造されたと目される。今も核弾頭の製造が続いていることを踏まえると、「現在核」はおろか「未来核」が製造されていることになる。こうした事実関係を無視したような文正恩の発言は金正恩への阿り以外の何ものでもない。2017年の終りに一触即発の事態に迫った感のあった朝鮮半島の危機を緩和すべく奔走する文在演からは、元の木阿弥になることは勘弁願いたいとの必死さが伝わってくる。こうした文在演の姿勢は康京和(カン・ギョンファ)韓国外相の発言にも看取される。9月21日に非核化は申告→検証→廃棄という通常の手続きとは異なるかもしれないと康京和は言及したが、このことからも文在演政権が金正恩に擦り寄っていることがわかる。

 「平壌共同宣言」をトランプが本心でどのように捉えているかは別にして、そうした危うい内容を盛り込んだ「平壌共同宣言」にトランプは一定の評価を与えた。2018年11月の中間選挙を間近に控えたトランプとすれば、再選を果たすためには是が非でも中間選挙に勝利を収めなければならず、非核化への取組みについて金正恩を表向き上は評価せざるをえない。他方、ポンペオなど政権の高官が金正恩に厳しい注文を付けるという摩訶不思議なことになっている。こうした中で米朝高官協議が再開されることがあっても、遠からず行き詰ることが予想される。金正恩がすべての核関連活動の全容を盛り込んだ申告と、申告→検証→廃棄を盛り込んだ工程表の提出に応じない限り、非核化の完遂に向けた道筋は遅々として開けない。9月20日に金正恩が文在演に対し「はやく非核化を行い、経済に集中したい」と述べたというが、これほどの詭弁と強弁はないであろう。早く非核化を終わりたいのであれば、トランプが要求する通り、上記の申告と工程表を提出しなければならない。そうすれば、金正恩の非核化に纏わる嫌疑は多少薄れるだけでなく、工程表に従い非核化は加速的に進むであろう。このことを金正恩が理解していないわけはない。

 今後、北朝鮮の非核化が曖昧かつ不透明なまま終わることになれば、核の脅威の下で日々怯えなければならないのは韓国でありわが国であろう。「はやく非核化を行い、経済に集中したい」とする金正恩の言葉を文在演が真摯に信じているのかどうか別にして、仲介外交に尽力する文在演もこのことを知る必要があろう。金正恩にとって格好の標的が韓国であることに変わりはない。1990年代後半に金大中が太陽政策の名の下で北朝鮮に膨大な経済支援を行ったのに続き、2000年代に盧武鉉は平和・繁栄政策の名の下でそれに続いた。しかし韓国が行った莫大な経済支援により北朝鮮国民の生活が決して改善したわけではない。経済支援は回り回って北朝鮮の核・ミサイル開発に投入され、韓国に対する核攻撃能力を獲得したという事態に至っている。このことは金大中や盧武鉉が金体制に施した善意が仇となったことを如実に物語る。散々弄ばれてきた過去の経緯を知りつつ文在演が手を差し伸べようとしているのか、前のめりとなった文在演が金正恩にはぐらかされているのか判断がつかない。厳然とした事実があるにも関わらず、またしても善意の手を文在演が差し伸べるのではその代償は計り知れないものになりかねない。遠くない将来に第二回米朝首脳会談が開催されるであろうとの報道が伝えられる中で、金正恩の目論む非核化のやり方は通用しないことを明確に伝えることこそトランプが果たさなければならない責務であろう。文在演に続いてトランプが金正恩との取引に前のめりにならないようにわが国はその都度、警鐘を鳴らす必要があろう。(おわり)

(連載1)詭弁と危うさに彩られた「平壌共同宣言」  ツリー表示
投稿者:斎藤 直樹 (神奈川県・男性・山梨県立大学教授・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-10-01 22:49  
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3413/3425
 2018年9月18日から20日にわたり訪朝した文在演大統領は、平壌で金正恩朝鮮労働党委員長との三度目の南北首脳会談を行った。その成果物が19日に両者が調印した「平壌共同宣言」であった。しかし「平壌共同宣言」は、6月12日のシンガポールでの米朝首脳会談において採択された「共同宣言」で金正恩が合意したはずの「完全な非核化」に向けた前進になるどころか、金正恩の目論む非核化のからくりを世界に知らしめる結果となった。米朝首脳会談後、トランプ大統領が金正恩に対し核関連活動の全容を盛り込んだ申告を提出するよう要求したのに対し、何故に金正恩が回答に応じなかったのか様々な憶測を呼んだ。しかし、「平壌共同宣言」により金正恩の目論む非核化が明らかになった。三日間に及んだ文在演の訪朝は南北融和に向けて最高の政治ショーとなったかもしれないが、詭弁と危うさに彩られた「平壌共同宣言」を通じ金正恩の真意は白日の下にさらされることになった。

 「平壌共同宣言」に盛り込まれた非核化に関するヵ所を引用すると、「北側は東倉里エンジン試験場とロケット発射台を関係国専門家たちの参観の下で、まず永久的に廃棄することにした」、また「 北側は米国が6.12朝米共同声明の精神に従って相応措置を取れば、寧辺核施設の永久的な廃棄のような追加措置を引き続き講じていく用意があることを表明した」。上記にある通り、米国が相応の見返りを提供すれば、寧辺の「核施設」の廃棄に応じる用意があることを金正恩は明かした。これに対し「金正恩は最終交渉を条件に核査察の受け入れに合意したほか、各国の専門家の前で実験場と発射台の永久的廃棄に合意した。・・」と、トランプは持ち上げた。とは言え、専門家は一様にすべての核関連活動の全容を盛り込んだ申告を提出しない限り、非核化に向けた措置として全く不十分であると厳しく見ている。5月24日に爆破、破棄された豊渓里の核実験場、解体されたとする東倉里のエンジン試験場やミサイル発射台など、幾つかの核関連施設やミサイル関連施設を廃棄したとしても、北朝鮮のすべての核関連施設の廃棄に直結するものではない。一つ一つの事例には相応の事情があるように見える。豊渓里の核実験場の爆破、廃棄では肝心の外部機関による査察が行われておらず、同実験場が今後、二度と使用できないかどうかは不明である。

 東倉里のミサイル発射台からテポドン2号などがこれまで発射されたが、同発射台を含めいわゆる固定式ミサイル発射台は米軍による空爆にとって格好の標的になることを踏まえ、空爆からの残存性が高い移動式発射台搭載ミサイル戦力に金正恩は力点を移している。移動式発射台搭載ICBMである「火星15」型を対米核攻撃能力として位置付ける今、東倉里のミサイル発射施設はもはや無用の長物であると言えよう。他方、寧辺の核関連施設はこれまでプルトニウム計画と高濃縮ウラン計画の開発において中核的役割を果たしてきた曰く付きの施設である。北朝鮮が保有するプルトニウムのほとんどすべては寧辺にある5000キロ・ワット級黒鉛炉を通じて生産された。これにより10発以上のプルトニウム原爆が製造されたと目される。他方、高濃縮ウランの一部は寧辺の核燃料製造工場内にある小型の軽水炉と遠心分離機施設で生産されてきた。同施設で製造されたウラン原爆は約15発に及ぶと推察される。寧辺の「核施設」の廃棄を重大な譲歩であるかのように金正恩は印象付けようとしているとは言え、「平壌共同宣言」でいう「核施設」とはこれらの「施設」を指しているのか、寧辺に所在する全施設を意味しているのかは明らかでない。同共同宣言を受け、ポンペオ国務長官は米国とIAEAの査察の下で寧辺の全施設を廃棄しなければならないと注文を付けた。

 これらの実験場や核関連施設は北朝鮮の核・ミサイル開発で象徴的な役割を果たしてきたとは言え、いつなんどき米軍の空爆に曝されるかわからない目標であった。これらが廃棄されたとしても北朝鮮領内に点在するすべての核関連施設や核弾頭数からみれば氷山の一角に過ぎないであろう。米朝首脳会談後にトランプが要求した通り、金正恩はすべての核関連活動の全容を盛り込んだ申告の提出を行わなければ、トランプ政権を十分に納得させることにはならないであろう。すなわち、非核化は全容を盛り込んだ申告と、申告→検証→廃棄という手順を定めた工程表にしたがい進められなければならないのである。これに対し、すでに外部世界に周知された一部の核関連施設の廃棄と引き換えに、米国から相応の見返りを得ようと金正恩は画策している。北朝鮮領内には40から100もの主な核関連施設が点在し、保有されている核弾頭が20個から60個に及ぶと推測される中で、金正恩が示唆する措置が全く不十分であることは明らかである。(つづく)

伊方原発再稼働容認の広島高裁決定は妥当   
投稿者:加藤 成一 (兵庫県・男性・元弁護士・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-09-28 18:56 [修正][削除]
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3412/3425
 広島高裁は、9月25日四国電力伊方原発3号機の運転を差し止めた2017年12月13日の原審広島高裁の仮処分決定を不服とする四国電力側申し立ての異議審で、「原発の運転による具体的危険性はない」との理由で異議を認め、仮処分を取り消す決定をした。原審仮処分決定は「9万年前に九州中部で起きた大規模噴火による火砕流が130キロ離れた伊方原発に到達する可能性は小さいとは言えず、原発の立地に不適切」との理由で、原発の運転を差し止めていた。

 異議審で四国電力側は、「原発運転期間中に大規模な火砕流を発生させる巨大噴火が起きる可能性は低い」と主張し、原発による被害発生の危険性を否定した。広島高裁は、「大規模噴火の可能性の大小を推定することは困難である」としつつも、破局的な噴火を想定した法律やインフラの整備はされていないこと、国民の大多数が問題にしていないことから、「低頻度の壊滅的被害をもたらす事象は具体的危険とは認めないのが社会通念であり、原発の運転期間中に破局的噴火が発生する可能性が相応の根拠をもって示されない限り、これを前提に原発の立地が不適切とすることはできない」と認定して、原審仮処分決定を取り消し、再稼働を認める決定をした。

 極めて合理的且つ常識的で妥当な決定であると言えよう。現在の火山学によれば、火山噴火の爆発規模を示す世界共通指標の火山爆発指数(VEI)は、0~8の9段階あり、9万年前に九州中部で発生した破局的噴火は「7」に該当し、日本では「7」以上の破局的噴火は1万年に一回程度起きているとされる。すなわち、一万年に一回程度の破局的噴火のリスクをどう評価するかが本件の最大の争点である。一万年に一回のリスクに備えて、あらゆるインフラを整備し、万全の備えをすることまでは、社会通念上要求されてはいないであろう。原発の立地についても同様であろう。しかも原発の稼働期間は通常40年に過ぎないのである。その意味で、一万年に一回の破局的噴火の発生可能性に基づく原発の危険性を理由として運転差し止めを認めた原審仮処分決定は、極めて非合理的且つ社会通念に反する不当な決定であったと言わざるを得ない。

 弁護団は今回の広島高裁の決定に対しても、例によって、最高裁に不服申し立て(特別抗告または許可抗告)をしない方針を示しているが、広島高裁の決定が不当であり、弁護団の主張が正当であると確信するならば、正々堂々と最高裁に不服申し立てをすべきである。そして、一万年に一回程度発生の破局的噴火の危険性に対する評価を含め、最高裁において最終的判断がされるべきである。原発の安全性に関する最終的司法判断は日本国民全体にとって極めて重要であり、いやしくも弁護団の都合によって決して左右されてはならないのである。

中国人観光客のマナー問題から考える   
投稿者:中山 太郎 (東京都・男性・非営利団体非常勤職員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-09-28 09:27 [修正][削除]
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3411/3425
 中国外交部が、最近スウェーデン国営テレビで放映されたパロディー番組が中国人を侮辱しているとして抗議を行った。知人の西欧人学者などの話によると、中国人観光客3名が同国のホテルに、予約の10時間以上前の夜中にやってきて、チェックインを求めたので断ると、ロビーのソファに寝かせろと喚いたので、警察を呼んで排除したところ、ホテル前の路上に寝ころび「人殺し」などと泣き叫び、その映像をWEB上に流した。それをみた中国から抗議の嵐が寄せられたところ、同上国営テレビが「観光地の建物内では大便、小便は、いけません。トイレに行きましょう」など番組で放映したということである。

 これで思い出すのは、2000年代初めの、中国経済が上り調子の時、私は、中国第三の都市である広東省広州市に出張したときのことである。スウェーデン外務省高官(中近東アフリカとアジアを担当する女性)が中国人を集めて、声を張り上げて「日本はもうだめです」、「これからは中国の時代です」、「われわれとこれからは手を携えて発展してゆきましょう」と述べていたシーンだ。その後も、2012年尖閣国有問題で、中国で反日デモが大荒れし(その後、判明したところでは、政権反対派が先導したとの説もある)、日本企業、日本料理店など日本関連施設や人間にも多大な被害が出たとき、スウェーデンはじめ西欧諸国の外交官は陰で日本の対応のまずさをせせら笑っていた。中国は、日本の民間人をスパイ容疑で逮捕したり、レアーアースの対日輸出禁止などの措置をとった。その時日本を助けてくれたのは、普段対中国に弱腰だった米オバマ政権だった。米のレアーアースを回してくれたりした。中国人知人が転送してくれたのだが、中国にある独自動車販売店は店の前に大横幕を出し、「日本人は皆殺しだ」、「日本全土を焼き尽くせ」と張り出していた。彼らは、日本をけなし、中国におもねる態度をとっていた。勿論、西欧は、優れた文明人がほとんどであることを知っているし、日本人は中国にも優れた人々が多いことを知っている。日本では、孔子、孟子、老子、司馬遷、杜甫、李白らの古典の言葉がすぐ出てくる人も多い。

 わが国でも中国人のマナー問題では悩まされている。銀座の歩行者天国の路上で子供に小便をさせるとか、富士山麓の聖なる池に禁止しても小銭を投げいれる、景観を壊し、環境に影響を与えるのでその小銭排除に多大なエネルギーを費やしているとも聞く。これで想起されるのは、バチカンがとった方法だ。聖堂を山猿のような中国人観光客が騒ぎまわるのを抑止するため、本堂の前に大スピーカーを置き、英語、日本語も含め、7か国語で、「ここは、人々が礼拝し、瞑想するところです。ご見学は静かにいたしましょう」とやった例だ。中国を名指しだと、抗議などが来て、面倒になるので,one of themで対応するやり方だ。

 最近知人の中国人が心配しているのは、習近平政権の国内の言論弾圧で、今や米国が中国に対して真剣に怒っていることを認識しようとしない党、政府幹部が増えていることだという。安倍総理訪中についても、日本は、中国と同じように米国憎しに凝り固まっているとの理解で、日本は尾を振って、中国に来るのだと考えているということだ。これは最近の日中関係のパターンで期待しそれが裏切られると、一層の日本憎しに立ち戻るという構図である。

「見えない米中戦争」は始まっている   
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・男性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-09-27 12:23 [修正][削除]
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3410/3425
 渋っていた中国が米中貿易協議に応じるとの情報が伝えられた矢先、アメリカのトランプ大統領が、予定していた22兆円規模の対中制裁関税の実施に向けて措置を採るよう命じたと報じられております。今後は、さらに30兆円規模の制裁関税を上乗せする計画も明らかとなり、米中貿易戦争はいよいよ全面戦争へと向かうようです。アメリカの対中貿易赤字は、米商務省の統計によれば、2018年2月の時点で、前年比で8.1%増加して凡そ41兆円(3752億ドル)となり、過去最高額を記録しています。この数字に照らせば、膨大な対中貿易赤字を一気に削減しようとするトランプ政権の強い意気込みが感じられるのですが、中ロの接近が顕著となり、北朝鮮の非核化問題が拗れるにつれ、対中貿易戦争は米中間の貿易不均衡是正のみを唯一の目的とはしていない、とする見解が急速に支持を集めるに至っています。輸出大国となった中国は、その経済力を踏み台にした軍事力により、今や、アメリカのみならず、国際社会において深刻な平和に対する脅威として立ち現われているからです。

 第二次世界大戦後の国際社会は、長らく冷戦構造下においてソ連邦が超大国としてアメリカと肩を並べつつも、基本的にはアメリカが仕切っており、ソ連邦を筆頭とする東側陣営は、どちらかと言えば主流派に対する「抵抗勢力」の立場にありました。そして、アメリカが他の諸国、並びに、一般国民からの支持を受けて「世界の中心国」となり得た理由は、抜きんでた軍事力にもまして、曲がりなりにも、自由、民主主義、法の支配、基本権の尊重といった人類普遍とされる価値の擁護者であったからに他なりません。もちろん、時にはアメリカの露骨な国益追求が表に出て、国際的な批判を受けることもあったのですが…。普遍的な諸価値の標榜は、それが、人の自然的な感情や良心に基づくが故に、誰もが抗えないアメリカが有する最強の「ソフト・パワー」であったと言えます。

 一方、今日の中国は、人類社会の自明の理とも言える普遍的な価値など、一顧だにしていません。それどころか、持てる資源と科学技術力の全てを軍事面に注ぎ込んだソ連邦と同様に、情報・通信分野やコンピュータ部門で培われてきた高度先端技術をも、アメリカを越えるハイテク兵器の開発のみならず、これらの諸価値を破壊するために積極的に活用しています。その破壊力は、中国国内のみならず国際社会にも及んでおり、非民主的な体制を敷く国家を蔭から支援し、国連までも自らの影響下に置こうとしているのです。

 しばしば中国は魅力的な「ソフト・パワー」に乏しいと指摘されていますが、強制力としての「ハード・パワー」さえあれば前者は不要と見なしているのでしょう。中国と比較すれば、アメリカは、独裁者に対して寛容であるとされるトランプ政権下にあってなおも価値志向の強い国と言えます。そして、将来において暴力主義国家である中国が君臨する国際社会が出現するとすれば、それは、中心国としてのアメリカの地位を揺るがすのみならず、全ての諸国と国民にとりまして、暗黒時代の到来を意味します。自国が中国に従属し、社会や文化も中華色に染まる未来を歓迎する国民は、何処にもいないはずです。米中貿易戦争が「見えない米中戦争」であるならば、日本国政府は、迷わずに、同盟国であるアメリカと共に対中貿易戦争に加わる、即ち、中国の経済力を削ぐ措置を採るべきなのではないでしょうか。同盟国としての義務のみならず、また、自国の安全のみならず、人類の普遍的な諸価値を擁護する国として。

「自民党青年局長として蔡英文総統と会談」を読んで思う ← 自民党青年局長として蔡英文総統と会談  ツリー表示
投稿者:中山 太郎 (東京都・男性・非営利団体非常勤職員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-09-26 15:23 [修正][削除]
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3409/3425
 9月21日付の本欄への鈴木馨祐氏の「自民党青年局長として蔡英文総統と会談」を興味深く読ませていただいた。本文にある「中国の武力侵攻などの不測の事態に日米台の連携」については、全面的に賛成する。わが国外交の前途には、対米黒字削減、対ロ北方領土問題、拉致問題など難問山積身だ。どの問題も、格好良く一刀両断の解決は無理だ。そもそも我が国国民は、国際社会のキツネとタヌキのばか仕合であり権謀術数渦巻く世界に慣れていない。

 台湾に関するわが国の今までの対応ぶりを回顧してみると、72年2月のニクソン訪中に泡を食ったかのように田中総理が訪中し、国交樹立を図り、同「日中共同声明」で台湾が中国の領土の不可分な一部であることを表明してしまった。それに引き換え米国は、台湾問題を慎重に議論し、ニクソン訪中から7年後の1979年のカーター政権になって米中国交を樹立した。同時に台湾防衛を明文化した米の国内法「台湾関係法」を設定した。西側のアジア研究者と交流している際に彼らが時に漏らすことは、1989年の天安門事件で西側各国が中国の人権弾圧を強く非難し「経済制裁」決議などで締め付けを行っていた時、わが国は中国を国際社会から孤立させるべきではないと主張し、第4次円借復活、西側各国に先駆けての海部総理の訪中などを行い、裏切りともいえる当時の対中歩み寄りの姿勢である。

 当時の中国の外交文献などを精査すると、中国は西側の「弱い環」である日本を狙い撃ちにしたことが分かる。10月の安倍外交の主な外交日程は、日中平和友好条約締結40周年をめどとした訪中である。最近意見交換をした某西側アジア研究者は、私に「中国の狙いは、日米離間そして習近平が後世に名を残すために狙っている戦略の台湾問題で日本から譲歩を勝ち取ることだ」と述べていた。

 中国は様々な情報戦を仕掛けてきている。例えば、先ごろの台風による関西空港閉鎖の事態に際して、中国の在大阪総領事館がバス15台を手配し中国人を迅速に退避させたというニュースだ。これはフェイク・ニュースだったが、日本の保守層はブログなどで中国だけを優遇したなどとして、関空責任者のみならず、安倍政権批判も行ったりした。中国のこのフェイク・ニュースで、駐大阪総領事に相当する、台北駐大阪経済文化弁事処長が自死に追い込まれた。民主主義がまだ未成熟で時に常軌を逸する台湾世論から、「中国に比べ何たる対応だ」との過度な非難を受けてのことと言われている。わが国の世論も、お上のやることは何でもけしからんということになりがちだ。小泉政権下で、当時の防衛庁から出向し、安全保障担当の内閣官房副長官補であった柳沢協二氏は、安倍外交を批判し、兵器に金を使うのではなく外交・政治力に意を用いるべきだなどとブログで述べておられる。

日本に必要なのは晩婚防止・夫婦円満大臣   
投稿者:岡本 裕明 (非居住者カナダ・男性・海外事業経営者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-09-26 11:24 [修正][削除]
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3408/3425
 日経ビジネスに読み飛ばしそうだけど興味深い記事を見つけましたので今日はその話題から展開したいと思います。タイトルは「少子化の本当の原因 必要なのは未婚、晩婚対策だ」(天野馨南子氏寄稿)。かいつまんで言うと少子化というけれど結婚している夫婦からは平均2人程度の子供はできており、決して少子化ではないというもの。一般に言う出生率の計算方法を読み解くとその原因は晩婚にあり、というものであります。私も知らなかったのですが、いわゆる出生率には二つあるそうです。一つは完結出生児数でもう一つが巷でよく聞く合計特殊出生率。前者の完結出生児数とは結婚後、15-19年経った夫婦の平均の子供数を表し、後者の合計特殊出生率は子供の出生数/(15-49歳の既婚+未婚女性数)で算出します。まず「完結」の歴史的推移ですが、1940年、つまり戦中の時は4.27人、団塊の世代の少し後の52年が3.50人、2002年が2.23人、最新の2015年で1.94人となっています。人口維持できるための出生率が2.07人ですので確かに最近はそれを下回ってはいるものの極端に悪いという程ではありません(数字は国立社会保障人口問題研究所より)。

 では夫婦関係が短い場合はどうなのか、ですが、2015年の例でみると結婚期間が0-4年の出生率が0.80人、5-9年の出生率が1.59人、10-14年が1.83人、15-19年で1.94人となっています。ここから読み取れるのは夫婦関係が長いほど子供が多いということであります。ではその夫婦関係はどうなっているかといえば1970年は離婚数は96000件、2016年が217000件ですから夫婦円満を維持できれば子供も増えやすくなる、という推論は立てられそうです。もう一つの問題は晩婚化であります。2016年の平均初婚年齢統計では男性が31.1歳、女性が29.4才であります。この50年でざっくり5歳ほど上がっています。これは子供の数が増えにくくなる原因になるでしょう。ここで、合計特殊出生率の話に戻ります。上述のようにこの計算式は15-49歳のすべての女性が生む子供の数であって未婚女性や晩婚が増えれば当然できる子供は激減するのは小学生でもわかる話です。

 ではなぜ結婚しないのか、ですが、私の周りにいるバンクーバーの十数名の独身女性を見ている限り、基本的に興味がないか、探してもよい人に巡り合わないのどちらかのようです。興味なさそうだと感じるのは私が経営する東京の女性専用シェアハウスを見ていても人の入退去の動きが1年に一人か二人程度とライフチェンジをする気配が全くない点からもうかがえます。私としてはずっと住んでくださっていてありがたいのですが、適齢期をどうするのか、とふと心配になってしまうのです。特に女性が年齢を重ねると男性にハイスペックを求めるケースもあり、年齢差が大きい「歳の差婚」が増える原因となります。一方で冒頭の日経ビジネスの記事には男性は35歳を超えると「妊娠させる力が衰えるグループ」と平常に分かれると記されています。つまり、不妊原因が晩婚と「歳の差婚」の影響を受ける男性に起因することも大いにあり得るということであります。

 こう見ると子供を作らない理由はかつて様々上がりましたが、結婚するというモチベーションを上げること、婚姻期間が長くなる夫婦円満を維持することが最重要なポイントのように感じます。ではこれは解決可能か、といえば個人的には極めて難しい課題であると思います。変な話ですが、一般的には貧乏で楽しいことが少ない時代やそのような情勢の国の方が子供の数は増えます。今の日本はなんだかんだ言っても富んでおり、楽しいことだらけ、一人生活も全く問題なし、女性の社会進出支援で収入も確保しやすいとなれば低スペックの男は見向きもされない、ということかもしれません。となれば、草食男子はもっと肉食になれ、ということなのでしょうか?どうもこの展開からすると、少子化の原因は男性にあり、という帰着になってしまうのでしょうか?男性諸君、頑張らねばなりませんね。

自民党青年局長として蔡英文総統と会談  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-09-21 18:13  
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 8月下旬に2回にわたって台湾に出張し、蔡英文総統、頼清徳行政院長(首相)、蘇嘉全立法院長(国会議長)、邱義仁台湾日本関係協会会長、林佳龍台中市長をはじめとした要人との会談を行い、また安全保障関係のシンポジウムにパネリストとして出席したほか、金門砲戦60年の金門島及び、2月に大きな地震があった花蓮を訪れました。昨年の第19回共産党全国代表者会議以降、習近平主席の下で中国が様々な意味で攻勢を強める中、台湾の首脳と意見交換できたことは非常に有意義だったと思います。特に私が現在その職責にある自民党青年局長は、台湾との国交が無い現状において、自民党を対台湾関係で代表する立場とされており、台湾側においてもその認識の下で様々な意見交換をさせていただくことができました。また、今回は特に頼清徳行政院長とは、私が青年局長として安倍総理と台湾関係の話をさせていただいた機会をはさんで、二週連続で長時間率直な意見交換をすることができたこともあり、大変意味のある出張となりました。

 会談の中の詳細なやり取りに触れることはできませんが、今回は例年と異なり台湾としても、あるいは日台間にいくつかの懸案もある中での訪問となりました。8月20日から自民党青年局の代表団80人を率いて訪台し、蔡総統をはじめとした要人と会談するまさにその日の朝に、エルサルバドルが台湾との国交を断絶したことを受け、他の様々な中国の圧力も含め、私からは「自由で民主主義的な台湾が日本の隣に存在することは日本にとって極めて大事な財産であり、その国際政治における生存空間をなくすような試みは断じて許容することができない」旨の表明を行ったところです。また、台南の国民党の敷地に馬英九前総統が出席し慰安婦像が事実上国民党が主導する形で建てられるということがあり、東北をはじめとした被災県の農産品の輸入規制が未だに解けていないという問題も依然としてあります。自民党を代表しての訪問ということで、これらの点については、国民党が地方選挙を控え意図的に政治問題化している状況は理解するものの、日台関係の重要性を考えればそれを危うくしかねない問題であり、台湾政府としてきちんと対応してほしい旨、強く申し上げたところです。

 8月22日から23日にかけて訪問した金門島においては、対岸の中国大陸まで二キロほどという最前線なわけですが、中国側が様々な埋め立て作業をしている状況も散見され、再び緊張が高まりつつある状況を感じました。軍関係者や現地の政治関係者とも意見交換しましたが、何といっても台湾海峡の安全な航行は日本にとって経済的にも安全保障的にも極めて重要で、金門島はその象徴的な存在ですので、中国の武力侵攻等の不測の事態に日米台の連携を深めて備える必要性を改めて確認したところです。

 東アジアの国際政治情勢に関しては、通商をめぐる米中の緊張感の高まりや朝鮮半島情勢、そしてこの台湾海峡情勢など、新たな局面が生まれつつありますので、我が国としても東アジアの安定に寄与できるよう、緊張感をもってあたっていかねばなりません。引き続き我が国の安全保障のために全力で努力してまいります。

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投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-09-21 12:24 [修正][削除]
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 加えて、ディープ・ラーニングは、従来のデジタル式のコンピュータ技術の延長線上にありますが、人の脳機能は、時空を離れて同時解析が可能な量子コンピュータの仕組みに近いのではないか、とする説があります。様々な要因や情報を一瞬のうちに統合して判断する能力は、量子コンピュータに期待されている能力ですが、人も、五感を同時に働かせて判断することがありますし、直感や第六感なるものもあります。

 記憶量や解析速度等においてAIは人の能力を遥かに凌駕し、多数の選択肢の中から最適解を絞り込む能力にも優れ、自律的に判断もしますが、可能性が未来に向けて開かれている場合、複雑な要因を同時的に考慮し、過去に存在しない創造的な解を見出してゆく能力は、量子コンピュータ的な頭脳を有する人の方が優っているかもしれないのです。

 今日では、AIと量子コンピュータとの融合を図る研究も進められており、近い将来、AIの中心的な研究領域は、後者に移る可能性もあります。しかながら、それでも、この研究の前には、人の意思の解明という生命科学上の難題が立ち塞がっております。このことは、人類が優先して進めるべきは自ら自身に対する研究であり、いささかオカルト的な響きに拒絶反応が起こりがちですが、科学が人の心や魂の問題にも真摯に取り組むべきことをも示唆しています。今日の量子論の発展は、生命現象の不思議ともリンケージしており、物理学と生物学とのその極限における接触と融合は、今日的な課題でもあるのです。

 以上のように考えますと、現段階でAIを人に替る万能の知的存在として位置付けるのは些か時期尚早のように思えます。むしろ、全面的な人との代替を目標とするのではなく、AIが人より優れている部分を切り分けて、限定的な活用を試みるべきではないでしょうか。そして、むしろ、AIが自我を持たないとする特徴は、全ての人に対する公平な立場、あるいは、‘無私の心’を表すかもしれません。人とは、他者の意思に支配されることを本質的に嫌いますので、AIの、この‘自分がない’という特質をプラス方面に利用すれば、あるいは、一部の貪欲な人々の私利私欲に振り回されてきた人類にとりまして、僅かなりとも救いとなるかもしれないと思うのです。(おわり)

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