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2025-06-29 15:55
(連載2)イスラエルとイランとの間の停戦が一応の合意
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
トランプ政権は、イスラエルを支援していることを形で見せるために、イスラエルの顔を立てるために、イラン国内の核開発関連施設3カ所を攻撃し、破壊した。しかし、イラン側は事前に重要な機材や資源を他の場所に移動させていた。これは、アメリカ側が事前に通告していたということが考えられる。イラン側も、アメリカに事前通告をして、カタールにあるアメリカ軍基地を正確に「報復」攻撃した。これで、お互いの面子を立てた形になる。お互いにエスカレートさせたくないということでは、アメリカもイランも一致している。そして、お互いに大国らしい態度を取っている。
この状況で一番の不確定要素であり、世界にとっての深刻な脅威となっているのはイスラエルだ。イスラエルが停戦合意を守るかどうかという疑念が広がっている。これは、イスラエルに対する国際社会からの信頼がほぼ喪失していることを示している。そして、イスラエルを統制できないとなれば、アメリカの意向も大いに傷つく。また、中東における最重要プレイヤーとしての存在感も失う。
イランの後ろには、ロシア、インド、中国がいる。イスラエルが火遊びをすることは、世界にとっての深刻な脅威となる。中国をはじめとする「西側以外の国々(the Rest、ザ・レスト)」はイスラエルを許さないだろう。今回の構図は、ウクライナ戦争と同じ構図となるが、イスラエルの無軌道な攻撃に対しての批判派より大きな説得力と正当性を持つ。そして、イスラエルを支持する西側諸国は、世界から孤立していく。
日本の石破茂首相は、イスラエルのイラン攻撃を擁護せず、アメリカのイラン攻撃に対して、即座の支持を表明しなかった(アホで間抜けの小泉純一郎がホイホイとイラク戦争を即座に支持したのとは大違いだ)。このような重厚な姿勢を取れる人物がこの時期に日本の首相であることは慶賀すべきことだ。これから注目されるのは、ベンヤミン・ネタニヤフがどれほどドナルド・トランプを舐めて、不羈奔放な行動をして、どこまでトランプが我慢するかというところだ。(おわり)
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(連載1)イスラエルとイランとの間の停戦が一応の合意
古村 治彦 2025-06-28 15:47
(連載2)イスラエルとイランとの間の停戦が一応の合意
古村 治彦 2025-06-29 15:55
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