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(連載2)波紋を呼んだFBI長官の解任 ← (連載1)波紋を呼んだFBI長官の解任  ツリー表示
投稿者:川上 高司 (東京都・男性・拓殖大学教授・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-19 10:41 [修正][削除]
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3079/3079
 この解任は政府の干渉である、売られた喧嘩は買ってやるとばかりに同日開かれた公聴会でマックケイブFBI長官代行は「コーミー氏のFBI当局内の職員の支持は厚かった。誰もが、もちろん私も彼へは絶大な信頼と尊敬を寄せていた」と真っ向からトランプ大統領に反論した。そしてロシア疑惑の調査は継続しその報告はホワイトハウスには今後上げることはしない、とまさに喧嘩を買って出たのである。

 コーミーは2013年オバマ大統領によって指名されFBI長官に就任した。本来なら長官の任期は10年である。もちろん大統領に解任の権限があるので今回の解任は違法ではない。だがFBIは独立した捜査機関であり、その長官が任期途中で解任されるのは権力による司法への干渉ととらえられかねない。歴代大統領は慎重だったが、やはりトランプ大統領は型破りで前例にとらわれないようだ。

 ではトランプ大統領がコーミーを解任したのはなぜか。選挙期間中クリントンのメール問題でFBIが新たな証拠を発見し、そのためクリントンは国民からの信頼を失ってトランプ有利に傾いたと言われている。そうであればトランプ大統領はFBIに借りがあることになる。だが、トランプはその後FBIがクリントンを訴追しなかったことを根に持っていたらしい。周囲には自分が当選したらコーミーを必ずクビにすると言っていたようだ。

 それよりもコーミーを就任させたのがオバマであったことが最も大きな動機ではないのか。トランプは自分で人事を決めたがる。とりわけオバマの人事など許しがたい。国家安全保障担当補佐官のフリン解任の後、候補者が次々と辞退してなかなか後任が決まらなかった。その理由のひとつが「自分の部下を自分で選べない」ということだった。自分が気に入った人材しか登用しないのであれば、周囲はお気に入りか身内で固まっていく。アメリカはまるで独裁国家のようになっていくのだろうか。そのような政権がどうなるかは歴史が教えてくれる。(おわり)

朝日と民共の「加計疑惑」は空鉄砲に終わる   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-19 06:12 [修正][削除]
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3078/3079
 朝日新聞が勝手に作った「加計疑惑」は、読んでいる方が恥ずかしくなるような根拠レスなセンセーショナリズムに満ちあふれている。政府内部の政策調整で「総理の意向」と使われた言葉を、まるで「首相の犯罪」と言わんばかりにおどろおどろしく紙面構成している。長期政権でその力をまざまざと感じている官僚たちは、勝手に水戸黄門の印籠よろしく「総理の意向」を振りかざして、他省庁をひざまづかせる傾向がある。しょっちゅうやっている事なのだ。もちろん違法性などはゼロである。おまけに官房長官・菅義偉が「怪文書」呼ばわりしているように、悪名高き「天下り文科省」の備忘録のような脈絡のない文書だ。蓮舫は鬼の首でも取ったかのように「究極の忖度(そんたく)があったと聞いている。内閣総辞職に値する」と息巻いているが、偽メール事件で民主党執行部が総退陣に追い込まれたことを忘れたかと言いたい。文書は偽ではないとみられるが、その虚偽性には共通項がある。根も葉もない“疑惑”追及は、必ずブーメラン返しにあう。おそらく追及は空鉄砲に終わるだろう。

 それにこの加計学園問題は既に3月に国会で取り上げられ、首相安倍晋三は「もし私が働き掛けて決めたならば責任を取る」と究極の否定をしている。福島瑞穂に「安倍政権のイメージを落とそう、安倍晋三をおとしめようと質問するのは、やめた方がいい」と、色をなして反論した。この発言でけりが付いているにもかかわらず、朝日はぶり返した。その内容は、加計学園が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画について、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと内閣府から文科省が言われたというもの。民共はこの記事に飛びつき、例によって「朝日+民共」による追及の構図が出来上がった。昔社会党が強かったころは、独自の調査によって自民党政権の虚を突いたが、今は朝日の記事を見て追及するというだらしのなさだ。

 記録文書はおそらく本物の備忘録であろう。文科省の幹部間で共有されていたたものだが、リークの背景を推定すれば、天下り問題でマスコミから完膚なきまでに叩かれ、組織がガタガタになった文科省の実態がある。それに加えて、内閣府から加計学園問題で主導権を奪われ、獣医学部の今治市誘致が実現することになった。おそらく人事で左遷されそうな幹部が、安倍を逆恨みして、破れかぶれのリークをしたのではないかとさえ思われる。朝日の追及の根底には、安倍が加計学園理事長加計孝太郎とロサンゼルス留学中から40年来の付き合いであることから、「怪しい」という邪推があるように思える。しかし、首相たるものは、人脈の形勢によって成り立っている側面があり、その幅が広いほど安定政権となる傾向がある。新聞の首相動静を見るがよい。まさに人脈のるつぼの中心に首相がいることが分かる。しかし、その人脈といちいち怪しげな関係を持っていたら、首相職はとても持たない。すぐに潰れる。朝日の“読み”は甘いのだ。

 加えて、朝日の示唆しようとしている核心は、国家戦略特区の推進がらみで安倍が家計学園の頼みを聞いて、今治市に設置するように動いたという疑惑であろう。しかし、国家戦略特区はアベノミクスの柱であり、安倍が特区を推進したのは、加計との癒着があるからではあるまい。全く逆だ。推進した特区の中に今治と加計が存在したのだ。おりからアベノミクスは社共の反対と、マスコミの懐疑論にもかかわらず、GDPの年率2.2%増の長期間成長を達成した。2006年以来の快挙だ。有効求人倍率は東京で2倍であり、銀座を歩けば世の中は「平成元禄」の様相だ。まさにアベノミクスの推進という大局観がそこにあり、加計の新学部などは、安倍の眼中にはない。安倍が全国に散らばる戦略特区推進にハッパを掛けたからといて、民共は「ハッパ罪」で追及出来るのだろうか。例えば、民主党最高顧問江田五月と加計孝太郎の写真がネットに出回っているが、蓮舫はそれだけで江田を追及するのだろうか。官房長官・菅義偉は5月18日「国家戦略特区は、何年も手がつけられなかった規制の岩盤にドリルで風穴を開ける制度だ。獣医学部の新設も、長年実現できなかった。まさに岩盤規制だ」と述べた。1975年から15回申請しても文科省が却下していた学部新設が実現できたのは、特区推進のたまものであり、さらさら左翼から疑惑の焦点とされる類いのものではない。繰り返すが、家計問題の構図は金銭の授受など贈収賄めいた事実は全くなく、そこに存在するのは、文科省の逆恨みだけということだ。矜持(きょうじ)あるマスコミなら、狂ったように紙面トップで報道する類いのものではない。

(連載1)波紋を呼んだFBI長官の解任  ツリー表示
投稿者:川上 高司 (東京都・男性・拓殖大学教授・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-18 11:08  
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3077/3079
 前オバマ大統領が最大の功績と誇るオバマケアの廃止を公約に掲げたトランプ大統領だったが、オバマケアの廃止には至らなかった。またTPPへの不参加を表明するなどひたすらオバマ色を否定することでトランプ色をアピールした100日間だった。

 そしてまたトランプ色を演出するかのように、突然コーミーFBI長官を解任した。そのあまりにも唐突な解任だったため、なにかトランプ大統領に後ろめたいことがあるのではないか、第2のウオーターゲート事件か、とメディアを騒がせたのは言うまでもない。当初の政府の発表では、コーミー長官の解任はローゼンスタイン司法副長官の進言によるとのことだった。タイムラインを追ってみよう。

 3月20日、コーミーは議会の公聴会でFBIは昨年の大統領選挙へのロシアへの関与を調査していると証言した。5月8日、トランプ大統領はセッションズ司法長官とローゼンスタイン副長官と会合を持ったが、この席でローゼンスタイン副長官はコーミーの解任を進言したとされる。その後のセッションズ長官と報道官は副長官の進言を受けて解任と発表した。選挙期間中セッションズ長官は実はロシア大使とこっそり会っており、その追及をかわす必要があったことから、コーミーの解任は司法長官と副長官が主導したのだろうと報道された。

 ところが11日、トランプ大統領はコーミーの解任は進言以前から決めていたことであり自分の判断だとコメントしたのである。この発表でセッションズ長官はすっかりメンツを失ってしまった。トランプ大統領によるとコーミーは目立ちたがり屋でスタンドプレーばかりする、そのためFBIは大混乱に陥っている、その責任を取らせたというのである。(つづく)

(連載2)気候変動とBrexitにおける日本の立場 ← (連載1)気候変動とBrexitにおける日本の立場  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-16 18:15 [修正][削除]
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3076/3079
 またその後訪れたロンドンにおいては、フランス大統領選を控え、またイギリスの議会解散総選挙というタイミングでもあり、Brexitやユーロ圏の今後について、また日本経済の現状についての投資家の見方に関し現地の機関投資家を中心に意見交換しました。

 日本に対しては、当然のことながら2013年当時のようなブームではないものの、基本的には経済の状況に関しては今後の見通しも含め堅調な見方が多く、日本に対して好意的な声が多く聞かれました。また総じて日銀の金融政策姿勢や経済政策のあり方といった視点から、個別銘柄に関心が移っている模様で、コーポレートガバナンス改革の成果で企業の収益性も上向いている企業がでてきていることへの好意的な反応が散見されました。

 もちろん、そうはいっても長期な人口減少トレンドの中で、更なる企業の成長路線への転換が求められるのは事実で、労働市場改革や、ミクロの経済政策に関しスタートアップ支援への重点化をはじめそのラインでの政策の速やかな実行への強い期待が各処で示されたところです。どのように日本をよりオープンな経済にしていくことが出来るか、海外の成長をどう取り込んでいくことができるか、そのためにも、企業の収益性を上げるための構造改革を各企業や経営者に促せるような政策枠組みが不可欠ですので、きちんと進めていきたいと思います。

 さらに、今の外国投資家の日本経済への比較的好意的な見方をきちんと活かして、投資を呼び込み、さらにはそれを民間企業主導の経済成長につなげることが出来るかは、今後の政治の方向性にも大きく関わってきますので、しっかりと政策的な発信を行っていきたいと思います。また、フランスの大統領選挙後のフランスの国内政治見通し、欧州経済全体のリスクやイギリスの選挙を受けたBrexitの今後の推移、米系企業の反応などに関しても興味深い意見交換を行うことができましたので、しっかりと今後の政策運営に活かしていけるよう努力してまいります。(おわり)

(連載1)気候変動とBrexitにおける日本の立場  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-15 21:02  
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3075/3079
 先般、気候変動の現場であるグリーンランドとBrexitはじめ国際政治の変動の現場であるロンドンに出張し、関係者と様々な意見交換を行いました。グリーンランドは実はEU(1985年なのでEC(当時))から離脱したはじめてのケースで、かつ最近ではデンマークからの独立が政治トピックということで、日本・デンマーク・グリーンランド・フェロー諸島友好議員連盟のメンバーとして意見交換を行ったところです。

 また、グリーンランドは北極海航路の当事者でもあることから、地政学的にも日本にとって重要な地域でもあり、北極海航路の自由航行や非軍事利用などの観点を我が国の主張として私からも強調しました。

 気候変動に関しては、視察を行ったイルリサットのアイスフィヨルドの大元の氷河氷床が、特にこの15年で大幅に後退していることが明らかになっています。また今回は行くことが出来ませんでしたが、内陸部の氷河の融解もかなり進んでいるということで、まさに進行する温暖化の現場です。

 実はそういった背景もあって多くの世界のリーダーたちが訪れている場所でもあります。「気候変動は加速する」ということは私自身あちこちで申し上げていることですが、手遅れになる前に対策を真剣に講じることが、リスクや被害・コストを最小化する唯一の手段です。今後、与党の議員の一人として気候変動の問題は経済のみならず、様々な問題の大前提の長期リスクとして、中心的な課題としての取り組みを進めていかねばなりません。(つづく)

「『最近の歴史認識問題について』を読んで」への回答 ← 「最近の歴史認識問題について」を読んで  ツリー表示
投稿者:中山 太郎 (東京都・男性・非営利団体非常勤職員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-12 13:25 [修正][削除]
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3074/3079
 5月11日付の本欄への橋本宏氏の「『最近の歴史認識問題について』を読んで」にて言及されていた橋本大使からのご質問について、小生の考えるところをまとめてみました。橋本様の取り組んでおられる沖縄の問題は深刻なようですね。ひとつには、沖縄社会が一周遅れの左翼陣営大張り切りの時代、かつての「安保反対」「岸を倒せ」と知識人の上も下も叫んでいた時代に似ています。

 ここでは、私の専門の中国に絞り話を進めます。日中の歴史問題は、学術研究の分野、ナショナリステック国民世論の分野、そして政治外交の分野に大きく分けることが出来ると思います。これらの要素が複雑に絡み合っているのです。この3分野の中で比較的冷静に対話できそうな学術研究分野を見ても、日本側は文献の忠実な検証、問題発生の事実、その展開のきめ細かい追及、一方中国側は、問題の本質を重視し、時には、被害事実の背後にある深い悲しみを考慮せよとの神がかり的な発言が学者からも出てくる塩梅なのです。

 知人の中国人に指摘されたことですが、日本で評判の私も愛読した司馬遼太郎の歴史小説「坂の上の雲」について、明治の輝かしい日本人の活躍はともかく、この「日露戦争」の主戦場は中国で、土地も人もどれだけ多くの災禍を経験したか考えてくれと言われたことがあります。私自身の鈍感さを反省した覚えがあります。思うに歴史認識問題解消には長い時間、50年、100年とかかるものと覚悟しなくてはなりません。いかなる大学者や大政治家が登場して一時期の解決を図ってもそれが持続するとは限りません。

 橋本さんの文章にもある「お互いの認識や理解が異なる背景を分かろうとする意欲やエネルギーを示す姿勢」が大事です。すなわち、agree to disagree、双方の差異を冷静に見極めてゆく根気強い作業が必要です。わが日本人は、「すっきり」が好きです。しかし、現実世界は複雑な諸要素の絡み合いです。それに耐え、重荷を背負って生きて行くしかないのではと思います。

「最近の歴史認識問題について」を読んで ← 最近の歴史認識問題について  ツリー表示
投稿者:橋本 宏 (東京都・男性・外務省OB・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-11 21:27  
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3073/3079
 4月26日付の本欄への中山太郎氏の「最近の歴史認識問題について」を興味深く読みました。今年の2月、数人の仲間とともに非営利的、中立的かつ時限的な私的ボランテイア組織「沖縄歴史認識懇話会」を立ち上げ、米軍基地負担軽減問題を念頭に置いた沖縄の歴史認識問題について問題提起を行ってきている(http://okireki.com参照)こともあり、同氏の投稿に対してコメントさせていただきます。

 日本と関係諸国との間の歴史認識問題やケベック州やスコットランドといった特定国の国内独立運動問題に対しては、我々日本人として所謂「コインの裏表」をよく踏まえた慎重な対応ぶりを示していくべきでしょう。他方、日本国内の歴史認識問題となると、国民の対応ぶりはどうなっているのでしょうか?

 沖縄の歴史問題について見れば、「無関心」或いは「一方通行的な意見表明」が一般的に国内で見られるところです。中山氏の投稿には「ひたすら無視する」という或る英国人の反応が紹介されていますが、日本の場合は、何の方向性も示さない「無関心」な人たちの多いことが特徴ではないでしょうか。一方沖縄の県内外に表れる諸見解は余りにも対立的でとげとげしく、関係者間でお互いの認識や理解が異なる背景を分ろうとする意欲やエネルギーを示す姿勢はあまり見られません。

 米軍基地の「物理的な」負担軽減問題は、政府と沖縄県が直接取り組むべき重要な政治的課題です。一方、我々懇話会のメンバーは、沖縄県民の「魂の飢餓感」を強調する翁長雄志沖縄県知事に代表される立場と米軍基地負担軽減措置を「粛々と進める」と菅義偉官房長官の言明する政府の立場の背景には、深い歴史認識上の差異があり、こうした「心理的な」負担軽減問題は、広く有識者の間で取り組む必要があると考えています。中山氏や百家争鳴の読者の方々は、沖縄の歴史認識問題についてどのようにお考えでしょうか?

(連載2)日本が存在感をみせて北朝鮮危機の収束を ← (連載1)日本が存在感をみせて北朝鮮危機の収束を  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-09 10:53 [修正][削除]
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3072/3079
 ロシアもアメリカとの決定的な対立はできるだけ避けたい。中国も同様だし、アメリカにとっても朝鮮問題に深入りすることはリスクが大きく、できれば避けたいところだ。日本や韓国は有事には直接的な被害を受ける可能性があり、平和裏に問題が収束することは重要だ。アメリカ、北朝鮮、中国、ロシアという軍事国が絡む問題だけに、緊張が高まれば、予期しないことも起きる可能性がある。

 プーチン大統領は北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議の再開を提案している。参加する「6カ国」は、アメリカ、北朝鮮、韓国、中国、ロシア、日本の6か国だ。ただこの6カ国協議が過去に成果をあげたとは思えない。成果がないからストップしたものと言える。時間稼ぎにしかならないだろう。この時間稼ぎの間に、北朝鮮の政治社会構造の改革を進めるしかない。このためには、ロシアと中国の本気度とアメリカ、韓国、日本との連携が重要になる。

 これまで、6カ国協議では日本の存在感は小さかった。しかし、今、安倍首相はプーチン大統領とトランプ大統領の溝を埋める役割を担い、重要な立場にある。ずっと課題であった中国と日本との距離を縮めることにもなるかもしれない。安倍・習近平首脳会談はこれまでは短時間のものしかできていないが、北京でじっくりと語り合う機会も生まれる可能性がある。韓国は新大統領がもうすぐ決まる。誰が選ばれるかにもよるが、対話のできる関係を再構築できるなら、新たな展開ができる。安倍外交は東アジアの安定において鍵となりそうだ。

 確かに現在の朝鮮半島の状況はリスクが高く、危険である。しかしこの機会を周辺諸国の対話と協力の体制を築き、安定と秩序のチャンスに変えることができないか。現在、東アジアは6カ国がばらばらでほとんどが敵対するという異常な閉塞状況にある。北朝鮮だけが問題ではない。新たな東アジアの安定と繁栄の時代のキッカケとなってほしいと願う。(おわり)

韓国「金正恩バブル」の摩訶不思議   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-09 10:51 [修正][削除]
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3071/3079
 嵐は来ないと見込んだうえでの狂宴なのか。嵐とは朝鮮半島有事のことで、北朝鮮の朝鮮人民軍創建85年の記念日の4月25日は当面の「Xデー」とみられていたが、核実験もミサイル発射もなく、日韓の株価が跳ね上がった。同日に限らず、メディアが連日、緊迫したニュースを流しているのにマーケットに重苦しさはみられない。日本がそうなるのは「平和ぼけ」の表れといえなくもなさそうだが、首都ソウルが北緯38度線からわずか40キロメートルしか離れていない韓国の方では、日本以上に株価が上昇し続けているのには、正直驚かされる。

 韓国の場合、朴槿恵前大統領が罷免、訴追という異様な政治状況が続く。5月9日の大統領選挙では北朝鮮寄りの発言を繰り返す左派系最大野党「共に民主党」の文在寅氏が最有力候補になっている。「親北」だからといって、金正恩朝鮮労働党委員長が核やミサイルを韓国にぶっ放さない、攻め込まないという保証は全くない。不可解だ。韓国経済界を代表するサムスングループの事実上のトップ、李在鎔サムスン電子副会長や幹部4人が贈賄、着服などの容疑で起訴されている。やはり財閥大手のロッテグループは中国市場から締め出しを食らっている。米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に反対する中国が、その用地を提供したロッテを狙い撃ちにした。韓国向け旅行ツアーの停止など、北京からの韓国に対する「経済制裁」はロッテにとどまりそうにない。

 今年初め以来の韓国総合株価指数と通貨ウォン相場の日ごとの推移を追ってみる。1月6日に北の4回目の核実験、2月7日には核弾頭搭載用長距離弾道ミサイルの発射実験と挑発が続いたが、株価は下がらない。代わりに目立ったのはウォン安だ。ウォン安とともに株価が上昇気流に乗ったのは3月初めで、3月6日に北京がロッテの23店舗の閉鎖を命じても、総合株価下落は一瞬だけだった。以来、株価が下がるときはウォン相場が上がったときだけである。国内総生産(GDP)に対する輸出比率が約42%(日本約16%)にも上る韓国は通貨安が企業収益や経済全体を押し上げる度合いが極めて高い。従って株価が上がるのも無理はないように見えるが、ちょっと待てよ。

 トランプ政権の剣幕に押されて習近平政権が北朝鮮から譲歩を引き出し、緊張緩和に進む情勢に転じた場合どうなるか。有事不安の中で行き過ぎたウォン安は是正されてウォン高に転じる。すると韓国の景気や株価にはマイナスだ。皮肉な見方をすれば、韓国経済にとっては、中国が米国の圧力を適当に受け流す結果、北のならず者が居座り、緊張が長引くほうが好ましいということになりやしないか。でもその場合の株価は「金正恩バブル」、ちょっと気味悪い。

(連載1)日本が存在感をみせて北朝鮮危機の収束を  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-08 18:13  
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3070/3079
  安倍晋三首相は4月27日、ロシアのプーチン大統領とモスクワのクレムリンで会談した。プーチン大統領はウクライナ問題でEUと対立し、最近はシリア問題で米国とも対立している。トランプ大統領とは連携を組むようにみえたが、最近はアメリカのシリア空爆もあり、関係が悪化している。米露関係が冷え込む中で、朝鮮半島に緊張が走っている。

 先進国の中でプーチン大統領とまともに話せるのは安倍首相だけというくらいの重要なポジショニングを得ている。プーチン大統領の強引な手法に対して、ヨーロッパの首脳も距離を保ちながら付き合う状態である。そのプーチン大統領と長時間、「テタテ」、つまりサシの会談ができる関係というのは意味がある。ちなみに、トランプ大統領もそのアメリカ第一主義の政策などから距離をおく首脳も多い。その中で、安倍首相は27ホールのゴルフを交えての特別待遇の首脳会談を行なえる関係を作っている。トランプ大統領とプーチン大統領と長時間、会談できる首脳は現在のところ安倍首相だけという状態だ。米露関係が冷える中で、安倍首相の存在感が注目されている。

 トランプ大統領は習近平国家主席とは首脳会談をして、コミュニケーションラインは確立している。問題はプーチン大統領との関係だ。今回のプーチン大統領と安倍首相の首脳会談に対して、アメリカ側は懸念よりも期待の声を出しているといわれる。北方領土問題は長期戦の様相だ。2島返還という妥協案さえ簡単ではない。米露関係が悪化する中では軍事的視点からもロシアにとっての価値は高まっており、辛抱しながらの交渉しかない。ウラジーミル・シンゾウと呼び合う仲といっても、安倍首相は完全にアメリカ寄りであることは明白だ。オホーツク海の防衛において、米露対立の状況下では、ロシアが北方領土を手放すことはありえない。

 今回の会合で注目されるのは、北朝鮮問題におけるロシアの態度だ。北朝鮮問題において、習近平国家主席と金正恩最高指導者の関係が冷たくなるにつれ、プーチン大統領の役割が注目されてきた。現在、北朝鮮問題で鍵を握るのはロシアだ。北朝鮮と中国の関係が重要視されてきたが、ロシアとの関係はますます重要となっている。米露関係が冷え込む中では、ロシアは北朝鮮に親米傀儡政権が生まれることはなんとしても防ぎたい。すでにロシアは北朝鮮国境に軍隊を集合させているといわれる。読売新聞(4月27日付)は「北朝鮮の核・ミサイル開発を巡って緊張が高まる中、ロシアの一部メディアはロシア軍が北朝鮮との国境付近に部隊を展開し警戒を強めていると報じた」と書いている。アメリカに対して、武力行使をさせないという強いメッセージだ。(つづく)

「為替操作国」見送りにせせら笑う中国   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-28 12:40 [修正][削除]
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3069/3079
 トランプ米大統領はこのほど、大統領選挙期間中にさんざん繰り返して公約した中国の「為替操作国」認定と制裁関税適用を見送った。本人は例によってツイッターで2800万人のフォロワーに対し、「北朝鮮問題でわれわれと協力している中国を為替操作国とどうして呼べようか」と弁明した。トランプ氏の変節ぶりにあきれた向きも多いが、中国の習近平国家主席による北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長への圧力に期待したわけだ。

 実のところ、中国共産党・人民解放軍のトップが朝鮮戦争で共に血を流した盟友を見限り、おいそれと米国の言いなりになるはずはなく、圧力をかけるポーズだけで済ませようとするだろう。とりあえずは北からの石炭輸入は停止したものの、石油輸出は続けているし、中国の銀行は依然として北向けの外貨送金に協力している。都内で会った某解放軍関係者は、トランプ・習両首脳間のやりとりを引き合いに出しながら、「これで米中関係は今後50年間、大丈夫」とうそぶいていた。これだと試練にさらされているのは、習氏の対応ではなく、「習氏が協力しなければ、為替や通商で強硬策をとるぞ」という「トランプ・カード」の効力ということになる。

 気になるのは、国際金融界の見方だ。英フィナンシャル・タイムズ紙や米ウォールストリート・ジャーナル紙は以前から、米国による対中報復関税の適用は米中貿易戦争を招き、世界経済を混乱させると警告してきた。トランプ氏の人民元安誘導批判については、中国当局が外貨準備を取り崩して人民元の押し上げに努力しているので当たらないと擁護してきた。「トランプ・カード」は米英のメディアから冷たくあしらわれており、トランプ氏は習氏とのゲームでは背後から押さえつけられているのも同然なのだ。トランプ政権の中でも、対中強硬論を説いてきたスティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問は国家安全保障会議のメンバーから外された。著書「米中もし戦わば」で知られるピーター・ナバロ国家通商会議委員長のホワイトハウスでの影は薄くなっている。

 その代わりに、チャイナマネーを重視するゴールドマン・サックス出身のスティーブン・ムニューシン財務長官やゲーリー・コーン国家経済会議委員長の発言力が強くなっている。中国の為替操作国指定回避は政権内の実利重視派優勢の表れでもある。トランプ政権は強大化する中国のマネーパワーと組まざるを得なくなっているのだ。東京・銀座に出かけてみると、中国人旅行者でごった返すショップばかりが目立つ。一部の店では中国から持ち込んだスマホをかざせばただちに代金決済できる。いわば人民元使い放題だ。当局の手でドルに連動する人民元は日本など海外で購買力を発揮し、大歓迎を受ける。それは他ならぬ「為替操作」の産物という皮肉な現実だ。

最近の歴史認識問題について  ツリー表示
投稿者:中山 太郎 (東京都・男性・非営利団体非常勤職員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-26 13:01  
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3068/3079
 最近の歴史認識問題につき思うところを述べる。カナダのトロント市議会は「南京大虐殺をリマインド」する決議文を採択、同オンタリオ州では、「南京虐殺記念日」制定の審議中など、その他豪州、米での「南京事件、慰安婦問題」への動きも目が離せない。日本ではすぐに目くじらを立て、外務省は何をぼやぼやしているのだ、火消しに走れと大騒ぎになる。過去に、識者といわれる人たちが金を出し、ニューヨークタイムズ紙の紙面で、真相(FACT)として、慰安婦問題は決して強制連行ではないとの説明文を載せた。米国の知人によると、企業などで、不祥事をもみ消すために、こうした誌面広告を出すことが多く、一般の米国人から見るとかえって奇異に感じられると述べていた。

 村山政権時代、日本でのAPEC開催に米のクリントン大統領は早々と欠席を表明、続いてカナダのクレティン首相が欠席表明、前者には言えないので、後者に不満を垂れたのか「変な奴」と、日本の首相がちらりと述べた。日本ではほとんど無視だったが、クレテインンの地元、ケベックでは、これが大々的に報道された。同首相の出身大学のラバール大学で教えていた日本の友人によると、その当時、ケベック州の独立の動きが急旋回中で、事前の世論調査では、どう転ぶか分からない状況で、首相の訪日どころではなかったのだ。

 経済力を増してきた中韓の最近の動きは気になるところではあるし、その金とエネルギーを自国の遅れた部分の手当てに注いだらと言いたくなる。事実、中韓とも、日本のような全国民への医療保険はじめ、年金制度などまだまだの状況だ。こうした国は、自国の国内事情などを逸らすために、対外的な敵を作りがちだ。彼らの「いわゆる歴史」は、事実を学問的に粛々と進めていくものと、宣伝戦のものとに分けられる。歴史観は国内政治と直結して揺れ動く。中韓との戦いの主戦場は米国だとの言い方もあり、冷戦以前と比べ、米は、あまり日本を庇わなくなったとの見方も一部日本にあるが、1951年のサンフランシスコ講和条約をひっくり返さない限り、米中枢の態度は変わらないと安心してよい。

 一方で中韓は、いずれも同条約に参加していない。中国は、当時国民党と共産党の内戦の真最中で、それどころではなく、勝者の分け前がなくフラストレーションが溜まっており、朝鮮半島の人たちは、太平洋戦争、日中戦争とも、日本人として戦ったという、韓国の今反日を叫ぶ人たちからすると「信じられない」という状態なのだ。海外での長年の現場の経験から述べると、中近東の騒乱で、韓国政府の官員に助けられたし、海外では、頼りになるのは中国人、韓国人だとの思いが強い。中国の第3の都市、広州には、抗日記念館ならぬ抗英記念館ある、アヘン戦争をテーマに、攻めてくる英兵を家畜の糞ダメに突き落として殺したなどと、説明文と絵柄が掲示されていたりする。知り合いの英国人に話したら、「ひたすら無視です」と述べていた。

(連載2)アメリカは北朝鮮にどのように攻撃するのか ← (連載1)アメリカは北朝鮮にどのように攻撃するのか  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-26 10:27 [修正][削除]
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3067/3079
 北朝鮮はこうした軍事大国と比較すると、まだまだ技術の発展途上国だ。移動式ミサイルシステムもあるにせよ、近距離ミサイルだけが可能だ。ソウルまでは届いても、日本までは届かないだろう。SLBMは実験していても、まだ実践的に配備の状況ではない。アメリカが本気で北朝鮮の全軍事基地を攻撃するなら、ほとんどのミサイルや爆撃機を破壊することができるだろう。これによって報復のリスクは最小限に抑えることができる。といっても、移動型近距離ミサイルは残る可能性はあるし、他にも隠されたミサイルがあるかもしれない。戦力が0になる保証はない。この場合にはソウルはかなり深刻な被害を想定しなければならないだろう。

 金正恩氏の殺害もどこまで確実にできるかわからない。影武者の噂も常にある。もっと言えば影武者が生き残っただけでも当分は報復ができる可能性はあるのだ。ソウルが火の海になれば、日本への大量の難民も現実的な問題になる。1~2万人という単位ではなく、百万単位になる可能性がある。そうした緊急時の対応が果たして日本はできるのかどうか。アメリカは中国が北朝鮮への武力行使で反米にならないように様々な手を打っている。ソウル時事(4月16日付)によると、「米ホワイトハウス当局者は16日、ペンス副大統領の同行記者団に対し、在韓米軍への最新鋭迎撃システム『高高度防衛ミサイル(THAAD)』配備について、『(韓国が)5月初めに大統領を選ぶまで流動的だ。次期大統領が判断すべきだ』と述べ、配備完了の先送りを示唆した」と伝えている。

 これはアメリカがTHAAD配備を諦めたということではなく、中国が北朝鮮をコントロールできるのか、という圧力をかけているにすぎない。つまり、北朝鮮が中国の要求によって核兵器開発やミサイル発射などによる挑発をやめるなら、THAAD配備を取りやめる、あるいは延期するという条件付きの妥協案だ。逆に言えば、北朝鮮が挑発を続けるなら、責任の少なくとも一部は中国にあり、アメリカは堂々とTHAAD配備をするという姿勢を示している。これまでの経過をみると、北朝鮮が中国の指示で核実験やミサイル発射をやめる可能性はほとんどない。アメリカは条件をつけての案を出したわけで、この場合には責任を中国に押し付けてTHAAD配備、さらには北朝鮮攻撃ができることになる。中国に配慮と見せかけて中国が文句を言えない状況に追いやっている。

 ここまでトランプ大統領はかなりの脅しを北朝鮮にかけてきた。北朝鮮がそれを無視して挑発を続けるなら、何もしないということはないだろう。斬首作戦と基地総破壊戦略の可能性は否定できない。その攻撃を免れた北朝鮮のミサイルがどれだけあるか。その数によっては東アジアは大混乱に陥りかねない。(おわり)

米の対中通商政策は日本に恩恵   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-25 18:01 [修正][削除]
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3066/3079
 米フロリダ州で開かれた米中首脳会談で、トランプ政権は実効ある市場開放に習近平政権を追い込んだ。仕掛けは米国の対中貿易赤字削減のための「100日計画」策定合意で、オバマ前政権までの政経分離路線と決別し、貿易と軍事・外交をリンケージさせる新次元の通商政策に踏み出す。18日から始まった日米経済対話への波及を警戒する向きもあったが、日本にとっても世界にとっても中国の重商主義封じ込めの恩恵は大きいはずだ。

 トランプ政権は習近平国家主席訪米に備え、貿易を軍事、外交と関連付け、相手国と厳しい交渉を行う戦略を練ってきた。3月末に打ち出した大統領令「著しい貿易赤字に関する包括的報告」もその表れで、大統領令の冒頭で「自由かつ公正な貿易は国家の繁栄、安全保障及び外交に不可欠だ」と強調している。その2日後にトランプ氏は、英フィナンシャル・タイムズ紙との会見で、中国が対米協力しない場合には北朝鮮に単独攻撃を辞さない構えを示した。4月6日の夕食会終了間際にシリアへのミサイル攻撃を習氏に告げた。米高官が認めるようにシリア攻撃は北朝鮮への警告だ。

 リンケージ路線からすれば、中国が対北朝鮮の押さえ込みに協力しない場合、貿易、為替面でもより一段と強硬な対抗策をとると思わせる。追い打ちをかけるのが100日計画で、習政権が7月上旬までに目覚ましい案を提示しなければ、米通商法を活用し、高関税など一方的な措置に踏み切ることを辞さない。100日計画について、「(米側は)日本にも同様の行動計画策定を求める」(4月9日付日経新聞朝刊)と警戒する向きもあるが、メディア界に根強い自虐思考の産物だ。各紙は大統領令についても、「赤字削減へ日中に圧力」(4月1日付日経新聞夕刊)、「赤字削減へ大統領令署名」(4月2日付朝日新聞朝刊)などと報じ、日本も中国と同様の米貿易赤字の元凶視されるとみる。米中貿易不均衡は突出している。自由市場日本と、重商主義中国を同列視するのは無知そのものだが、米側からいらぬ外圧を呼び込みかねない。

 日本や欧州、アジアにとっても、恣意的な党指令に左右される中国市場の規制撤廃や自由化が進むことは大変なプラスになるはずだ。中国は知的財産権侵害、外資の出資制限、送金規制など貿易障壁に覆われる。国内のネットを検閲して外部情報を遮断し、外国人が持ち込むIT機器やネットワークの機密情報へのアクセスを強要する。これら諸問題に世界貿易機関(WTO)など国際機関は無力。市場利権重視の歴代米政権は弱腰だった。「米国第一主義」のトランプ政権になって、ようやく遠慮会釈なしに大きく深く切り込む。日本は、中国問題での日米結束をうたっていけばよい。

(連載1)アメリカは北朝鮮にどのように攻撃するのか  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-25 13:53  
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3065/3079
 朝鮮半島有事のリスクが報道されている。歴代のアメリカ大統領は、北朝鮮が挑発を続けても、実際に武力行使をすることはなかった。今回も、トランプ大統領は挑発的言動をするにしても、最後は武力行使をしないとみる人も多い。そうあってほしいものだが、実際にはかなり危険な展開が想定される。

 トランプ大統領が北朝鮮に武力攻撃をするときに考慮すべき点は主に2つだ。まず第一に、中国がアメリカの武力行使に反発して、米中間の紛争に発展しないことだ。ロシアまで参戦すると想定できないくらいの大混乱に陥る。もう一つは、北朝鮮からの反撃を最小限に抑えることだ。首都ソウルは南北国境からわずか40キロである。核ミサイルでなく、通常のミサイル爆撃でも大都市ソウルは大きな被害を受ける。もちろんアメリカからすれば在韓、在日米軍基地の被害も最小限に抑えたい。斬首作戦について語られることが多い。ともかく北朝鮮問題の中心は、金正恩氏という個人である。この国家リーダーの斬首によって新たな展開を模索するということだ。この作戦には幾つかの懸念がある。

 どれだけ確実に金正恩氏の殺害ができるか。殺害が失敗した時に報復攻撃があるのではないか。仮に殺害できたとしても、その前後に北朝鮮からのミサイルが発射されることがあるのか。殺害の後の北朝鮮の政権交代が混乱なくできるのかどうか。北朝鮮には隠された情報も多く、読みきることができないということが、不安を深める。おそらくアメリカ軍は、斬首作戦とともに、軍事基地総破壊戦略を展開すると考えられる。金正恩殺害計画がどのようになろうとも、すべての軍事基地が破壊されるなら、報復の能力は限定的になる。

 米ソ冷戦時代には、アメリカはまずトータル・ニュークリア・ディストラクションを戦略に入れた。つまりソ連のすべての核ミサイルを先制攻撃によって破壊するという戦略だ。これが完全にできればアメリカの一人勝ちになる。しかしすぐに、ソ連もアメリカも移動式ミサイルやSLBMなどの開発によって、相互確証破壊(mutual assured destruction: MAD)を確立した。つまり米ソのどちらか一方が、相手に対し核兵器を使用した場合、もう一方の国が先制核攻撃を受けても核戦力を生残させ核攻撃による報復を行うことができる状態だ。核戦争になったらどちらも滅亡する、ということが明確になれば、どちらも攻撃はしない、ということだ。恐怖の均衡による平和が可能だという理論になる。(つづく)

トランプ政権の東アジア地域協力への積極的姿勢   
投稿者:石垣 泰司 (東京都・男性・東アジア共同体評議会議長・80-89歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-22 18:40 [修正][削除]
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3064/3079
 ペンス米副大統領は、今般のアジア諸国歴訪中、日本の次に、4月20日インドネシアを訪問し、ジョコ大統領と会談したほか、米国の現職副大統領としては初めてASEAN本部を訪問した。副大統領は、レ・ルオン・ミンASEAN事務総長と会談し、トランプ大統領が本年の11月にアジアで開催される3つの首脳会議(比における東アジアサミット(EAS)及び米・ASEAN対話、ベトナムにおけるAPEC)に出席する予定であると明らかにしたことは、トランプ政権の世界各地域への関心の度合いと基本姿勢が次第に明らかとなりつつある中、東アジア地域への強い関心と積極的姿勢を示すものであり、歓迎される。

 ペンス副大統領とミンASEAN事務局長は、会談の中で、本年対話開始以来40周年を迎えた米国とASEANとの関係は戦略的レベルのものに発展しており、米国が東アジアサミット、ASEAN地域フォーラム(ARF)、ASEANプラス国防大臣会議に引き続き参加し支持を与えることがこの地域の平和と安定に極めて重要であることが強調されたという。

 上記を受けて、同20日米国ワシントンにおいても、マーフィー国務省アジア太平洋局東南アジア担当次官補代理が特別記者ブリーフィングを行い、トランプ大統領の11月の3サミットの参加予定を確認するとともに、ティラーソン国務長官は、就任後、ASEAN諸国の駐米大使とはすでに会見する機会があり、また5月4日ワシントンでASEAN諸国外相との会議を主宰する予定となっているほか、8月にはフィリピンで開催されるARFを含む一連のASEAN関連ハイレベル諸会議に出席予定であり、経済貿易関係を含め会議も目白押しである旨をさらに明らかにした。

 ジャカルタにおけるASEAN事務局発表文においては、ペンス副大統領は、米国は、ASEANとの戦略的提携関係をさらに強化し、深化していくことに「コミット」していると明言したとの期待を示しているが、今後の米国の対東アジア地域協力の政策が実際にどのように展開されていくか注視していきたい。
 

(連載2)変化しつつある北東アジアの安全保障環境 ← (連載1)変化しつつある北東アジアの安全保障環境  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-21 09:58 [修正][削除]
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3063/3079
 もちろん中国が北朝鮮を守ってきたのは、自らの安全保障のためです。従って、中国が真剣に北朝鮮問題に対処するためには、それ以上の米国の軍事的圧力により中国をそうした戦略的判断に追い込むことが必須です。特にこれは日本の安全保障にも関わりますが、中国の軍事技術の進歩により、米国の東アジアにおける拡大核抑止についても大きく環境は変化しているので、その中で日本が果たすべき役割も含めて現実的にもう一度検証することが重要です。

 早晩、中国の新型ICBMであるDF41が実際に運用され始めれば、地上から発射される核弾道ミサイルに関しては、アメリカの第二撃能力の中国に対する優位は著しく崩れることとなりかねません。この状況下にあっては、核抑止及び拡大核抑止の観点から意味を大きく持つのはTHAADのような高いレベルの迎撃能力と、SLBM即ち潜水艦発射弾道ミサイルの能力ということとなります。

 我が国はこの点において、中国潜水艦への対応という点で、台湾などと並び、果たしうる役割がかなり大きくあります。尖閣や東シナ海のガス田の地政学的意味合いも私が10年以上にわたって主張してきているところですが、この文脈で極めて重要です。そしてそのことは同時にアメリカ自身の安全保障上、日本の地政学的重要性が高まるということをも意味します。

 アメリカの国内情勢の影響を受ける米軍の世界展開ですが、アジアにおける日本の果たす役割がアメリカ自身の安全保障に大きく影響する環境は、日本の安全保障に大きく寄与しますので、日本としても積極的に対中国の監視警戒活動についての日米台の協力を深化させていくことが必要です。(おわり)

(連載1)変化しつつある北東アジアの安全保障環境  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-20 22:21  
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3062/3079
 北朝鮮をめぐる国際情勢が緊迫の度合いを増しています。それはすなわち、北朝鮮のすぐ横に位置している我が国にとっては安全保障上の脅威が増しているということに他なりません。北朝鮮は日本を射程に収める弾道ミサイル、かつ事前の監視が困難な固体燃料の車載式のものを多数保有しており、また6~8といわれる核弾頭、多くの化学兵器・生物兵器を保有しているとされています。

 もちろん、通常であれば、いくら大量破壊兵器を保有していても、ひとたびそれを使えば自らも身の破滅に直結するということで、抑止が働く環境にあります。圧倒的な打撃力を持つアメリカが、軍事的にもコミットメントを強くしている以上、論理的には抑止力が働くという状況にあるのが今の朝鮮半島周辺の状況です。しかし、北朝鮮の場合には、そのトップである金正恩の判断が合理的であるのか、あるいは客観情勢をきちんと分析することができているのかという点に不安があることが大きな問題です。

 その観点から、北朝鮮に対して、もし彼らが軍事行動をとった場合実際に何が起きるか、そしてそのことが北朝鮮にとって、あるいは金正恩にとってどのくらい破滅的な結果をもたらすか、正確に伝えることが重要です。その意味で、ここのところの米軍の動きは大きな意味を持っているといえます。どのようなメッセージも軍事力による裏付けがなければ、真実味をもって受け取られないリスクがあります。

 また北朝鮮への現実的な圧力という意味では、事実上北朝鮮の生存を物心両面で支えてきた中国に役割を担わせるということも極めて重要です。中国と距離をどう置くかという点が北朝鮮外交にあって大きなポイントとはいえ、水や電力、石油、そして安全保障と様々な中国のサポートがなければ北朝鮮はとっくに崩壊していたという事実を考えれば、中国を真剣に関与させることができるのであれば、それ以上の効果的な手法はありません。(つづく)

踏んだり蹴ったりの韓国外交   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-20 07:55 [修正][削除]
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3061/3079
 大統領という政治の核を失った韓国が“漂流”し続けている。対米、対中、対日外交で明確な指針を失い、これに北朝鮮のどう喝が加わる。マスコミは相変わらずの対日批判に終始し、近頃は、首相・安倍晋三の発言を曲解して報道、国民を煽る。今こそ米韓同盟と日米同盟を基軸に対北朝鮮政策で団結力を示さなければならないときなのに、まるで大局観を喪失したかのようである。こうした中で韓国のマスコミの間で、脱北した超エリート外交官韓進明による金正恩の心境分析が的確であると評判を呼び、しきりにインタビューが行われるようになった。日本でもTBSが放映した。これらの報道によると金正恩は先制攻撃に出る可能性はないという。

 韓国はまさに踏んだり蹴ったりの様相である。まず信頼すべき米国のトランプが米メディアに、なんと韓国を「中国の一部」と発言してしまったのだ。誇り高き朝鮮民族の神経逆なで発言である。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューによると、トランプは「習主席が(6~7日の米中首脳会談で)中国と朝鮮半島の歴史について話した。数千年の歴史と数多くの戦争についてだ。韓国は実は中国の一部だった」と述べたのだ。おそらく習近平がそのように受け取れるレクチャーをした、のを請け売りしたのであろう。聯合ニュースによると韓国の外交部当局者は「一考の価値もない」と強く反発した。同当局者は「報道内容が事実かどうかと関係なく、数千年間の韓中関係の歴史で韓国が中国の一部ではなかったことは、国際社会が認める明白な歴史的事実であり、誰も否認できない」と反論した。しかし、これは歴史的事実を知らない発言だ。例えば元によって支配されている。モンゴル帝国による高麗侵攻は1231年から始まり、1259年高麗はモンゴル帝国に降伏、属国的な扱いを受けて日本侵攻に協力させられている。文永の役(1274年)、弘安の役(1281年)の蒙古襲来では、戦艦の漕ぎ手として朝鮮人が使われているのだ。

 また「中国による露骨な韓国外しだ」とメディアが騒いでいるのが、来月開催される一帯一路首脳会議に韓国首脳が招待されなかったことだ。習近平の一帯一路構想にもとづくアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の向こうを張ったものだが、韓国も参加している。中央日報によると、この会議には首相にも閣僚にも招待状が来なかったというのだ。韓国政府当局者は「THAAD配備問題で韓国政府代表を意図的に招待しなかったようだ」との見解を示している。これに関連して、中国の外交部報道官陸慷は、「来月、韓国の新しい大統領が決まったら招待する意志はあるか」との質問に「仮説的な状況については答えることはできない」と述べている。

 韓国メディアは安倍の国会答弁にもかみついている。安倍が4月17日、朝鮮半島有事の際に避難民が流入した場合について、「避難民の保護に続いて上陸手続き、収容施設の設置および運営、わが国が庇護すべきものに当たるか否かのスクリーニングといった一連の対応を想定している」と述べたことが、気にくわないようだ。マスコミにせっつかれるがままに外交部報道官の趙俊赫が「朝鮮半島状況と関連し、仮想的な状況を前提として誤解を招き、平和と安全に否定的な影響を与え得る言及は、自粛する必要がある」と批判したのだ。ネットも炎上し「日本が地震で滅べば避難民を受け入れるものの、選別的な受け入れ基準を設けるべきだ。朝鮮半島の核戦争よりは日本の大地震のほうがより近い未来だ」といった反発が乱れ飛んでいる。しかしこれも実態を掌握していない感情論だ。安倍が善意で言っていることを曲解している。朝鮮戦争では韓国軍が敗走を続け、北朝鮮軍に釜山周辺にまで追い詰められたことを忘れている。この経験から言えば、韓国からの避難民が海を越えて流入することも考えられる。しかし北の工作員などが原発や新幹線爆破などの目的で紛れ込む可能性があり、そのチェックは当然必要だ。

 まさに度しがたい感情論が目立っている。こうした中で脱北した北朝鮮の元外交官・韓進明の発言が注目される。2015年に亡命した韓進明は平壌出身で、超エリート校金日成総合大学卒業後、08~13年まで外務省で勤務し、13~15年までベトナム大使館で書記官を務めた人物である。韓によると、北朝鮮外務省のスローガンは「即時受付、即時実行、即時報告」で、直ちに仕事を処理しなければならない。特に金正恩の指示はその日のうちに実行、報告するように義務づけられている。ちょっとしたミスが命取りになり、金正日時代とは緊張感がまるで違うという。また出先の大使館は「信じられないほどカネがなく、自動車を秘密裏に購入し、転売して資金を分配していた」という。さらに韓進明は金正恩の心境を読み取って「金正恩は単なる暴君ではない。自らの行為を1歩踏み間違えると大変なことになることが分かっている」と分析した。また金正恩が先制攻撃に出るかどうかについて「政策決定の過程をよく知っているが、北の国民性から言っても絶対に発砲(ミサイル発射)して開戦の火蓋を切ることはない」と言い切った。北の外務次官韓成烈らが、「アメリカが先制攻撃を企てるなら我々は核の先制攻撃で応ずる。全面的な戦争になる」などと吠えまくっているのとは別の見方である。

国務長官の存在の耐えられない軽さ   
投稿者:川上 高司 (東京都・男性・拓殖大学教授・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-19 11:05 [修正][削除]
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3060/3079
 今回のシリアへの空爆は、2003年イラク侵攻をリプレイしたかのようである。2003年侵攻に先立つ2月の国連会議では、イラクが生物化学兵器を隠し持っていると当時のパウエル国務長官はその生物化学兵器が入っているとされる試験管を振りかざして主張した。シリア空爆ではアメリカの国連大使が「サリンが使われた」証拠として写真を振り回して主張していた。国連大使の様相がパウエルかと思われるほど既視感が強い。

 まったく既視感の強いトランプ政権だがさらに過去の亡霊が蘇ったような政策が発表された。国防総省は、ソマリアへ米軍の部隊を派遣したと発表したのである。派遣されたのは陸軍の101空挺部隊である。101空挺部隊はやはりイラク戦争時、ペトレイアスが指揮しイラクやアフガニスタン戦争で活躍した精鋭部隊である。今回の派兵はソマリアのアルカイダ系過激派をたたき、現政権を支えることが目的だという。1993年以来、米軍がソマリアの地へ降りるのは実に24年ぶりである。

 1993年、当時のクリントン政権はソマリアの内戦に介入し部隊を派遣していた。米軍は首都モガデシュでの作戦中ブラックホークが墜落し、その乗員の救出のためさらなる部隊を投入しわずか1日で18名の戦死者と多数の負傷者を出した、最悪ともいえる失敗をしている。クリントン大統領は直ちに軍を撤退させた。ブッシュやオバマ政権時代ですらソマリアには空爆はするものの地上部隊の派兵はしなかった。ところがトランプ政権になるや否や派兵が行われることになり、なぜ今ソマリアなのか、疑問符がつく。

 政権内で重要ポストを軍出身者が占め、国防総省の予算が増え軍の影響力が増す。トランプ大統領自身が「強いアメリカ」を標榜し力の行使に躊躇しないとなれば、この先の世界は常にアメリカの力の行使におびえることになる。今のトランプ政権は、好戦的と言われたブッシュ政権時代よりもさらに前のめりになっている。その一方で国務省は予算が削られ国務副長官すら決まっていない。テラーソン長官がすべて1人でこなしているが、存在感の軽さは否定できない。これほどに国務長官が軽んじられる政権はまさに新たな歴史と言えよう。

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