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(連載2)追い詰められている北朝鮮 ← (連載1)追い詰められている北朝鮮  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-25 08:34 [修正][削除]
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3043/3043
 中国は国としては北朝鮮を支配下に入れたままにしたいのだが、金正恩政権は潰したいというジレンマに陥っていると考えられる。中国政府の極めて中途半端な対応がこのジレンマ状況を物語っている。北朝鮮の核実験やミサイル発射では、最近は国連安保理の批判声明を承諾しているが、実質的な経済制裁には後ろ向きな態度をとっている。金正恩体制には怒りながらも、北朝鮮を潰したくないということで、曖昧な態度となっている。

 北朝鮮からすれば、韓国、アメリカ、日本だけでなく、中国をも敵にまわす形になり、完全に追い詰められたといえる。核兵器開発やミサイル開発もアメリカへの対抗策というよりも中国への牽制であるのではないか。北朝鮮がアメリカまで正確にミサイルを飛ばすのはまだ先の話だし、もしそうなったとしてもアメリカに決定的なダメージを与えることは無理だ。だが、北京、上海を狙うことは可能だ。1撃でかなりの被害を出させることは現実的なシナリオである。もちろんソウルもだ。これらの都市を人質にして、交渉をして新たな展開を模索するということだろう。

 現在、韓国では朴前大統領の後の大統領選挙が行われようとしている。次の大統領に文在寅氏が就任することになれば、北朝鮮にとっては新たな展開を構想することができる。中国からも、アメリカからも独立する北朝鮮主導の朝鮮半島統一を模索することも可能になる。しかし当然のことながら、中国にとっても、アメリカにとってもそうした動きはリスクが高く、容認するとは考えられない。核兵器とミサイルを保有した北朝鮮、しかも、アメリカと中国という軍事大国が絡んでいる北朝鮮に、武力攻撃することは、あまりに危険であり、動くに動けない状態でもある。現実的に考えられるのは、金正恩政権だけを替えるクーデターだ。金正恩氏暗殺計画が噂されるが、可能性は否定できない。ただ、あまり指摘されないが、逆に北朝鮮が習近平氏を暗殺するというシナリオもある。

 北朝鮮は追い込まれている。中国が牽制しようと、アメリカが威嚇しようと、国連が制裁を加えようと、ますます攻撃的になっている。「窮鼠猫を噛む」の状況が本当に起こり、朝鮮半島が混乱に陥ることはなんとしても避けなければならない。難しいことだが、米中のコミュニケーションと米日韓の連携強化は不測な事態にも最低限の混乱で抑えるために重要だ。(おわり)

トランプ政権の円高圧力は相場に影響するか   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-25 08:25 [修正][削除]
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3042/3043
 3月は年度末で企業収益や株価に影響する円の対ドル相場が気がかりだ。トランプ米政権の円高圧力は相場に影響するのか。昨年秋の米大統領選前からの円安・ドル高基調が昨年末で止み、円相場はこのところ1ドル=115円前後に落ち着いている。拙論が為替相場動向を見る場合、重視するのは米国の実質金利から日本のそれを差し引いた日米の実質金利差である。実質金利は、日米それぞれの10年もの国債利回りと2通りの消費者物価上昇率の差である。2通りの物価とは、食料品を除いた「コア指数」と、食料品およびエネルギー関連を除いた「コアコア指数」である。

 コア指数ベースの実質金利差は、米大統領選前には円相場とかなり強く連動してきた。金利差が拡大すれば円安、縮小すれば円高という具合である。ところが、エネルギー価格を除外したコアコア指数ベースの実質金利差と円ドル相場の相関度はかなり弱い。そこで、コア物価・ベースの実質金利差に焦点を合わせてみたが、昨年秋以降はそれまでとは一転して円相場は逆に振れている。実質金利はその通貨建て資産の価格とみなされ、市場では通常、実質金利が高い通貨が買われる。今年に入って実質金利差がゼロにまで縮小したが、このままだと円高・ドル安局面にいつ入ってもおかしくないし、今の円・ドル水準は「異例」ということになる。

 この要因の一つは、トランプ効果だ。インフラ投資、大型減税など従来の政権が背を向けてきた景気刺激策に踏み出すというトランプ政権への期待がドル買いにつながった。そのトランプ政策が実現するかどうかは議会審議待ち、ということで市場は売り買いの方向を決めかねている。石油などエネルギー価格動向も見逃せない。実質金利差が物価指数のコアとコアコアで大きく違ってくるのは、米国のエネルギー価格の変動幅が日本よりかなり大きいためだ。今年1月の米エネルギー物価は前年同期比で10%強上昇しているのに、日本は1%弱のマイナスである。エネルギー価格を決定づける原油価格はここに来て下がり始めた。原油生産過剰が顕在化しつつあり、下落傾向が長引く可能性もある。

 石油価格下落に米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げも重なると、米実質金利が上昇し、日本との金利差が拡大し、ドル高・円安に振れる。4月には先の日米首脳会談で決まった日米の経済対話が始まる予定で、日銀や財務省は神経質になっている。金融緩和と円安が同時進行すれば、かねてより「円安誘導」批判を繰り返してきたトランプ大統領をさらに刺激する。さて円高か、円安のどちらに向かうか。結局、それぞれの要因が打ち消し合うので、現行水準周辺でここしばらくの間、ふらふらする公算大だが、米議会、FRB、原油価格、日米対話の4大要因を注視するしかない。

(連載1)追い詰められている北朝鮮  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-24 03:04  
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3041/3043
 北朝鮮の核実験やミサイル発射による挑発が止まらない。特に昨年からは明らかに以前のペースとは異なるスピードで核実験やミサイル発射が行われている。ソウル時事通信(2017年3月19日ソウル時事通信デジタル)によると「北朝鮮国営の朝鮮中央通信は19日、金正恩朝鮮労働党委員長が新たに開発された高出力ロケットエンジンの地上燃焼実験を視察したと報じた」のである。

これが本当とすれば、本格的な長距離弾道ミサイルが可能になる。CNNは3月17日付けの記事で、北朝鮮が近くミサイル・核実験の可能性があることを報じている。こうした過剰なまでの挑発は、逆の見方からすれば、北朝鮮は相当に追い詰められているということでもある。北朝鮮はアメリカを挑発しているが、どう転んでも、北朝鮮がまともにアメリカに対抗できるはずがない。金正恩氏の「妄想」としても、さすがにこれは現実的ではないということはわかるだろう。

 この背景には、中国・習近平政権と金正恩体制との間の確執があると思われる。金正日氏、及びその後継者の金正恩氏は、江沢民派と近い関係にあり、1989年から2002年の江沢民時代には、中国と北朝鮮との関係は比較的良好であった。2002年から2012年の胡錦涛時代にも江沢民派は重要ポストに就き、北朝鮮との関係も微妙にはなりながらも敵対する状況にはなかった。それが習近平時代に入ると、習近平派と江沢民派・胡錦涛派との対立が生まれ、腐敗キャンペーンなどでも江沢民派の大物メンバーが次々と摘発された。

 中国と北朝鮮との関係の急速な悪化が見られるのもこの頃からだ。2011年12月に第3代最高指導者となった金正恩氏は、習近平政権との溝を徐々に広げていったと考えられる。習近平政権が金正恩政権の後ろ盾となるとは全く思わなくなったのだろう。自らが自らを守る攻撃的な軍事政策にどんどんと突き進んでいった。中国からの度重なる指導と牽制を無視して、核実験やミサイル発射を繰り返し、それがさらに関係を悪化させる状態にさせた。(つづく)

求められる社会資本整備戦略の一層の強化   
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-23 15:15 [修正][削除]
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3040/3043
 3月18日、横浜環状北線の開通式が港北区内にて、菅官房長官をはじめ多くの来賓出席の下で開催されました。私も出席し、一言お祝いのメッセージを述べさせていただきました。この環状北線は横羽線と第三京浜の港北インターを結ぶもので、将来的に環状北西線が完成すると、横浜港と東名高速を経て多くの地点が直結することとなります。もちろん私の選挙区という意味でも、羽田空港や都内へのアクセスが飛躍的に改善するという大きなメリットがあります。

 しかしそれ以上に、日本の経済にとって極めて大きなインパクトがあるのが今回の道路の開通です。私は基本的に必要性が低い公共事業については反対の立場を政治家として取りつづけてきていますが、その私の目から見ても、今回の環状北線、そして今後の北西線が日本全体の物流戦略にもつ戦略的意義というのは極めて大きいものと思われます。東アジアで唯一、18メートルの水深の埠頭を南本牧に持ち、自然の水深もそれ以上の深さがある横浜港の戦略的重要性は、パナマ運河の拡張はもとより、世界の海運業界が三大アライアンスに集約される形で大きく再編されてきつつある最近の流れの中で増しています。

 日本の港が世界の物流の流れの中でハブとして機能していくことが出来るかどうか、上海や釜山の現状を考えたとき、まさに今正念場を迎えています。そのためには限られた資源ですから、選択と集中も大胆に行っていかなくてはなりません。同じことは海運だけでなく空運の世界にもいえることで、横浜、東京をはじめとする首都圏という大消費地、後背地のアドバンテージを活かして、横浜港、羽田・成田空港のプレゼンスを世界のヒト・モノの流れの中でどう増していくことができるか、東アジアにおけるハブ・拠点の一つとしての地位を我が国にしっかりと確立できるかがまさに問われています。

 国際競争環境は熾烈になる一方で、我が国には人口減少による財政制約があるという現実もあります。一方で、東アジアのライバルの動きを見れば、我々に残された時間はわずかです。インフラに限りませんが、どのようにして、世界の中でヒト・モノ・カネを日本に惹きつけることが出来るか、意味のある効果的な投資をすることができるか、この点こそが経済的に死活的に重要です。政治には少なくともそのための環境整備をする責務があります。メリハリを付けて真に日本経済の成長に資するインフラにきちんと投資していく、そうした社会資本整備戦略を一層強化していく必要があります。微力ではありますが、次世代に責任を持つ政治家として全力で頑張ってまいります。

小池は豊洲移転を早期に決断せよ   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-22 05:37 [修正][削除]
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3039/3043
 まさに「大山鳴動して小池一匹」の様相だ。大局が分からない都議会野党と都庁詰めメディアが重箱の隅を突っついているから事態は混迷する。大騒ぎしている築地市場の移転問題は、政治的には全て小池百合子の「延期ごり押し」に起因すると考えればよい。議会にも諮らない独断政治の失敗だ。ここにきて小池は新聞から社説で、早期決断を迫られている。しかし、読売も毎日も社説では、どちらを選択すべきかは明言しないという無責任さだ。筆者は、豊洲移転しか方策は無いと思う。石原慎太郎には様々な問題があるが、百条委員会における証言を詳細に分析する限り、石原が正しい。物事を政局がらみで判断する小池には、決着を都議選まで引き延ばして自らの候補を有利にしようという邪心すら垣間見える。さらに数ヶ月にわたる血税垂れ流し路線だ。小池ポピュリズムは行き詰まった。一刻も早く豊洲移転に踏み切るべきだ。

 移転問題で小池が置かれた立場は、一見自民党を攻めているように見えるが、逆だ。政治的には「進むも地獄、退くも地獄」の事態に直面している。なぜかといえば、豊洲移転へと「進む」場合は、なんで決断を延期したかの責任を問われるからだ。おまけに延期で獲得した都民の支持を大きく損なう。延期のために都民の血税を膨大に垂れ流しした責任も当然問われる。逆に築地再構築に「退く」場合には、豊洲建設にかかった6000億円もの費用が水疱と帰することに加えて、築地の更地化と建設にかかる費用は6000億円を大幅に上回るだろう。1兆円を優に超える血税を都民に回してよいのか。当選以来「都民ファースト」という衆愚政治を展開してきたツケが眼前にあるのだ。豊洲市場は6000億円をかけて完成した。業者は冷蔵庫や、設備費に既に300億円を投入している。小池の延期により、今後都は業者への補償費として50億円が必要である。加えて建物の警備管理費として1日500万円が毎日すっ飛んでゆく。当面は独立採算の市場会計から支払うが、長引けば都民の血税の垂れ流しとなるのは火を見るより明らかである。

 石原が「何で民事訴訟が起きないのか不思議だ」と述べるのは、もっともだ。一方で築地の場合は、開放型の市場であり、大きなドブネズミが夜な夜な出没しているばかりではなく、カラスやスズメなど野鳥がフンをするは、建物が老朽化して、放置すればアスベストがむき出しになるは、の状況だ。大地震でも致命的な大打撃を被る恐れが濃厚だ。3階建て以上の建物16棟のうち6棟が強度不足で倒れるとみられている。こうした事態を背景にして、百条委では石原が、地上と地下を分離して考えるとの立場を表明した。「小池都知事は安心と安全がこんがらがっている。地下水を地上で使うわけがない。東京の水道は世界最高の水であり、小池知事の主張は風評の前に科学の真実が負ける印象だ」と食いついたのだ。確かに小池は築地について「築地はコンクリートやアスファルトに覆われているから安全だ」と致命的な無知をさらけ出している。言うまでもなく豊洲もコンクリートとアスファルトで覆われている。まさに小池は築地と豊洲にダブルスタンダードを当てはめようとしているのであり、無理筋の話だ。

 加えて築地にはコンクリートやアスファルトにひびが入り、じくじくと水分が表面に出でてきている箇所も多く、安全であるとは決して言えない。最近はヒ素まで検出されている。一方豊洲は近代的な強化コンクリートやアスファルトで30センチから50センチもの層があり、外に有害物質が出ようにも出られない構造である。それでも心配なら現代科学を駆使してさらなる封じ込め策を講じればよい。おまけに小池は「安心」というきわめて人間的な判断基準を錦の御旗に立てているが、これは確かに科学的ではない。そこいらのザーマス夫人が喜びそうな基準だが、これを基準にする限り、小池は独善的な都政運営から脱却は出来ない。都の方針では汚染された地下水は濾過して海に流すのであり、飲んだり、魚の洗浄に使うのは、石原のいうように世界で最もきれいな水道水なのである。専門家会議座長の平田健正が、地下水の汚染について「去年の4月以降に地下水をくみ取るシステムが動き出したため、汚染が出てきたのだろう。法的、科学的には安全基準を満たしている」と述べているが、この発言が一番信用できる。汚染が新たに出てきたのなら、やがては消える事もありうる。

 こうみてくると、結局豊洲しかあり得ない。石原に軍配が上がる。小池はまたまたポピュリズムにすがるしかない姿を露呈した。都議会を自派に有利な構造にして、国政進出を狙うその姿は、都民の血税などはどうでもよく、政策そっちのけで、ひたすら自らの野望を達成するための政治に専念する姿を鮮明にさせている。決断を7月の都議選以降にして、小池が擁立する候補を有利にさせようとしているとの見方があるが、これこそ究極のポピュリズムであり、唾棄すべきことでなくて何であろうか。また小池周辺が住民投票による決着を画策しているという説がある。この場合の住民投票は、知事が自らの責任を放棄して、責任を都民に転嫁する政治だ。これこそ“衆愚”に頼る小池政治の姿そのものだ。小池ポピュリズム対策としては、地下水汚濁の封じ込めを現代科学を駆使して徹底的に推進すればよい。豊洲の地上の洗浄水などを常時モニタリング調査して、数値に異常があればサイレンを鳴らすような措置を取ればよい。それでもザーマス奥さんが「嫌だ」というなら、豊洲のおサカナをお買い上げにならなければよい。庶民は安くなって助かる。繰り返すが小池は豊洲を早期に決断すべきだ。

(連載2)注目される韓国の次期大統領選挙 ← (連載1)注目される韓国の次期大統領選挙  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-18 06:19 [修正][削除]
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3038/3043
 次期韓国大統領選は、韓国の行方を占うものになる。朴大統領は、親中路線を走り、反日・疎米路線であったが、政権の最後の方で、日本との妥協、アメリカ回帰路線をとり始めていた。朴大統領の支持率が急落する中で、朴路線の否定が次期大統領選のポイントとなった。現在のところ、親中、反日路線が生まれそうだ。アメリカとの関係も相対的には疎遠政策になる可能性が高い。

 現在、最大野党「共に民主党」の文在寅前代表が、支持率で他の候補を大きくリードしている。現時点での支持率の差が大きいので、よほどのことがなければこのまま文在寅氏が次期大統領となりそうだ。文在寅氏は親北、反日路線を打ち出しており、THAAD配備についても見直しの可能性もある。中国寄りの政権運営になるだろう。中国がさらに韓国に圧力をかけつつあるのは、次期大統領選挙を踏まえてのことだ。THAAD配備を見直し、北朝鮮、中国政策を緊密にする政治家を大統領にするようにというメッセージといえる。

 忠清南道知事の安熙正氏と大統領権限代行首相の黄教安氏が2位争いを演じている。安氏も黄氏も北朝鮮には慎重で、アメリカとの協調を踏まえる路線を取るのではないかとみられている。文氏との支持率の差は大きいが、安氏も黄氏も支持率を伸ばしており、2ヶ月弱の間にはどのようになるかはわからない。

 次期大統領選は、韓国の将来路線を占う大きな意味のある選挙となる。ちょっとした舵のミスで、韓国は大きく揺らいでしまう。まずは、誰が次期大統領となるのか。そしてその新大統領がどのような政策を打ち出すのか。混乱の朝鮮半島は、日本にとっても大きなリスクである。注意深く見守る必要がある。(おわり)

中国の「対北朝鮮制裁」にだまされるな   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-17 13:55 [修正][削除]
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3037/3043
 中国は2月19日から年内いっぱい、北朝鮮からの石炭輸入を全面停止すると発表した。12日に新型中長距離弾道ミサイル実験、さらに翌日には中国が保護してきた金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで暗殺されるにおよび、習近平政権が正恩氏切り捨てに踏み切るとの見方があるが、甘くはないか。中国は北が核実験を繰り返し、国連安全保障理事会が対北制裁に踏み切ろうともどこ吹く風で、北からの石炭輸入を増やしてきた。石炭は中国の対北輸入総額の4割以上を占め、北の最有力な外貨獲得源だとメディアが解説するが、経済を知らなさ過ぎる。

 外貨は全体の貿易収支が黒字で初めて確保できる。中国は一貫して対北貿易黒字を維持してきた。2016年の対北輸出は32億ドル、輸入は27億ドル、北にとっては5億ドルの貿易赤字である。不足分は中国からの借り入れでまかなう、つまり中国の金融機関による融資で補うわけで、正恩氏直結の企業や商社、銀行は中国の金融機関との協力関係を保っている。正恩氏を締め上げるつもりなら、融資を止めることが先決なのだが、現実はほど遠い。16年の中国からの対北輸出は石油製品が前年比26%、鉄鋼製品9%、自動車は45%各増と急増している。背景には中国の過剰生産があるはずだ。

 中国はもともと口先だけは制裁に同調しながら、国連安保理常任理事国の立場をテコに、制裁決議を骨抜きにしてきた。北の輸出による収入の用途が核やミサイル開発など軍事ではなく、民生向けであれば、制裁対象にはならないというただし書きだ。カネに色はないのだから、中国が支払うカネが民生に限定されるはずはないのだが、中国はそれを盾に石炭輸入を増やしてきた。16年9月の5回目の核実験後の国連制裁強化についても、中国側は抵抗してきたが、11月末になってようやく、北からの石炭輸入を年間750万トン(16年の石炭輸入は2250万トン)以下に抑える案に同意し、それに従う形で石炭輸入禁止に応じた。

 こうした北京側の態度変化は対中強硬派が要職を占めるトランプ政権の発足と無関係ではない。オバマ前政権は平壌を非難しても、北京には無言だった。15年12月には北朝鮮のダミーのシンガポールの海運会社が中国銀行の口座を利用して、武器を密輸する北朝鮮の貨物船の運航資金を送金していた事件が明らかになった。しかし、米政府は中国銀行のドル取引制限などで制裁しようとしなかった。他にも制裁破りに加担する中国の銀行は多いのだが、おとがめなしだから、中国企業は銀行の支援を受けて対北輸出を増やせる。日本としては、中国の「石炭輸入禁止」にだまされず、トランプ政権と連携し、金融の抜け穴封じに向け、対中圧力をしっかりとかけるべきなのだ。

(連載1)注目される韓国の次期大統領選挙  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-17 13:51  
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3036/3043
 韓国憲法裁判所が、朴槿恵大統領の罷免を認める決定を言い渡した。大統領の弾劾による失職は韓国憲政史上、初めてとなる。憲法裁判所は9人の憲法裁判官で構成されているが、1月31日に所長が任期満了で退任したため、今回の判決には8人が審理することとなった。3人以上が反対すれば否決されたわけだが、反対したのは2人以下となる。朴大統領弾劾を求める圧倒的な韓国国民の世論も影響したと思われる。

 現在、韓国は多くの外交、経済、政治、社会の課題を抱えている。朴大統領が罷免され、新たな大統領となったとしても容易に解決できる状態ではない。混乱の渦の中に入っていく感じだ。特に大きな問題は、北朝鮮問題とそれも関わる形で、中国とアメリカからの強い圧力がかかり、韓国は板挟みの状況にある。北朝鮮の核開発やミサイル発射などの挑発もあり、韓国はアメリカのTHAADシステムの配備を決定した。

 これに対して、中国は猛反発をしており、露骨なまでの制裁を加えつつある。THAAD配備の用地を提供したロッテに対しては、ロッテ製品不買および中国内プロジェクト取り消しなどが行われ、韓国の観光産業に大打撃を与える中国観光客の訪韓制限なども実施されている。韓国経済は厳しい状況を迎えており、中国への輸出に依存してきただけに、大きなダメージが予想される。

 軍事的にはアメリカとの同盟があり、北朝鮮の脅威が高まれば、当然、アメリカに依存しなければならない。また、オバマ政権であれば、「交渉」による落としどころを探れたかも知れないが、今は、トランプ政権だ。トランプ政権は韓国にも中国にも厳しく向かう姿勢をみせている。しかもアメリカは貿易面でも韓国に圧力をかけている。アメリカ政府は韓国の鉄鋼製品のりん銅に対して、予備判定時の2倍を超える反ダンピング関税を決めた。アメリカの貿易赤字の解消を求めている。つまり、中国寄りに行くのも地獄、アメリカ寄りに行くのも地獄という状態になっている。(つづく)

公明の“裏切り”にうろたえる自民執行部   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-15 06:46 [修正][削除]
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3035/3043
 「公明がなくても自民は地力を発揮して勝ち抜く」と自民党幹事長二階俊博が気勢を上げているが、なにやらむなしく響く。俳句でいえば「春寒(はるざむ)」だ。問われるのは、公明党のまぎれもない“裏切り”が分かっていながら、なすすべなく放置した二階や都連会長下村博文の“非力”にあるのではないか。都議選を「勝ち抜く」事などとても無理だ。まず大敗だろう。公明党執行部は、「中央政治とは別」としているが、背景には安保法制などで公明党を無視するがごとく突っ走った首相・安倍晋三に対する、“意趣返し”の意味が含まれているに違いない。上から下まで鉄の団結を誇る公明党の都議会が独走することはあり得ない。上が陰で指図している構図だ。おりから小池百合子はメディアの社会部記者を味方に付け、当たらざるべき勢いだ。国政にも進出しそうな構えを見せている。しかし、その築地市場移転をめぐって「小池風評劇場」にも矛盾撞着が出始めた。

 とにかく下村の優柔不断は“別格官幣大社”だ。公明が裏切りを浮上させても、なお「公明党に自主投票になるようお願いしていきたい」のだそうだ。選挙対策委員長斉藤鉄夫から「既に決まった方針だ」と一蹴されて、ぐうの音も出ない。都議会における自民党の現有勢力56議席は半減しかねない状況だろう。自民党が手も足も出せないのは、全国における公明党票を意識してのことだろう。国政選挙での“弱み”を握られているのだ。一方で公明党に“弱み”がないかといえば、ないわけではない。それは政権政党の“蜜の味”を知ってしまったことだ。政権政党であるかどうかは、陳情ひとつをとっても、格段の違いが出てくる。その“弱み”を突く方策がないわけではない。人事で対応するのだ。安倍はこのような重要ポイントで裏切る政党に、閣僚ポストなどを振り分ける必要はなくなってきたのではないか。将来閣内不統一になりかねない事態だ。せいぜい副大臣、政務次官程度で済ませるべきであろう。閣僚ポストなしなら、公明党代表・山口那津男の責任を問われる問題になりかねない。まさに“弱み”を突くことが出来る。さらに加えて、維新も連立に引き入れることも考えられる。維新の立ち位置は、安倍とも波長が合うし、公明よりもすっきりしており、入閣させれば新鮮味も出てくる。

 他方、小池は自民党に籍を置いたまま、これまた「反党的裏切り」行為に出ようとしている。国政進出だ。小池は近く自らの希望の塾4000人から参加者を選んで「国政研究会」を立ち上げる。明らかに国政進出を目指すものであろう。これだけの行為を野放しにしておいて、自民党は「小池切り」に出る事が出来ないままだ。問題は国政に進出して、小池が最終的に狙うとされている「首相の座」を目指せるかということだ。都民は民度が低いから、あの薄気味悪い「流し目」にだまされても、民度が高く、一時的なブームに惑わされにくい道府県民がだまされることはないということだ。ブームがあるうちなら、かなりの数の国政政党に発展することは可能であろうが、あの維新ですら離合集散の末、現在衆院14、参院12の小党にとどまっている。一世を風びした新自由クラブなどは影も形もない。一時のブームはしょせんは化けの皮がはがれるのだ。

 小池劇場も今が頂点だろう。その風評路線をいみじくも露呈させたのが3月14日の都議会予算委だ。答弁に大矛盾が生じたのだ。小池はかねてから築地の安全性について「コンクリートで覆われているから法令上の問題はない」と述べてきたが、都議会で「豊洲もコンクリートで覆われている」と追及を受けると、「安全性は確保されているが安心とは言えない」と答えたのだ。同じく土壌がコンクリートで覆われた豊洲市場については法令上の安全性は確保されているとしながらも、消費者の信頼が得られていないことから「安心だ」とは言えない、とする認識を示したのだ。これは専門家が20年にわたる調査に基づいて築き上げた安全性を認めながら、「安心」というもっとも非科学的な言葉で逃げようとしていることにほかならない。一方で大きなドブネズミが夜な夜な徘徊し、カラスがフンをまき散らす築地の安全性について小池は確信を持っているような口ぶりである。これはまさに自分がまき散らした「豊洲は安心できない」という風評にしがみついている姿を露呈したものであり、その背景に科学的な根拠など存在しない論理矛盾がある。本来この感覚的な認識は、理性と意思によって制御されるべきものだが、「小池風評劇場」はそんなことはどこ吹く風だ。都民の税金の無駄遣いなど知ったことではないのだろう。まさに、都政などそっちのけで、逆に都政を政局に使おうという邪心が見え見えだ。自らをジャンヌダルクに例える小池だが、ジャンヌダルクは異端の罪で火刑場の灰と消えた。まさに小池は異端なのだ。

 こうした公明の裏切りと小池旋風なるものを一挙に打破できるのは、早期解散しかあるまい。4月解散なら小池の国政進出準備はまだ整わない状況にあるし、会期末解散の7月2日選挙なら、都議会とのダブル選挙になって、公明と小池の選挙協力を打ち砕くことが可能だ。安倍の支持率も依然高く、チャンスではあるが、天皇の退位関連法案処理がネックとなる公算もある。異例だが選挙後の特別国会で処理できないことでもない。重要法案の審議・採決のために特別国会の会期を長く定める場合もある。安倍は伝家の宝刀を抜くべきだが、抜けるかどうかは、まだ見通せない。

日本の数学「得意率」   
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-14 22:16 [修正][削除]
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3034/3043
 国際教育到達度評価学会(IEA)というところの調査によれば、日本の中学二年生の数学の平均点は42か国中5位であるにもかかわらず、自分が数学が得意だと思っている「得意率」だと最下位だったとのことです。NEWSWEEKにも以前記事として紹介されていたようなので、ご存知の方も多いかと思いますが、これをチャートにすると、日本の実績と得意率の乖離が際立っています。

 まあ、いろいろな分析は可能だと思いますし、点数が極めて低いのに「得意率」が高いという国は途上国に多く、それよりは控えめな自己評価の方がいいという考え方もあろうと思います。しかし、他の先進国に比べて自己評価の客観性という意味では大きく差が出たということは少なくとも明らかではないかと思います。

 客観的な判断ということでいえば、消費税の税率引き上げと、個人消費の駆け込み需要・その後の落ち込みの相関関係でも、実は日本の状況は世界の多くの国と異なっています。実際駆け込み需要や税率引き上げに伴う需要の落ち込みがみられる国は、データが入手できた範囲では日本とドイツだけでした。イギリスをはじめ多くの国ではそのような消費への実際の影響はほぼ見られません。

 実際モノの価格は、税率引き上げ後のほうが需給の関係で安くなるケースが多く、合理的な行動という意味では、駆け込みやその後の反動減というのは、個人としてもあまり合理的ではありません。今政府・自民党ではEBPM(Evidence Based Policy Making)、要はデータや必要性に応じた合理的な政策形成への転換を実行しようとしています。なんとなくの感覚や情緒的な判断だけで政策を決定し実行してしまえば、結果的に意味がない無駄な予算や規制が大量生産されることになりかねず、結果的にそのしわ寄せは国民が受けることになります。微力ではありますが、政治を筆頭に、様々な場面での合理性を高めていけるように頑張ってまいります。

(連載2)朝鮮半島の覇権を争う中国とアメリカ ← (連載1)朝鮮半島の覇権を争う中国とアメリカ  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-11 21:18 [修正][削除]
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3033/3043
 このかつてない朝鮮半島の混乱状況に、アメリカと中国の覇権争いが勃発している。これまでにも北朝鮮の指導者への暗殺計画は報道されてきた。金正恩氏の暗殺計画も話題にはなっても真偽はよくわからない。中国主導かアメリカ主導か、ということだが、基本的にはどちらの国にとっても北朝鮮の混乱は望ましいものではないので、本気で実行されることはなかったということだろう。しかし、北朝鮮の度重なる挑発などで、状況は緊張を高めつつある。韓国が司令塔を欠き、アメリカと中国との狭間で方向を定めることができず、ふらふら揺れ動いていることも大きい。

 THAAD配備ではアメリカ寄りのスタンスを見せながらも、反朴運動が高まる中で、ポスト朴政権は北・中国よりの政策を取るのではないかとみられている。北朝鮮による核兵器の脅威に対応するため、The Wall Street Journal(2017年3月2日付電子版)で、CAROL E. LEE 氏とALASTAIR GALE氏は、「トランプ米政権が武力行使や政権転覆などの選択肢を検討していること」を報じている。CIAによる金正恩暗殺、そしてクーデターによるアメリカ傀儡政権の樹立は想定可能なシナリオだ。そうなれば、朝鮮半島はアメリカの強い影響下に置かれることになる。同様に中国主導によるクーデター、そして中国傀儡政権の樹立のシナリオもあり得る。韓国は中国からの今以上の圧力がかかる可能性が高い。ポスト朴大統領の政権下では、中国が韓国も含めた朝鮮半島に強い影響力を持つ可能性もある。

 こうした事態においては、韓国・北朝鮮は思いがけない「統一」もあるかもしれない。しかし、それは思い描いていた自立の統一朝鮮ではなく、アメリカ支配下の統一朝鮮か中国支配下の統一朝鮮のいずれかになる。そもそも、いずれのプロセスも、平和裏に行われるとは限らない。アメリカと中国という二つの経済・軍事大国が覇権を争うわけで、予想不能な混乱状況が起きる可能性の方が高い。それにプーチン・ロシアも絡んでくるのは当然だ。何が起こるかシュミレーションも困難だ。韓国、北朝鮮の幾つかの個別の不安定要素が、爆発的な混乱の引き金になるリスクがある。トランプのアメリカ、習近平の中国、プーチンのロシア、金正恩の北朝鮮、無指導者状態の韓国の構図は、極めて不確実な北東アジアを作っている。

 妥協を嫌う戦う役者が勢ぞろいだ。たさらに言えば、安倍晋三の日本、蔡英文の台湾もこの状況をさらに不安定化させる可能性が高い。関わるアメリカ、中国、韓国、北朝鮮、日本、ロシア、台湾は、世界の経済力、軍事力で重要な地位を得ている。GDPの世界ランキングでは、アメリカが1位、中国が2位、日本が3位だ。核兵器保有国が、アメリカ、中国、北朝鮮、ロシアと4カ国もある。軍事費ランキング(2015年)では1位がアメリカ、2位が中国、5位がロシア、8位が日本、9位が韓国となっている。この地域の暴発は確実に世界を大混乱に陥れる。いかに冷静に安定した北東アジアを作っていくことができるか。大きな試練である。大局的な視点から、この地域の信頼醸成を築いていくことが重要だ。今は相当に危ない状態だ。

日本学術会議は「ミサイル防衛」にも反対するのか   
投稿者:加藤 成一 (兵庫県・男性・元弁護士・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-10 19:39 [修正][削除]
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3032/3043
 北朝鮮は、3月6日射程1000キロの弾道ミサイル4発を、日本海に向けて同時に発射した。そのうちの3発は、日本の排他的経済水域に着弾した。北朝鮮が、今回の弾道ミサイル発射を、在日米軍基地攻撃のための訓練であると公言したこと、4発同時に発射させたことは、日本の「ミサイル防衛」の有効性を含め、日本の平和と安全並びに日本国民の生命の確保にとって極めて深刻な脅威であると言えよう。

 とりわけ、弾道ミサイル4発の同時発射は、これまでにはなかったことであり、弾道ミサイル技術の向上を示すものであろう。近い将来、数十発、数百発の同時発射や連続発射、弾道ミサイルへの水爆などの核弾頭搭載も懸念される。その場合、現在の日本の「ミサイル防衛」で有効に対処できるのであろうか。現在は、高度約600キロで迎撃する海上配備型イージス艦と、高度約15キロで迎撃する地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」の2段構えであるが、高度約150キロで迎撃するTHAAD(高高度防衛ミサイル)の導入による3段構えのミサイル防衛システムが日本政府で検討されている。

 アメリカでは、ミサイル防衛に役立つ有効な兵器として、「高出力レーザー兵器」や「電磁パルス兵器」「レールガン(電磁加速砲)」などの、いわゆる「指向性エネルギー兵器」が研究開発され、一部はすでに実用化されている。これらは、レーザー光線や電磁波などのエネルギーを、弾道ミサイル弾頭などの一点に集中照射して破壊するものであり、数十発、数百発の弾道ミサイル同時発射や連続発射に対しても、有効に対処できる可能性を秘めた兵器であるとされている。日本も、「ミサイル防衛」の強化のために、アメリカと連携してこれらの「指向性エネルギー兵器」の技術開発を進め、さらに、日本の高度な科学技術力を生かし、日本独自の研究開発を進めるべきであろう。

 日本の「ミサイル防衛」の拡大強化には、一部の野党を除き日本国民の大多数は賛成であろう。しかし、最近、日本の科学者の代表機関である日本学術会議は、これまで通り、旧態依然の「軍事研究禁止」の方針を継承することを決定した。日本学術会議は、自衛のための「ミサイル防衛」を強化する研究開発にも、「軍事研究禁止」を名目にして、一切反対するのであろうか。

(連載1)朝鮮半島の覇権を争う中国とアメリカ  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-10 19:18  
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3031/3043
 朝鮮半島が揺れている。韓国と北朝鮮はいずれも歴史の岐路に立たされていると言って過言ではない。極めて不安定で、リスクの高い状態となっている。韓国は目覚しい経済発展を遂げ、世界でも有数の経済大国の一つとなった。しかし、現在、深刻な内憂外患に悩まされている。破竹の勢いであった経済成長も陰りをみせ、長期停滞の様相をみせている。2016年10月には、朴槿恵大統領の親友である民間人の崔順実が国政に関与していた、いわゆる崔順実ゲート事件が発覚してからは、政治・経済・社会が混乱状態に陥った。

 朴大統領の弾劾を求めた大規模なデモや集会が起き、実際に12月には12月9日、国会で弾劾訴追案は議員定数300人のうち299人が参加し、賛成234人、反対56人、棄権2人、無効7人で賛成が可決に必要な3分の2を超え、弾劾訴追案は可決され、朴大統領の大統領権限は停止されている。さらに、崔順実ゲート事件では、韓国サムスン電子の現トップ、李在鎔副会長が賄賂などの容疑で逮捕された。経済にも大きな打撃になる状態だ。外交でも厳しい展開になっている。日本との関係は冷え切ったまま、というよりさらに悪化している。2015年末の安倍首相と朴大統領による「歴史的」とさえいわれた慰安婦問題に関する「合意」で期待は高まったが、結局、その「合意」さえ宙に浮いてしまった。慰安婦像をめぐって、駐韓日本大使は「一時帰国」に入ったままだ。

 蜜月と言われた中韓関係も、THAAD配備をめぐって、今では日韓関係以上に悪化していると言われる。すでに韓国文化・製品の輸入制限が始まっている。THAAD配備に土地の提供を行ったロッテには露骨な嫌がらせが行われている。このままTHAAD配備になれば、ロッテだけでなく、サムスンやヒュンダイの製品のボイコットなどにも広がる可能性がある。中国への輸出に依存している韓国経済は致命的打撃を受けるかも知れない。アメリカとの関係も微妙な状況だ。トランプ大統領の就任によって、韓国との貿易にはさらに厳しい条件がつけられそうだ。韓国はアメリカと中国の板挟みになり、司令塔欠如のままに立ち往生している。

 北朝鮮は、金正恩最高指導者のもとで、挑発的な政策をとってきた。度重なる核実験やミサイル発射は、韓国、日本、アメリカだけでなく、中国との関係も悪化させた。確かに経済制裁にも打たれ強い体質はあるだろうが、中国や韓国の本格的な経済制裁は打撃を与えそうだ。中国は真剣な「警告」として北朝鮮からの石炭の輸入をストップするという制裁を履行した。これによって北朝鮮は金正恩政権の主要な外貨獲得源を失うことになった。少なくとも表ビジネスでの外貨稼ぎは急減するはずだ。この状態にプラスして、金正男氏暗殺事件が起き、ならず者国家・北朝鮮のイメージがさらに強まった。関係の良かったマレーシアも北朝鮮との関係を見直す方向だ。北朝鮮の独裁による洗脳は、どのような状況でも「安定した秩序」を形成してきて、クーデターは起こらないといわれてきたが、さすがに状況は流動的となっている。(つづく)

ドル安の誘惑に弱いトランプ政権   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-08 17:44 [修正][削除]
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3030/3043
 2月10日の日米首脳会談の結果、日本側は麻生太郎副首相兼財務相、米側はマイク・ペンス副大統領が代表となって包括的な経済対話を始める。トランプ大統領がこだわる為替協議は別途、麻生財務相とムニューチン財務相の間で行われる。これで、円高・ドル安に向けた米側からの政治圧力を分散できるとの見方が多いが、油断は禁物だ。トランプ政権に限らず、米国の権力者はドル安の誘惑に弱いのだ。なぜか。

 主要国通貨に対するドルの実効相場の前年比変動率をみてみよう。ドル安率とドル高率を米国の海外金融資産のドル換算額の年間増減額と対比させてみる。ドル安時には海外資産は押し上げられ、ドル高時は逆に振れる。2008年9月のリーマン・ショック前は10%のドル安となり、海外資産は4兆ドル(約4兆5300億円)以上膨らんだ。リーマンが起きた直後は、10%以上のドル高となり、海外資産は3・7兆ドルも減った。海外資産は長期的にみると、米企業などの対外投資の増減次第だが、短期的に大きい変動要因はドル相場である。現地資産のドル評価額はドル安・現地通貨高で増える一方で、ドル高・現地通貨安とともに減る。米国は世界最大の借金大国であると同時に最大の対外投資国である。その海外資産はリーマン前で21兆ドル(約2381兆円)超、16年9月時点で25兆ドル弱に上る。現時点でドルが他通貨に比べて10%下がれば2・5兆ドル弱、海外資産がかさ上げされる計算になる。

 モノ・サービス合計の米貿易収支赤字は年間で5000億ドル程度だが、2%ドル安になればその赤字分は楽々とチャラにできるわけだ。ドル安にすればするほど、米国の海外資産から外国の対米資産を差し引いた米国の純負債は減る。それこそが基軸通貨ドルを持つ覇権国の特権であり、いざとなればドル安政策に走る。トランプ大統領が貿易不均衡を騒ぎ立てて、中国、日本、ドイツなど主要な貿易赤字相手国の「為替操作」を非難し、各国通貨の対ドル相場の切り上げを求める動機はこれでよくわかるだろう。米国の対外貿易赤字の半分以上を占める中国は別格だ。中国は長い間、当局の為替市場管理と介入によって人民元の対ドル相場を安くして輸出を増やす一方で、米国など外国企業の生産拠点を移させ、雇用を奪ってきた。トランプ政権が中国を目の敵にするのも無理はない。

 だが、一本調子のドル安は米金融市場に波乱を生む。ドル安が進むとみれば、投資家は対米投資を縮小するか、ドル資産を売却する。となると、米国の株式や国債などの証券相場は下落し、金利は上昇する。最悪の場合、株式など証券は暴落し、市場はパニックに陥り、世界の市場を揺るがす。リーマン・ショックはその代表例だ。日米の包括的な経済協議で、麻生財務相はトランプ政権の目先の米国利益だけを追うドル安志向にブレーキをしっかりとかけるしかない。

米中は南シナ海問題で決裂している   
投稿者:倉西 雅子 (東京都・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-08 17:33 [修正][削除]
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3029/3043
 報道に拠りますと、米原子空母力ール・ビンソンは、2月18日、南シナ海における活動を開始したそうです。前日の17日には、トランプ政権の誕生以来、初めてとなる米中外相会談の場がG20が開催されているドイツのボンで設けられています。果たして、米空母の南シナ海で活動開始は、何を意味するのでしょうか。

 アメリカのティラーソン国務長官と中国の王毅外相の会談において、南シナ海問題が議題に上がったかのか、否か、公式には明らかにされていません。とは言うものの、昨年の国際仲裁の判決以来、南シナ海問題は深刻さを増していますので、同問題が置き去りにされたとは考え難く、両者の間で話し合われたものの、双方譲らず、平行線を辿ったとするのが大方の憶測です。そして、この憶測を裏付けているのが、カール・ビンソンの南シナ海での展開です。

 仮に中国が、アメリカから“一つの中国”の原則について譲歩を引き出した代わりに、南シナ海に関してはアメリカに譲る、即ち、軍事拠点化を断念していたとしたら、アメリカは、敢えて南シナ海において中国を牽制する行動をとることはなかったはずです。しかも、原子力空母ともなりますと、同海域における長期的な活動が可能となると共に、爆撃機や戦闘機による攻撃力をも備えています。中国は、同海域における防空識別圏の敷設を試みるに留まらず、未だ「九段線」の主張を諦めておらず、一時中断していた人工島の埋め立て作業をも再開しているそうです。南シナ海では、何時、米中間の武力衝突が起きてもおかしくない状態なのです。

 この問題が、極めて深刻であるのは、中国の主張を認めると国際法秩序が根本から崩壊するからです。言い換えますと、南シナ海こそ、アメリカをはじめ国際社会が中国に対して“譲れない”、あるいは、“譲ってはならない”一線なのです。この側面から見ますと、アメリカが、南シナ海問題を“一つの中国”をめぐる取引と切り離していることは、安心材料でもあります。果たして、中国は、対米戦争を覚悟してまで、南シナ海、否、アジア支配を目指すのでしょうか。日本国政府も、米中戦争へと至った場合、アメリカの同盟国、そして、国際法秩序を擁護する国の一国としてどのような対応をとるべきか、既に具体的な行動を策定すべき時期に来ているように思うのです。

(連載2)虚妄の米ドル安路線 「貿易赤字削減」は偽情報だ ← (連載1)虚妄の米ドル安路線 「貿易赤字削減」は偽情報だ  ツリー表示
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-04 11:27 [修正][削除]
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3028/3043
 ドルは基軸通貨なので、世界のどの国の資産でも何の障害もなくドルに換算できる。半面、外国企業の在米資産はもちろんドルだ。ドル安にすればするほど、米国の海外資産から外国の対米資産を差し引いた米国の純負債は減る。歴代の米大統領はそんな基軸通貨の特権を活用する誘惑に駆られ、ドル安政策に踏み出した。米国が純債務国に転落しかけた1985年9月、「強いドル」を標榜していたはずのレーガン政権は日本、西ドイツなどを巻き込んでドル安誘導のためのプラザ合意を演出した。90年代前半のクリントン政権は「日本たたき」のため円高・ドル安誘導政策にのめり込んだ。2001年発足のジョージ・W・ブッシュ政権は住宅市場刺激策と合わせてドル安路線をとった。

 だが、一本調子のドル安は恐るべき災厄を招く。1987年10月の史上最大規模のニューヨーク株価暴落、そしてリーマン・ショックが代表例だ。97年のアジア通貨危機はクリントン政権が95年にドル高路線に切り替えたのに、東南アジアや韓国が適応に失敗したからだ。

 さしあたり、痛い目に遭わないとしても、債務国米国の金融界はドル安には不安を感じるはずだ。ニューヨーク・ウォール街は世界の投資家から資金を集めて国内に回すばかりでなく、世界に再配分して荒稼ぎする。海外の投資家はドル安で莫大な為替差損を被りかねないのだから、ワシントンがドル安容認路線をとるなら、対米投資に腰が引ける。顧客がそうならウォール街のためにもならない。

 4月には、先の首脳会談で合意した包括的な日米経済対話が始まる。トランプ大統領は、選挙公約通りインフラ投資や大型減税に踏み切るためには、世界最大の純債権国日本からの投融資に頼らざるを得ない。したがって、円安批判を自粛するかもしれないが、まだまだ先は長い。上記の通り、ドル安の誘惑はトランプ氏にもつきまとう。安倍晋三政権はトランプ政権に対し、「弱いドル」は米貿易不均衡是正ばかりでなく「米国第一主義」を損なうと警告すべきだ。(おわり)

変化する日本の安全保障環境   
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-03 21:28 [修正][削除]
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3027/3043
 トランプ政権発足以来、来日するアメリカの安全保障関係者と会議で議論する機会が増えました。アジアの不安を払拭するというアメリカ全体の戦略なのか、あるいは同盟国日本の本音を探ろうとしているのか、目的は明らかではありませんが、大企業のトップ、シンクタンク、連邦議員、など様々なレベルでの訪日のペースが増えている実感があります。日本が位置する北東アジアは、特に北朝鮮や中国の動向も軍備拡張や政治的不安定に向かう傾向があることから、アメリカの安全保障政策が特に注視される地域です。台湾やベトナムなどトランプ大統領選出以降、私が訪問した国々でも、それぞれの政府高官がアメリカの政策への高い関心を表明しています。TPPも単なる貿易協定という以上に対中国とのバランスの中での戦略的意味合いが極めて大きいものでした。

 その一方、忘れがちではありますが、オバマ政権当時から、アメリカのアジアへの軍事的関与について長期的な視点からは懐疑的な見方が強まっていたのも事実です。確かにオバマ政権は、限られた対外関与の軍事力に関し、いわゆるアジアへのpivot/rebalanceを明確にしたことで、短期的中期的には不安が一定程度解消されていました。しかし、ティーパーティー運動が顕在化したころから、アメリカが内向きになってしまうのではないか、アメリカの対外関与政策への国民の支持が弱まり結果として、長期的には維持が難しいのではないかという見方が強まっていました。

 実際、訪米した際にも、聖域とされてきた安全保障の関係でも、財政的な問題、国内の内向き志向が指摘されるケースが増えていた気がします。一方で、中国が急速に核兵器や通常兵器の近代化を進め、結果としてICBMに関してもDF41のようにアメリカとの軍事的バランスを大きく変え得るような技術革新、軍備増強がみられてきている状況が東アジアにはあります。数年以内に核の拡大抑止の実効性に疑問がもたれるような状況ともなりかねません。

 中国に関しては、ASEANや台湾、インドやオーストラリアなど多くの国でその拡張・軍拡政策に警戒感が広がっています。同時にアメリカと日本の地域への強いコミットメントを期待する声が強まっているのも事実です。核の抑止の戦略的環境が変化しつつある状況下で、アジア全体への関与も含め、日本の安全保障戦略を冷徹に検証しなおし、現在の国際情勢に合った適切な戦略を進めていくことが求められます。

(連載1)虚妄の米ドル安路線 「貿易赤字削減」は偽情報だ  ツリー表示
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-03 21:20  
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3026/3043
 トランプ米大統領は経済・通商の閣僚・スタッフの陣容が固まり次第、主要貿易赤字相手国の通貨に対してドル安攻勢を仕掛けそうだ。為替市場に当局が介入、管理している中国や韓国などと、完全に自由な変動相場制の日本を混同するのは論外だが、その前にトランプ政権に物申すことがある。ドル安で貿易不均衡を解決できるという見方は虚妄であると。まずはドルの主要通貨に対する実効平均相場と米貿易赤字の前年比増減率に注目しよう。ドル安時で貿易赤字が減るケースはまれで、ドル安期間の大半で赤字が増えた。

 貿易不均衡の幅を動かす主因はドル相場ではなく、景気である。2002年から07年にかけて赤字が大幅に増えたのは、米国の住宅バブルに伴って輸入が急増したためであり、07年のバブル崩落、08年9月のリーマン・ショックを機に内需が大きく減退すると、輸入が急落して赤字が一挙に縮小した。こうした事実は米政財界や米メディアにはわかりそうなものだが、拙論が知る限り、「貿易赤字とドル相場は無縁」との言説は聞こえてこない。

 経済学上は、好況時には消費が増えて貯蓄が減り、投資に貯蓄が追いつかない。この貯蓄不足分が貿易赤字に相当すると説明できるが、いかにもわかりにくい。結局、「ドル安=貿易赤字縮小」「ドル高=赤字拡大」とする考え方が、わが物顔に横行する。トランプ流に言えば、それこそ恐るべき虚偽(フェイク)情報なのだが、トランプ氏自身は真実だと信じているようだ。それにしても、なぜドル安は米指導層をひき付けるのか。答えは米対外資産増減率にある。

 米国は世界最大の対外債務国であると同時に最大の対外資産国で、海外資産規模は昨年9月時点で約25兆ドルに上る。海外資産は米企業などの対外投資によって増減するのだが、それより大きい変動要因はドル相場である。現地資産のドル評価額はドル安・現地通貨高で増え、ドル高・現地通貨安で減る。ドルが他通貨に比べて10%下がれば2兆5千億ドル弱、海外資産が膨らむ。モノとサービスの合計の米貿易赤字は年間で5千億ドル程度で、2%ドル安になればその赤字分は楽々とチャラにできるわけだ。(つづく)

「日中対話」に参加して   
投稿者:池尾 愛子 (東京都・女性・早稲田大学教授・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-03-03 11:19 [修正][削除]
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3025/3043
 2017年2月20日午後、東アジア共同体評議会、グローバル・フォーラム、上海外国語大学日本文化経済学院、上海社会科学院日本研究センター、復旦大学国際関係与公共事務学院の共催、東京大学持続的平和研究センター後援で、「日中対話:少子高齢化時代の日中協力のあり方」が開催された。既に会議資料は本ウェブサイトに掲載されていて、報告書が作成されつつある。今後ぜひ注目していただきたい大きな論点も含まれていたと思われるので、注意を喚起しておきたい。

 第1セッション「少子高齢化時代の持続可能な発展に向けて」では、第1に中国のシルバー産業づくりに向けて、見事な概況報告があった。第2に、中国経済のかかえる諸問題がわかりやすく解説され、質問に応じて所有制改革についても説明された。第3に、アジア太平洋地域の国際フォーラムを通しての取り組みについて、中国の見方が紹介された。第4に、高齢社会対策での協力に向けての注意点と世界銀行などの取り組み(Digital Dividend)が紹介された。

 第1セッションは大変和やかに進行し、セッション終了後、上海からの参加者たちと打ち解けて交流することができた。本セッションで取り上げられた問題について、研究者同士ではかなり議論がかみ合うようになってきていることが感じられた。ただ、具体的なビジネスでの問題が取り上げられると、研究者には議論も解決もできない問題が生じていることがわかる。
 
 第2セッション「日中関係の安定化と信頼醸成に向けて」では、短時間では議論しつくせない諸問題があることがはっきり見えてきたのではないか。英語での表現に引っ張られるかたちで、「Rule of Law 法の支配」、「Rule by Law 法による支配、依法治国家」というフレーズが使われるようになっている。司法の問題にゆく前に、「法」の中味の違いが質されていると思う。法や政治の基礎を問う問題提起が含まれるようになっていると思う。「『社会主義』に資するために『市場経済』を利用する」という考え方が残っているのであれば、根本的なところで対立していることになるのではないかと思う。

(連載2)金正男氏暗殺で問われる韓国の方向性 ← (連載1)金正男氏暗殺で問われる韓国の方向性  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-26 21:37 [修正][削除]
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3024/3043
 最も重要なポイントは韓国の動向だ。現在、この混乱の中にありながら、朴大統領は弾劾訴追案が採決され、朴政権は機能不全に陥っている。中国と朴・韓国は、昨年までは極めて密接な関係を築いていた。それが韓国の経済発展の一要因でもあった。しかし昨年、THAAD配備が議論されるようになってから、関係が急速に冷えた。現在は、蜜月どころか対立に近いような雰囲気が漂う。ここで私が注目するのは、反朴大統領の凄まじい運動である。大統領の弾劾にこれだけ多くの人が動員されていることは異常な状態だ。どうであろうともう1年で朴大統領の任期は終わるし、その間も暫定的な実質的指導者をたてればいいだけだ。これだけ大規模なデモを毎週のように行うのには、資金もかなりかかる。北朝鮮からの工作員が扇動しているという説も聞かれる。しかし、北朝鮮だけではできないような規模だ。中国が背後にいてもおかしくない。実際に反朴運動はかなり左寄りであり、朴政権の後には、親北・親中路線になると予想されている。

 つまり韓国は、激しく揺れる東アジア情勢の中で、アメリカを中心とした米韓日同盟に傾く路線と中国を中心とした中韓北連携に傾く路線とが同時に動いている。アメリカは、北朝鮮の挑発を契機に、THAAD配備を強要し、米日韓の連携を進めようとしている。今回の金正男暗殺事件のように、安定しない金正恩政権に見切りをつけるとともに、一気に韓国も親中政権にしてしまうことを模索するのは当然だ。北朝鮮がより「中国化」したら、中国は直接的にアメリカが背後にいる韓国と接したくない。

 そもそも、中国からすれば、朝鮮半島は中国の支配下にあったものという感覚がある。歴史的に見ても、朝鮮は中国の圧倒的に大きな影響を受け続けてきた。朝貢冊封関係を続け、元号も中国の元号を使っていたわけで、中国の属国に戻るのが自然だと思ってもおかしくない。中国の1950年代後半の歴史教科書をみたことがあるが、そこには中国の領土線とさらに広大な「中国の領土であるが、現在は暫定的に帝国主義支配下にある地域」の境界線があった。東南アジアのかなりと朝鮮半島は全部入っていた。ちなみに沖縄もその中にあった。

 トランプ旋風が吹き荒れ不安定な国際関係。金正男暗殺事件は、揺れ動く東アジア情勢をさらに混乱に陥れそうだ。韓国は、アメリカと中国に挟まれて、非常に難しい選択を迫られそうだ。東アジア情勢はかなりリスクがある危険な状態になりつつある。アメリカも、中国も、ロシアも、日本も、大きな動きが起きて欲しくないのが本音だ。金正恩氏がさらに過激な行動をしないことを祈るが、そんな祈りは通用しないようだ。(おわり)

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