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最近の対中経済関係について   
投稿者:中山 太郎 (東京都・男性・非営利団体非常勤職員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-26 10:20 [修正][削除]
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3105/3105
 知人から、お前の対中国強硬姿勢は頷けない、世界が多極化しつつある中での、日本のビヘイビアーはより柔軟であるべきとの強いお叱りを受けた。その根本は、相互主義で行きましょうということだ。5月14-15日に北京で「一帯一路フォーラム」が開かれた。習近平は演説の中で、中国は地域の平和を求めている、グローバルへの趨勢は大いに推進する、沿線の国々へ経済発展のためにまずインフラ整備を行う、などと述べた。日本からも、二階自民党幹事長などが参加した。また、6月15-17日には、韓国の済州島でAIIB総会が開催された(来年はインド開催の予定)。これらの流れのどこがおかしいのかと知人はおかんむりだ。

 彼は、日中は協力し、経済のブローバル化、自由貿易の促進などを推し進めるべきだとの論だ。中国側は日本の関係者へ、AIIBに日本および米国は不参加であるが、実際は米企業は仕事を受注しているなどとささやいている。まあ。米も日本と同じ民主と自由の国であるから、一部そうした動きもあり得よう。そして、一部の日本人も、「日中で一つの平和モデルを構築して米や欧州などの西側へ攻勢を掛けよう」などと述べる。こうした時、中国側は、よく、「お互い相手の嫌がる発言を慎もう、不必要に刺激して、政治問題化させない。歴史、領土問題、隣人同士どこの国でも少なからぬ問題はありうる、平和を目指し、アジア安保保障体制を築こう」などと述べる。

 こうした考えに対しての私の答えは、「21世紀のシルクロードたる『一帯一路』構想には、日本は入っておりませんよ、東アジアの海で一方的な航空識別圏を設定したのはどこの国ですか?まず日中韓FTAなどといっても、その自由度の低さは、親中韓国ですら不満足ですよ」というものだ。AIIBは、最近アルゼンチンなどが加わり、80か国となった。しかし細かく見ると、スタッフは百数十名程度で、ADBは3千人以上のスタッフを抱え、50年の経験がある。これでは、現地の環境、住民に配慮して企画など無理ではないのか?中国は、しきりに平和推進のためというが、中国覇権拡大のためではないのか、港などの建設は軍港として使う布石ではないのか、「フォーリン・アフェアーズ」などの西側記事にもある通り、沿線の貧しい国を新植民地化させようとしているのではないのか。自由と民主主義の国家では、人々の自由な意見発表をまったく制止することは不可能だ。

 しかし中国は、自国に少しでも不利益とみるや、そうした国の一部の意見を大々的に取り上げ「政治問題化させている」と叩く。領土問題などを「係争イッシュウ」として認め、棚上げして交流を進めようとの言葉は、中国の常とう手段だ。そうしておいてある日突如として、力によって自国に有利な解決を図る。領土問題など、既存の国際法ルールに反抗し、これは先進国主導でつくられたもので、途上国には不利にできているなどと述べ、歴史の経緯をもっともらしく展開させ、相手を組み伏せる。最近の南シナ海問題などこれにあたる。5月11日付の本欄への橋本宏氏の「『最近の歴史認識問題について』を読んで」で、橋本氏が沖縄問題に取り組まれ、その苦労を披歴されておられた。最近沖縄では、軍事拠点から経済拠点へとの発言が目立つ。中国はこれを強力に後押ししている。しかし、それでは、中国の海南島、その他沿海地域の軍港を相互主義で、軍事拠点から変更させるかといえばそうではない。

「日中韓三国経済シンポジウム」を傍聴して   
投稿者:中山 太郎 (東京都・男性・非営利団体非常勤職員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-23 18:26 [修正][削除]
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3104/3105
 6月22日に、日本国際フォーラムと日中韓三国協力事務局の共催、東アジア共同体評議会の後援で、「日中韓三国経済シンポジウム」が開催された。国際情勢ただならぬ時期にこうした会議が開かれ、東アジアの主要国が意見交換を行うことは、意義のあることである。傍聴しての感想を次のとおり述べたい。

 会議で出た発言で、小生の頭に残ったのは、「米のある学者が、中国経済は破綻すると毎年述べている。その都度そのデッドラインを変えて」である。これは、参加している日本人の発言であったが、笑いを取り、中国経済の進展を称えるというものだ。こうした発言を聞くたびに、自分も昔はこうした態度だったと思うのだ。対中国で仕事をする場合は、気恥ずかしくても、ほめ殺しが一番なのだ。そもそも、反対意見を述べれば何を仕返しされるか分からないからだ。私の知り合いの米国人学者が新疆地区のイスラムを擁護する発言をしたら、その後、中国入国ビザが出なくなり、彼の研究は頓挫した。中国からのパネリストには、俊秀の張琦女史(中国国務院発展研究所対外経済研究部副部長)がソフトトーンで話された。こうした時、いつも感じるのは、在京大使館員が多数いる中で、その発言は、極めて気を遣うのであろうなということだ。政府の方向に逆らったと認定されれば、その人間の運命は厳しいものになる。勿論、経済がテーマなので、北朝鮮問題など出てこなかったが、実際には参加者の頭には重くのしかかっていたはずだ。現在の中国は、明らかに北の核が韓国、日本へ落ちても、自国には来ないと確信しているようだ。

参加者には、米国人がおらず、欧州の外交官などが目立った。彼らにとり最近のトランプ米大統領政権の内容や李克強中国首相の欧州訪問は、中国との経済面での連携強化の絶好のチャンスと考えているのかもしれない。THAADは米国が中韓の離間を図り、米国における韓国の最近の中国寄り姿勢への批判に対しては日本がやっているととらえる議論が、中国および韓国で聞かれる。そして、中国、韓国で最近目立つ議論は、米国そして日本は落ち目で、一方の中国は昇竜の勢いがあるというものだ。勿論、韓国にはどっちつかずの、米に見捨てられては困るとの議論もあるのだが。この5月に中国商務部(日本の省にあたる)が発表した報告書では、米中関係は世界最大の途上国と先進国との関係だとぬけぬけと述べている。だから、諸問題も大目に見よというのだ。こうした甘えがいつまでも通るのだろうか?そもそも政治は専制政治、経済は市場経済という、特殊な体形がいつまでも保持出来るかだ。

 シンポジウムでは、中国経済は投資主導からイノベーション主導へ転換してゆくとの発言があった。自由な発想が制限される社会で真の「創造力」が出てくるのだろうか?様々な手段で先進国の技術、ノウハウを盗みまくっている中で、限度があると考えるのが妥当だろう。中韓FTAについては、そのレベルの低さに韓国経済界から落胆の声が出ているのだ。「一帯一路」について、インドのみが、unhappyだとの発言もあったが、韓国でも直前まで招待状が来ない、あれだけ色々協力をしてきたのにとの不満の声があるのだ。中国の相手が弱いと見るや強引なやり方をする態度は、大いなる懸念材料だ。最近、中国は、日本へ微笑外交を始めたとほくそ笑んでいる向きは大いに気を引き締めるべきだ。

アフガニスタンの対応からみる大統領の責任放棄   
投稿者:川上 高司 (東京都・男性・拓殖大学教授・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-22 22:25 [修正][削除]
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3103/3105
 6月15日、アメリカはアフガニスタンに4000人を増派するというニュースが流れた。前政権がアフガニスタンからの撤退を遂行し、現在は米軍8500人、NATOから5000人がアフガニスタン軍の養成任務に従事しているにすぎない。そこへ大規模な増派をするということは、アメリカが再びアフガニスタンに関与を深めるということを意味する。このニュースがアメリカだけでなくNATO諸国をも驚かせたことは明らかである。

 発端は6月14日の上院軍事委員会でのマティス国防長官の発言だった。マティス国防長官は「アフガニスタンで我が国は勝ちを取ることができないでる。増派が必要だがその規模についてはトランプ大統領から一任されており、決定については大統領の承認は不要だと言われた」この発言を受けてメディアがニュースを流したようだが、16日マティス国防長官は「増派の規模は決まっていない」と改めてコメントを出した。ダンフォード統合参謀本部議長は「規模はNATO次第だ。アメリカが増派をすればNATOも続くだろう。実際イギリスは増派を検討に入った」とコメントし、3000~5000人の間になるだろうと発表した。また、アフガニスタンでの任務の変更もありうると含みを持たせた。現在の非戦闘任務だけでなく戦闘任務を再開する可能性が生じた。

 そうなれば、再びアメリカはアフガニスタンでタリバンとの闘いに挑むことになる。アフガニスタンへの関与はすでに16年。さらに泥沼に自ら飛び込むトランプ政権の意図が見えない。そもそも増派という重要な事項を最高司令官であるトランプ大統領が国防長官に一任してしまったことに問題はないのか。オバマ大統領は2009年の着任以来、数ヶ月かけてアフガニスタン戦略を閣僚たちと協議し、増派と撤退のスケジュールを決めた。数千人の兵士の命がかかっているのである。アメリカの命運もかかってた。最高司令官としてその政策決定過程を踏むのは当然だろう。 

 しかしトランプ大統領は議論を尽くすことなくいち閣僚に丸投げし、増派の規模という重要な事項も勝手に決めていいとしてしまった。アフガニスタン戦略はアメリカだけでなく同盟国であるNATO諸国にも影響を与える重要な政策である。トランプ大統領が最高司令官としての責務を放棄しているとしたら、これからのアメリカ安全保障政策はどこへ向かうのだろうか。

(連載2)只見線と鉄道軌道整備法改正案について ← (連載1)只見線と鉄道軌道整備法改正案について  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-21 23:22 [修正][削除]
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3102/3105
 現在のバスの運行コストは年間0.5億円。鉄道復旧の場合には復旧費81億円+年間運営費2.8億円です。単純に30年間で比較すると150億円鉄道復旧の場合コストが高くなる計算となります。現在のスキームの中でのJRの負担分を除いても、公費の投入額が今後災害が再び起こらないという仮定(当該区間は過去しばしば橋梁が流失している区間)でも30年間で117億円となります。

 100億円をはるかに上回る税金を投入して乗車密度49人/日の区間の復旧をすべきなのか。ここは慎重に判断せねばなりません。ましてや、81億円かけて橋梁の復旧等して乗客数が増えず10年くらいでやはり廃線せざるを得ませんという判断になってしまえば、巨額の公費投入はいったい何だったんだということになります。だからこそ、復旧の決定にあたっては、今後持続的に路線維持できるような、乗車密度や収支に関する定量的な見通しが明確になっていなくてはなりません。

 また今回の鉄道軌道整備法改正案にしても、災害復旧への国費投入の要件を緩めた結果、このような事例が増えるのであるとすれば、看過できる改正ではありません。国民の税金を使うということですから、それぞれの地域の政治的圧力で国費投入がなあなあのうちに決定され、本来廃線せざるを得ない路線が、災害を口実に安易に延命されるようなことがあってはなりません。その観点から、法改正をするのであれば、少なくとも定量的な路線の収支の計画をきちんと作成したうえで厳しく客観的に誰かが責任をもって可否を判断するといったメカニズムが法的に組み込まれることが説明責任の観点からも必要です。

 こうした観点から、党の行政改革副本部長として、先日の国土交通部会でもこの趣旨の発言をしたところ、この法案については、さらに精査が必要とのこととなりました。国民一人ひとりが必死にご苦労されて得たお金からいただいている税金です。その使い道については無駄や非効率、理不尽があってはならない。その思いを胸に今後とも政策をしっかり精査し、モノ申してまいります。(おわり)

(連載1)只見線と鉄道軌道整備法改正案について  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-20 16:37  
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3101/3105
  平成23年7月の新潟・福島豪雨で橋梁が流され、現在運休している、JR只見線に関する議論が党内で行われています。現在災害復旧において国が補助できる対象を黒字会社に広げ、また激甚災害指定されていない災害も対象に含むという鉄道軌道整備法の法改正も併せて議論されています。

 現在、国として巨額の財政赤字を抱え今後高齢化に伴って医療費の支出が増加することが予想されるなかで、財政においても選択と集中ということが言われ、またかつての国鉄の巨額赤字への反省もあって、JRが支えきれない鉄道網に関しては合理化がやむを得ず進められているところです。全国的に利用者が極めて少ない鉄道に関しては、メンテナンスコストが極めて高いことから、鉄路を廃止しバスへの転換などを行って住民の利便性を確保するという方策がとられています。

 一応の目安として、旧国鉄時代には輸送密度2000人/日が廃止の基準だったところですが、現在では明確な基準は示されていませんが、300人程度がその目安となっているようです。これまでも東日本大震災の被災地などにおいても地元の理解と協力もいただきながらこうした鉄道の転換を行ってきたわけですが、かつて我田引鉄と言われたように、また最近の北陸新幹線の大阪延伸問題でも明らかなように、特に鉄道は政治家の介入がいまだにみられるところでもあります。廃線に関してもそのことは否定できません。そんな中、今回の只見線。たしかに「災害を口実にうやむやのうちに廃止に追い込まれるのは困る」というロジックには一理ありますが、同時に「そもそも廃止の検討がされる可能性が高かった路線に災害の復旧ということで巨額の公費を投入して復活させるべきなのか」という検討は少なくともされねばなりません。

 今回の只見線の該当区間の乗車密度は49人/日で、被災前の6倍の人が恒常的に利用するようになってはじめて廃線の検討対象にならない可能性が生じる、そして旧国鉄時代の基準からいけば40倍の乗客の利用が恒常的に必要という路線区間です。現在バスで代替していますが、住民の目線でも、現在集落に近い道路を6往復半、しかもフリー乗降区間をなっていてどこでも乗り降りできるバスの運行が、鉄路となれば、一日3往復で駅にしか当然のことながら停車しないこととなります。住民のアンケートも取られていない中で首長が要望を行っているという声もあります。(つづく)

(連載2)トランプではなく膨張中国に翻弄されるG7首脳 ← (連載1)トランプではなく膨張中国に翻弄されるG7首脳  ツリー表示
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-18 09:19 [修正][削除]
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3100/3105
 米国は曲がりなりにも成長を続けているが、白人中間層を支えてきた製造業は没落し、格差問題が深刻化している。日本はゼロ%前後の成長トレンドとデフレ圧力から抜け出せず、内需が低迷している。EUは市場の萎縮の中で高失業率と移民増に苦しみ、分裂の危機が去らない。中国に次ぐ新興国市場、インドの成長速度は中国に比べると遅い。米欧のリーダーたちは幻想だと批判されようとも、見かけの規模が巨大な中国市場に望みを託すしかない。

 米国の場合、ゼネラル・モータース(GM)は中国市場を収益源とし、IT(情報技術)最大手のアップルのアップルストアは中国市場での売り上げが米本土を上回る。実利志向のトランプ政権は中国との不毛な貿易戦争を避け、懐柔に前のめりになるはずだ。中国はそれを心得て、5月上旬に対米輸入増をめざす「100日計画」を提示し、ウィルバー・ロス米商務長官をして「米中の貿易関係の歴史上かつてなかった超人的な偉業」とたたえさせた。

 相手が一歩でも下がると、二歩前に出てくる、平たく言えば増長するのが、毛沢東時代以来の中国共産党の対外政策である。北朝鮮問題でも、習氏はトランプ氏の協力要請に「イエス」と言い、3月からは中国の対北輸入額の約5割を占める北朝鮮産石炭の受け入れを停止した。一方では鉄鉱石などの輸入は急増させている。中国からの対北石油供給や中国の銀行による外貨融通も従来通りだ。金正恩氏が高笑いしてミサイル実験を続けられるはずである。

 結束にヒビが入ったG7サミットの前、5月中旬には習氏執心の経済圏構想「一帯一路」の国際会議が北京で開かれた。ビジネス機会に目がくらんだ欧州、さらにトランプ政権も代表団を派遣したが、中国側が提案した貿易に関する文章からは透明性や入札契約の基準を保障する項目が削除されていた。習政権はユーラシア大陸をカバーするこの経済圏に中国式ルールを浸透させようと野心むき出しだ。G7は膨張中国にすり寄るのをやめ、対抗することで再結束を図るしかないはずだ。(おわり)

(連載1)トランプではなく膨張中国に翻弄されるG7首脳  ツリー表示
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-17 13:27  
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3099/3105
 5月26、27両日にイタリア南部シチリア島で開催された先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の宣言は、発表後1週間もたたないうちに無力ぶりが露呈した。核・ミサイル開発計画の放棄要請に対する北朝鮮の返答は、新型ミサイルの発射。意義を再確認した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」はトランプ米大統領が離脱を表明し、ドイツのメルケル首相は今後、米国に頼らないと示唆する始末だ。G7サミットは存在意義を失ったのか。

 トランプ氏は北朝鮮から無視されたG7宣言よりも中国の習近平国家主席からの対北圧力の威力に頼る。5月29日の弾道ミサイル発射を受け、トランプ氏はツイッターに「北朝鮮は弾道ミサイルを発射し、ずいぶんと隣国、中国に無礼を働くもんだ。だが、中国はしっかりやってるぜ」と投稿した。トランプ氏は大統領選当時の対中強硬路線を棚上げし、対中融和にいそしむ。4月上旬の米中首脳会談後は機会あるごとに習氏を「いい男だ」と褒めちぎる。

 中国に対して気を配るのは議長国イタリアなど欧州首脳も同じだ。サミット宣言では日本側の主張を酌んで「東シナ海および南シナ海の緊張を高めるあらゆる一方的な行動に対し強く反対する」とうたったが、緊張の元凶、中国への名指しを避けた。貿易問題については、日欧首脳がトランプ氏を説得して「保護主義と闘う」という従来の表現を残したが、たかがサミット官僚の作文、喜ぶのは早い。ダンピング、差別的非関税障壁、強制的な技術移転、知的財産権侵害、政府補助金、さらに鉄鋼の過剰生産能力など、宣言で言う「貿易歪曲(わいきょく)的慣行」のデパート、中国の名は一切なしだ。

 なぜ、そうなるのか。答えは2008年9月のリーマン・ショック後の世界経済構造の激変にある。グラフは各国、地域のドル建て名目国内総生産(GDP、年額)について、今年3月とリーマン時とを比べた増減額(3月末の1ドル=111・4円で換算)だ。中国のGDP増加は777兆円で米国の446兆円をはるかにしのぐ。日本は9・6兆円で、欧州連合(EU)は実に375兆円の減少である。中国のGDP統計の信憑(しんぴょう)性に問題があるとしても、この数値は国際的に認知され、各国政府や民間企業の判断基準になっている。リーマン後の世界の市場の拡大を支えてきたのは中国であると世界は認識しているのが現実だ。(つづく)

(連載2)農業・漁業の再生は第10次産業化の発想で ← (連載1)農業・漁業の再生は第10次産業化の発想で  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-15 09:26 [修正][削除]
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3098/3105
 私は、それに第4次産業の知的財産やコーディネート力、文化力を結びつけることによってさらに高価値のものとして、競争力を高めることが必要だと思っている。知的ソフトパワーで1次、2次、3次をまとめることができなければ絵に書いた餅になってしまう。第4次産業が6次産業の成功の鍵といってもいいものだ。

 第1次産業に携わっている人はその道でのプロフェッショナルであっても、全体を見渡すことはなかなかできない。船に乗って魚をとる漁師が、先端の加工技術を熟知していたり、都会の若者の流行を把握している可能性は低い。いきなり新たな発想は生まれにくいし、例え生まれても、新たな分野では素人に近い。失敗する確率も高いのだ。

 4次産業が1次、2次、3次産業を新発想でコーディネートすることが重要だ。足し算すると第10次産業。まさに大学などの研究機関が起点となって、産学連携をダイナミックに進めるということだ。これは本気で行うなら価値がある。どれだけ本気になってできるか、にかかっている。大学や研究所、学会が起点となって、様々な分野の連携を促しながら、新たな展開をすることができるなら、まだまだ、日本の社会が伸びていく余地はある。

 日本の社会は蛸壺化してしまった。横断的な繋がりや発想が出にくい社会になったのだ。1960年代の製造業をベースにした高度経済成長期には、与えられた仕事をまじめに取り組めば成長の流れに入ることができた。しかし、今は第1次産業だけでなく、第2次産業も、新発想で付加価値を付けることが求められている。第10次産業化が閉塞した日本の起爆剤になる。第10次産業によって何ができるか、何が生まれるか。日本の新たな挑戦だ。(おわり)

トランプ対マスコミの対立は長丁場に   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-15 09:17 [修正][削除]
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3097/3105
 初閣議を「まるで北朝鮮の閣議だ」(CNN)と酷評されては、トランプも形無しだ。どうもトランプの打つ手は田舎芝居じみており、稚拙だ。その原因を探れば、政権が素人集団だからだろう。ワシントンで昔から言われている政権維持の要諦は3つある。「連邦捜査局(FBI)を敵に回すな」「敵になりそうなものは抱え込め」「ばれるような隠ぺいはするな」である。1つでも守らないと政権は危機に瀕するといわれ、歴代政権が重視してきたポイントだが、トランプは3つとも破っている。まさにハチャメチャ大統領による五里霧中の低空飛行だ。
 
 政権発足以来5か月たってやっと23人の閣僚がそろって6月12日に開いた閣議だが、それがなぜ「北朝鮮の閣議」かといえば、見え透いたお追従強要閣議であったからだ。冒頭20分間をテレビに公開したが、まずトランプが「我々は驚異的なチームで、才気にあふれている」と自画自賛。次いで閣僚に発言を求めたが、根回し済みとみえて、ごますり発言が相次いだ。史上初のゴマすり閣議だ。メディアが「賞賛の嵐」と形容したほどだ。CNNが「賞賛度第1位」に挙げたのが副大統領ペンス。何と言ったかというと「大統領を支持するという国民への約束を守る。大統領に奉仕できるのは人生最高の特権です」と大ゴマをすった。そして次から次へと歯の浮くようなお追従を閣僚が繰り返した。まさに世界最強の民主主義国の閣僚が、皇帝トランプにひれ伏すの図であった。
 
 司法長官セッションズの議会証言もトランプの意向が強く働いたものであった。もともとセッションズとトランプは不仲と言われており、一時は辞任説も流れた。ところが6月14日の議会証言では打って変わった“忠節”ぶりを示した。どのような忠節ぶりかと言えば、トランプが窮地に陥いったロシアゲートの全面否定である。ロシアとの共謀を強く否定し、そのような主張は「おぞましく忌まわしい嘘」だと述べたのだ。さらにトランプは身内を使ってすぐにばれるような芝居を続けた。親しい友人であるクリストファー・ラディに「大統領は特別検察官の解任を検討している」と発言させたのだ。ニューヨーク・タイムズは6月13日、トランプが実際にモラー解任に動き、夫人メラニアが止めたと報じている。先月特別検察官に任命されたモラーはワシントンで与野党を問わず信頼を集めている人物だ。ニクソン政権のウォーターゲート事件やエネルギー大手エンロンの粉飾決算事件を扱った経験者らを集め、強力なチームを編成してロシアゲートの捜査任務に着手している。ラディ発言には反発が大きく、ロシア介入疑惑を調べている下院情報特別委員会の民主党メンバーのトップ、シフ議員は、ツイッターで「大統領がモラー氏を解任した場合は、議会は直ちに独立検察官を設置し、そのポストにモラー氏を任命することになる」と述べたほどだ。慌てて報道官スパイサーに否定させたが、トランプはマッチポンプでモラーとFBIをけん制したつもりなのであろう。

 こうしてトランプは身内を固めようとしているが、最大の問題は敵に回してはいけないFBIを敵に回していることだ。前長官のコミーは6月8日の証言で「トランプからロシアゲートの捜査中止を求められた」と述べると共に、トランプとの会談のメモを明らかにした。捜査中止命令は大統領による司法妨害であり、ウオーターゲート事件の核心でもあったほどだ。FBIだけではない中央情報局(CIA)まで敵に回した。前長官ブレナンは6月23日に議会で「ロシアが昨年の大統領選挙にあからさまに介入し、非常に強引に米国の選挙に入ってきた」とロシアゲートの実態を明らかにしている。議会証言はFBIとCIAの前長官が疑惑の存在を明らかにして、“忠犬”に戻ったような司法長官セッションズだけが否定するという構図である。誰が見ても信用出来るのはFBIとCIAであって、司法長官ではあるまい。こうした捜査当局の資料を基に特別検察官が捜査するのだから、その結果は火を見るより明らかなものとなろう。
 
 今後の展開としては、(1)準レームダック化して来年の中間選挙までは続く、(2)弾劾が早期に成立する、(3)副大統領が大統領の執行不能を宣言する、(4)いつかは不明だがモラーが政権直撃の捜査結果を公表してトランプが窮地に陥る、などが考えられる。(1)についてはトランプの支持率が38.6%、不支持率が56.0%であることが物語るように、下院が中間選挙で民主党優位に逆転する可能性が高い。従って過半数で弾劾を発議出来る可能性があるが、上院の3分の2の壁があり、共和党が弾劾に回らなければ困難だ。ニクソンの場合は民主・共和両党の合意で弾劾が可能となり、弾劾を待たずにニクソンは辞任している。そうした事態に発展するかどうかで決まる。従って、(2)の弾劾早期成立は困難だろう。(3)の副大統領による解任も、トランプが精神的な異常を来すなどよほどのことがないと難しい。アメリカ合衆国憲法修正第25条は副大統領が大統領の執行不能を宣言できるとしているが、まだ発動されたことはない。従ってトランプの低空飛行は継続するが、ホワイトハウスの記者団を中心とするマスコミとトランプの対立は衰えることなく長丁場化して継続する方向だ。

(連載1)農業・漁業の再生は第10次産業化の発想で  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-14 23:42  
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3096/3105
 6次産業という言葉はかなり定着してきた。農業や水産業、林業などの第一次産業は、日本においては長期低落傾向にある。産業として衰退し、従業者人口も激減している。さらに極度の高齢化が進み、将来は極めて厳しい状況になっている。海外から非常に安価な農業・林業・漁業の産品が入ってくる。農畜産物、水産物、木材などの素材だけの勝負では展望を作ることはできない。

 農業経済学者の今村奈良臣氏は6次産業を提言した。6次産業は、第1次産業の農畜産物、水産物の生産だけでなく、第2次産業の食品加工や、第3次産業の流通、販売にも農水産業者が主体的かつ総合的に関わることによって、付加価値のあるビジネスを展開するものだ。第1次産業、第2次産業、第3次産業をすべてミックスするということから、第6次産業という言い方がされてきた。第1次産業の農林水産物を売り出すのに、第2次産業や第3次産業との連携を行うというアプローチがこの第6次産業となっている。

 確かに、農林水産物をそのまま売っても、限界がある。はるかに安価な海外からの輸入品には勝てない。そこで様々な工夫をして、付加価値を高めて、発想力と技術力で対抗しようというのだ。素材そのものだけでなく加工し、付加価値を与えることは意味がある。また、作物をそのままではなく調理・加工・パッケージングして販売することが出来るので、市場への卸価格に左右されることなく安定した収入が得られる。採れすぎ貧乏、作りすぎ貧乏を避けることにも繋がる。そして産品のブランド化にも繋がる。「6次産業化」という言葉は魔法の言葉のように飛び交った。

 発想は理解できるし、支持する人も多い。しかし、実際に成功した例は多くない。なかなか6次産業の成功事例がでてこない。農林水産省が出す「成功事例集」には非常にたくさんの「成功事例」が載っている。農林水産省などの補助金で多くの取り組みがされ、それらが「成功例」として載っているのだ。しかしその中で本当に成功と言えるのは限られている。成功するかにみえて失敗、という事例もたくさんある。星の数ほど失敗しているのだ。(つづく)

日本学術会議の「軍事的安全保障研究禁止」は現在も妥当か   
投稿者:加藤 成一 (兵庫県・男性・元弁護士・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-13 18:52 [修正][削除]
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3095/3105
 日本の科学者の代表機関である日本学術会議が、今年3月24日の幹事会で、従来からの「軍事的安全保障研究禁止」の方針を継承する旨の声明を行ったことを受けて、全国の大学では、左翼系学者らによる、いわゆる「軍学共同反対」運動や抗議活動が活発化している。日本学術会議幹事会の声明や、左翼系学者らによる反対運動によって、国の防衛関連技術のみならず、防衛関連技術に転用可能な民生技術についても、研究開発への教員の応募を禁止する大学が相次いでおり、このため、これらの研究開発に従事する研究者は減少している。

 とりわけ、左翼系学者らが行う「軍学共同反対」は、他国による弾道ミサイル攻撃から日本国民の命を守るための、「ミサイル防衛」の性能向上のための研究開発についても反対している。「飛んでくるピストルの弾をピストルで撃ち落とすことは不可能である」と主張して、その迎撃能力や抑止力を否定する左翼系学者も多い。しかし、中国やロシアが、韓国に配備された高高度防衛ミサイル「THAAD」に強く反対するのは、核戦力の無力化を恐れるためとされており、一定の迎撃能力を有することは否定できない。米国がポーランドなど旧東欧諸国への配備を目指す「ミサイル防衛」につき、ロシアが強く反対するのも核戦力の無力化を恐れるからであると言われている。

 左翼系学者らの主張には、日本は憲法9条により戦力を持たず、戦争を放棄したのであるから、「丸腰の非武装」によってこそ平和がもたらされるという、旧日本社会党の観念的な「非武装平和主義」ないし「空想的平和主義」のイデオロギーが、いまだに根強く残っている。彼らは、自衛隊は憲法違反と考えており、戦後の平和は、自衛隊や日米同盟によってではなく、「憲法9条によって守られてきた」と主張している。従って、防衛関連技術の研究開発の禁止を求め、国の安全保障は専ら「外交」によって行うべきであると主張し、自衛隊による「自衛力」の必要性を認めず、「備えあれば憂いなし」との考え方をとらない。

 しかし、日本が米国に追随すれば米国より先に日本全土を焦土にすると恫喝し、核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮による差し迫った脅威を考えれば、日本は米国の高性能レーダーシステムと連携して、少なくとも、弾道ミサイル攻撃から国民の命を守るための「ミサイル防衛」の強化は喫緊の課題であると言えよう。軍事的攻撃の形態が、戦車や大砲の時代から、極めて短時間に着弾する大量破壊兵器である弾道ミサイル攻撃の時代に様変わりした現在において、国民の命を守る「ミサイル防衛」の性能向上のための研究開発についてすら、いまだに「軍事的安全保障研究禁止」を理由として反対する日本学術会議幹事会の声明や、反対を煽る一部の左翼系学者らによる『軍学共同反対』運動は、日本の防衛技術水準全般の低下を招き、国民の命を守るべき日本の安全保障を弱体化する由々しき問題であると言えよう。

北朝鮮の核・ミサイル、圧力かけるべきは習主席   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-09 22:04 [修正][削除]
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3094/3105
 「北朝鮮は弾道ミサイルを発射し、ずいぶんと隣国、中国に無礼を働くもんだ。だが、中国はしっかりやってるぜ」(トランプ米大統領の5月29日付ツイッター)。北朝鮮は先週末、イタリア・シチリア島で開かれた先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)での核・弾道ミサイル開発放棄要求を完全無視したばかりか、日本の排他的経済水域に着弾した29日の3発目までに3週間連続でミサイルをぶっ放した。対するトランプ氏は、1日で何度も短文で済むツイッターを乱発するから、米大統領の言葉としては重厚さに欠けるが、中国の習近平国家主席・党総書記への気配りは本物のようだ。

 トランプ氏は大統領当選後、しばらくは対中強硬路線を誇示してきたが、今年1月に北朝鮮が核実験と弾道ミサイル発射に踏み切った途端に、対中融和に切り替えた。4月初旬の米中首脳会談後は習氏について機会あるごとに「ウマが合う」「よい男だ」と褒めちぎる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長を抑えるのは習氏しかいないと信じきっているかのようだ。では、中国はトランプ氏の期待に応えているのか。中国が3月から輸入を停止した石炭は大きく落ち込んでいる。対照的に鉄鉱石輸入は急増している。北朝鮮は中国から石油、鉄鋼製品などの供給を受け、見返りに石炭、鉄鉱石などの資源を中国に輸出する。

 このバーター方式だと、北朝鮮は対中輸出を減らすと、輸入をその分減らさざるをえなくなる。中でも、石炭は中国の対北輸入総額の5割前後を占める。それが止まった分の穴埋めは容易ではなく、北朝鮮は追い込まれるはずなのだが、中国は鉄鉱石など他の品目の輸入を増やす配慮を行っている。中国の北朝鮮からの輸入総額は今年1~4月で前年同期比20%減少したのと対照的に、輸出総額は15%増加している。何のことはない、中国は石炭輸入を停止することで、トランプ大統領には対北締めつけで協力しているように見せかけながら、北朝鮮に対しては石油、鉄鉱製品などを従来にも増して輸出している。

 金委員長が高笑いしながら、弾道ミサイル実験を繰り返すはずである。金委員長に圧力をかけるサミット宣言の裏では、G7首脳は中国にしてやられている。トランプ大統領とG7が圧力をかけるべき相手は中国であり、習主席である。中国に対しては、北への石油供給や、中国の銀行による信用供与の停止を求めるべきだ。そうすると、北朝鮮は輸入できなくなるし、軍は機能停止する。中国がそうしないのは、金委員長が激怒し、核やミサイルを中国の方に向けかねないからだ、との見方があるが、忖度しすぎだ。そもそも、習氏にはそんな気はさらさらない。

(連載2)パリ協定から離脱するアメリカと悪乗りする中国 ← (連載1)パリ協定から離脱するアメリカと悪乗りする中国  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-08 10:37 [修正][削除]
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3093/3105
 実際データで見ても、中国は2030年にGDPあたりの排出量を2005年から60%削減するとの目標をパリ協定の枠組みの中で掲げていますが、2005年の実績が2.68kgCO2/$でこれを2030年に60%削減しても1.00kgCO2/$です。これは、日本(0.24)、フランス(0.27)、ドイツ(0.41)、イギリス(0.33)、アメリカ(0.53)などの国々の2005年の数値にすら遠く及ばないもので、ほぼ何もしないと言っているに等しい。

 産業構造の違いがありますから単純比較はできませんが、基本的には現時点でのベストの技術を導入するだけで、少なくとも0.50kgCO2/$程度には抑制できるはずで、今後の技術革新の余地を考えれば、削減への強い意志を感じられるものではありません。新興国ということで総量規制を逃れるだけならまだしも、中国に関しては原単位ベースの目標もあまりにも貧弱です。その程度のことしかコミットできない中国が、その交渉で勝ち取った緩い目標を維持しようとして、正義の味方のような顔をして「パリ協定・地球全体の環境政策の流れをリードする」などと主張しているのは、詐欺、欺瞞でありちゃんちゃらおかしいいと言わざるを得ません。そのようなことを言うのであれば、新興国にあっても先進国並みの目標を設定し、実効性をもった義務化を行ってからにしてほしい、というのが長年気候変動の問題に真剣に取り組んできた者の目からすれば正直なところです。

 アメリカの離脱は気候変動の対策上非常に失望させられる結果ですが、中国にこのような詭弁を許してしまい下手をすれば影響力まで持たせかねないという点においても愚策と言わざるを得ません。いずれにしても、現在の経済の実態から、中国・アメリカという二大排出国が地球全体の今後のカギを握っている事実に変わりはありませんし、この両国を巻き込む努力を続けていかねばならないのもまた現実の要請です。

 日本は、京都議定書、洞爺湖サミットと、福島第一原発の事故の前までは世界の議論をリードする環境先進国であったわけで、今後は一層大きな役割を果たしていかねばなりません。欧州諸国やイギリス等と連携して世界の気候変動への具体的な対応を進める流れを止めずに進めていくことが必要です。同時に石炭発電の問題も含めて、日本の国内にも世界の潮流に反する動きがあります。将来に責任を持つ政治家として日本の政府が正しい決断を下せるよう引き続き全力で頑張ってまいります。(おわり)

(連載1)パリ協定から離脱するアメリカと悪乗りする中国  ツリー表示
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-07 12:13  
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3092/3105
 トランプ大統領がパリ協定からの離脱を発表しました。気候変動に関しては、実際に対策を講じて大気中の温室効果ガス濃度が一定に抑えられたとしても、植生や疫病など大きな影響を人類が長期にわたって直面せざるを得ません。また気候変動は加速化することから、一刻も早い対策が求められてきたいところです。なるべく早く対策を講じることが人類全体がかけなばならなくなるコストの抑制につながることが明確であることから、国際的な合意作りに世界全体が取り組んできたところです。

 必要な削減量という科学の議論と、誰が負担するのかという政治の議論。従来前者については一定の合意がされるものの、後者については中国などの新興国を中心に負担を避ける動きが出て交渉が停滞するという状況が続いていて、結果的に事態がどんどんと深刻化していたという経緯がありました。そこをどうにか乗り越えようと、様々な妥協もしながら必要最低限の枠組みとして、世界の主要国が合意に至ったのがこのパリ合意です。

 今回のアメリカの行動は、自国の利益だけを考える一国主義を前面に押し出し、負担の政治論への不満から、科学からの必要性を無視した暴挙であって、アメリカの国際社会における信用を大きく損なうものであり、残念としか言いようがありません。特に、アメリカの国内にあっても、「正しい規制がイノベーションを生み、結果的にダイナミックな経済成長の原動力となる」との考えの下で、IT関係の新興企業は言うに及ばず、エクソンなどのエネルギー業界からも、パリ協定離脱への懸念の声が大統領に伝えられている中で、また政権中枢にも離脱に反対する声が大きい中での今回の決断だったようです。

 アメリカの良識からもかけ離れた、あまりにも近視眼的で愚かなトランプ大統領による決断としか言いようがありません。同時に、ここに悪乗りしている中国の動きも滑稽としか言いようがありません。そもそも中国の排出目標自体が中国の交渉過程での抵抗により、日本やイギリス、EUやアメリカ等と異なり、絶対量に規制がかからずGDPの単位当たりの排出量の削減にとどまっており、さらにはそこに罰則などもかからないような状況です。(つづく)

最近の国際情勢から考える日本の取るべき道   
投稿者:中山 太郎 (東京都・男性・非営利団体非常勤職員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-06 08:23 [修正][削除]
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3091/3105
 最近のトランプ米大統領の「パリ協定」離脱宣言をめぐり、米国への風あたりが強い。エゴイスト・アメリカの烙印も押されている。先ほど訪欧した中国の李克強首相は、「パリ協定」支持、推進を歌い上げ、EU首脳と蜜月ムードを演出した。しかし、詳細に眺めると、矛盾だらけだ。

 メルケル独首相は、トランプ批判の演説などで、「自由、民主主義、法の支配、人権への侵害」をのべている。その人間が、中国と密なる連携を持つ。中国には、米の10分の1のそれらがあるというのか?「パリ協定」推進、これも結構なことではあるが、途上国としての有利なポシションを占める中国が、二酸化炭素削減に大車輪で取り組むと見る専門家は少ない。そもそもEU上層部の人たちが家族ずれで、大気の劣悪な中国の大都市、例えば北京へ長中期に住もうと考えることが考えられるだろうか?

 この1月に習近平主席は、スイスのダボスで「保護主義反対」、「グローバル経済熱烈支持」を高らかに宣言した。そして、国際世論の喝さいを浴びた。中国得意の言い方である「口先の言葉より、実際の行いを見よ」で行くと、国内の国有企業最優先主義で外国企業にはあらゆるいちゃもんを付け排除しているのはどこの国なのか。その習近平主席は、「反腐敗闘争」に打ち勝ち、権力基盤が確立されてきた。それは習近平を呼ぶのに「習近平主席を核心とする指導部」という表現で確認されるとの見方がいわゆる中国通に多いが、東西を問わず、政治の世界は一寸先は分からないが正解だ。民主体制でもそうだが、専制体制ではなおさら、直前までわからないのだ。薄熙来、徐永康など中国指導者がああゆう失脚の仕方をするとは、ほとんどの人間がわからなかった。

 国際政治の権威のヘンリー・キッシンジャーでさえ、ソ連の崩壊は直前まで予想できなかったと述べている。彼は最近は、得意の中国事情についての公開発言は極めて少なくなっている。自由と民主主義を先導してきた米国の内向き志向への後退は、確かに残念ではあるが、日本は忍耐強く、米、EU、インドなどの民主国家と連携して、自由主義理念のもとでの民主主義体制が国の体制をつくり、経済的繁栄をもたらし世界を先導する技術革新、創造的文化育成に大事なのだということに改めて思いをいたし進むのが日本のとるべき道だ。

世界を揺るがす米国の外交政策転換   
投稿者:川上 高司 (東京都・男性・拓殖大学教授・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-05 16:03 [修正][削除]
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3090/3105
 アメリカでは大統領が交代することに内政も外交も大きく転換する。それが停滞しがちな政治に新しいインパクトを与え活性化する。この4年なし8年ごとの衝撃が、アメリカがパワーを維持する源のひとつと言える。しかし世界がグローバル化し各国が複雑に絡み合っている現在では、その衝撃は他人事ではなくなる。特に今回のトランプ大統領のように、「前政権の否定」がその源である場合は各国が衝撃を受けている。オバマ大統領はイランとは1979年以来の国交断絶の関係を改善し宥和外交路線を敷いた。その反面、長年の盟友国であったサウジアラビアやイスラエルとは関係が悪化していた。 

 トランプ大統領はそのオバマ外交をあっさり覆した。イランとの核の合意を見直すと表明したためヨーロッパやイラン自身をも困惑させた。一方で関係の改善に喜んでいるのがイスラエルとサウジアラビアである。サウジアラビアとは原油価格の消耗戦までも展開したが、それも今は昔の話である。トランプ大統領はサウジアラビアを公式訪問し強い絆を再構築する姿勢を見せた。まずアメリカはサウジアラビアにブラックホーク150機、60億ドル分の武器の売却を決めた。オバマ時代には米議会がサウジアラビアへの武器輸出に歯止めをかけていたが、トランプは全く意に介していない。また150億ドルのさまざまな支援をアメリカは決めた。そのうちの70億ドルはGEが請け負う。GEは発電所から医療保険制度までサウジアラビアに協力することになる。

 ではサウジアラビアがアメリカにもたらすものは何か。1兆ドルにものぼるアメリカのインフラ整備への投資である。アメリカのインフラは老朽化して危機的状況にある。その整備にサウジアラビアの政府系ファンドらが投資していこうというのである。サウジの政府系ファンドが200億ドルを出資するのを筆頭に、投資会社のブラック・ストーンが200億ドルを投資するという。

 サウジアラビアにとってはアメリカとの関係の改善は願ってもないことであり、イランの台頭をたたくことができる。またシリア内戦でもスンニ派が有利な展開に導くことも可能となった。折しもイランでは総選挙が行われ穏健派のロハニ氏が再選された。イランはアメリカとの不和を望んではいない。イランにとって再び受難の時代になるのかもしれない。

トランプ大統領の信認低下が景気を壊す   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-03 11:28 [修正][削除]
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3089/3105
 トランプ米政権は5月23日、議会に2018会計年度(17年10月~18年9月)予算教書を提出した。米国の予算は政府ではなく議会が作成と決定権限を持つ。このため「デッド・オン・アライバル」(教書は議会に到着した途端に死ぬ)と称されるが、新大統領が議会を動かす絶好の機会だ。今回は議会に到着する前に、死に体になっている。「期待感なき予算教書」(23日付ウォールストリート・ジャーナル電子版)とみなされる始末である。

 理由は、トランプ大統領が外遊中でワシントンに不在であるばかりではない。米連邦捜査局(FBI)のコミー前長官の罷免をきっかけにした「ロシア・ゲート」疑惑などトランプ大統領への信認が揺らぎ、オバマ前政権の医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃、大型減税、大規模なインフラ投資など、政権の目玉となるべき政策や予算項目の実現が怪しくなっているからだ。そんな不安から、昨年秋の大統領選以降、続いてきた株式市場の熱狂「トランプ・ラリー」は冷える一方だ。気掛かりなのは経済全般へのマイナスの影響だ。米景気は08年9月のリーマン・ショックの1年後には底を打ったが、その後しばらく回復速度が遅かった。昨年から次第に力強さが出てきている。政権への信頼性の喪失とともに失速しかねない。

 米個人消費は株価への感応度が極めて高い。統計学の手法である相関係数を毎年末までの10年間単位で算出してみると、13年末以降は一貫して0・7を上回っている。相関係数は最大値が1だが、0・7以上は相関関係が極めて強いと判定される。日本の場合、株価と個人消費の相関係数は極めて低い。アベノミクスが始まった12年12月以降でみても0・27だ。相関関係がほとんどない水準である。米国の個人消費は株価によって左右される。株価が上がれば個人は財布のヒモを緩めて消費に向かい、株価が下がれば消費を我慢する。米国の国内総生産(GDP)の7割は個人消費が占め、同6割程度の日欧をしのぐ。米景気は株価動向で決まるのだ。

 気になるのは日本を含む世界への影響だ。米株価に牽引されてきた世界の株価はすでに上昇基調が崩れているのだが、米実体景気が減速するようだと、世界経済の楽観ムードが怪しくなる。消費税増税による需要減からようやく回復してきた日本経済も例外ではないだろう。今後の景気の最大の鍵になるのは、米株価であり、その株価を動かすのはトランプ大統領の政策への信頼性だろう。トランプ氏がロシア・ゲートの重苦しい霧を解消させる、外交で大成果を挙げる、あるいは低水準の世論の支持率をぐいと押し上げる起死回生策に成功すれば、議会への影響力を強めて政策の実現可能性を高め、市場の評価を取り戻せるのだろうが、まだ見通し難だ。

本質は既得権益を擁護する官僚との戦い   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-02 06:20 [修正][削除]
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3088/3105
 前文科事務次官前川喜平が漏らし、朝日新聞が煽り、「盲目民放」が興味本位に追随する、虚構の「加計学園疑惑」に対して、ようやく安倍政権は本格的な反論を展開し始めた。首相・安倍晋三自らが説明、閣僚や党幹部も積極的かつ具体的に反論し始めた。前川批判の焦点は何で次官在職中に身を賭して反対しなかったかに集中している。政治家ばかりではない事務次官OBらによる会合がこのほど開かれたが、「疑問があるならなぜ在職中に首相と会って反対しなかったのか。後でマスコミに向かって発言することは次官経験者がやることではない」との見解で完全に一致したという。心ある次官経験者らは、前川総スカンなのであろう。確かにまっとうな官僚なら筋を通すはずではないか。一部マスコミも次官在職中に売春を斡旋するようなバーに足繁く通い、「女性の貧困」を調査したと言ってはばからない「異次元の人」の発言を、まるで権力に立ち向かう英雄であるかのごとく報道し続けるのは、心ある国民の新聞離れと、民放蔑視(べっし)につながるばかりであることに気付くべきだ。

 まず安倍は1日、ニッポン放送の番組収録で「私の意向かどうかは確かめようと思えば確かめられる。次官なら大臣と一緒に私のところに来ればよい。そしてその場で反対すべきだった」と前川の姿勢を戒めた。そして「(加計学園の)理事長が友人だから私の国政に影響を与えたというのは、まさに印象操作だ」と厳しく断定した。自民党国対委員長竹下亘も「問題があるのなら、なぜ現職の時に発言しなかったのか」と批判した。筆者もこの問題の根底には、天下り問題で辞任を迫られた前川の“逆恨み”があると思えて仕方がない。そこにはマスコミの操縦を心得た前川の巧みな世論誘導術がある。文科省のメモの漏洩に始まって、一見新しい疑惑のように見える事柄を、毎日のように少しずつ漏らして、安倍内閣を政局に追い込もうとする。「次官の野望」が垣間見えるのだ。しかし、その発言の内容たるや「総理のご意向」メモに始まって、決定的な打撃力に欠ける話ばかりだ。

 「総理のご意向」が犯罪につながるような証拠は一切提示せずに、矛盾にあふれ、まるで「引かれ者の小唄」のような発言ばかりだ。前川は2016年9月に首相補佐官に呼ばれて「総理は自分の口からは言えないから」と獣医学部増設を求められたと主張する。しかし、学部新設は15年6月に閣議決定済みであり、閣議で決めた問題を「自分が言えない」として、首相が人を介して次官の了承を求めることなどあり得ない。さらに言えば加計学園獣医学部新設は民主党政権が推進した問題でもある。今治市は2007年以来、特区指定申請を15回も却下されたていたが、民主党が10年に「対応不可」から「実現に向けて検討」に格上げの閣議決定をしている。従って前川が「行政がゆがめられている」と主張し、民進党がこれに口裏を合わせているのは、天に唾するものだ。何をやっても「安倍の疑惑」と指摘するなら、当然民主党の疑惑も指摘され得る事態ではないのか。規制改革担当相の山本幸三が「(文科官僚が)既得権のことばかりを考えて行政をゆがめてきたのを正しただけだ」と反論しているのが正解だ。

 そもそもこの前川対官邸の確執の本質は、規制改革を推進する官邸と既得権にしがみつこうとする文科省、応援議員団、獣医団体などとの戦いなのだ。反対派は50年も続けられてきた獣医学部新設却下が、時代の変遷と共に実情に合致しなくなってきていることを無視しているのだ。鳥インフルエンザや口蹄疫などという新事態は、獣医学部の新設却下と明らかなる矛盾を示している。旧態依然として岩盤を守ろうとする文科官僚は、その新事態に気付いていなかっただけのことだ。その固い岩盤に安倍がダイナマイトを仕掛けなければ事は動かなかったのであって、政治は時に荒療治をしなければ、官僚の既得権擁護を突破出来ないのだ。もともと朝日などマスコミの多くは規制改革推進論であったはずだが、なんとしてでも政局に結びつけたいという“邪心” が先行して「報道をゆがめる」結果を招いているのだ

党と中国企業のための「一帯一路」   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-31 16:36 [修正][削除]
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3087/3105
 先日、「一帯一路サミット」と称する国際会議が北京で開かれた。「一帯一路」とは習近平中国共産党総書記・国家主席が唱道する欧州、中東、アフリカ、中央アジア、東南アジアを陸と海のインフラで結びつける経済圏構想だ。会議では習氏が合計7800億元(約12兆8000億円)のインフラ整備資金を追加拠出すると表明した。同構想の推進を自身の権力基盤固めの手段にしているだけに、習氏はロシアのプーチン大統領らの出席者に気前のよいところをみせた、というところだろうが、ちょっと待て。そんなカネをどう捻出するのか。

 通常、海外向け投融資はドル建てで行われる。プロジェクトを実行する国も受注企業もドルを選ぶからだ。7800億元はドル換算で約1100億ドル相当だ。中国の外貨準備は3兆ドル、世界一の規模であり、その一部を充当できるから問題ない、と見る向きもあるだろうが、外貨準備は無きに等しい。中国の外準は対外負債4・6兆ドル、すなわち外からの借金によって支えられている。最近はかなり落ち着いてきたが、中国はことし初めまで巨額の資本逃避に悩まされ、外準は急減してきた。習政権は資金流出を食い止めようとして、企業や個人の外貨持ち出しを厳しくチェックしている。習氏が外貨を大盤振る舞いできるはずはない。

 そこで、追加資金の内訳をよくみると、大半は人民元である。インフラ投資基金を1000億元増額、政策投融資機関である中国国家開発銀行と中国輸出入銀行が合計3800億元を融資、大手国有銀行が人民元建ての3000億元規模の基金を設立するという。何のことはない。党が支配する中国人民銀行が人民元を刷って、国有銀行が融資すればよいだけだ。この手口は本来、国内向けに限られてきた。2008年9月のリーマン・ショック後、党中央は人民銀行に命じて人民元を大増刷させ、国有銀行には融資を一挙に3倍程度まで増やさせた。その結果、国内のインフラや不動産開発投資が活発化して、世界でもいち早く不況から立ち直り、高度成長軌道に復帰した。同じ手を今度は「一帯一路」沿線国・地域に使おうという魂胆だ。

 ではだれがそんな資金を受けとるのか。上記の通り、外国企業は「ドルでよこせ」と要求するだろうが、中国企業なら人民元で構わない。国内総生産(GDP)を見ても、融資を受ける国の経済力は弱く、人民元でなくてもカネは欲しい。人民元建て債務返済に縛られる政治的代償を払う羽目になる。「一帯一路」とは、習氏の「党による党と中国企業のため」のプロジェクト、ビジネスモデルなのだ。それでも欲に目のくらんだ欧米企業は北京詣でに余念がない。欧米メディアによれば、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)、ハネウエルやドイツのシーメンスなどは主契約者が中国企業でも、その下請けで受注できると踏んでいるというが、ちょっと情けない。

朝日は「破廉恥次官」が正義の味方か   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-30 09:52 [修正][削除]
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3086/3105
 朝日新聞が読売をなんと安倍政権べったりの「御用紙」呼ばわりしていることが分かった。前文科次官前川喜平の売春防止法違反疑惑に、川柳欄で「御用紙は印象操作で操たて」を選んだうえに、「出会い系報道」のコメントを付けている。たかが川柳ではない。川柳の選者は朝日の編集局内の読売批判の風潮を見事に詠んだから選んだのだ。極めて政治的な選考なのだ。前川の行動を“擁護”に出ていることを如実に物語る。一方NHKは朝日と同様に「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」という文科省内のメモを入手しながら、破廉恥な前次官の疑惑に丸乗りして、首相を追及することは控えたという。民放はTBSとテレビ朝日がここを先途とばかりに朝日に同調、前川をまるで「正義の人」扱い。マスコミは朝日、TBS、テレビ朝日対読売、産経、NHKの構図がくっきりと浮かび上がっている。

 まず朝日が25日夕刊の素粒子蘭で「前次官が出会い系バーに出入りの報道。個人の醜聞に矮小化(わいしょうか)しようとするか。『共謀罪』後の監視社会恐ろし。」と論評した。朝日がまともに前川のバー通いを論評したのはこの素粒子欄だけだが、かなり読まれているとみえて、「何が何でも反安倍」路線をひた走る評論家片山善博が28日のフジテレビの真報道2001で同様の見解を述べたあげく「人事を官邸が握っていて物言えば唇寒しだ」と宣うた。これは、いかに朝日が反安倍のコメンテーターのよりどころとなっているかを物語る。ひどいのは毎度のことだがテレビ朝日。テレ朝は、かつて報道局長の椿貞良が「なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」と他局に偏向報道を働きかけ、再免許が危うくなった経緯がある。そんなことなどとっくに忘却の彼方とみえて、コメンテーターを使って反安倍キャンペーンだ。一方TBSも29日午後のラジオ番組「デイキャッチ」で前川を出演させ、司会が官邸が出会い系通いを戒めた問題についてなんと「どう喝ではないか」とごまをすった。これに前川も「どう喝、威喝、脅迫とみようと思えばみえる」と悪乗りした。さらに加えて前川は「とにかく全く私的な行動であり、興味関心で話を聞いた」と弁明したが、本当だろうか。これに先立つ記者会見で前川は出会い系通いを「女性の貧困の調査」と臆面もなく発言したが、開いた口が塞がらないとはこのことだ。いま銀座のバーでは客がドアを開けると「女性の貧困の調査に来た」とママを喜ばすのがはやっている。ママはこのギャグに食傷気味だが、笑うふりをする。

 さすがに普段は冷静な官房長官・菅義偉が憤って「『女性の貧困』には強い違和感を覚えた。常識的に言って教育行政の責任者がそうした店に出入りして、小遣いを渡すことなど到底考えられない」と発言したのは至極もっともだ。菅の指摘するように1度や2度の「調査」ならまだしも、審議官時代から次官時代を通じて毎週、時には毎日入り浸っていて、「調査」が聞いてあきれる。東大法学部というのは先にも指摘したが、本当に変わった人間を“輩出”する。前川発言の核心は「行政がゆがめられた」と官邸の圧力で獣医学部の新設を認めさせられたことを指摘した点にある。蓮舫もこれに飛びついて「行政がゆがめられていないかを国会で問うべきだ」と発言した。しかしこれも蓮舫発言の常で、ブーメラン返しにあった。安倍は29日の本会議で「民主党政権時代の平成22年に閣議決定した新成長戦略で獣医教育のあり方について新戦略として行うことになった」ことを明らかにした。確かに、獣医学部の新設は、当時の民主党の鳩山内閣で実現に向けて検討が始まり、安倍内閣は、それをさらに前進させたものであり「行政がゆがめられた」と言う指摘は全く当たらない。江戸っ子なら「おととい来やがれ」だ。

 こうした中で、大傑作なのは朝日の世論調査で内閣支持率が変化していないことが分かったことだ。朝日は29日の3面全てを使って「それでも崩れぬ安倍支持の理由」と大特集を組んでいる。この見出しから見る限り、これだけ加計問題で叩いてやったのに、支持率が変わらないと悔しがっている様が正直に現れている。「朝日新聞が24~25日に実施した緊急世論調査でも内閣支持率は47%になり、ほとんど動かなかった。相次ぐ閣僚の失言、森友学園や加計(かけ)学園の問題が噴出しても大きく崩れていない。」のだそうだ。そして「有権者は『他よりよさそう』という意識が広がるあまり『中身』の評価が甘くなってはいないか。異論に耳を傾けず、幅広く納得を求めない姿勢を許すことにつながらないか」と解説した。安倍政権の「中身」に目を向けよと、例によって“教育的指導臭”がふんぷんたる記事だ。しかし、この記事は読者を馬鹿にしている。朝日の「安倍潰しキャンペーン」に、読者は自らの判断力で踊らされないことが分かっていない。そこには唯我独尊のみがあって、真の分析がなされていないのだ。だから発行部数がどんどん下がっているのが分かっていない。スクープだとばかりに報道した「総理の意向」文書にしても、「だからどうした」と言いたい。贈収賄疑惑があるのなら別だが、そのかけらもない。文科省の公文書でもない単なるメモだ。安倍長期政権で官僚はどの省でも「総理の意向」で物事を成就させる傾向にあるだけの話だ。そこを見分ける能力を国民はもっているのであり、もういいかげんにばかなミスリードは辞めた方がいい。北朝鮮が3週連続でミサイルを発射し、朝鮮半島を米空母3隻が取り囲む事態に、マスコミも国会もつまらん議論をしているときか。

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