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トランプ政権にちらつく「第2のプラザ合意」   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-24 20:43 [修正][削除]
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3022/3022
 トランプ米政権の通商政策は、たけり狂ったガンマンのようだ。辺り構わず打ちまくり、円相場まで標的にする。そこで米国の一部でちらつくのは、第2の「プラザ合意」との考え方だ。プラザ合意では、米日独英仏の5カ国の財務相・中央銀行総裁が1985年9月22日、ニューヨークのプラザホテルに集まり、ドル安誘導の国際協調をうたった。ドル安・円高が一挙に進み、1ドル=240円程度だった相場は1年間で150円台まで上昇した。余談だが、トランプ大統領にはプラザホテルと日本に苦い記憶がある。氏は88年に同ホテルを買収(後に売却)したが、資金繰りに窮した揚げ句、日本企業に出資を求めたが、すげなく断られたのだ。

 トランプ大統領の為替への執着ぶりはすさまじい。日本の円やドイツのユーロについても低めに誘導していると非難する。まぎれもない為替操作を行っているのは中国だし、米国の対中貿易赤字は全体の5割弱を占め、日本、ドイツに対する赤字の5倍以上に上るのだが、トランプ大統領は円、ユーロと人民元を同列にしてやり玉に挙げる。このまま、トランプ政権は日本、ドイツ、中国を巻き込んで、各国通貨に対するドル安誘導、即ち第2のプラザ合意を仕掛けかねないとの見方が出るのも無理はない。高関税によって輸入をブロックする保護貿易主義は世界貿易機関(WTO)違反として国際社会ばかりでなく、米国内でも批判にさらされ、立ち往生しかねない。

 その点、通貨合意なら「自由貿易を守るため」との言い訳もできる。プラザ合意当時の「通貨マフィア」の遺伝子を受け継ぐ財務省国際派官僚には魅力のあるプランかもしれないが、ばかげている。歴史の示すところ、プラザ合意こそは産業国家日本の衰退を招いた元凶である。米国にとってはどうか。プラザ合意後、ドルは急落傾向に歯止めがかからなくなった。あわてた日米欧は87年2月、パリのルーブル宮殿でドル相場の固定を取り決めたが、半年も経たないうちに失敗し、同10月19日には史上最大規模のニューヨーク株価暴落に見舞われた。「ブラックマンデー」である。その尻拭いをさせられたのが日本である。日銀は超金融緩和政策を続けて株や不動産のバブルを膨らませた。バブル崩壊後は「空白の20年」であり、いまだに脱けきれない。

 全般的なドル安誘導は、米国はおろか世界の経済を壊しかねない。世界最大の債務国である米国は、外部からの巨額の資金流入が不可欠なのだ。ドル安は資金流出要因であり、金融市場不安につながる。対外債務規模がまだ低かった80年代後半でも、ブラックマンデーが起きた。それでも為替合意をしたければ、中国との間だけでやればよい。中国だけなら世界への影響は限られる。中国は人民元相場を当局が全面的に管理している。人民元の大幅な押し上げは切り下げと同様、極めて容易なはずだ。

岩手県の東日本大震災被災地の現在   
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・30-39歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-23 20:06 [修正][削除]
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3021/3022
 2月12日、13日と自民党青年局の派遣団で岩手県の大槌町と釜石市を訪れました。震災からまもなく6年が経とうとしています。国の枠組みとしても集中復興期間が終わり復興・創生期間に移行するなど、枠組みも変わりつつあります。そんな中、復興の現状、現在の課題などに関する意見交換と実態把握を目的としていわゆるTEAM11の活動を自民党青年局として継続して行っているところです。

 大槌町も東日本大震災においては、非常に甚大な被害を受けた町でした。一方、高台の土地が限られるという中で、盛り土をしながらの造成工事が行われているところです。大槌町も含め、被災地の中でも復興の進捗には正直濃淡があって、まだまだ道半ばというところも多いというのが正直な感覚です。また、震災後も多くの方々が町外に移られる中で、今後自律的・持続的に町が発展していくためには、新たな産業など今後の戦略も求められる段階になっています。従来からの漁業・農業・水産加工はもちろんのこと、新たな人・産業が来るような取り組みも必要です。

 復興の進展に伴い仮設住宅の入居者も徐々に減る一方で、今残っている方々の先行きへの不安などストレスのケアといった課題も徐々に大きくなっています。釜石市においては新日鉄のもともとの企業城下町ということで、その関連産業、あるいは2019年のラグビーワールドカップや観光業など、いろいろなアプローチがあるようです。

 近隣の自治体同士の連携も含め、今後新たなチャレンジのステージになりつつある、様々な意見交換のなかで、受けた印象です。自助・自立・民間活力ということが大前提となりますが、震災による影響は個人の責任とは全く関係ないことですので、政府・行政としてもきちんと果たすべき役割を果たしていくよう、与党の一員としてきちんと働きかけていきたいと思います。

自民は、特例法で早期退位を実現せよ   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-22 07:05 [修正][削除]
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3020/3022
 天皇退位問題はまさに船頭多くして船山に登るがごとき状態に立ち至った。新聞を読んでも誰も分からない、その構図を分かりやすく説明すれば、「自民党政権プラス読売」対「民主・共産両党プラス朝日」の構図が浮き出てくる。焦点も、自公維が特例法による一時的措置を目指しているのに対して、民共は皇室典範による永久的な対応を主張していおり、180度異なる。背景には、政権与党のすることは何でも反対の社会党に先祖返りしたような民進党と、「天皇制」そのものを綱領で否定する共産党、の連合による自民党政権との対決の姿勢がある。民共は退位を支持しながらも、その実は難癖を付けて「引き延ばし作戦」を展開しているとしか思えない。ここは国民の選挙によって「船頭」と決まった自民党が主導して、特例法を軸として、ちょっとだけ民主党の顔を立てつつ、今国会中の法案成立を図るしかない。ご高齢の天皇のお言葉に添うにはこれしかない。

 まず、皇室典範の改正がなぜ難しいかといえば、陛下の82歳というご高齢にある。皇室典範改正の迷路に立ち入れば、10年たっても決着のつく話ではない。民間なら「オレも年じゃで家督をせがれに譲る」で済む話だが、ことは天皇の存在そのものを規定する憲法と皇室典範の解釈の問題が絡む。そもそも人間の「引退」の要件を恒久立法で規定することは極めて困難だ。なぜなら、時代によって変化するからだ。高齢者の定義一つとっても、江戸時代なら50にもなれば高齢だが、今は「40、50は、はなたれ小僧」で、後期高齢は75だ。職務遂行能力にしても、会社なら上司が部下の能力を判断すれば済むことだが、天皇の場合その理由を法律に書くことが可能かということになる。このような議論を延々と始めることは、昨年8月に「第二の人間宣言」をされた天皇の引退表明の意向に背くことになる。

 反対論を唱える民主党幹事長野田佳彦が自信ありげな理由はどこにあるかと考えていたが、どうも朝日とツーカーである感じが濃厚となった。朝日の“教育的指導”を受けているとすら思いたくなる。朝日は社説で「天皇の退位の意思と皇室会議などの議決を併せて必要とすれば、進退を天皇の自由な判断に委ねることにはならず、憲法の趣旨に反するとは思えない」と主張しているが、これは民進党の主張と全く同じである。皇室会議は日本の皇室に関する重要な事項を合議する国の機関である。皇族、衆参議長、首相、最高裁判事などで構成されるが、問題は天皇のご意思と会議の議決が相反した結果となったらどうするかということだ。退位という極めて人間的、個人的な意思を会議で決められるものだろうか。天皇の退位の意思は会議とは別格なのだ。

 さらに朝日の社説は、特例法に対して「一代限りの退位に道を開けば、この先政権や多数党の意向で天皇の地位が左右される恐れが生まれ、禍根を残すことになる」と反対している。これも意味不明である。一代限りは一代限りのことで、将来への禍根とならないのではないか。例えば100年後に今回の例のように天皇が退位したいとの意思を表明すれば、そのときの状況に応じて対処すればよいことであり、制度化して縛る必要はない。それに100年後には今回の例を先例としてスムーズな退位が実現するかもしれない。第一、自民党が100年後にも多数党であるかどうかは予知できない。この主張には民進党が多数党になった場合ならその意向を反映してもよいのだという、政党のエゴイズムが垣間見える。一方で読売社説は「仮に、天皇の意思を退位要件とすると、『天皇は国政に関する権能を有しない』と定めた憲法4条に違反しかねない。こうした理由で制度化に否定的な自民党の姿勢には、うなずける」と述べており、自民党案支持だ。

 問題は、民進党が明らかに引き延ばし戦術を取ろうとしていることだ。同党の長浜博行はテレビで「各党の国会議員はもう一度象徴天皇制の意義とか、憲法とか、皇室典範とかに真正面から取り組んで議論する必要がある」と主張しているが、このような基礎的な問題からとりかかっていては、再び「船山に登る」こととなるのは必定である。議員立法による処理も主張しているが、事は天皇の退位問題であり、政府の責任において法案を作成し、国会の議決を経て実施に移す、のが憲政の常道だ。こうした中で日本維新の会幹事長の馬場伸行は「皇室典範そのものを改正するのではなく、『特例法を設けて決める』旨を皇室典範の付則として付ければよい」と提案している。皇室典範はいじらないが付則で処理するという案は、筆者もかねてから指摘していたが、民進党のメンツも立つのではないか。ことは自公維で軽く3分の2を超える勢力が推進する問題であり、民共も突っ張ったり、引き延ばししたりする場面ではない。そもそも民共朝による“共闘の構図”は過去の例を見ても概ね失敗に終わるのが政治の宿命だ。

(連載3)中国の環境規制厳格化に揺れる日系企業 ← (連載2)中国の環境規制厳格化に揺れる日系企業  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-19 18:48 [修正][削除]
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3019/3022
 しかし、文化の違い、習慣の違い、言葉の違い、そして規制法規の大きな変化の中で指示を受けた部下達も何をどうすればいいのか、分からない。五里霧中状態に追いやられ、素人なりに精一杯努力をするのが限界だ。結果は自ずと知れている。本社から定期的に環境改善の専門家が派遣され改善を行っている大手企業はある。しかし本社から派遣されてくる担当者は中国現地法令を熟知しておらず日本流のやり方を通そうとしてしまい、中国法規とは乖離した改善を指示しているケースが多くあるようだ。その結果、さらに状況が悪化するという環境対策悪循環状態が引き起こされている。現状は悲惨だ。

 こんな時、「名医」がいてくれて、正しく診断し必要且つ十分な処方箋を書いてくれたらどれほど良いだろうか。そんな風に思っている責任者は多いことだろう。今まさしく中国現地にて求められているのは、環境対策の「名医」なのである。中国の現地事情に精通し、昨今の規制法規の動きをタイムリーに掴み、それぞれの企業の現状を正しく把握して、かつ設備や施設機器にも熟練しているという条件を兼ね備えたエキスパートがいないことには、問題解決は夢のまた夢だ。

 おそらく、今中国政府が推進している環境保護産業の柱になるのであろう「第三方環境治理企業」が、その役目を担うのであろう。日系企業への対応という視点では、私は、日系企業と中国の大学などが取り組んでいる産学官連携のプラットフォームなどに期待をしている。頼ることができる「名医」の育成はこれからの大きな課題だ。環境産業を成長させ、世界の環境問題にも手を伸ばそうという中国の大きな将来へ向けたビジョンを日本企業は知っておく必要がある。対策で出遅れるばかりではなく、ビジネスの種をも失ってしまいかねない。

 リスク対策(環境汚染防止)とチャンス(環境ビジネス実績作り)が交差する年がまさしく今年2017年である。中国も春節が明け、これからが2017年の本番が始まる。今年こそが環境ビジネスの種まきの年となる。適期に土地を耕し、種を植えておかなければ、花を咲かせることはできない。日本政府、そして日本企業は、世界が大きく激変するこのときにこそ、しっかりと日本の将来を見据えた取り組みを行って欲しい。(おわり)

(連載2)中国の環境規制厳格化に揺れる日系企業 ← (連載1)中国の環境規制厳格化に揺れる日系企業  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (東京都・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-18 22:16  
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3018/3022
 しかし、ここからが大事なところなのだ。現在、日系企業が中国で環境対策違反を起こしてしまっている主原因が何かを明確にしない限りは、どんな妙薬もどんな手術も全く意味が無いことになりかねないからだ。これまで私が現地からの生の声を聞きおよび、そして実際に何人かの専門家と意見交換をして推測するところ原因と考えられることは以下の点に集約される。

 第1の点は、本社からは環境対策を迫られているが、現場の責任者には何らの有効な手段や方法が与えられず、ただ何とかしろとの一方的な要求になってしまっているということである。第2の点は、現地では、頼るべき現地スタッフに十分な見識や経験が無い場合が多いということである。そして、最悪の場合は、そのスタッフが商業賄賂に絡んでおり正しい判断ができない状況にある。以上のような原因により、現地工場や事業所では的確に状況を把握し、問題に対しての適切な処方箋を書ける人材が不足している現実がある。

 病気の原因を的確に見抜き、それに合った処方箋を出せる医者がいなければ、病気を治すことはなかなかできない。間違った処方箋だと病状がさらに重くなることさえある。企業の場合も同様に、専門性を持ち、しっかりとした情報収集、分析、そして対策を打ち出せる人がいなければ、企業・工場が持つ課題の解決はほぼ無理だということだ。つまり、中国での現在の日系企業の大部分は、どのような社会環境の変化が起きていて、自分がどんな状態にあるかを分からないまま、何とかしろと言われ続けているという状況なのだ。この状態が続けば、やがて「病状」は重くなり、治すことができないレベルにまで悪化する可能性がある。

 だから本社が本気で現地企業に環境対策を取らせたいのであれば、その道具となる手法や人材を提供すべきである。多くの場合、現地スタッフでは無理で、むしろ状況を悪化させることに繋がる。優秀な外部の専門家に任せてしまうのが正しいやり方だろう。名医とヤブ医者を見分けることは重要だ。大企業も含めて、自己流の分析と処方箋で、相変わらず「弊社ちゃんとやっています」と言いながら、片方では環境違反で罰金を科せられるという矛盾した状況が起きている。決して、総経理(現地企業の責任者)は嘘を言っているわけではない。ちゃんと部下(現地スタッフ)に指示を出し、適切に処理するようにしているのは事実だからだ。(つづく)

“一つの中国”は両刃の剣ー台湾主導もあり得る   
投稿者:倉西 雅子 (東京都・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-17 20:06 [修正][削除]
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3017/3022
 アメリカのトランプ大統領が中国の習近平主席との電話会談において“一つの中国”の原則を尊重すると述べたことから、中国は、「褒めたたえたい」としてもろ手上げてこの発言を歓迎しております。トランプ政権発足に際して中国の最大の懸案事項は台湾問題であっため、中国としては安堵の気持ちを表現したのでしょうが、中国は、“一つの中国”の原則に喜んでいられるのでしょうか。

 中国側の発想では、“一つの中国”とは、中華人民共和国による台湾の併合を意味しています。国共内戦の勝利者としては、台湾は、いわば、敗者である国民党が逃げ込んだ最後の砦であり、この地を陥落させれば、共産党による“全土支配”が完成すると考えているのでしょう。しかしながら、“一つの中国”とは、必ずしも中華人民共和国による台湾の併合のパターンに限定されるわけではありません。

 当初、中華民国の国名を名乗ったものの、国民党による一党独裁から多党制に移行した今日の民主国家台湾と中華民国との関係は曖昧です。中華民国よりも、現在の台湾人は、独立国家としてのアイデンティティーを強く意識できる台湾という国名を好む傾向にあるようです。とはいうものの、中華人民共和国が“一つの中国”を主張する以上、台湾にも、“一つの中国”を主張する権利が生じます。即ち、台湾による中華人民共和国の併合も、論理的にはあり得ないわけではないのです。

 中国大陸では、共産党一党独裁に対する不満が燻っており、それ故に、中国は、民主化を求める活動や体制批判的言論を弾圧し、各地で頻発している政府に対するデモなども治安部隊で押さえつけています。強権によって一先ず政権が維持されていますが、仮に、中国が台湾に対して武力併合を試みるといった有事が発生した場合には、中国国民の中には、台湾に与して共産党支配の打倒に立ち上がる人々も出現するかもしれません。加えて、台湾とアメリカとの準同盟関係は、このシナリオの実現性を高めています。中国の歴史では、民衆の反乱が王朝崩壊の引き金を引く事例が多々ありますが、“一つの中国”の原則は、中国にとりまして両刃の剣であると思うのです。

(連載1)中国の環境規制厳格化に揺れる日系企業  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-17 14:30  
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3016/3022
 中国の環境問題は深刻だ。PM2.5などによる大気汚染は深刻化し、土壌にも様々な化学物質が混ざり、川の水も地下水も汚れている。この状況を改善しようと今、中国では「グリーン革命」が進行している。「環境後進国の中国に何ができる?」と侮ってはならない。凄まじいスピードで環境基準の見直し、厳格な適用、処罰化が進んでいる。状況のあまりの急変に日系企業も当惑し、大きな不安を抱えるようになった。人間も気候が変われば体調を崩す。急激な生活環境の変化は病気を誘発する。同様なことは企業にも言える。社会環境・経営環境の急激な変化は、対応を間違えれば企業の弱体化を招き、ひいては経営不振・破綻に陥ることもありえる。そうならないためには、的確な現状把握と問題への適切な処方箋が必要だ。

 名医はしっかりした検査、的確な診断、適切な処方箋を行う。名医は有名な病院の肩書き持つ医者のことだろうか。患者の希望通りに点滴をして、注射をして、効きそうな薬をたくさん出してくれる医者のことなのだろうか。人間は兎角「看板」を信じやすく、大きく有名な病院のドクターに間違いはないと信じやすい。多くの薬を出してくれ、一時的な症状の改善をもたらす医者は人気があるといわれる。しかし、本当の「名医」とは、患者の立ち居振る舞い、状態を通して病気の原因を突き止め、最も効果的な治療法と処方箋をかける人ではないだろうか。決して、沢山の無駄な薬を出してくれ安心だけくれる人ではないはずだ。一時的な症状の改善よりも、原因を解明し、長期的な視野にもたって治療をする人が名医のはずだ。

 今、中国に進出している日本企業に必要なのは上記の様な「名医」ではないだろうかと思う。目先の利益だけをみて、大きなリスクを負わせたり、古い情報で現状に合わない対策を教えるコンサルなどが多いのが残念だ。以前、東証一部上場企業のA社の役員の方と話す機会を持った。私は昨年度より何度も提言している「日系企業の中国での環境違反事例」について持論を紹介した。このままでは日系企業の多くが中国の変化について行くことができず、事業の失敗ばかりか企業としてのコンプライアンスに大きな問題を抱えてしまうことになってしまうのではと言う危惧からである。この役員の方はご自身も中国赴任の経験があり、昨今の中国の環境対策の急変にも精通されていた為か私の意見に多く共感していただく事ができた。この企業は、中国に10社以上の関連企業を持ち、中国での事業が売り上げの大きな柱となっている。コンプライアンスの面からも今まさに大きな決断を迫られている企業とみて良いだろう。

 そして先日、その役員の方からお電話を頂き、役員会にて以下の様な決定が下されたことを教えて頂いた。 「弊社は、2017年度に於いて中国の環境法規対策には予算の有無にかかわらず、関連会社全てが積極的に進めていくことになりました。やはり、この中国における環境汚染対策は避けて通ることができないばかりか、逆に積極対応することで中国政府へ良い印象を残すべきとの判断から役員会一致の決断となりました。」とのことであった。大変素晴らしい対応だと思う。以前より私は、「今こそ日系企業がそのアドバンテージとして積極的にアピールすべきことは、環境汚染に対する取り組みだ」と主張してきた。私も先ずは一安心と胸をなで下ろした気分だ。(つづく)

 

中韓、安倍訪米で牽強付会の論調   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-16 06:19 [修正][削除]
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3015/3022
 どうして中韓両国の論調はかくまでも牽強付会なのであろうか。日米首脳会談をめぐるメディアの論説が2月15日までに出そろったが、世論を誘導するマスコミが道理をねじ曲げ、都合の良いように理屈を無理にこじつけている。中国が首相・安倍晋三の訪米を「朝貢外交」と決めつければ、韓国の場合はひがみ根性丸出しの論調すらある。中国の論調は誤解、誤認の山だ。これら感情丸出しの論調がいかに自国の民度を低く押し下げているかが分かっていない。

 まず公的な見解を披露すれば、中国外務省の耿爽・副報道局長は13日の定例会見で、トランプが尖閣諸島を日米安全保障条約第5条の適用対象だと確認したことに対し、「誰が何を言おうと、何をしようと、釣魚島が中国のものだという事実は変えられない。国家主権と領土を守るという中国の意志と決心を動揺させることもできない」と全面否定。「日本が不法な領土を主張し、安保条約を名目に米国を抱き込むことに反対する」と言い切った。東シナ海で古来実効支配もしていない島々を自分のものだと主張し、虎視眈々(こしたんたん)と領土・領海を広げようとする自らの主張を棚上げにして、よく言えたものである。中国共産党機関誌人民日報のニュースサイト人民網は15日、「まるで朝貢外交?安倍首相の訪米、経済面で譲歩」との見出しで、「首脳会談の結果、安倍首相は今回の訪問の核心的な目的を達成したようにみえ、米日同盟が変化するのではないかとの外部の懸念をある程度払拭することができた。だが実際の得失を考えると、安倍首相の今回の訪米で採用したまるで『朝貢』のような外交政策は、日本国内からの批判にさらされてもいる」との分析を掲載している。

 まず「よく言うよ」と言いたいのは、「朝貢外交」論だ。筆者は2014年の中国におけるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際、習近平が各国首脳を出迎える姿を「APEC史上見たこともない、けばけばしい朝貢外交的な演出は国内対策である」と看破したが、「朝貢」とは中国王朝時代に外国人が来朝して、皇帝に三拝九拝して貢ぎ物を奉ることであり、共産党一党独裁国家にはあり得ても、民主主義国間ではあり得ないことである。トランプは自動車も為替も言及はなく、日本側も提示しなかった。問題は日米の「枠組み」に先送りされたのであり、事実誤認も甚だしい。さらに「日本国内からの批判にさらされてもいる」との指摘は全く当たらない。その証拠に共同通信の調査によれば、日米首脳会談を「よかった」と評価する回答が70.2%、「よくなかった」は19.5%だった。内閣支持率も前回1月より2.1ポイント増えて61.7%となっている。こんな批判のない首脳会談は佐藤・ニクソンの沖縄返還実現会談以来のことである。

 さらに人民網は2月14日「同盟関係を盲信、日本は道を誤った」と題して「在日米軍の駐留経費の負担問題はひとまず話題に上らなかったが、トランプ大統領は日本に負担増を求めることを示唆しており、日本を含め同盟国が負担を求められることは確実だ」と大きく誤報している。なぜ誤報かと言えば、トランプは駐留費問題に関して日本が75%を負担していることを指して「我々の軍隊を受け入れてくれる日本国民に感謝したい」と述べている。米国はさっそく日本の高負担を参考に北大西洋条約機構(NATO)にも負担増を求めている。米国防長官マティスは15日からのNATO国防相理事会に出席、負担問題を協議する。事前の根回しでNATO諸国は国防支出拡大に応える方針だ。日本にこれ以上の負担増を求めるというのは誤報だ。

 一方、韓国は、朝鮮日報が「北ミサイル発射に米日が蜜月演出、韓国は置いてけぼり」と社説で嘆いた。ミサイル発射と同時に安倍とトランプが共同記者会見に臨んだことについて「トランプ大統領の安倍首相に対する際だった配慮と二人の緊密な関係を目の当たりにするとき、本来韓半島(朝鮮半島)でわれわれが当事者のはずの一連の問題がどこか他人ごとのようにも感じられる。それはわれわれにとってより心配すべきことかもしれない」と論じた。これも偏狭なる“ひがみ”の分析である。そもそも朝鮮半島の防衛は「日米蜜月」があってこそ成り立つ問題である。日米どちらが欠けても成り立たない構図であることが分かっていない。韓国は「置いてけぼり」と嘆く筋合いではない。この点、中央日報は大人の論調を掲げている。社説は「安倍首相の対米外交をめぐる解釈が分かれている。『朝貢外交』やら『屈従外交』やらと批判する面々があるかと思えば、『実利外交」とは何かを見せてくれた』という評価もある」と韓国内の空気を正直に書いている。そして「韓国の大統領が安倍首相のようにしたら、どのように評価されただろうか。屈辱外交などとさんざん非難を浴びたかもしれない。名分に捕われて外交の基本も逃してしまうのではないか、考える時だ」と結んでいる。韓国も同様の外交をしなければならない、と言いたいのだ。しかし、誰が大統領になっても「安倍外交」ほどの成果を上げあれるかは別だが、まずは釜山の慰安婦像撤去から始めることが外交成果へのカギと心得るべきであろう。

「日米摩擦再燃」とうろたえるな!   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-15 10:51 [修正][削除]
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3014/3022
 トランプ米政権の保護貿易主義をめぐり、一部メディアは自動車や為替摩擦の再燃を煽り立てるが、時代錯誤もいいところだ。トランプ通商政策の最大の「敵」は日本ではなく中国である。対峙するためには日本との協調が欠かせない。トランプ大統領は就任後、ただちに環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを宣言した。さらに、日本の自動車市場の「閉鎖性」や「円安」を糾す構えをみせた。

 日本市場の「閉鎖性」の主要点は1995年の日米合意でとっくに処理済みだ。欧州車に比べ日本の消費者には米国車の魅力がないだけのことだ。為替は市場需給にまかせればよいだけだ。日米などが協調してドル安に誘導するプラザ合意の試みは87年10月19日の史上最大規模のニューヨーク株価大暴落「ブラックマンデー」を引き起こし、大失敗した。トランプ大統領は先の安倍首相との電話会談で日本車メーカーの米国での雇用促進を求めた。米自動車市場は投資先として魅力があるから、トヨタ自動車など各社も対米投資に前向きだ。安倍政権は民間の計画をうまく振り付けて、日米互恵を打ち出せばよい。外国への米企業の投資はいわゆる産業空洞化を反映し、米国からの雇用機会の流出として、トランプ政権が是正を図る。

 米企業ばかりでなく、トヨタなど外国企業がメキシコに投資すれば、同国からの対米輸出には懲罰関税をかけると息巻くのだが、日本企業の米国雇用は英国に次ぐ。トランプ氏が最重視する製造業の雇用数は日本企業が最大で、「日本叩き」は対日期待の裏返しだろう。米企業の海外雇用は中国がダントツだ。対外貿易赤字の5割近くは対中赤字が占めることも含めると、中国はメキシコとは比べ物にならないほどの重大な問題国になるはずだ。トランプ政権は発足後に限っては、中国との通商問題を声高に取り上げてはいない。新設するホワイトハウス直属の「国家通商会議」が対中戦略を決める準備段階にあるからだ。

 通商会議の代表に指名されている経済学者のピーター・ナバロ氏は中国の通商と軍拡を一体としてみなす対中強硬論者である。中国による海洋進出など軍事力を封じ込めるためには、中国との貿易不均衡を大幅に圧縮させる必要があるとし、高関税の適用ばかりでなく、北京当局による人民元安誘導を阻止するべきだと考えている。中国の脅威に直面している日本が本来、取り組むテーマなのだが、親中派の多い霞が関官僚は一貫して無視してきた。日米首脳会談はその点、よい機会であった。安倍首相は対中政策でトランプ大統領と結束をうたい、米側が示唆する日米自由貿易協定を踏み台にすればよい。

(連載2)早くも囁かれ始めたポスト・トランプの可能性 ← (連載1)早くも囁かれ始めたポスト・トランプの可能性  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-11 20:44 [修正][削除]
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3013/3022
 トランプ大統領は70歳で、就任時に最高齢の大統領である。高齢が話題になった第40代大統領のロナルド・レーガン氏は69歳でトランプ氏よりも若干若かった。いうまでもなくアメリカ大統領職は激務であり、特にトランプ大統領は批判も半端ではなく、精神的なプレッシャーがかかる。なんらかの体調不良が起こってもおかしくはない。暗殺もかなり現実的なリスクだ。オバマ大統領も就任時には初めての黒人大統領の誕生ということで、暗殺の危険性が論じられたが、敵を少なくする戦略もあり、暗殺には至らなかった。しかしトランプ大統領にはすでに国内外に怒り狂った敵がいる。トランプ大統領を差別主義者と罵る人もいれば、テロリスト的な人もいる。どこから弾が飛んできてもおかしくない状態だ。

 ニクソン大統領のように辞任に追い込まれるシナリオも現実的だ。これまでもビジネスの中でも問題視される部分はある。メディア、知識人、IT企業実業家などを敵に回しているわけで、問題が明らかになれば、辞任に向けての大集会・大デモが組織される可能性がある。メディアも徹底的に叩くだろう。このように考えるとトランプ大統領が病死、暗殺、辞任のいずれかで交代となる可能性はかなり高い状態になっていることがわかる。

 もう一つ重要なポイントは、誰が引き継ぎ、その人がどのように見られているか、である。副大統領はマイク・ペンス氏で、インディアナ州知事、連邦下院議員、連邦下院予算委員長などを歴任している。共和党の保守的政治家であり、ティーパーティー運動にも参加している。ちょっと前まではティーパーティー参加者は極右のようなレッテルが貼られていたが、共和党の大統領候補者争いに加わったテッド・クルーズ氏やマルコ・ルビオ氏らもかなりの保守で、トランプ氏がでてくると、彼らがまともなような感じがしてきた。

 ペンス氏は、インディアナ州知事時代には海外企業の誘致にも熱心であった。日系企業の誘致にも積極的で、トヨタなどの企業とパイプがある。TPPにも基本的には賛成派とみられている。また、移民政策においてもトランプ氏のような反対派ではなく、バランスがとれているといわれる。キリスト教保守的な発想からLGBTへの厳しい見方をしていることは批判の的になっている。しかし、その他においては何をするかわからないトランプ政権において、バランサー的役割を果たすと見られている。つまり、ポスト・トランプとしてマイク・ペンス氏の昇格を歓迎している人がかなりいるということだ。政治家としての経験も豊富で、安定感のある保守だ。アメリカの混乱が進めば、ペンス待望論が強まる可能性が高い。(おわり)

(連載1)早くも囁かれ始めたポスト・トランプの可能性  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-10 23:39  
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3012/3022
 アメリカでトランプ大統領が誕生してからまだ半月が経ったに過ぎない。しかしすでに国内外で反トランプの嵐が吹き荒れている。8年前、オバマ大統領は国内の高支持率と海外の期待で祝福され誕生した。日本でも歓迎の声一色と言っていい状態であったし、ヨーロッパも中国も高評価であった。就任後すぐにノーベル平和賞受賞というおまけもあった。トランプ大統領は波乱の船出だ。まずは国内の反トランプデモが活気づいた。私の知人らも「トランプ氏を大統領から引摺り下ろす」と執念を燃やしている。彼らの決意は大統領就任以降の一連の政策で一層強まった。国際的にも多くの国を敵に回してしまった。イスラム圏、ラテンアメリカ、中国は明らかに敵対しており欧州でも反トランプの動きは強い。忠犬の日本にもケンカを売る発言があり安倍政権も困惑だ。ほぼ全世界を敵に回しつつある。

 トランプ氏の政策は刺激的で熟慮された戦略が必要であったがあまりに急で雑な展開であった。大統領就任後すぐに、メキシコ国境の壁、イスラム7カ国の国民に対して入国禁止、シリア難民の入国の禁止など矢継ぎ早に刺激的な政策を展開している。国内外から強い批判の声が高まっている。最初の段階で躓くとこれからトランプ大統領の政策展開に大きな障害になる。テロとの戦いも逆に困難になるしアメリカ経済にも悪影響になりかねない。現在注意すべきは大統領本人の安全だ。大変なトランプ劇場の幕開けだ。トランプ大統領は敵を作るのに躊躇はない。既にほとんどのメディアは反トランプの姿勢を明確にしている。異常な状況だ。アメリカの大学関係者が相当な割合でトランプ倒しに動いている。反対運動に関わる研究者や学生は少なくない。いわゆるオピニオンリーダーの多くがトランプ大統領を酷評するのだから、トランプ政権のレジティマシーが崩されることに繋がる。

 すでにポスト・トランプの議論がされている。もちろん4年後の話ではない。それまでにトランプ大統領が辞める可能性とその後が話されているのだ。過去に大統領に昇格した副大統領は9人である。病死、暗殺、辞任の3つのパターンがある。大統領が病死により副大統領が昇格したのは4人だ。1841年にウィリアム・ヘンリー・ハリソン大統領が病死し、ジョン・タイラー副大統領が昇格した。同様に、1850年にテイラー大統領病死によりミラード・フィルモア副大統領が、1923年にハーディング大統領病死によりカルヴァン・クーリッジ副大統領が、1945年にフランクリン・ルーズベルト大統領病死によりハリー・トルーマン副大統領がそれぞれ大統領に昇格している。

 暗殺により大統領に昇格した副大統領は4人。1865年にリンカーン大統領暗殺によりアンドリュー・ジョンソン副大統領が、1881年にガーフィールド大統領暗殺によりチェスター・アーサー副大統領が、1901年にマッキンリー大統領暗殺によりセオドア・ルーズベルト大統領が、1963年にケネディ大統領暗殺によりリンドン・ジョンソン副大統領が、それぞれ大統領に昇格した。大統領が辞任に追い込まれて、副大統領が昇格したのは1例だけだ。1974年にニクソン大統領辞任によりジェラルド・フォード副大統領が昇格した。オバマ大統領が44代アメリカ大統領になる。その中には上記の副大統領から昇格した9ケースがあるわけで、それを引けば、35人の内、9人の大統領が病死、暗殺、辞任のいずれかで交代となったことになる。かなりの確率だ。(つづく)

 

自由市場経済の通念を変えるトランプ政権の発足   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-10 23:32 [修正][削除]
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3011/3022
 2017年はトランプ米政権の発足により、自由市場経済への通念が大きく変わろうとしている。投資は利益の最大化を求める企業の自主判断にまかせるという建前が崩れ、政治がビジネス活動に口を出しても当たり前の時代になってきた。トランプ次期大統領が繰り出す短文の「つぶやき」(ツイッター)の威力はすさまじい。フォード・モーター、キャタピラーなどの米大手企業はメキシコ投資計画が批判されると、ただちに撤回を表明した。ツイッター爆弾はトヨタ自動車の頭上でも炸裂し、豊田章男社長はさっそく米国での記者会見で、今後5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資すると釈明する具合である。

 米国が自由主義の本家を自認するなら、「政治はビジネスに介入するべきではない」との猛烈な反発が起きるはずなのに、気配はほとんどない。米国がそんなざまだからトヨタが慌てるのは無理もないが、メキシコ投資は予定通り実行するとも断言し、グローバル企業のスジを通すところは、称揚されるべきか。それでも重視すべきは、トランプ大統領の「米国第一」主義の意味合いである。そのフレーズを「本国第一」と言い換えて、日本に適用すれば「日本第一」となる。それを安倍晋三首相が唱え、経団連メンバー企業に「対中投資をやめて日本に投資せよ」と言えばどうなるだろうか。中国市場からの撤退を考えている企業はともかく、これからも追加投資を計画している自動車大手などには馬耳東風だろうし、新自由主義思想を米国留学で身に付けた経済産業省などの官僚たちも「総理、それはダメです」と抑えにかかるだろう。

 だが、ビジネスで本国を最優先するという考え方は、米国に劣らず日本にとっても喫緊の課題のはずである。アベノミクスでいくら円安・株高に誘導しても、企業が高収益をあげても、国内の賃金・雇用に回らず、企業の内部留保が膨らむ。日銀が毎年80兆円の資金を金融機関に供給しても、その大半は日銀当座預金に滞留し、融資に回らない。これらの資金はどこに行くかと見てみると、米国など海外での企業合併・買収(M&A)であり、銀行の対中国向け大型融資だったりする。

 その結果、国内経済はデフレ圧力が慢性化している。経団連となると、賃上げを渋ると同時にデフレをもたらす緊縮財政を安倍政権に迫る一方だ。経済再生を担う意欲と責任感があるのだろうか、疑問だ。企業の自由は無論、尊重すべきだ。しかし、わが国の産業界は本国軽視、海外優先にあまりにも偏重してはいないかと思う。トランプ次期政権の場合、覇権国米国の経済が弱体化することへの焦燥がある。経済力を背景に軍事力を膨張させる中国の脅威をトランプ大統領のアドバイザーたちが感じ取っていることがある。残念ながら、そんな危機感は同盟国日本にない。政治の口先介入を拒むなら、経済界は自主的に「日本第一」を意思決定要因に加えるべきではないか。

(連載2)グローバリズムと保護主義の狭間で揺れる中国 ← (連載1)グローバリズムと保護主義の狭間で揺れる中国  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-08 18:31 [修正][削除]
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3010/3022
 ダボス会議での習近平氏の演説の背景にある意図は、果たして何であったのであろうか。中国が国家として抱える「内憂外患」が何かを考えてみることで自ずと見えてくる。内憂とは、まさしく経済発展の副作用である環境破壊、環境汚染の深刻さであり、急激な経済の衰退である。1月13日に、中国税関当局は2016年の貿易統計を発表している。それによると輸出額は前年比7.7%減、輸入額は同5.5%減という衝撃的な数字であった。世界中の誰もが知ることとなった大気、水、土壌の悲惨な環境汚染があり、真剣に取り組まなければならない崖っぷちの状態となった。そして、急激な経済の衰退が同時に起こり、将来への不安がある。これが内憂としての頭痛である。では外患とは何か?習近平氏が中国ドリームとして進める「一帯一路」政策への世界的な向かい風と米国を中心とする保護主義、自国優先主義による「貿易戦争」による経済の影響である。中国は安価な巨大な労働力と拡大し続けた巨大な市場をバックに、中国第一主義を貫きながら世界第2位の経済大国にのし上がった。しかしこのパターンでは限界に達したのだ。

 中国は今、国家発展を見据えた大きな政策変更を余儀なくされている。市場経済を取り入れる事で経済的な発展をもたらした「既存の経済システム」を今一度見直し、中国発の新しい産業創成(イノベーション)を全面に立てて、新たな中国主導の世界経済を組み立てる野望を持つ。そして、その大きな主軸が環境技術と素材技術であり、13億の人口という莫大な情報「ビッグデータ」を活用した新しい技術であることは明らかである。特に環境技術においては積極的に外国の優れた技術を取り入れ、中国企業との連携、合併、協同研究などを進めて中国に於いて実を結ばせ、それを今度は世界に輸出するという将来像を描いている。新しい技術で中国国内の環境問題を解決すると同時に、そこで実施された経験を持って中国国内の企業を成長させる。そして彼ら主導の新しいイノベーション技術としてビジネス化し、世界進出の新たな筋道を作るというのが中国政府の戦略だ。だから、習近平政権にとって上記の環境問題「パリ協定の堅守」とグローバリズム「保護主義の牽制」は絶対に避けて通れないのだ。環境問題の解決と経済の活性化の両方を実現していこうというのだ。「パリ協定の堅守」と「保護主義の牽制」に彼らの新たな理想が伺える。

 このような世界的な情勢下、日本企業のビジネス戦略はどう進めていくべきだろうか。西欧世界の自国優先主義の趨勢は日本一国が止めることのできる時流ではない。しかし、世界で起きている環境問題とエネルギー問題、そして両方の解決に繋がる新素材の開発などにおいて、日本が持つアドバンテージは大きい。解決のキーとなる技術が、日本にごまんと埋もれており、それらの技術を掘り出すことで如何様にも日本主導のイノベーションを起こしていくことができる。環境、エネルギー、システム化における先端技術で優位に立つ日本にとって、時代は大きなチャンスを与えてくれている。しかし現在、日本は企業の肥大化による悪弊にとりつかれ、共産主義国家以上に共産主義的と言われるほど、身動きがとれなくなっている。まさしく閉塞感で一杯だ。

 昨今の大企業と呼ばれた企業群の体たらくと身売り、そして中々そこから抜け出せないのが現日本の自家撞着状態だ。この状況を打破するためにも、今ひとたび中小企業の素晴らしい技術に焦点を当て、それらを政府主導の世界ビジネス化することが求められている。これまでの大企業主導ではなく、今ひとたびイノベーションの塊である中小企業によるビジネス環境再編成こそ、経済の発展と人材雇用の解決策だと思う。内憂外患の中で蠢く隣国中国は喉から手が出るほどこれらの技術を待ち望んでいる。中国だけでない。アメリカもヨーロッパも苦悩の時代に入りつつある。この中で日本が輝きを取り戻すチャンスが訪れている。日本企業の新たな挑戦精神こそが日本の未来を明るくするはずだ。(おわり)

(連載1)グローバリズムと保護主義の狭間で揺れる中国  ツリー表示
投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-07 17:39  
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3009/3022
 2017年も既に1ヶ月が過ぎた。この1ヶ月の間に今後の世界を左右する出来事が多く起きた。まさに歴史的転換点にふさわしい1ヶ月といえた。激動の時代の中で先進国の国々が注視せざるを得なかった出来事が2つある。1つはアメリカのトランプ大統領就任で、もう1つがダボス会議であった。トランプ大統領は就任するやいなや、アメリカ第一主義を明確に打ち出し、難民・移民を受け入れない方向と保護主義の政策を展開している。メキシコとの国境に壁を作ることも真剣に考えている。アメリカとメキシコの国境は長く3,000キロを超える。年間100万人が不法的移動をしている。世界で最も不法的移動が行われる国境であり、アメリカはこれまでにも問題視し対策を行ってきた。これまでにも既に壁は作られており両国の国境の3分の1ほどに金属製の柵や壁がある。砂漠地帯にはまだ壁や柵はなく現在も命をかけた越境が行なわれている。トランプ構想はさらに頑強な壁を国境全てにつくるというものだ。イスラム圏からの移民や難民に対しても厳しい政策をとろうとしている。トランプ大統領はシリア難民等の受け入れ停止やイスラム教徒の多い国への入国ビザの発給停止等を盛り込んだ大統領令にも署名した。まさにアメリカに巨大な壁をつくりつつある。

 また貿易に関しても完全に保護貿易の方向だ。日本にとっても大きな懸案であった環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に対して、トランプ大統領は離脱を正式に発表した。メキシコとの貿易に対しても厳しい態度を示している。メキシコの貿易額は年間で計5,000億ドルにも達しており、お互いに重要なパートナーのはずだ。しかしトランプ氏はNAFTA批判を続けており脱退も示唆している。中国、日本、韓国などとの貿易についても、アメリカが有利になるように主張している。自由貿易のリーダーとしての誇りを捨て去るような方向を打ち出している。世界経済の大きな懸案になっている。

 1月17日~20日に開催された世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、初参加の習近平中国国家主席が行った演説には多くのメディアが注目し、様々にその意味するところを評論している。中国の苦悩と戦略が垣間見える。内憂外患の中にある中国という国家の主席として、習近平氏が言及しておきたかったことは何か?それは、1つは「保護主義の牽制」であり、もう1つは「パリ協定の堅守」だ。かつての中国からは考えられないような展開だ。習近平氏は、保護主義に関して次の様に発言した。「世界を取り巻く多くの問題は、決して経済のグローバル化がもたらしたものではない」と断じ、「(世界の)異なる人たちがグローバル化の利点を分け合えるようにすることが、我々世界のリーダーがこの時代に果たすべき責任だ」とリーダー達の保護主義傾倒を牽制した。トランプ新大統領の保護貿易主義を念頭に置いた発言だ。今後の世界に於いて中国が自由貿易のリーダーシップを果たすと言わんばかりだ。

 ただその中国も実情は複雑で、自由貿易へのアクセルと中国から外貨が流出しないように「保護」する自由貿易へのブレーキとを同時に踏んでいる状態といえる。とはいえ、中国はかつて2010年に世界貿易機関(WTO)加盟に至るまでは、経済のグローバル化に対して疑いを持ち、中国の経済発展に大きなマイナスの影響を与えるのではないかと自ら保護主義にこだわってきた。こんなにも世界情勢が変化したのかと隔世の感がある。パリ協定に関しては、「パリ協定は世界の発展の方向と一致しており、共に堅守すべきで放棄してはいけない。これは我々が負わなければならない次の世代に対する責任だ」と支持を表明した。中国はまぎれもなく環境後進国であった。中国のいいかげんな環境対策は、スモッグで覆われた空、様々な色に濁り、汚染された川、化学物質にまみれた土壌を作ってきた。その中国が環境対策で、前向きに取り組むことを宣言しているのだ。これも驚きの変化といえる。(つづく)

トランプ・ブームが誘う中国の自滅   
投稿者:田村 秀男 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-04 14:39 [修正][削除]
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3008/3022
 中国共産党は1972年2月のニクソン大統領(当時)以来、歴代米大統領に対して台湾を中国の一部とみなす原則を一貫して認めさせてきた。トランプ次期米大統領は「それに縛られない」と明言した。習近平国家主席・党総書記の面子(メンツ)はまるつぶれである。北京は何か報復行動をとるかとみていたら、12月19日にフィリピン沖の南シナ海で米軍の調査用無人潜水機を奪取した。同20日には米軍に返還したが、時間をかけて潜水機のデータを調べ上げた。露骨な国際法違反である。粗野でぞんざいなふるまいを見せつけることが、相手の面子をつぶすと考えるところは、魯迅の『阿Q正伝』そのものだ。

 中国はみかけのうえでは国内総生産(GDP)や対外純資産規模で世界第2位の経済超大国でも、中身は悪弊にまみれている。慢心すれば必ず失敗する。人民元の国際化を例にとろう。2015年11月には習政権の執念が実り、国際通貨基金(IMF)が元をSDR(特別引き出し権)構成通貨として認定させた。限定的ながら金融市場の規制を緩和し、人民元の金融取引を部分自由化した。同時に中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創立し、国際通貨元を世界に誇示しようとした。ところが、2015年8月に人民元レートを切り下げると、資本が逃げ出した。当局が規制しようにもどうにも止まらない。

 昨年11月までの12カ月合計の資金純流出額は約1兆ドル(約118兆円)、このうち当局の監視の目を潜った資本逃避は約5000億ドルに上ると米欧系金融機関のアナリストたちは分析している。特徴は、11月8日の米大統領選後の11月9日を機に、資金流出が大幅に加速していることだ。当選したトランプ氏が減税とインフラ投資という財政出動を通じて、景気を大いに刺激すると期待されるために米国株が急上昇し、中国に限らず世界の資金がニューヨーク・ウォール街に吸引される。中国に対して強硬姿勢をとるトランプ氏にチャイナマネーがおびき寄せられ、トランプ政策に貢献するとは、習政権はここでも面目なしだが、もっと困ることがある。

 米大統領選後、元安と市場金利上昇にはずみがついた。いずれも資金流出による。中国人民銀行は元暴落を避けるために外貨準備を取り崩し、ドルを売って元を買い上げるが、それでも元売り圧力はものすごく、元の下落に歯止めをかけられない。商業銀行の手元には元資金が不足するので、短期市場金利である銀行間金利が高騰する。すると、金融引き締め効果となって、莫大(ばくだい)な過剰設備を抱える国有企業を苦しめる。地方政府も不動産の過剰在庫を減らせない。企業や地方政府の債務負担、裏返すと銀行の不良債権は膨らむ一方だ。トランプ政権が発足したのより先に、中国は経済で自滅の道に踏み出した。経済超大国としての要件を満たしていないのに、対外膨張を図ろうとしたからだ。

イスラム7か国の国民に関するトランプ大統領令   
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・30-39歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-03 10:20 [修正][削除]
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3007/3022
 トランプ大統領が、イスラム7か国の国民のアメリカへの入国を禁ずる大統領令を発出したというニュースが、世界で衝撃をもって受け止められています。テロリストの可能性があるものを一切入国させないためということのようです。もちろん、アメリカ人が選んだ大統領がアメリカの法令にのっとってアメリカ国内で行う行政行為ですから、自国民が影響を受けない限りは、我々が口を挟む筋のものではないとは思います。しかし、あまりに極端な方法で、かえって世界の断絶を強め、世界の安全をかえって脅かしてしまいかねない可能性もありますので、あえてここに私の受け止めを書かせていただきます。

 目的は理解できるものの、個人ではどうしようもない属性を理由に、何の罪もない普通の人の入国を拒否するという方法は、少なくとも自由な国がとるべき手法ではないというのが私の率直な感覚です。またこの方法では、テロリストの迫害を受けて国を脱出しようとする人を見殺しにすることにもなりかねません。世界の主要国の反応は概して否定的ですので、このような排他的な動きが世界に広まることはないと思われますが、万一にでもそのようなこととなれば、世界中が憎悪の連鎖ともなりかねません。9.11の後にも、様々な議論がありました。しかし、イスラム過激派テロリストと一般のイスラム教徒を明確に分けるべきで、イスラムというだけで差別するべきではない。これがブッシュ政権下のアメリカの中でも広く受け入れられていた考え方でした。

 そうでなければ、一般のイスラム教徒を追い込んだり反米感情をいたずらに煽って、テロリストが勢力を拡大する隙を与えることになってしまう。もちろん、結果として、それ以降のすべてのテロを抑制できたわけではありません。しかし、イスラム世界全部を敵視していたとしたら、もっと悲惨な世界となっていた可能性が高いのも事実だと思われます。今の生活や経済を考えれば、完全な閉鎖的な社会は現実的ではありません。現在のすべての社会の前提は、ヒト、モノ、カネの最適化であり、そのためにはそれぞれが流動化することが必要です。

 セキュリティ、安全のためにその一部を様々な技術により排除、隔離することは当然必要です。しかし、その流れのすべてをせき止めてしまうことはあまりに極端な議論と言わざるを得ません。我々は開放的な世界に生きることを前提にテロ対策を考えるべきなのではないでしょうか。特に、島国である日本にあっては、社会、経済、国家をオープンにすることができるか否かが、長期的な国益、国力を左右します。そして当然、国際社会もオープンでなければ得べかりし利益を享受できません。今後トランプ大統領がどのような方向に行くのかを見極めながら、G7などの場において、他の自由な国々と連携し、自由でオープンな世界を守っていく役割が日本には求められるのではないでしょうか。

「日韓合意」破棄の再交渉に応じてはならない   
投稿者:加藤 成一 (兵庫県・男性・元弁護士・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-02-03 09:55 [修正][削除]
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3006/3022
 1月29日付け韓国紙『朝鮮日報』には、「韓国はみんな狂っている、まともではない」と題するコラムが掲載されている。筆者は同新聞社の朴正薫論説委員である。その要旨は「今、韓国は国が理性を失いつつあると感じる。大統領になるという指導者らは、権力欲に目がくらんでいる。政治家は扇動し、大衆は集団狂気を噴出させている。理性が行方をくらまし、憤怒と感情、アブノーマルがのさばる国になった。全てが滅びようとしているかのようだ。大衆が目前の利益に駆られ、支配エリートが迎合するとき、国は衰亡する。韓国は今、そんな状態にある」というものである。特に「慰安婦問題」には触れていないが、韓国政治全般の現状を憂慮している。

 「慰安婦問題」の最終的かつ不可逆的解決を宣言した平成27年12月28日の「日韓合意」にもかかわらず、外国公館の安寧と尊厳を守るよう定めたウイーン条約第31条第3項に違反する行為が続いている。釜山の日本総領事館前における市民団体による「慰安婦像」の新たな設置、これを事実上放置する韓国政府の無策、韓国の次期大統領候補者らによる「日韓合意」破棄と10億円返還」の発言、仏像の「窃盗」を事実上容認し、日本寺院への返還を否定する大田地裁の対馬仏像判決など、韓国国民の「反日世論」と、これに迎合するかのような政治指導者らの言動は、枚挙に暇がない。

 安倍政権の内閣官房参与である浜田宏一米エール大学名誉教授は、2月1日、韓国通信社『聯合ニュース』とのインタビューで、「日本を含む東アジア諸国は、協力関係を築く必要があるが、歴史問題が不必要に経済協力関係を阻害することになっては困る。過去を反省することは必要でも、同じカードで相手国を何回も謝らせようとするのにも限界がある」と言っておられる。まさに正論であろう。しかし、日本は、このような韓国とも付き合っていかざるを得ない。重要なことは、日本はあくまでも是々非々の立場で、韓国側の理不尽に対しても安易な妥協をせずに、毅然とした態度を貫くことである。その点からは、釜山での慰安婦像設置問題につき、日本政府が長嶺安政駐韓大使と森本康敬釜山総領事を一時帰国させ、日韓通貨スワップ協定の再開協議を中断する措置をとったことは、評価できる。

「日韓合意」に基づき日本政府は、韓国の和解・癒し財団に10億円を拠出し、すでに、元慰安婦の7割の方々が現金の支給を受けたと伝えられている。将来、仮に、韓国新政権が「日韓合意」を破棄し、再交渉を求めてきても、日本は「解決済み」として、再交渉には一切応じるべきではない。このような日本の毅然とした態度こそが、日本にとっても、韓国にとっても必要なのであり、両国のためでもあるからである。なぜなら、「日韓合意」は、両国政府が未来志向の見地から世界に向けて宣言した合意であり、国際信義上も、国際法上も両国に順守義務があるからである。

トルコはアジアかヨーロッパか   
投稿者:川上 高司 (東京都・男性・拓殖大学教授・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-01-31 10:52 [修正][削除]
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3005/3022
 2016年11月、トルコのエルドガン大統領はウズベキスタンからの帰国途上、「トルコは何が何でもEUというわけでは・・・SCO(上海協力機構)もあるし」 と記者団に漏らした。 この意味深な発言はこの先の大きな地殻変動を予言しているかもしれない。トルコは長年ヨーロッパとの関係を重視し、NATOに参加しEUにも加入しようと努力してきた。もっともEUには拒否されたが。そのトルコがどうやらアジアに目を向けるようになってきたのだ。

 上海協力機構とは、中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジクスタンの5カ国が発足させたユーラシアの経済協力機構である。現在はウズベキスタンが加入し、オブザーバーとしてモンゴル、イラン、ベラルーシ、アフガニスタン、インド、パキスタンが参加、2012年からはトルコが会議参加国となっている。いわばユーラシアを網羅する広汎な国際機構である。このSCOにトルコが正式加盟すれば、ヨーロッパからユーラシアにかけての地殻変動が起きる。

 トルコはEU加盟を実現するべく、国の民主化を進めイスラム色を薄めて世俗主義を採るなどの努力をしてきた。しかしそれが拒否されると次第にエルドガン大統領はイスラム色を強め独裁色を押し出すようになってきた。さらにヨーロッパの反イスラム傾向、反移民、反シリア難民などのナショナリズムの台頭で関係が悪化、トルコにとってヨーロッパの魅力は薄れてきたといえる。そこへロシアが外交攻勢を強め、関係の改善を進めた。シリア問題で対立しつつも爆撃機が撃墜されても、大使が殺害されても外交を荒立てず穏便にすませる一方、パイプラインやエネルギー問題で圧力をかけてトルコを取り込んでいった。

 ロシアの狙いはトルコをNATOから引きはがして安全保障上の不安を取り除き、パイプラインのハブとして自由に活用できるようにしイスラムテロとも共闘していくことにある。トルコはシリア問題でもロシアと妥協しアサド大統領の存続を認めるかもしれない。そうなればシリア内戦は一気に解決に向かう。ヨーロッパにとってはトルコのNATO離脱はイギリスのEU離脱よりも衝撃が大きいだろう。いままさに古代からのテーマ、トルコはアジアなのかヨーロッパなのか、というオセロゲームが始まろうとしている。

危機的な状況になりつつある日本の財政   
投稿者:鈴木 馨祐 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・30-39歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-01-31 10:49 [修正][削除]
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3004/3022
 先日、内閣府から「中長期の経済財政に関する試算」が公表されました。高い成長を織り込んだ経済再生ケースでも、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化は難しいという試算となっています。これは大きな衝撃をもって受け止められ、様々な報道もされたところです。

 そもそも、この試算自体がバブル期の過去最高の税収(60.1兆円)に近い税収を達成している現状(平成27年度で56.4兆円)からさらに税収が伸びて、経済成長が1%台に留まるというベースラインケースですら70兆円近くに達するというもので、楽観的に過ぎるとの指摘をされているものです。そのような楽観的といわれる試算ですら、非常に厳しい結果を示していることを我々は深刻に受け止めねばなりません。

 これまで、増税をせずに自然税収増だけで予算の増加を吸収できるという、極めて恵まれた状況に日本はありました。それは、第一に繰越欠損金の仕組みの中で、法人税収が大きく伸びる時期にあたっていたこと、第二に世界的な低金利の状況下で、日本の国債の借り入れ利回りが極めて低く抑えられていたこと、この二つのボーナスがあったからかろうじて成り立っていました。そのボーナスがどちらもなくなりつつあるのが現在の状況です。

 こうした現実を現実としてしっかりと受け止めて、我々は、医療費をはじめ、少子高齢化が進む我が国の中で、社会保障の予算など、メリハリをより効かせて、予算の膨張を防ぐようなメカニズムを本気で考えねばなりません。リーマンショックのような急激な需要の縮小が世界的に起これば、政府が財政措置を通じて緊急に需要創出せねばならない状況も発生します。そうした事態に備えるためにも、今から財政についても規律を持った改革を行っていくことが重要です。問題の先送りをするには危険すぎる水準に近付きつつある、この現状認識の下で、メリハリのある財政運営をすることが、将来の負担を最小限に抑制する唯一の手段です。

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投稿者:児玉 克哉 (愛知県・男性・社会貢献推進機構理事長・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-01-27 21:09 [修正][削除]
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3003/3022
 トランプ大統領もメディアは敵だ、という姿勢を明確にしている。ロイター(1月22日)によると「米ホワイトハウスは22日、トランプ大統領の就任式の観客数をめぐるメディア報道について、政権に対する不当な攻撃だと批判し、『全力で』戦う姿勢を示した」。メディアもトランプ批判では手加減をしていない。トランプ大統領は、メディアとの戦いでは情報管理やさらにはメディア管理にまで進んでいく可能性が高い。こうなるとメディアは「言論の自由を守る」という正義のスローガンを得ることになり、戦いはさらに加熱するだろう。

 アメリカ在住の移民はトランプ大統領誕生で不安を抱えている。まずは不法入国者の強制送還の可能性だ。オバマ政権の政策のもとでアメリカでの安定を掴みかけた彼らの未来は一気に不透明になっている。不安と恐怖が、強いトランプ反対へ駆り立てている。他の外国人や移民もトランプ大統領の政策を極右勢力が支持していることもあり、アメリカが住みづらくなると感じている。トランプ大統領の政策がどれくらい本格的に彼らに厳しいものになるか。それによっては、反トランプというだけではなく、人種間・民族間の亀裂をさらに深めることになるかもしれない。これはアメリカ社会の治安の悪化に繋がりかねない。

 女性運動家も激しくトランプ大統領を批判している。実際に、トランプ米大統領が就任した翌日の21日の抗議デモは女性が中心となって企画実行したものだ。女性運動家の魂に火がついたとでもいえようか。簡単にこの火を消せるとは思えない。トランプ大統領が火消しに力を注げば注ぐほど、この火は強く、広がっていくという感じだ。これまでのアメリカ大統領へ「不支持」とは異なるレベルでの「嫌悪的不支持」「不退転の不支持」を感じる。この状態でアメリカの政治や社会はまともに動くのだろうか。「アメリカ・ファースト」の志向は、外国との摩擦も生む可能性が高い。

 アメリカは分裂と相剋の時代に入った。第二次世界大戦後、いい意味でも悪い意味でもアメリカは世界のトップリーダーであり、世界の警察官であった。分裂と相剋のアメリカは、アメリカの混乱と世界の混乱を引き起こすリスクがある。私は特に国内の方が問題だと思っている。共和党であろうと、民主党であろうと、アメリカ大統領は国民からのリスペクトを受け、「民主主義の国・アメリカ」のスローガンのもとに、国の方向、世界の方向をリードしてきた。知識人からもメディアからもこれだけ嫌われる大統領はおそらく初めてではないだろうか。「大統領暗殺」の可能性を示唆する人も少なくない。分裂と相剋のトランプ・アメリカはどこへ行き着くのか、何をもたらすのか。(おわり)

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