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2008-10-31 09:57
移民集団による新規起業の可能性
四条秀雄
不動産業
戦争直後から高度成長期に掛けてあれほど活力に満ちていた日本社会の起業意欲が最近は著しく衰えてしまった、という意見が少なくありません。実際のデーターでも、廃業率が開業率を上回り、日本の企業の数はどんどん減少しています。政府が数多い施策を打っても、漸減の傾向は止まることがありません。なぜでしょうか?
私は、これは社会的移動が関係しているのではないかと考えています。敗戦後の復員による本土への移動や高度成長期の移動が、新天地での生存の危機と裏返しに意欲をもたらし、それが起業という形で表象したのはないかと考えています。従って、大きな経済的現象としての社会的移動が終わった日本では、もはや起業の増加は難しいのではないか、というのが私の予想です。しかし、起業の熱気なしには、新規投資はもちろん、現行経済規模の維持も難しいものとなってしまいます。では、どうしたらいいのでしょうか?私は、非常に小規模な社会的移動ですが、移民による移動に活力を求めるしかないと考えます。
最近のIT関係の新興企業は、在日韓国・朝鮮系の人たちによるものが多いと言われています。だとすれば、60~100万程度の移民集団は、結構な規模の新興企業を創出しているのだと認識されます。そして、おそらくその中核にある人たちは、1世ではなく、2~3世だろうと思われます。現在20万~60万程度の移民集団である中国系、ブラジル系、フィリピン系などの移民集団がそれぞれ2世を社会に送り出す頃には、再び小規模な起業の波が起こるのではないかと期待されます。日本社会としては、起業にあたって必須の会計や資金調達に関する知識をこの人たちの間に普及させるとともに、新規に入ってくる移民集団の規模を年に2~3%でも増加させるような施策が求められていると思います。
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