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2009-04-13 07:19

分割統治にどう対応するか

四条秀雄  不動産業
 第二次大戦以降の植民地の独立を経て、世界史においては「植民地」という言葉は、過去に属する言葉になりました。しかし、他人や他国をコントロールする手法としては、植民地時代の手法はまだそのまま生き延びているかもしれません。その可能性について、分析してみたいと思います。その手法とは、植民地時代の主要な統治手法であった「分断統治」です。

 植民地の統治者は、自国の資源を使わずに植民地を統治するために「分割統治」の手法を活用しました。これは、対象となった植民地においてまず対立を創り出すことから始まります。統治対象となる勢力を最低2つ以上の勢力に分断し、相互に対立させて、全体としての力を均衡させます。そうすると、均衡を崩す外からのわずかな操作で、力関係を大きく動かすことができるわけです。

 議院内閣制は、本来は安定した政治制度のはずですが、小選挙区制の採用により非常に不安定になります。資産市場も、先物と現物の市場に分割した後に、双方に等しい流入資金を持ち込むことで、力の均衡を創りだし、裁定取引によって極小の力で極大の操作が可能になります。これらも、見ようによっては新しい植民地主義的手法と言えるかもしれません。

 これらの植民地主義的手法に対応する一つの方法として、テキスト分析の有効性を指摘したいと思います。議院内閣制は、本来は、テキスト分析に親和性のある政治制度です。二大政党制の場合はもちろんですが、小党乱立の場合であっても、それぞれに「テキスト」を生み出し、議会において相互に良く批判しあい、判断と結論と対策を紡ぎえれば、十分に機能すると思うのです。
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