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2008-08-19 13:09
東アジア共同体と主権の委譲
近藤健彦
明星大学教授
第26回政策本会議「東アジア共同体構想をめぐる中国の動向」の速記録中、袴田茂樹青山学院大教授の主権に関する的確な指摘が目に留まった。すなわち、「欧州の共同体は、単なる経済的な組織としてではなく、各国の主権から自立した、戦争や国家の衝突を避けるためのものです」という指摘である。ジャン・モネの欧州統合...
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2008-08-18 12:15
北朝鮮に関する日中韓の思惑の相違
武貞秀士
防衛省防衛研究所統括研究官
ここ数年、日中韓の専門家会議で「日本、中国、韓国がどう対話を進めるか」について話し合う機会が多くなった。環境保護、食の安全、金融危機対策、災害時の救難救助から、領土問題、北朝鮮問題まで、いろいとなテーマを議論することが増えている。なかでも、北朝鮮問題は、必ず取り上げられるテーマである。3カ国の間で...
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2008-08-13 08:51
佐藤守さんの論にコメントする
中山 太郎
団体非常勤職員
8月8日、10日の本欄への佐藤守さんの投稿「外務省の不信不義は今に始まるものではない」(640、642号)を面白く読みました。一言コメントします。海外生活で、わが国が「異形な国」と感じられるのは、軍人に対するそれぞれの国の人たちの尊敬の念を目の辺りにするときです。1990年代に北京で生活した際、在...
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2008-08-12 07:12
国際アジア共同体学会・バンコク・シンポジュウム報告
林 亮
国際アジア共同体学会事務次長・創価大学教授
国際アジア共同体学会(代表:進藤榮一筑波大学名誉教授)は、東アジア共同体構築を目指して2006年12月に創設された若い学会ですが、ほぼ2ヶ月に1度の研究会に加え、03年3月ソウル、07年7月北京、本年7月バンコクと3年連続で国際シンポジュウムを開催するなど、精力的な活動を続けています。今回のバンコ...
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2008-08-11 10:59
(連載)権哲賢・駐日韓国大使に望むこと(2)
大江志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
日本への帰任に際して、権哲賢駐日韓国大使は、9月に東京での開催が予定されている日中韓首脳会談について「開催できるかどうか、誰も自信をもって言いにくい状況だ」と発言し、対日関係に火種を残した。先の6か国協議での「非協力」発言にせよ、日中韓首脳会談の「人質」発言にせよ、熟慮の末の発言だろうか。客観情勢...
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2008-08-10 12:02
(連載)外務省の不信不義は今に始まるものではない(2)
佐藤守
元航空自衛官
今回の中国毒入りギョーザ事件、米国原潜放射能漏れ事件は、いずれも外務省の体質が戦前と少しも変わっていないことを示している様に思う。こんなことでは、外務省はその「存在意義」が問われかねない。2年3ヶ月間外務事務官として軍縮問題のお手伝いさせていただいた経験がある当時の3佐としては、失望、落胆を禁じえ...
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2008-08-09 09:05
(連載)権哲賢・駐日韓国大使に望むこと(1)
大江志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
わが国の中国社会科の新学習指導要領解説書に竹島(韓国名:独島)問題に関する記述が明記されたことに抗議し、本国に一時帰国していた韓国の権哲賢駐日大使が、8月5日に帰任した。韓国の駐日大使が歴史認識問題などに絡んで抗議の一時帰国を行うケースはこれまでも何度かあったものの、不在期間が3週間にも及んだのは...
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2008-08-08 19:52
(連載)外務省の不信不義は今に始まるものではない(1)
佐藤守
元航空自衛官
中国でも“自国製ギョーザ”で中毒事件があったという。あの有名な「天洋食品」製ギョーザだが、回収した品が倉庫から流出しているというところが、かの国らしい。これで中国国内で仕組まれた事件であったことがほぼ確実になったのだが、事件は6月中旬に起き、「中国側はこの事実を、7月はじめに外交ルートを通じて日本...
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2008-08-06 10:57
(連載)なぜアセアン通貨協力は進まないか(2)
村瀬 哲司
龍谷大学教授
アセアン域内の経済格差は、一人当たりGDP(2007年)でみるとシンガポール35,163ドル、マレーシア6,869ドル、タイ3,892ドル、インドネシア1,925ドル、フィリピン1,625ドル、ベトナム835ドル、さらに低いその他インドシナ3国まで大きな開きがある。この経済発展段階の差異は、政治体...
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2008-08-05 18:11
(連載)なぜアセアン通貨協力は進まないか(1)
村瀬 哲司
龍谷大学教授
アセアンは2015年までに経済共同体(AEC)の実現を目指しているが、公表された工程表を見る限り、貿易・投資など実体経済にかかわる分野では意欲的に準備が進められる一方、金融・資本取引についてはやや慎重な姿勢がうかがわれる。危機対策としての通貨協力は、別途チェンマイ・イニシャティブの多角化の形で進捗...
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2008-08-04 14:06
中央ユーラシア指導者アカデミーに参加して
入山映
・サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
ユニークな研修プログラムに再度参加する機会があったので、報告してその経験を読者と共有したいと思う。プログラムそのものの紹介というよりは、その含意とか、日本の市民社会に欠けているものの認識、といった側面をぜひ紹介したい、ということだ。従って、何回かに分けて、断続的になるかもしれないが、書いてゆく、と...
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2008-08-01 17:21
欧州統合の創始者ジャン・モネとその夫人
近藤健彦
明星大学教授
バカンスの季節である。欧州統合の創始者ジャン・モネは山男であった。スイス・アルプスを踏破しながらシューマン・プラン(欧州石炭鉄鋼共同体構想)の想を練った。しかしモネ家では、夫人と二人の娘は海が好きで、夏は海に行った。モネ夫人はイタリア人だった。20歳そこそこでイタリア人実業家の夫人だったのを、30...
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2008-07-31 18:32
ナショナリズムで、なぜ悪い?
四条秀雄
不動産業
本日付けの中山太郎氏の本欄への投稿「最近の『米国離れ』論について」を読んで、感じたことです。「米国離れ」は本当にそんなに悪いことなのでしょうか。「米国離れ」すると、日本は本当に諸外国とつぎつぎにトラブルを抱えるようなことになるのでしょうか。日本では、ナショナリズムは戦争に結びつくものである、と無批...
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2008-07-31 14:03
(連載)平和と安全保障に関する発想転換を急げ(3)
神谷万丈
防衛大学校教授
最近、国際社会では、国際平和協力の現場において日本の姿がほとんど見えない、ことへの不満といらだちが高まっている。アフガニスタンでの平和構築努力に日本が自衛隊を派遣していないのは、国際的な対テロ活動への日本の「ただ乗り」だという批判さえ、決して稀ではない。最近、日本を訪れた欧州社会党の政治家グループ...
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2008-07-31 11:50
(連載)最近の「米国離れ」論について(2)
中山 太郎
団体非常勤職員
戦前の日本なら、「中国けしからん」と懲らしめの戦争でも仕掛けるところですが、今はそうは行きません。中国が共産主義イデオロギーに代わるものとして、愛国主義を掲げているのを、外部から簡単に変えることはできません。心ある現地の中国人教師と協力して、日本人の子供をいじめないよう、色々動くしかありません。考...
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2008-07-31 11:03
(連載)最近の「米国離れ」論について(1)
中山 太郎
団体非常勤職員
7月29日付けの山下英次さんの本欄へのご投稿「一身独立して、一国独立する」(628号)を面白く読みました。最近の「米国離れ」論の一例だと思いますが、以下「米国離れ」論について一言させてもらいます。かって、日本は「ワシントン体制」(1922年)の下で外交を進めていましたが、当時対峙していた中国問題に...
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2008-07-30 19:17
竹島問題で得をするのは誰か
鈴木馨祐
衆議院議員
竹島問題が日韓の間でにわかに懸案事項となっている。そして両国の国内の政治事情もあってエスカレートしているように見える。確かに竹島問題は歴史的経緯に照らしても日本の主張に正当性がある可能性が高く、領土問題については国家主権の問題として断固たる姿勢で臨むべき問題だ。しかし、率直に言って、なぜ今このタイ...
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2008-07-30 15:58
(連載)平和と安全保障に関する発想転換を急げ(2)
神谷万丈
防衛大学校教授
そうした中で、軍事力の役割にも劇的な変化が起こりつつある。かつての軍事力は、戦って敵を撃破することを主目的にしていた。端的に言い換えれば、軍の伝統的な中心機能は、「敵を殺す」ことであった。ところが、現在の国際平和活動に従事する軍隊にとって、戦うことは中心的な目的ではない。彼らは、平和を作り出す手助...
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2008-07-29 17:04
(連載)平和と安全保障に関する発想転換を急げ(1)
神谷万丈
防衛大学校教授
4月末からイタリアのコモ湖畔で開かれた、英国国際戦略研究所(IISS)と米国国防大学の共催による「国際安全保障の変化と米国の役割の再考」に関する国際会議に出席してきた。会議には、世界の約20ヶ国から安全保障専門家、外交官、NGO指導者などが参加し、NATO軍事委員会次期委員長のイタリア海軍大将や、...
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2008-07-29 16:12
一身独立して、一国独立する
山下英次
EUI・ロベール・シューマン高等研究所 客員フェロー
首題の言葉は、福澤諭吉の『学問のすすめ』三編に出てくる言葉である。すなわち、国民一人一人が独立心を持たなければ、れっきとした独立国にはなれない、という意味である。諭吉の生涯を通じての最大の問題意識は、日本を如何にれっきとした独立国にするかということであった。国を強化するためには、当時進んだ欧米から...
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