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2026-03-21 20:12

(連載1)台湾の分裂あおる中国の影響力工作は日本も対象だ

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 中国が台湾に対して行っている工作の核心は、武力行使に至る前の段階で社会を内部から崩壊させることにあります。具体的には、SNSやネット上のプラットフォームを駆使して、台湾世論を「親中」か「反中」かで激しく対立させ、社会の連帯感を失わせる手法が取られています。偽情報の拡散によって政府への不信感を煽り、有権者の判断を狂わせることで、民主主義のプロセスそのものを機能不全に陥れようとしているのが現状です。
 
 日本に対しても、これと同様の、あるいはさらに高度な「認知戦」が展開されていると指摘されています。日本国内の特定の政治課題や社会的な分断点を突き、SNS上で工作員やAIを用いた大量のアカウントを動員して、極端な意見を増幅させます。これにより、日本政府の支持率を意図的に低下させたり、特定の政治勢力を有利に導いたりするような世論操作が行われている可能性があります。
 
 特に日本の選挙に関連しては、中国にとって不都合な政策を掲げる候補者を標的にしたネガティブキャンペーンや、逆に中国に融和的な空気を醸成するための情報工作が懸念されています。これは単なるデマの流布に留まらず、一見すると日本国内の自然な議論に見えるよう偽装されている点が非常に巧妙です。サイバー攻撃による情報漏洩と、それを悪用した世論誘導を組み合わせることで、国民が気づかないうちに特定の方向へ誘導されるリスクが生じています。
 
 このように、中国は物理的な破壊を伴わない「目に見えない戦争」を日本にも仕掛けています。その目的は、日本社会を分断し、日米同盟や台湾との連携を弱体化させることにあります。日本の政治的な安定を揺るがし、政府の意思決定能力を削ぐことで、東アジアにおける中国の優位性を確立しようとする組織的な陰謀が、デジタル空間を通じて刻々と実行されていると言えます。(つづく)
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