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2026-02-09 15:48
(連載1)国家の尊厳について
真田 幸光
大学教員
私は、国家の尊厳とは、「全国民に対して、生きていく為に必要な最低限の水、食糧、原材料、エネルギーとそれらを繋ぐ物流を国内にあるもので何とか調達できるような体制を整えておかないと守り切れない。」と考えています。即ち、これらの対応が出来る体制にしておかないと、「他国に水や食料や原材料やエネルギーを依存せざるを得ず、最終的には、それを日本に供給してくれる国家に頭を下げざるを得なくなる。」という状態になります。それでは国家の尊厳は保てないでしょう。そして今、日本は正にその状態にあり、少なくとも、食糧、原材料、エネルギーは他国に依存せざるを得ない状態となっています。
その状況を捉えて、例えば、中国本土は、高市首相の台湾有事は日本の有事発言を訂正させようと、とうとう、「多くの日本企業が必要とするレアアースまで止める。」と脅してきました。再び、「レアアースの武器化を目指す中国本土」とも言えます。これまでも中国本土はしばしばレアアースを政治的なカードとして活用してきています。中国本土がレアアースの武器化に最初に乗り出した2010年ころからではないかと思われます。即ち、我が国と中国本土は2010年にレアアースを巡って対立しました。同年9月、尖閣諸島(中国名・釣魚島)で領有権紛争がエスカレートしたことがきっかけでありました。
当時、日本は尖閣諸島沖の漁船衝突事件で中国人船長を拘束、中国本土はそれにレアアースの輸出禁止で対抗し、日本は中国人船長を解放しました。中国本土は同年10月、米国政府・貿易代表部(USTR)が中国本土のグリーン産業に対する補助金問題を調査すると表明すると、米国に対するレアアースの輸出も中断しました。その影響で、国際市場でレアアースの価格は最大9倍にも高騰したこともあります。そして、中国本土は今年に入り、レアアースを米国に対する戦略兵器として扱っていました。
第2次トランプ政権が中国本土に高率の相互関税を適用すると、中国本土は4月に7種類のレアアースとそれを含む磁石製品に対する輸出制限措置を実施し、報復に乗り出したことはご存じの通りです。米国のトランプ大統領は直ちに中国本土の習近平国家主席と電話会談を行い、米中は高官級交渉に臨み、結局中国本土は10月30日に釜山・金海空港で行われた米中首脳会談での合意に基づき、レアアースに対する対米輸出規制措置を1年間猶予することを纏めました。しかし、中国本土の立場がいつ変わるかは分からないことから、トランプ大統領は11月にオーストラリアのアルバニージー首相と首脳会談を行い、重要鉱物とレアアースの安定的なサプライチェーンを確保する為、米豪間の枠組み合意に署名するなど、レアアースのサプライチェーン多角化を目指しています。(つづく)
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