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2025-10-25 10:16
(連載2)中国人学校やベトナム人学校がない不思議
倉西 雅子
政治学者
この段階に至ると、日本国政府の欺瞞が露呈してしまいます。表向きの労働力補填説では社会問題として外国人対策を行なう必要はないのですが、現実には移民政策に転じているために、教育現場を始め各地で外国人問題が表面化してしまうからです。そして、ここで改めて、外国人子弟の教育に在り方が問われることとなりましょう。労働力補填説、並びに、多文化共生主義に立脚するならば、外国人子弟の学校教育は、出身国の責任とすべきではないか、という問題提起です。
例えば、海外にあっては、現地の学校に入学する場合もあるものの、日本国は、日本人の子供達のために日本人学校を設けています。また、アメリカン・スクールの名が知られているように、日本国内にあっても、各国とも、帰国を前提とした自国の子供達のための教育機関を開設しています。外国にあっても、自国と同レベルの教育を受けることができ、帰国してからも自国の社会や生活に直ぐに馴染むようにするためです。朝鮮学校もその一つであり、同校では、自由主義国にあって軍事独裁体制を是とする北朝鮮の教育さえ行なわれているのです。
ところが、現状では、在留中国人人口が100万人に達するとも予測され、ベトナム人等の人口も60万人代に急上昇する中、中国人学校やベトナム人学校が開設されたというお話しは耳にしません。全て、日本国側に‘丸投げ’なのです。このため、外国人人口の増加に伴うあらゆるリスクや負担は、一般の日本国民の肩に重くのしかかり、このままでは、教育支援のための予算も増額せざるを得なくなることでしょう。しかも、在留資格を得た中国人の多くが、子供達を積極的に進学校に入学させるため、大学のトップ校では人口比を大幅に超えて中国人学生数が占める割合が年々上昇しているのです。今では、日本国民の教育の機会が狭められかねない現状にあると言えましょう。
日本国政府によるなし崩し的な移民政策は、既に限界を越えているように思えます。そして、この惨状は、出身国側にも責任があると言えましょう。そもそも、他国に義務教育年齢を含む100万人レベルの自国民を移住させること自体が無責任なのであって(棄民政策、あるいは、人口侵略政策も疑われるレベル・・・)、国際レベルでの‘放置子問題’とも言えるかもしれません。何れにしましても、日本国内の移民問題は、無責任な出身国の態度にも起因しているのですから、日本国政府は、出身国政府に対して、自国民への教育機会の提供、相応の財政負担、並びに、居住国の医療保険制度などの公的制度の悪用に対する規制(自国の制度の適用・・・)など、適切な対応を求めるべきではないでしょうか。少なくとも、移民や外国人問題は、受け入れ国と送り出し国の双方を含めた国際社会の問題として扱うべきなのではないかと思うのです。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)中国人学校やベトナム人学校がない不思議
倉西 雅子 2025-10-24 10:10
(連載2)中国人学校やベトナム人学校がない不思議
倉西 雅子 2025-10-25 10:16
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