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2020-11-06 06:31

(連載2)日本のチャンスでもある中国の実力向上

岡本 裕明 海外事業経営者
 問題はこの助け船に乗らない、あるいは乗れない国との格差がどうなるか、であります。またしても中国に一本取られるのか、正念場にあるように見えます。日経にオーストラリアのシンクタンク発表のアジア太平洋地区の2020年度実力ランキング、アジアパワーインデックスの記事があります。これによるとアメリカが81.6、中国76.1とあり、ポイントを落としたアメリカをポイントを増やした中国が追う展開となっており、多分数年後には逆転が起きる可能性があり得ます。興味深いのは日本が3位で41.0ポイント、インドが39.7でこれまた肉薄しています。
 
 日本はどんな国なのか、といえば高い教育、社会基盤の高さ、成熟感、地政学的外交の重要性、経済レベルだろうと思います。とすれば今後、20年は成長が期待できるアジア地域全体において、世界から見て投資や拠点のベースとして中国以外の選択肢で日本が必然的チョイスになるような仕組みが作りやすくなってきているとも言えます。
 
 言い換えれば、中国の実力が強くなればなるほど日本も強くならざるを得ないというわけです。これはファイブアイズとの取り組みもあるでしょう。東南アジア諸国やインドとのアライアンスもあると思います。日本は地理的に太平洋を挟みアメリカ、カナダと面していること、背後に中国がいることを考えればこれほど戦略的位置づけが重要な国家はないのです。そして世界は常にバランス外交、あるいはリスクヘッジを考えるため、一つの国に賭けることはありません。とすれば日本が潜在的には圧倒的有利なのであります。
 
 中国は共産党という仕組みで国民統制をします。日本は欧米との信頼関係が築かれ、近年は東南アジアでの連携も非常に強化されています。この枠組みを考えるならば、日本は必然的な国家となるファンダメンタルズは高いはずです。バフェット氏が商社に投資したり、カナダ最大のファンドが日本の不動産投資に動くのはそのあたりも予見したのかもしれません。まずはオリンピックをどう開催し、世界に日本をアピールできるのか、この辺りから巻き返しを図ってもらいたいところです。(おわり)
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(連載1)日本のチャンスでもある中国の実力向上 岡本 裕明 2020-11-05 21:34
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