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2020-11-05 21:34

(連載1)日本のチャンスでもある中国の実力向上

岡本 裕明 海外事業経営者
 バンクーバーは中国人の移民が多いところで知られていますが、同じ街で暮らす者として彼らの財布の中身がどうなっているのか気にならないわけにはいきません。中華系スーパーには目の玉が飛び出るような価格の和牛がショーケースに鎮座していますが、知り合い曰く、中華系の人がごく普通に購入していくと。駐車場には高級車が並び、子連れの中国人の奥様達は巨大なSUVがお好みのようでトラックのような車をいとも簡単に駐車しているのは駐車アシスト機能付きなのか、熟練の技なのかとにかくこの10年、明らかに変わったと思います。金儲けに関しては巧みな操縦術をもつ中国人ゆえ、本土の中国人も同様なのだろうと推測せざるを得ません。もちろん、都市層と農村では大きな格差が存在しますが、時間をかけて改善されていくのでしょう。また、世界から叩かれるような無計画な伐採や環境への無頓着、激しい交通渋滞に人々の道徳感の低さなどは確実に変わりつつあり、我々の先入観から少しずつ取り除かねばならないかもしれません。確実にアメリカを射程距離に収めるだけの実力はついてきています。
 
 中国の7-9月のGDPは4.9%成長。1-3月がマイナス6.8%、4-6月が3.1%であったことを考えるとV字回復といってよいでしょう。事前予想の5.2%には届きませんでしたが上出来だとみています。もちろん、統計の信憑性は相変わらず間引いて考えなくてはいけませんが、個人的には数年前の状況より信頼度は高まってきているとみています。それはそもそもの数字がいい加減だったのは下から上がってくる際の積み上げに問題があったわけでこれでは諸外国が「本当かい?」と疑問視する以前に中央政府が事実を知ることができず、判断を誤るリスクがありました。とすれば政府としては改善せざるを得ない部分だったと考えています。
 
 さて、リーマンショックの際、中国が行った4兆元(56兆円)に上る景気対策は世界景気回復の大きな原動力になったことは疑いの余地はないでしょう。私はコロナ不況でまた中国が世界経済を牽引する可能性が否定できなくなりつつあるとみています。
 
 今回、コロナが一番早く問題が起き、一番早く感染対策を行い、これこそ嘘か本当かわかりませんが、ぴたっと感染症は止まり、国慶節などであれだけの人出があってもコロナはほとんど存在しないぐらいの状態になっています。一方、隣国インドをはじめ、欧米ではこの冬は乗り越えられるのか、というほどの感染者急増で追加的な経済ダメージは相当なものになりそうです。仮に中国のV字回復で内需が中国の輸入を押し上げるならばこれは各国経済にとっては助け船のはずです。(つづく)
 
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