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2019-12-18 07:54
(連載2)世界不和のシナリオ、2020年への考察
岡本 裕明
海外事業経営者
ではその背後にいる欧州はどうなのか、といえば離脱しそうな英国、傀儡のドイツ・メルケル政権、不人気のフランス・マクロン政権とリーダーシップ欠如がはなはだしいと言わざるを得ません。そんな中、アメリカのトランプ大統領は「世界の警官」はやらないと言いながらも「世界の検察」としての機能をより強化する動きに世界から反発と安堵感が漂う奇妙な居心地の良さがあったことも事実です。ところが再三、書かせて頂いているようにトランプ氏が置かれている状況は1年前とは明らかに違います。私も数カ月前まではトランプ氏の大統領再選は間違いないと思っていましたし、今でもその確率は高いと思っていますが、一抹の不安を感じているのです。仮に民主党からブルームバーグ氏が大統領候補に選ばれ、トランプ氏と対峙した場合、接戦になりそうだとみているからです。
世界にとってアメリカの方針変更は地球儀ベースでは激震となることもあります。これが2020年に向けて読みづらく、守勢に回りたくなる理由であります。ブレマー氏は「2020年はかなり良い年になる見込みです。敢えて申し上げると、特に政治的に危険な年ではありません。しかし、私たちは今後のトラブルに備えて準備をしています。大きな問題に備えて。そしてそれが私たちの一番のリスクです」と述べていますが、私もこれに強く同感するのです。
不和の種はあります。今まではその種が芽を出さないよう監視体制や強権などで押さえてきたものがオバマ体制の時のようにあらゆるところからあらゆる芽が育ってしまい、収拾がつかなくなったあの時代に戻る可能性があるのです。そんなオバマ政権で唯一責められなかったのは経済で、就任期間中ずっと景気は回復し続けたという背景があることをしっかり理解する必要があります(オバマさんが経済に強いわけではなく、イエレンFRB前議長の手腕とリーマンショック後の自律回復の波に乗っただけですが)。景気が悪化する要因があれば国際会議で玉虫色の共同声明は難しくなったはずです。
これだけ読むと確かに暗い陰鬱な気持ちになります。が、逆にこれに対策さえ打てれば必要以上に構えることもないと考えています。2020年は主義主張の対立ではなく、調整をすべきタイミングだと考えています。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)世界不和のシナリオ、2020年への考察
岡本 裕明 2019-12-17 19:16
(連載2)世界不和のシナリオ、2020年への考察
岡本 裕明 2019-12-18 07:54
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