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2026-09-01 15:49
(連載2)焦っているのはプーチン氏か、トランプ氏か?
岡本 裕明
海外事業経営者
一方、この攻略に時間がかかる地域とは別にロシアはキーウへのドローンなどでの効率的な攻撃を展開しています。問題はウクライナに防空システムであるパトリオットミサイルが少なくなりつつあるのです。ではアメリカはそれを供給できるかと言えばイランとの不毛な戦いで武器を消耗しているためそれが困難になっています。ウクライナのパトリオットの在庫は現在264機で最盛期の4割以下です。先般ウクライナのコレツキー首相が日本にパトリオットミサイルを送れ、と要望し、木原官房長官は出来ない、と返答しました。これはどういうことかというとパトリオットのような誘導ミサイルに必要なジャイロスコープ(特にPAC-2)は世界で三菱重工しか作れないので日本は世界でも数少ないパトリオットミサイルのライセンス生産国なのです。また新型のPAC-3も三菱重工が作っていますが、その一部の部品であるセンサーをボーイング社が独占製造しており、これが部品供給のネックになっています。その事情を踏まえ、ウクライナはそれを廻せ、と迫ったわけです。
ところが法律上それは出来ません。なので表向きはお断りしたということです。この表向きというのは実際には簡単な方法があります。発注元のアメリカに送ってアメリカがウクライナに渡せばよいだけであり、日本政府はそれを認めているようです。(野党が知ったら噛みつきそうですがね。)三菱重工は一種の戦争特需を得ているとも言えます。ただ、ロシアは当然それを知っているので「日本、苛めてやろうか」ということはあり得るのです。高市氏がロシアに強気に出られないのはこのあたりの計算は当然しているはずです。
プーチン氏の戦術が変わったのか、という見方もできます。想定外の長いウクライナとの闘いで氏の野望実現と自らの政治生命、ないし物理的な余命を考えるとさほど長くないのでまっとうな戦争とは別にプーチン氏が得意の情報網を駆使してピンポイントで最も効率的なグレーな行為を行い、世界を混乱させる、これを狙っているのではないか、という気がするのです。CIAはそのあたりの変化を掴んだ、そこで何をしでかすかわからないプーチン氏の側近と会うことで激しい神経戦を行ったのではないか、と考えています。つまりプーチン氏に不用意に行動範囲を広げるな、という警告です。だからラトクリフ長官はロシア側に「お前は詰んでいる」と迫ったとされるわけです。この「不用意な行動範囲の拡大」は私から見ればバルト三国だけではなく、日本も含まれていると考えています。日本側は駐モスクワ日本大使が呼ばれていますし、そのあたりの事情の情報は入手していると思われ、日本の政権には伝わっているはずです。
トランプ氏としてはどうにも収拾がつかないウクライナ問題に辟易としており、ラトクリフ氏に「どうにかしろ」と命じたのでしょう。もちろんラトクリフ氏だけでどうにかできる話ではないのですが、アメリカが一種の四面楚歌に近い状態になりかねないリスクもあるのでしょう。四面とはロシア、中国、イラン、そして欧州です。欧州はNATOのありかたのみならず、アメリカとの総合的な関係に極めて不満だという意味です。そしてイラン戦争のおいてアメリカは張り子のトラは言い過ぎにしても戦闘態勢は実質形骸化しつつあるようです。表題の焦っているのはプーチン氏か、選挙も控えるトランプ氏か、という答えは私は両者とも相当神経をすり減らしているとみています。(おわり)
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(連載1)焦っているのはプーチン氏か、トランプ氏か?
岡本 裕明 2026-08-31 15:41
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岡本 裕明 2026-09-01 15:49
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