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2022-07-21 11:50
(連載2)苦渋の選択、首相の原発再稼働指示
岡本 裕明
海外事業経営者
つまり、再稼働見込みの原発予想が正しければ、関西電力管轄ではこの冬は5基も動くかもしれず、また稼働するのは関電から西日本のみという非常にいびつな形になります。では懸案の東電管轄柏崎原発はどうなのか、といえば13日に原子力規制員会から柏崎6、7号機についてテロ対策合格の審査となり、8月にも正式合格の通知が来るとみられています。但し、同原発のテロ対策などで重大な不備を受けて検査は続いており、これが終わらないと審査上の再稼働はありません。
個人的には柏崎は首相の9原発稼働の指示とは別枠で一定条件を満たしたなら再稼働させるとみています。もう一案として茨城にある日本原子力発電の東海第二が検査合格済みなのでこちらがバックアップになる公算もあるとみています。結局、エネルギー対策でもっとも重点に置かねばならない首都機能の維持のために東電管轄の電力供給は死守せざるを得ないのでしょう。原発再稼働については様々な意見があるのは承知しています。本質論を述べてしまえば、電力源のどれも否定されてしまう訳でそれぞれの短所を踏まえながら我々の生活に必要な電源を確保する知恵を出さねばならないのです。
その点、ロシアのサハリン2がこのような事態になろうとは誰も想像していませんでした。「外国には頼れない」「一つにエネルギー源に頼るとしっぺ返しを食らう」「同盟、連携国との今後の更なる密なる関係を通じて資源の融通を確保する」ことは70年代の石油ショックの時以来の発想でありますが、平和でグローバル化の中でその緊張感が緩んでいたともいえそうです。個人的には気候変動による異常気象、特に酷暑の傾向は今後、当たり前のようになるとみており、電力危機の話題は年中行事のようになることは大いにあり得ます。それに対して古い原発に頼り続けるわけにもいかないわけですから現在一番実用化に向けた準備が進む小型原発の導入は中期的ビジョンとして取り込まねばならないでしょう。
化石燃料を供給する国は限られています。それらの国がずっと安泰かという保証もないのです。国家の政変やテロ、戦争はロシアのケースを見ても誰も予想だにしない形で起きるのです。そのためにはエネルギーの自給という発想に切り替える必要があります。地震国である日本に於いてそれをどう展開するのか、政府の課題は大変重いものであり、国民生活に直結した最優先事項となることでしょう。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)苦渋の選択、首相の原発再稼働指示
岡本 裕明 2022-07-20 20:22
(連載2)苦渋の選択、首相の原発再稼働指示
岡本 裕明 2022-07-21 11:50
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