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2022-04-26 20:19
(連載1)マクロン氏再選と欧州の行方
岡本 裕明
海外事業経営者
マクロン氏が大統領選で再選を勝ち取りました。決選投票はルペン氏と思ったほど僅差にならず、余裕ある勝ち方でしたが、一部からは3度目の挑戦となるルペン氏の票は徐々に伸びている、マクロン氏でもルペン氏でもないとする国民も多いといった声も上がっています。マクロン氏が勝利したことで欧州を中心に世界経済には安堵感が広がると思います。
まず、一番先に進めるのがロシアとウクライナの停戦交渉の先頭に立つことだと思われ、遠くないうちにマクロン氏もプーチン大統領と面会を求めるものと思われます。欧州の首脳が次々とプーチン氏への説得工作を続けていることからどこかで成果が出てくると期待したいところで、マクロン氏はその真打の一人であることは確かでしょう。ドイツとも協議を進めながら欧州全体の安全保障と絡ませる、という当然の作業がシームレスで行われるのは論を待ちません。
次いで物価高問題です。フランスのCPIは3月度が前年同月比4.5%と30年ぶりの高さとなっています。また物価スライド方式をとっているフランスの最低賃金は1月に0.9%上昇したばかりなのに5月から2.65%の上昇が決定しています。これらの上昇は日本のように企業努力してなるべく吸収しようとせず、最終消費者への比較的ミラーのような価格増になります。
欧米の物価が日本に比べて高いのは企業努力分が少ないためですが、思うに企業文化の違いが大いにあると思います。日本の場合、「お客様は神様です」というほどお客様の意向を最大限尊重しますが、欧米の場合、従業員や株主の意向はより重要なとらえ方としています。例えば企業努力をした場合、従業員への負担が増えたり、利益圧迫により配当金や株価の低迷を引き起こす原因となりかねず、必要な値上げはお客様にご理解いただく、という姿勢がより強くなります。例えば私も4月から顧客向けの価格を分野により5%から20%程度、一斉値上げしておりますが、値上げの2か月ぐらい前から各人にメールなどをしてそのお願いをさせて頂いており、顧客からはむしろ「リーズナブルな価格だ」と支持を頂くくらいなのです。話を本題に戻します。(つづく)
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(連載1)マクロン氏再選と欧州の行方
岡本 裕明 2022-04-26 20:19
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岡本 裕明 2022-04-27 19:35
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