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2021-09-09 22:03
(連載1)普通の国になったアメリカ
岡本 裕明
海外事業経営者
アメリカが偉大である理由は何でしょうか?国土、資源、3.3億の人口、経済と金融、先端企業、基軸通貨ドルの発行国、最強の武器ビジネス、文化/娯楽…。その中でやはり一番大きいのは世界への影響力だったと思います。しかし、アメリカは少しずつ疲弊してきました。いや、国家の高齢化が進んだといったほうがよいでしょう。20世紀初頭、英国からバトンを引き継いだアメリカは若く、大戦を有利な形で進め、1920年代の大戦間端境期には自動車産業の勃興、そして「華麗なるギャツビー」にみられる栄華を誇りました。大戦後も世界ににらみを利かせ、日本との貿易戦争では日本側が自主規制という珍妙な形で幕引きをしなくてはならないほどアメリカは強大でありました。
アメリカは泥沼戦争に関しては弱い、これが私の実感です。アメリカは近代兵器を駆使し、自分と同じ土俵に立つ相手国へはことごとく強気勝負ができるのですが、土俵が違うと途端に恐怖心丸出しになります。ベトナム戦争の際はそれが際立っていました。いや、本質的には太平洋戦争も兵士の数と兵器と情報量の勝負で勝てたようなもののアジア人が何を考えているのか、その常識観の相違から恐れおののいたのもこれまた事実です。神風特攻隊は彼らにしてみればあり得ない戦い方でありました。
アフガニスタンの20年が終わり、アメリカは撤収しました。敗退ではないか、とも言われています。それに対してアメリカ世論が盛り上がる感じもありません。理由は無関心だからです。これが大国相手の勝負ならアメリカ人も血気盛んになるのでしょう。朝鮮戦争では北軍が一気に押し込めたはずですが、北にちょっとした油断があり今の結果になりました。正直、アメリカ・韓国は危ないところだったのです。ベトナム戦争は熱帯、密林という悪条件で共産主義との戦いをし恐るべき損害を残しました。イラク戦争でイラクは復興できたでしょうか?アフガンはテロリストをかくまうタリバン相手でしたが一向に明白な結果は見えませんでした。
アメリカが世界の警官業務に無関心になり始めたのはオバマ大統領の時代でトランプ、バイデン両氏に引き継がれました。それは民主主義という名のもと、「無駄な金、労力、戦費」よりアメリカは成熟したのだから、その役割は誰かに代わってもらい、もっと偉大な国家としての威厳を保つほうが良い、と考えているように見えます。(つづく)
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(連載1)普通の国になったアメリカ
岡本 裕明 2021-09-09 22:03
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岡本 裕明 2021-09-10 18:41
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