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2021-05-16 11:42
(連載2)日米首脳会談と今後
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
ちなみに、バイデン大統領は、息子のウクライナ疑惑から、ロシアとも敵対的にならざるを得ず、アメリカは二正面で難しい外交をすることになりそうだ。これが戦略的に正しいかどうかは現状未知数であるが、バイデンを大統領に選んだアメリカ国民の判断が試されるということになるのではないか。
民主党という政党は、「国内の権利充実」を行い、その予算などが困ると海外にしわ寄せをすることが伝統的であるが、今回もまさにそのような状況になっているのではないか。中国を悪者にしながら「日本と韓国を同盟関係として維持して、その最前線を任せる」というのも日韓への積極的なしわ寄せであろう。今回の会談では「中国に共同で」とは言っているものの「日本の最前線を任せた」ということであり、日本の軍備拡充を求めてきたということに他ならない。
同時に経済に関しても「サプライチェーンでの協力」に言及しているが、「中国などほかの国に金を流すな」というメッセージである。90年代までの対ソ戦略が中国に対して行われつつあるかのようだ。今回の成果は菅首相が直接それを向こうのトップから聞いてきたということに他ならない。
一方で、「日本への経済援助」「オリンピックへのバイデン大統領の参加」などのリップサービスがなく、菅首相にとっては「プラス点」が少なかったのが現実だ。また米国にいながら自分でファイザー製薬に電話するという拙さを晒さざるをえなかったことは、民主党政権が「日本を利用することはしても、日本へのサービスはしない」ことの表れといえよう。菅内閣に、アメリカを逆手にとって利用するというようなことができるかはかなり疑問であるが、それができれば、菅内閣の長期政権になるし、できなければ、菅内閣は今度の9月で終わる。そのようなことを連想させる日米首脳会談でしかなかったのではないか。(おわり)
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(連載1)日米首脳会談と今後
宇田川 敬介 2021-05-15 23:59
(連載2)日米首脳会談と今後
宇田川 敬介 2021-05-16 11:42
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