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2020-12-18 22:02
(連載1)急速に弱体化する日本の外交
岡本 裕明
海外事業経営者
私は茂木外相にがっかりしています。キャリア的には東大、ハーバードからマッキンゼーというゴールデンルートで英語もできるのでしょうけれど外務大臣としての力量を発揮できないのであれば交代していただくしかないと思います。どうせなら外務大臣に安倍元首相を持ってくる仰天人事もアリだと思います。茂木外相の直近の失敗は二つ。一つはドイツ慰安婦像問題、もう一つは王毅外相との尖閣をめぐるやり取りであります。
ドイツ、ベルリンの慰安婦像問題については、現地韓国人団体が公有地に慰安婦像建立を行い、これを差し止めようとした日本側は政治力を使い、茂木外相までその陳情を行いましたが、逆にそれが火に油を注ぐ形となり、裁判沙汰になります。判決はまだですが、地元のミッテ区の区議会で決議を行ったところ、像の維持賛成24、反対5票と圧倒的差となっていることが日本のメディアで小さく報じられています。もちろん、裁判の判決を待たねばなりませが、周辺の空気をうまく取り込む下地作りができなかったこと、ベルリンの日本人会から慰安婦像を支持する旨の文書が出ていたことなど、そもそも「戦う」体制になっていません。
在外公館はもともと地元の日本人との深い接触、情報収集を通じて現地の状況把握を行い、対策や施策を行う役目もあるのですが、コロナもあるのか、まったくその動きは止まっています。ただ、地元と在外公館の関係維持も難しいのが現状です。日本人コミュニティは高齢化、海外在住の日本人はドライで自己中心的であること、コミュニティ活動に時代錯誤感があり、不活発さが顕著になり、グリップが利かない状態になっています。ベルリンの慰安婦像建立を阻止するための現地日本人コミュニティの土壌が十分ではなく、突然の事実にあたふたとして、茂木外相が政治的に上から目線で反対と言っても意味は全くありません。もう少し言えばなぜ、こんな稚拙なことになったのか、外務省の体制そのものにも問題があるようにも思えます。
次に尖閣に関して王毅外相とのリアル会談の件です。「最近、一部の正体不明の日本の漁船が釣魚島(尖閣諸島)のデリケートな海域に侵入している。中国はそれに対して必要な対応をするしかない。この問題に関する中国の立場は非常に明確で、われわれは今後も引き続き中国の主権を守っていく」と王毅外相に会見で言わせ、それに日本側は反論もなく終わっている状態に唖然を通り越し、「外務大臣はニコニコしていればよいのか?」と思わせるほどでした。(つづく)
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(連載1)急速に弱体化する日本の外交
岡本 裕明 2020-12-18 22:02
(連載2)急速に弱体化する日本の外交
岡本 裕明 2020-12-19 16:45
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