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2019-12-07 21:33
(連載2)踊り場の日本食の海外展開
岡本 裕明
海外事業経営者
先日「ジャパンマーケット」なるイベントがバンクーバーであり、私どもも出店したのですが、フードコーナーに来る人もある程度日本のことを理解していることが多い中で焼きそばやおにぎりなど出品内容にかつてのような驚きあるわけではなく、集客的には踊り場とみています。
また、海外に日本料理を普及させたいという意気込みのある人が減っています。ラーメン屋1軒出すのに数千万円から億単位の資金を要するからです。また、ラーメン店が流行ったのは出店する側からすれば管理が楽(麺とスープはおおむね外注)で生ものの扱い量も少ないからであることも背景にあって、寿司屋、居酒屋を出店できるだけの調理能力を持った人が減っているのです。ちなみに「流行った」と過去形にしているのはラーメン店の淘汰がすでに始まっているからで、生き残れるのは半分ぐらいかもしれません。
ならば主婦や腕自慢のご主人の料理を介してどうにか日本食を伝えていく発想もありではないかと思うのです。料理人は「素人の料理はしょせん素人」と見向きもしませんが、(主婦がレストランの味を出せない理由の一つは家の調理器具の火力が弱すぎることがあります)皆で普及させるのはありではないかと思うのです。例えば、そば打ちをする方は海外でもいます。そういう人がローカルの方と一緒にそばを打って普及させるのもありでしょう。
ところで海外のみならず日本でも案外知られていないのが「蕎麦屋で日本酒」であります。これは東京の独特な文化の一つで卵焼きや焼き物、乾きものに冷酒を2-3杯ぐっと飲んで最後、ざるそばで絞めて1時間という江戸っ子の早食い式飲み方であります。私は東京に来ると一番行きたいのがうまい日本酒が飲める蕎麦屋であります。まさに「粋」という言葉が似合います。まだまだ海外に普及できるものはいくらでもあるはずです。踊り場から飛躍へ、そしてそれを普及させるためには官民が一体となって一時的なキャンペーンではなく、恒常的に努力すべきでしょう。(おわり)
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(連載1)踊り場の日本食の海外展開
岡本 裕明 2019-12-06 16:56
(連載2)踊り場の日本食の海外展開
岡本 裕明 2019-12-07 21:33
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