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2007-10-26 10:58
政府は日米安保とアジア政策の整合性を説明せよ
舛島貞
大学准教授
日本にとって日米安保、アジア政策、そして国連重視が外交の三本柱になっていることは周知のとおりである。旧来、日本のアジア政策における大きな構想はアメリカから批判を受けてきたと言われる。それもあってであろうが、日本では日米安保を機軸とした日米関係と、福田ドクトリンや環太平洋構想などといった対アジア(+太平洋)政策の調整に苦心してきた。
だが、実際のところ、ASEAN+3や、昨今の東アジア共同体に対するアメリカからの批判や圧力は以前に比べれば減少しているものと考えられる。しかし、これまでの経験のなせるわざであろうか、日米安保を基軸にした日米関係とアジア政策を構想の上で分離させてしまう傾向は続いているように思えるのだが、どうであろうか。中には、アメリカをとるのか、アジアをとるのかといった二元論も存在する。だが当面の間、日米関係に大きな変更を加える可能性がないとするならば、現在の課題は日米安保とアジア政策の整合性をどのようにしてつけ、そしてそれをいかに説明するのか、ということにはならないだろうか。
これまで、歴代の総理や外相は、この双方の重要性を提起してきたのだが、その関連性、整合性については具体像が結ばれていない。「価値の外交」はそれへのひとつの回答であったのかもしれない。だが、「価値の外交」が安全保障面の説明になるかどうかは疑問だ。確かに、ASEAN+3における東アジア共同体論には安全保障面は実質的には含まれていない。しかし、日米関係が日米安保を基軸にしている以上、安全保障面をふくめたアジア政策と日米関係の整合性(実質というよりも説明)を見出さないと、内においても外においても、日本外交像が定まらないのではないだろうか。
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