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2025-09-22 16:31

アジアの株式市場の直近の動きについて

真田 幸光 大学教員
 日経平均株価は史上最高値を更新している。台湾の加権指数も、史上最高値を付け、中国本土の上海総合指数まで10年ぶりの高値水準となっていた。これに比べて、韓国総合株価指数(KOSPI)は下落傾向を示し、3,200をも割り込んでいる。店頭市場のコスダック指数も下落励行を示していた。そして、前月、上述したKOSPIを下落させたのはが外国人投資家と見られている。

 有価証券市場で5,400億ウォン以上を売り越していた。5月(2兆ウォン)、6月(3兆ウォン)、7月(3兆4,000億ウォン)と大幅な買い越しを記録していた外国人投資家は、8月は月初から18日までの間に僅か10億ウォン余りの買い越しに留まっていた。年初来7月まではKOSPIの上昇率が世界の最上位圏に入っていたが、7月中旬頃から勢いを失ったのは、上昇相場を主導した外国人の出足が鈍い為であると見られているのである。米国の投資銀行大手であるモルガンスタンレーは最近、世界的なヘッジファンドが日本株に対する投資比率を高めたのに対して、韓国には空売りポジションを増やしたと分析している。
 
 外国人が安値買いで押し寄せている東京株式市場は何度も史上最高値を更新していた。日本のNHKは、「米国の小売売上高の内容から消費が堅調であるという見方が広がったほか、日本でも第2四半期の国内総生産の伸び率が市場予想を上回ったことで国内経済も底堅いとして投資家の安心感に繋がった為と見られる。」と、日本株動向に関する分析を紹介している。台湾の加権指数の上昇も米国との関税交渉が終わり、安心感から株価上昇が続いている。長期に亘って、低迷していた中国本土株も久しぶりに反発している。米国が中国本土との関税戦争で休戦を延長したほか、中国本土政府が債券から株式へと投資を誘導する政策を打ち出し、株式市場に資金が集中していると分析されている。
 
 これに対して、韓国の新韓投資証券はKOSPI下落について、「関税の不確実性のほか、黄色い封筒法案(労働組合・労働関係調整法改正案)と第2次商法改正案、税法など国内問題も加わり下げ幅が拡大した。」と分析している。しかし、いずれにしても、「世界的な資金余剰の中、余剰資金の一時預かり場所としての先進国株式市場、就中、アジアの中では、日本と台湾の市場が注目されている。」と見られ、こうした中、韓国株式市場はその対象から、今のところ、外れている点、韓国国内では、懸念されている。
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