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2019-08-07 20:42
政治的無関心をカナダで考えてみる
岡本 裕明
海外事業経営者
日本人の政治離れが指摘されています。今回の参議院選挙でも戦後二番目に低い投票率になったわけですが、若者だけに限ればそれを更に20ポイントぐらい下回る、とされています。どうせ俺の一票なんて、ということなのだと思います。一方で、香港で続くデモは一国二制度を守らなくちゃいけないという将来を危惧した若者たちの声であります。一人ひとりの声が集まると大きなパワーになることはフランスでも韓国でも同様の運動があり、記憶に新しいところです。
当地、バンクーバーにおいて政治を語るとき、残念なことに連邦議会にも州議会にも市議会にも日系と名の付く人は誰もいません。誰も、です。数年前にはお一人いたのですが、今はいません。私もカナダの政治にさほど興味があったわけではありませんでした。しかし、慰安婦像の問題や南京事件記念日制定などの問題が起きた際、いやでも政治に関与しなくてはいけない事態になりました。なぜならそれらを止めるようお願いする相手は政治家である場合が多いからです。その時、日系の政治家がいないことに大変残念な思いをしてきました。それらの問題がとりあえず収まっていつもの平和な時が戻ってきた今、私は平時だからこそ、政治家との関係をきちんと作らねばならないのかもしれないと思い始めています。何かあった時、突然知らない政治家に「この問題にどうにか対応を!」といってもご都合主義のように思われます。私はビジネスの立場やNPOを含め、政治家との接点が多くなってきました。州の経済担当大臣とは時々お会いしますし、連邦議員とのやり取りもあります。そんな中で「日系に議員がいないなら私が手伝います」と言ってくれているのが台湾系のある州議会議員です。彼女とはよく会いますが、先週も彼女の政治資金パーティーがあり参加すると、かなり上席を用意してくれたのみならず、私にHiroと何かにかけて何度も名前を呼びながら話しかけてくれるのです。当然、他の席の人もいるわけでやや恥ずかしい思いすらします。同席には州の司法長官がいらっしゃったのである案件で日本の事を考慮、応援してくれたこともあり、周りの人に分からないようにお礼を述べる機会も得ることができました。
私が思ったのはカナダでは政治家と一般人の距離が非常に近いということでしょうか?日本では黒塗りの車、秘書といった政治家のガードの固さがまず一番にあります。もちろん、セキュリティ上の問題もあるのでしょう。一方、こちらの政治家と食事をしながら会食をする際は案外、そのあたりの普通の店で唐揚げやらチャーハンやらを食べながら普通に話をします。2-3か月前に大臣2名を含む議員5人と10人ほど集まった交流会でもごくざっくばらんな感じで親交を深めた感じです。
政治に興味がないのは政治家との距離が遠いこともあるのでしょう。政治家ももっと気さくにいろいろなところに足を運び、居酒屋で胡坐をかきながら一杯飲みかわす、というのもあり、スポーツバーで一緒に盛り上がるのもありだと思います。私は時々安倍首相動向を見るのですが、多い日には一日に3度ぐらいディナーがあったりします。多忙もあるのでしょうが、精力的にいろいろなところに出向く努力をされていると思います。政治に興味がないのを現代の病のように評することもありますが、もっと政治家が若者に身近であるべきだと感じます。ちなみにもしも政治家と食事ぐらいするならあまり高くない店なら私は喜んでごちそうします(日本の政治家は格好つけて奢ろうとするのがダサいと思います)。
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