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2019-08-05 15:47

「総合取引所」実現に見る行政改革の重要性

鈴木 馨祐 衆議院議員(自由民主党)
 日本取引所グループ(JPX)が東京商品取引所(TOCOM)を買収することで合意に達しました。党内の総合取引所構想に関する議論に、様々な立場から長くかかわってきた身からすれば、ようやくここまで来たかと、非常に感慨深いものがあります。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)などと比べれば、かなり出遅れ、また規模も小さい総合取引所となりますが、先物を金融、商品と同じプラットフォームで取り扱うことが可能となることは、我が国のマーケットにとっては非常に大きな一歩といえます。もちろん統合しただけでは意味はあまりなく、どのようにしてポジティブな投資の循環が起こるような仕組みを作ることができるのか、今後の進み方にも注目していきたいと思います。
 
 やはり、日本の経済の状況を世界の中で見たとき、ヒト、モノ、カネと言われますが、特にヒト、カネの動きが重層的に厚みをもって必要なところに流れていくような仕組みがまだまだできていないところが大きな課題と言わざるを得ません。これまでうまく回ってきたモデルも、時代や環境が変われば必ず回らなくなってきます。そうしたときに、過去のしがらみや成功体験にとらわれずに必要な改革をきちんと進めていくこと、そしてそのことについて国民の皆様にきちんと理解を得られるよう努力すること、これがこれからの政治家に求められる最大の役割だろうと思います。
 
 この総合取引所をめぐる議論の中でも、「総合取引所が必要でTOCOMが独立している状況は変えるべきだ」という考え方は現状の解決策としていわば「正論」であるにも関わらず、非常に強い抵抗がTOCOMや一部官庁からあったのも事実で、その裏にある理由や背景は何なのかを考えたとき、真に日本の競争力や国民生活の向上を最優先に考えた改革を国民の負託を得た政治家が不断に行っていくことの重要性を改めて感じるところです。
 
 個々の組織や個人ということではなく、一般論として、行政組織、政府は、時間が経過すれば必ず肥大化し非効率になっていきます。ビジネスのように数字で常に結果が出るものではない以上、変えない逃げ道はいくらでも作れてしまいます。そして変えることには常に抵抗がある。抵抗や反発が無いようにするには何も変えないということしかありませんが、それでは我が国は世界から取り残されてしまいます。
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