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2009-03-28 09:10

常任副議長だより(5):「第31回政策本会議」について

村上 正泰  東アジア共同体評議会常任副議長
 今回の「常任副議長だより(5)」では、さる3月18日(水)に開催された第31回政策本会議について、所感を述べます。政策本会議とは、東アジア共同体評議会の活動の中核に位置付けられる会合であり、シンクタンク議員、有識者議員および経済人議員が一堂に会して直接対面の意見交換を行なうことにより、知識・情報の交換、問題意識のすりあわせ、戦略意志の共有を図る場です。今回は、小原雅博外務省アジア大洋州局参事官を報告者に迎え、「日中韓首脳会議と東アジア共同体構想」と題して開催されました。

 昨年12月13日に福岡で「日中韓首脳会議」が開催されました。これまでも日中韓3カ国による首脳会議は開催されてきましたが、今回の首脳会議にどのような意味があるかというと、これまでの首脳会議は、ASEAN+3などのASEAN関連の会議の場をいわば借りて、開催されてきましたが、今回は初めてASEAN関連の会議とは無関係に、自らのイニシアティブで開催されたということです。これまで「東アジア共同体」構想が語られてきたものの、実際に進展したのはASEANの統合です。比喩的な言い方ですが、しばしばASEANは「東アジア共同体」構築の「運転席」に座っていると言われてきました。

 これに対し、日中韓の北東アジアの統合は大きく遅滞していたというのが実態です。そのような中で開催されたのが、今回の「日中韓首脳会議」であり、それが「第1回」日中韓サミットとも呼ばれたのは、注目すべきことであり、その歴史的意義は大きいと言わざるを得ません。今回ご報告いただいた小原参事官は、「日中韓首脳会議」の下の局次長級会議で首脳会議実現に向けて準備を進め、首脳会議にも陪席された当事者です。日本国内では、必ずしも今回の首脳会議の歴史的意義を踏まえた報道が十分になされているとは言えない状況であるだけに、同参事官の報告は、貴重なものでした。

 小原参事官から、具体的な成果を一つ一つご紹介いただきながら、「日中韓の3カ国は二国間ではそれぞれに非常に難しい問題を抱えているが、3カ国の首脳が集まることによって、『共通の課題に一緒になって取り組んでいこう』というメッセージを打ち出し、さらにメッセージだけではなく、具体的な行動計画まで出すことができたというのは、非常に重要だ」というお話をお伺いし、改めてその歴史的意義を再認識しました。今回の首脳会議を契機に、今後は日中韓の「北東アジア協力」というものを着実に進展させていく必要があると思いました。当評議会としても、トラック2レベルで「北東アジア協力」の可能性を模索すべきなのかもしれないと思いました。

 今回の政策本会議の「メモ」につきましては、近く当評議会のホームページに掲載されますので、ご関心のある方はそちらをご覧ください。
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