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2009-03-16 08:00

麻生、「解散」より「補正予算」成立重視

杉浦正章  政治評論家
 「西松疑惑」の結果、首相・麻生太郎が少なくとも通常国会末までは解散なしで、景気対策の2009年度補正予算案成立を最優先する流れが見えてきた。解散は通常国会閉幕時から任期満了までの間に行われる方向に絞られてきた。今後民主党が日を追うごとに支持率を低下させる方向は確定的だが、小沢の後継次第で若干盛り返すかもしれない。しかし麻生としては、民主党圧勝の構図を何とか突き崩し、少なくとも自民党も民主党もいずれも過半数を獲得できないような大接戦に持ち込みたいに違いない。小沢の秘書逮捕の結果、直後の世論調査でも「首相にふさわしいか、どうか」で小沢の支持率が激減している。政党支持率にはそれほど影響は出なかったが、今後小沢が居座る期間が長ければ長いほど小沢支持が更に減少して、限りなくゼロに近づき、“抱き合い心中”のように民主党の支持率も下がるだろう。

 民主党はアッパーカットを食らって、ほうけたようになっており、小沢が辞任して後継者が登場するまで態勢の立て直しは困難だろう。民放テレビなどが小沢問題を取り上げる比率は、経産相・二階俊博など自民党側を取り上げる比率と比べて、8対2で小沢問題の方が頻繁かつ深刻な扱いであるのが実感だ。がらりと変わった報道姿勢を見ると、民放など単純至極なメディア操縦には、いかに政治家の“汚職”めいた話が効果的かを物語るものだろう。これが支持率に反映しないはずはない。秘書逮捕直後の調査より民主党が悪化することは間違いない。こうしたなかで、麻生は笑いをかみ殺すのに苦労しているような表情だが、たしかに政局の主導権は麻生サイドに移った。麻生は外交日程を次々に入れるともに、景気悪化を最大の“武器”にして当面の政局を乗り切ろうとしている。

 民主党は、国民から小沢に対して突きつけられた「不信任」にどう対応するかで精一杯であり、麻生不信任案提出論は消えた。15日、NHKで解散について聞かれた麻生は「景気や雇用を言っただけで実行できなければ、『何だ』となる」と述べ、2009年度補正予算案の成立までの衆院解散に慎重な考えを示した。政府・与党は、本予算および関連法案が成立したあと、5月連休前後には補正予算案を国会に提出し、成立をはかるだろう。しかし6月3日までの会期では足りなくなる可能性がある。自民党国対筆頭副委員長の村田吉隆が「事情が許せば最大限の日程を取り、追加対策の中身をよく議論することはあり得るのではないか」と述べ、会期延長の可能性に言及しているが、会期延長してでも予算の成立を図るという麻生の意向を反映したのであろう。

 こうしたなかで解散論、とりわけ小沢秘書逮捕直前にあった「補正を提出するだけで、成立を待たずに5月解散」という見方は、影をひそめた。自民党総務会長・笹川堯は、5月までの解散について「あるわけない」と否定するとともに、「桜は散って、海水パンツをはくころだ」「大体、8月か9月」との見通しを述べている。公明党が嫌がっている7月12日投開票の東京都議選と同時期の衆院選は避けるとすれば、延長通常国会閉幕時も解散はなく、限りなく任期満了に接近した選挙が考えられる。しかし展開次第で通常国会閉幕時解散もないわけではない。いずれにしても政府・与党は民主党を“水に落ちた犬”のようにたたけるだけたたいたうえで、解散に持ち込もうとするだろう。
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