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2008-11-14 10:15

(連載)第一次世界大戦終結90周年慰霊式典(2)

佐藤 守  元航空自衛官
 サルコジ大統領も、神父も、その自己犠牲と奉仕の精神を称え、サルコジ大統領は、第一次大戦に駆けつけてくれた同盟国、米、英をはじめ、インド、ニュージランド、中国、ギリシャ・・・などの関係各国名を挙げて感謝することを忘れなかった。そして「ただ、ただ、兵士達への尊敬の念あるだけである。恐ろしい戦争から人間の良心に訴える教訓を学ぶべきである。いつの日か人間性が勝ることを信じつつ逝った勇敢な、人間性豊かな兵士達であった」と追悼の辞を述べたが、今の日本の「生き残り兵士達」や遺族達が、戦後はあたかも極悪非道な殺人鬼であったかのように喧伝され「肩身の狭い」余生を送ってきたこととあわせ、ただ、ただ、その落差の激しさに言葉も無かった。

 全国戦没者慰霊祭の両陛下のまえで、現役衆院議長が戦没者達を“非難”するのだから、勇士やご遺族にとっては無念この上なかったことだろう。西欧諸国は、戦争慣れしているとはいえ、やはり「先進国」で、アジアはまだそこまで至っていないと痛感した。日本国内でもそうであるから、大東亜戦争で「心無くも」戦いあった日中両国が、このような式典を南京と靖国神社で挙行して、双方の指導者が「不戦の誓い」を立てるような、そんな機運には悲しいながら“絶対に”なれないのだろう。「日中友好」の掛け声は、何とも虚しい「政治的スローガン」に過ぎないと思う。

 少なくとも日本側からは、幾度と無く、卑屈なほど「謝罪」し、天皇自らも「過去の不幸な戦争」について弔意を表されたが、相手はそれを受け止める気はまったく無いように感じられる。社会党員だった村山首相による「談話」もその一環だが、未だに呪縛となって、真相はさておき中国の顔色ばかり伺う風潮が日本全土を覆っているように感じる。それよりもまず、敵国人によってではなく、日本人自らの手で、非難?されている大戦経験者や遺族達に対する態度を改めることが先決だろう。そうでなければ、後に続くものは出てくるはずが無い。

 BBCのLIVEを見ながら、孤独な“戦い”を強いられた田母神君の胸中と、それに対応する保身大臣達、なかんずく「ホッケ(魚)の開き」問答で盛り上がったというわが国閣僚達の程度を見て、癪だけれども「欧州は大人」「アジアは子供」「日本は幼児」だと思ったのだが、その根底には確たる宗教心があるか無いかの違いだろう、「ホッケ談義」に盛り上がった日本の閣僚たちが信じている宗教は何なのだろう?とも思った次第。(おわり)
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