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2008-10-13 11:02

(連載)ロシア、この「力治国家!」(3)

佐藤 守  元航空自衛官
 9月12日付け産経新聞の「正論」欄に、ロシア問題の専門家・伊藤憲一氏が「ロシアの行動の本質的な意味」と題して、グルジア問題を取り上げ、「帝政時代から旧ソ連国家を通じて一貫するロシア国家の本質を『力治国家』ととらえる私は、プーチン前政権のこの本質への回帰の危険性を感知していた」とし、その根拠として「プーチンが『暴力』依存の権力基盤を構築しつつあり、それがロシアの伝統的な政治文化である『力治国家』体制に適合すると判断したからだ」と述べている。

 そして今後、「国際社会が抱え込んだ新しい問題とは、ポスト冷戦期の安全保障の脅威である『ならず者国家』がロシアのような大国である場合には、どのように対応すべきか、という問題であろう」「ロシアが『新冷戦を恐れない』という以上、国際社会がそれを恐れていては問題は何も解決せず、事態はかえって悪化するのみである」と書いたが、全く同感である。

 所詮「テロはテロ」にすぎない。9・11を引き起こしたアルカイーダなどは、「犯罪者ではあっても、一国を代表した戦士ではない」。大国・アメリカがこんな「犯罪者」に振り回されているからこそ、北朝鮮のような「犯罪国家」が脚光を浴びる、という皮肉な現象が起きるのである。レーガン元大統領は、ソ連を「諸悪の根源」と呼んだ。その血を引く「力治国家」ロシア対策を、「北方領土問題」でロシアとの間の「紛争当事国」である日本は、忘れてはならないはずなのだが、総裁選で何時まで「ワイドショー」を繰り広げるつもりなのだろうか・・・。

 とまれ、ロシアのチンピラに加勢する日本人?弁護士の挙動を監視しておく必要がある。樺太のホテル・オーナーが辛酸を舐めたような、民主主義国に通用しない力ずくの一方的な「判例」が生まれると、次々にこの手の訴訟が連鎖して「日本相撲協会」のみならず、「日本国」そのものの根幹が危うくなると思うからである。(おわり)
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