国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2008-03-03 11:09

(連載)日本の対アフリカ環境協力のあり方(1)

廣野良吉  成蹊大学名誉教授
 本年7月に北海道の洞爺湖で開催されるG8首脳会議では、同じく本年5月に横浜で開催される第4回アフリカ開発東京国際会議(TICADIV)において採択予定の「横浜宣言」を反映した宣言・合意文書が策定されると聞いている。本年のG8は、一昨年のグレンイーグルス、昨年のハイリゲンダムでの中心課題であった世界経済に関する主要課題と並んで、アフリカの開発問題と地球温暖化問題を討議することになっており、自ずからアフリカにおける気候変動が短期的、中長期的にもたらす諸課題も重要な討議対象となる。このような意味でTICADIVにおける「横浜宣言」の内容は、G8の合意文書の基本的方向を規定し、その内容の一部を構成することになるといってもよい。

 TICADIVに向けて結成された日本のNGOの連携団体である「アフリカ市民社会フォーラム(TCSF)」は、昨年11月に国際協力機構(JICA)との共催で、「アフリカ・アジアNGOネットワーク会議」(JICA地球広場にて)を開催した。この会合の目的は、アフリカのNGOとアジア・日本のNGOが、アフリカ諸国の最大関心事である「経済成長」、「人間の安全保障」、「環境・気候変動」についての情報・認識・理解を共有し、その視点、論点を明確にすると共に、具体的提案をTICADIVが発表する「横浜宣言」へ反映するように、政府に働きかけることであった。

 この会合の内容については、昨年12月6日の本欄への小生の投稿文(2007年12月6日付け投稿448号)を参照して欲しいが、そこでの重要な課題の一つである「資源枯渇と環境破壊」は、本年2月13、14日に都内で開催された日本・英国両政府共催の「低炭素社会構築に関する専門家会議第3回会合」での「低炭素社会と持続可能な開発」分科会でも、アフリカ諸国から参加した専門家により鋭く提起された。さらに同月21日には、TCSFと国連開発計画(UNDP)が、「アフリカにおける気候変動と資源稀少化」を中心課題とする国際会議を共催したが、そこに参集したアフリカ諸国からのNGO代表や在京アフリカ諸国大使は、わが国の専門家と共に、気候変動が資源枯渇化にあたえる影響の視点をTICADIVへ向けた会議提言へしっかりと組み込むように、強く要請していた。(つづく)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会