国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2007-11-12 17:30

連載投稿(1)途上国の民主化に対する先進国の支援活動

廣野良吉  成蹊大学名誉教授
 本欄「百家争鳴」への10月25日付け投稿(420号)で、私はアジアの経済発展と民主主義について論じ、アジア地域の開発途上国の経済発展と民主主義思想・制度の導入との関係について、21世紀おいては、たとえ経済発展が民主化に先行する現実が見られる中でも、国民大衆の民主化への要求は日々に高まってきており、民主化を無視できない状況が生まれつつあることを指摘した。アジアの多くの途上国における最近の事件や動きを観察すると、国民大衆の政策決定過程への参加は、特に貧富の格差、環境破壊などに対処し、さらにその経済成長を長期的に持続させようとすればするほど、もはや不可欠となりつつある。

 そこでこの「連載投稿」では、アジア諸国の民主化への動きを側面から支援する諸外国の政府、国際機関と並んで、わが国の支援体制の今昔がいかなるものか、その活動は効果的なのかどうか、現在支援体制強化のためにどのような動きが見聞されるかについて、考えてみたい。21世紀を迎えた今日、民主化が徐々にではあるが進む開発途上国がアジア地域で拡大する一方で、遅々として民主化が進展していない国・地域もいまだに数多くある。これらの国々では人々の基本的人権が憲法やその他の法律によって保障されていないか、たとえ法律で成文化されていたとしても、実態としては担保されていない。また世界の多くの地域では、膨大な貧困層の存在、武力による内紛の頻発に見るように、民主主義に基づく統治が未だないままに「人間の安全保障」が脅かされている。

 途上国における民主化運動は、本来当該途上国の市民社会や政府が推進すべきことであるが、幸いこれらの多くの国々では、諸外国のNGOや国際機関と連携した現地NGO/CBOによる民主化活動が行われている。すでに多くの主要先進国には、各政党が設立した財団、議会が設立した超党派財団、民主化を促進するNGOを助成する民主化支援基金などが存在している。ストックホルムの「国際民主化選挙支援機構」やニューヨークの「国連民主主義基金」などはその例である。(つづく)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会