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2026-04-01 10:44

中国本土の防衛装備能力に対する見方について

真田 幸光 大学教員
 イランが配備した中国本土製のYLC8B・HQ9B、ステルス機の探知・迎撃では役立たず、米国・イスラエルの圧倒的な電子戦によりレーダー網は1機も撃墜出来ず、ベネズエラに続いてまたも実戦で失敗をしたとの見方が国際社会から出ている。イランに配備された中国製の防空ミサイル・システムやレーダーが、最近の米国・イスラエルによる大規模空襲を防ぐことに完全に失敗したことから、中国本土製の武器システムの実効性を巡る論争が国際社会では、深刻になっている。これまで中国本土は、「中国本土製の防空網は米国の最先端ステルス機まで捕捉・撃墜出来る。」と自信を見せてきたが、実戦では何の対応も出来ないまま無用の長物に転落したとの厳しい評価も出ているのである。
 
 こうした中、例えば、台湾Newtalk新聞など外信の報道を総合すると、「イランは既存のロシア製防空網の限界を補完する為、中国本土の第4世代移動式レーダーシステムであるYLC8Bなどを導入し、首都・テヘランをはじめとする主な戦略的要衝に配備していた。中国本土政府は2016年の珠海・エアショーでこのレーダーを初公開し、米国のF22やF35など現存の最強のステルス戦闘機を250キロ先から探知出来ると大々的にPRしていた。これと共にイランは、中国本土が独自開発した新型の長距離地対空ミサイルであるHQ9B(紅旗9B)も運用していた。射程が250キロに達するこのミサイルは、アクティブ・レーダー・ホーミング方式に加えて赤外線シーカーを搭載し、電子戦の状況でもステルス機を迎撃できる能力を持つ、と言われていた。中国本土は、米国のGPS(衛星利用測位システム)の影響から逃れる為に中国本土の衛星航法システムである「BeiDou(北斗)」までイランに提供し、防空網の統合を支援してきていた。

 しかし、こうした中国本土製装備は、最近の実戦で全く力を発揮出来なかった。イスラエルがおよそ200機の戦闘機を投入し、米国がB2ステルス爆撃機やトマホーク巡航ミサイルでおよそ1,000の目標を精密攻撃している間、イランの防空網はただの1機も撃墜出来なかった。」といった総括をしている。台湾FTVは、専門家の見解を引用しつつ、「イランは巨額の予算を投じて中国本土製レーダーを構築したが、昨年の核施設攻撃に続いて今年の大規模空襲でも、その性能を全く立証出来なかった。」とコメントしている。インドのタイムズ・オブ・インディアも、「現在、軍事アナリストたちが中国本土製システムの欠陥なのかどうかを細かく調べている。単に米国・イスラエル連合軍の圧倒的な物量に押されただけなのか、それとも根本的な技術的限界があるせいなのかが鍵である。
いずれにしろ、主要施設を保護出来ない防空システムが市場で信頼を失うことは避けられない。」と指摘している。

 中国本土製レーダーの性能が問題になるのは、今回が初めてではなく、本年1月のベネズエラでも、中国本土製のJY27Aレーダーが配備されていたのに、当時のマドゥロ大統領逮捕作戦に投入された米軍機を全く探知出来なかったことはご高尚の通りである。中国本土は強力な対ジャミング能力を強調してきていたが、実際には米海軍のEA18Gグラウラー電子戦機の攻撃1発でシステムが無力化されたと見られている。ジョージタウン大学のデニス・ワイルダー教授は、香港のサウスチャイナ・モーニングポストのインタビューで、「米国とイスラエルは電子戦、サイバー戦、情報収集、そして陸・海・空・宇宙のアセット(軍事資産)の統合運用面で圧倒的な優位を占めていることが判明した。先端技術の実戦活用の面で中国本土はまだ米国に10年以上も遅れを取っているものと見られる。」と分析している。尚、こうした一方で、韓国製の防空兵器システム「天弓2(M-SAM)」が、アラブ首長国連邦(UAE)で実戦に投入され、イランのミサイル多数を迎撃したことが判明したとの報告がなされている。韓国の輸出兵器システムが実戦投入された初の事例で、天弓2が実戦で活用されたのも今回が初めてとなっている。こうしたニュースも併せて意識をしておきたい。はてさて、高市政権の意向で日本の防衛装備品輸出も解禁されることになりそうであるが、日本の今後の動向も世界からは注目されそうである。
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