国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2026-01-30 15:12

(連載1)日本が迎える本格的経済格差

岡本 裕明 海外事業経営者
 北米に35年住んで経済格差の広がりを時間と共に肌身で感じてきました。私が1982年にアメリカにいき、すっかり虜になってしまったのはその「国力」だったのですが、そこには多くの国民が夢と希望と未来を描いていたからかもしれません。田舎のお嬢さんがブロードウェイのミュージカルのスターダムにのし上がるようなサクセスストーリーは当時、アメリカの「当たり前」でした。そして世界中の人々が可能性とサクセスを求めてアメリカにやってきたのです。もちろん、この傾向は今でも残っていると思いますが、海外から来る人達のタイプは多少変化があったかもしれません。かつては世界各国の各分野で最高レベルの人たちがアメリカに渡り世界最高水準を求めたのが歴史ですが、近年は自国が嫌でsafe heaven的にアメリカに渡るなど生活や生存防衛的なケースや単純に稼ぎに来た人も増えたように感じます。

 一方私が隣国から見ている限り、アメリカで上を目指す人々は「へとへと」になってきているように見えます。「ストレスの限り」でSASUKEより大変です。なぜならSASUKEは自分の能力があれば誰でも何人でもゴール出来る絶対評価ですが、アメリカの出世争いは相対評価でどれだけ仕事ができても時の運とか、足を引っ張る連中も多く、生き残り競争は死に物狂いだからです。「おクスリ」を使いたくなる人がいるのもそのストレスレベルが高すぎるからで、トップを目指す人達の働き方は日本人の想像を超えます。

 この「振り落とし競争」で結局、勝ち抜けるのは一握りもいないわけです。そこで将来のチャンスがないと判断した人たちは転職をしながら自分の適所を見つけるための「就労の旅」をするのです。もう一つのグループはそもそも上の世界を目指さない、あるいは目指せない普通の勤労者です。彼らは日本のサラリーマンと似ていて、もらえる給与は枠組みで決定しています。ましてや労働組合がある職場ですと賃上げ率は知れており、果てしなく上がる物価で実質的な生活水準の低下、あるいは自由度が無くなってくるのです。例えば住んでいるアパートが古くなったり、手狭になった時、かつてなら引っ越しするのは何ら不自由がなかったのですが、今では賃料が上がり過ぎて引っ越し出来ないという悲鳴すら聞こえます。

 では日本はどうでしょうか?物価は毎年、コンスタントに上がり続け、今年も来年もずっと上がると見込まれています。すると物価上昇に適応力が少ない高齢者や一般勤労者は年金や給与が実質減っていく状況が続きます。経済学的には物価上昇時には消費が促進されます。その意味とは「今のうちに買わないと将来買えなくなる」です。ところが生鮮食料品を買いだめしても悪くなるだけであり、実質的な生活防衛手段はほとんどないのです。(つづく)

 
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会