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2025-11-22 06:30

(連載1)エプスタイン問題って結局何?

岡本 裕明 海外事業経営者
 私は国際問題から国内の社会ニュースまである程度均等に目を通しているのですが、最近のニュースでよく理解できないのがエプスタイン問題。今般、同問題にかかる資料公開を議会が可決したため、その公開はさほど遠くないうちに行われると思います。キーは富豪ジェフリー エプスタイン氏と大物、著名人との関係がさらけ出され、トランプ氏との関係やその実態も暴かれるのではないか、という私からすれば週刊誌ネタに近い話がなぜそこまで耳目を集めるのでしょうか?よほどご興味がある方は別として本件、日本の方はあまり詳しい方はいらっしゃらないかもしれないので私が理解する限りでざっとおさらいしておきます。

 ジェフリー エプスタイン氏は1953年生まれのユダヤ人。高校では2年飛び級をしているので賢かったのでしょう。ニューヨーク大学を中退後、アメリカでは名実トップクラスの私立学校であるドルトンスクールで教鞭をとります。その教え子の一人にベア スターンズの会長の息子がおり、彼に誘われ、同社に転職、役員にまでなるも退社します。ベア スターンズに在籍したのは5年だけでした。ここでエプスタイン氏は自分で資産運用会社を設立します。これが82年。そして80年代から90年代に黄金時代を築くとされるのですが、この20年のヒストリーがよくわからないのであります。

 つまりその間に膨大な資産を築いたので当然、ウォール街で名をはせていたはずなのに実務や実績においてその実情を知る者があまりいないのであります。いくら80-90年代とはいえ、情報が命だった金融の世界でそんな馬鹿なことはないだろうというのが私の疑問その1。2000年代に入るとやや表向きの話題が増えてきます。イスラエルの政府のトップが関与する特殊な防衛産業会社の投資家となったり、アメリカでメディア事業に手を出したりします。はっきり言えることは彼が極めて広範囲に圧倒的な人脈を築いていたことでしょう。それをどうやって行ったのでしょうか?私の無責任な勘ですが、一種のねずみ講的な手法ではなかったかという気がします。ねずみ講はある商品を媒介して人をつなげていく手法ですが、たぶん、その手法を応用して人的ネットワークを構築する仕組みが存在したのではないかと推測しています。

 この手のビジネスをしている人を私は知っていますが、基本的にネットワークビジネスでどうしてそんなに蓄財できたのかということは決して明かしません。そしてそのマルチ商法的なビジネスを自分の後ろに隠し、表向きは別のビジネスを展開します。あたかも表の顔が本当の顔だということにするわけです。そのビジネスは大して儲かっていなくても評判だけよくなればよいのです。赤字垂れ流しでも「あの人のあのビジネスは凄い!」となれば裏のネットワークビジネスが更に儲かるわけです。(つづく)
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