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2025-07-19 10:14

なぜ中国はウクライナにスパイを投入したのか?

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 ウクライナ当局がスパイ容疑で中国人2人を拘束、最新鋭ミサイル機密の不正取得図ったと報道された。今回のスパイ事件は、「ウクライナ」で「中国人」がミサイルの機密を取ろうとしたということである。単純に、兵器の「最新情報」を知りたければ、戦闘中の国に行くのが最も良い。いや、「兵器」だけではなく、科学技術の粋を集めて国家の存亡をかけて戦っているのであるから、当然にその内容は様々な意味で「最先端技術」がそこにある。中国はそこに行ったのである。

 しかし、「先端技術」がほしいだけであれば、同盟国であるロシアに行けばよい。戦争というものは一つの国で行うものではなく、当然に敵がいる。その敵側の方に行ってもよいのである。しかし、中国から考えればロシアの使っている武器は中国製の武器であったり同盟国であるからその内容がだいたいわかっているということになるのである。そこで「アメリカ製」「ドイツ製」「フランス製」という、通常ではわからない兵器の情報を集めるということになる。とくに、それらの国は、台湾侵攻などの場合中国が戦う敵かもしれないのであり、その武器の情報収集は必要になるということになる。同時に「戦争中の国」というのは、管理が甘くまた混乱しているので付け入るスキが多い。その様に考えれば、中国がスパイをしているのは、自分の国の台湾進攻が近いということを意味しているのであり決してロシアのために行っているのではない。逆に「ロシア兵を犠牲にして、自分の国の情報集めをしている」というようになってもおかしくはないということになるのである。

 他の国の人どころか自分の国の人々の人権も命もあまり気にしない国であり、全体主義というのはそのような主義のことを言うのであるから、その辺は全く関係ないということになるのであろう。ある意味で当然のことを当然にしているだけということになるのであろう。しかし、そのことから読み取れることは少なくない。一つは中国がロシアを本気で助けるということはあまり考えられない。つまり中国はロシアを利用する存在としか考えておらず、その為に最も有効な内容をしているということになる。ある意味で、新兵器の実験や、実践におけるドローンのデータ収集などを行っているということになり、そのことは2023年よりすでに何回も指摘されている。そしてドローンのデータ収集だけではなく、ミサイルに関しても行い始めたということなのであろう。そのうち戦闘機などに関しても行うということになるのは間違いがない。

 同時に「ウクライナだけがスパイの現場ではない」ということである。つまり、経済的に困っている国は簡単に脅迫に屈する国などは、まさに簡単になり、「西側の安全保障でありながら政治が親中派という国」、つまり日本などは完全にその標的になっている。現在見てもわかるように、日本の首相も、外務大臣も、与党の幹事長も親中派である。そのような国に圧力をかけて「最新兵器」のデータなどを手に入れるということが行われる。実際に、以前に日本から中国に最新兵器のデータが送られたことが複数回あり、事件化しているものもある。あえて細かくは言わないが、以前から日本はそのようなスパイの温床になっているのである。その様に考えれば、ウクライナのスパイ事件は、ウクライナだけの問題ではなく、中国人が入り込んでいるすべての国において警戒しなければならないことなのである。
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