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2025-03-17 21:05

オーストラリアの若年者SNS規制について

真田 幸光 大学教員
 人類の歴史の中では、「優れた技術の下、優れたお道具が開発され、人類の生活の質を高める。」というケースも見られますが、一方で、そうした優れたお道具の開発が人類に悪影響を及ぼすような弊害を生むケースも時として見られます。誰もが知るその典型的な事例は、「ダイナマイトの発明、開発」なのではないかと思います。即ち、ダイナマイトを、善意を持った利用者が社会発展の為に利用すれば、素晴らしい発明と言うことになりましょうが、これを、「殺人の凶器」として使ってしまえば、むしろ、「こんな発明、開発などなかった方がよい。」という意見も出てくる訳です。

 また、もっと、事務レベルでの事例を見ると、例えば、銀行実務の中で、輸出入の貿易決済の事務システムが高度化し過ぎた為、「担当の行員は単なるデータのインプット屋さん」となり、そうした中、トラブルがひとたび発生すると、「何をどのようにインプットしたのかの意味が分かっておらず、その解決の対応方法が分からない。」と言う事例も見られるようになり、普段は便利ではあるものの、技術の進歩の裏側で、トラブルには弱いと言う事例も見られるようになる、少し、極端な表現をすれば、「お道具によって作業があまりにも効率的となり過ぎると、人々の思考力と言うものを損なう危険性もある。」とも言えましょう。

 こうしたことから見ても、「SNSに対する評価」も様々なものとなるのではないでしょうか。SNSは間違いなく、技術の進歩に伴う素晴らしい開発であります。しかしながら、その使い方を間違う人が出ると社会を大きく混乱させることは皆様のご高尚の通りであります。
 
 さて、オーストラリア議会は、「16歳未満のSNS利用を禁止する法案」を昨年11月に可決しました現地メディアが、「世界初」と報じるこの規制には、SNSを運営する事業者側の対応が欠かせず、また法整備を後押しした団体は、「他国も豪州に続いて欲しい」とし、日本などの動きに期待を寄せています。もちろん、オーストラリア国内には、この法案に反対する声も根強くあります。従って、オーストラリアで起こる効果や弊害を見極めながら、日本も導入をしていくと言う手は十分にありましょう。SNSの功罪、いまだからこそ、しっかりと見極めなくてはいけない状況にあると思います。
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