国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2025-03-22 12:35

「親世代は早紀江さん1人」のもう一つの危険性

荒木 和博 特定失踪者問題調査会代表
 たびたび書いたり発言していますが、「拉致被害者で残された親世代は横田早紀江さん1人になった」という言い方、特定失踪者家族を無視した表現であり、ぜひ慎んでいただきたいと思います。政府認定拉致被害者は全体の拉致被害者からすれば氷山の一角であり、それ以外のご家族からすれば親世代でなくても見捨てられたという思いになります。

 先日政府の拉致問題対策本部がワシントンポストに拉致問題に関する意見広告を出しました。それは良いのですが、小見出しには「Only one parent generation left」になっています。もちろん本文には「of the 12 abductees who are identified by the Government of Japan and still have not returned to Japan」ということで政府認定かつ帰国していない拉致被害者の中でという限定は付いているものの、見出しを見てそこまで考える人はあまりいないと思います。

 NHKだけでなく他のメディアも度々そのような表現を使っています。ぜひこれについては留意いただきたいと考える次第です。そして、この「親世代は1人しか残っていない」という言い方はさらに大きな危険を秘めた表現なのです。というのはこの言葉の裏には「その1人がいなくなれば拉致問題は終わりになる」ということが背中合わせに存在するからです。横田滋さんや有本さんご夫妻が健在のときも、「いなくなれば拉致問題は終わる」と思っていた人間が何人もいました。平壌はもちろん永田町や霞ヶ関にも。彼らからすればそれが秒読みになったと思っているのではないでしょうか。

 もちろん、自分としても早紀江さんには一日でもお元気でいていただき、めぐみさんとの再会を果たしていただきたいと思います。しかし一方で、拉致問題は親世代がどうこうということではありません。ご家族が全部いなくなってもなくなるわけではなく、国民の受けた被害なのですから国民が最後までやり通さなければなりません。そうしないと、ご家族のいない人は誰も助けないことになってしまいます。日本国内で様々な意見はあります。しかし、国内の矛盾がいくらあろうと、拉致をしたのは金王朝の北朝鮮当局です。悪いのはともかく北朝鮮であって、その責任は変わるものではありません。この問題を被害者やその家族だけの問題として終息させてしまうことのないようにするためにも「1人だけ」という言葉は使い方に留意をしていただきたいと思う次第です。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会