国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2024-11-12 17:11

(連載1)宇宙開発でも一歩先を進む日本

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 日本の場合、「世界に貢献する」ということが一つの行動のモティベーションになることが少なくない。「利他」という言葉がある。「利己主義」の対義語として存在する概念であり、日本語の中にはこのほかにも「滅私奉公」などというようなことがある。ある意味で奴隷などとは異なり、自分の意思で自分の我欲をなくして、他の人々のために役に立つことを行うということである。ある意味で仏教的な「悟り」を目指しているような感じが日本の文化にはありそれが素晴らしいこと、格好の良いことと考えている部分がある。そして、そのような素晴らしいことを日本の多くの人々は、助ける、支援するというような美しい文化があるのではないだろうか。

 そのような日本の「美しい文化」が、実は日本の発展の本当の要因であり、すべてが権利主義、利己主義に走った場合には、当然に、日本は衰退の一途をたどることになるのではないだろうか。さて、日本のその美しい文化は、「世界で必要であはあるが、しかし、金にならないから誰も行わない」というような研究などを行うことがある。実は宇宙開発はまさにそのようなものである。

 以前「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の映画の中にある未来の生活の多くが実現されているということが、話題になったことがある。しかし、逆に「2001年宇宙の旅」や「宇宙戦艦ヤマト」の世界は、ほとんど実現できていない。これは「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の中の者は、すべてビジネス的に採算が合うものばかりであるが、宇宙というのは、基本的には投資が多くかかるにも関わらず、採算性が合わない。ビジネスとして成立しないということが大きな障害になっているのである。そのような意味で、「利他」を称賛する日本が、やはり宇宙分野でも一つ大きな進化を遂げることになる。

 報道では、「H3」の4号機が4日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、ロケットは予定の軌道に投入され、搭載した通信衛星「きらめき3号」を分離し、今後防衛省独自の通信衛星で、大容量のデータを安定して送受信できるとのことである。宇宙開発というと、一つのは軍事的な内容でしか行われないということになる。1990年代に、アメリカのレーガン大統領が「スター・ウォーズ防衛構想」ということを言い、飛来する大陸間弾道弾ミサイルを、宇宙空間(大気圏外)で破壊するという研究をアメリカで行うことになった。宇宙開発はそのように1990年代以降軍事的な内容ということが言われるようになった。(つづく)

 
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会