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2007-09-15 21:24

連載投稿(1)第34回インド全国経営者会議に出席して

廣野良吉  成蹊大学名誉教授
 インド経営協会(AIMA)とアジア経営協会(AAMO)の共催する第34回インド全国経営者会議が、インドの西ベンガル州首都コルカッタで9月6日から8日まで開催された。筆者は全インドとアジア14カ国から集まった1000人を超えるトップ、ミドルマネジメント、経済経営専門家等の出席する第3セッション「アジア太平洋地域とインド」で基調講演をする栄誉ある機会を頂いた。開会セッションでは、前インド教育・福祉・文化大臣プラタープ・チャンドラ・チャンダ氏、第2セッションでは、インド民間航空大臣プラフル・パテル氏、第4セッションでは、インド統計・計画実施省事務次官プロナブ・セン氏、そして最終セッションでは、インド工業大臣アシュワル・クマール氏による基調講演があり、今後のインド経済の持続的成長でインド経営者に寄せる連邦政府の多大な期待を覗かせ、いわゆる「官民協調」の重要性を訴えていた。

 1963年インド各地の大学、商工会議所で「日本の所得倍増計画:アジア諸国にとっての意義」について講演して以来、60-70年代のインド経済の停滞、80年代の政策上の葛藤、90年代に始まる自由化政策の導入を、インド国内外での国際会議参加を通じてつぶさに見てきた筆者にとっては、一方で1991年以降の目を見張る高度経済成長の持続に敬意を表すると共に、他方では今回の経営者会議でインド経済の躍進に対して各講演者が官民共に共通して示していた余りにも自信に満ち溢れた態度には、若干の不安を感じた。唯一の救いは、この会議に招待され講演した与野党の国会議員や各セッションの議長役を担った心ある熟年トップ企業経営者が、インド社会の永年にわたる未解決の矛盾を指摘して、若手の政治家、経営者の「過信」に対して、警告を発していたことである。(つづく)
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