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2022-04-06 20:57

(連載1)夏の参議院選に向け、自民党は盤石か

岡本 裕明 海外事業経営者
 夏の参議院選に向け自民党は盤石か。私の見方はYESです。確実と言ってよいでしょう。それは岸田首相に人気があるというより岸田首相がフォローの風の中で幸運をつかんだ、と言ってよいと思います。岸田首相の就任当初、私は「(個人的にはスタイルは好きではないけれど)長期政権になると思う」と述べさせて頂きました。敵が周りにいないなど様々な理由がありますが、岸田氏の性格ともいえる踏み込み方が典型的な日本のサラリーマン型なのです。つまり絶対に一人で飛び出さない、強いところと一緒に走る、足場はしっかり、石橋は3度叩く、です。もっとわかりやすく言えば岸田氏の進め方は会社の決定プロセスと同じ仕組みなのです。まず、呟く、そして根回しをする、賛同が得られそうならその声を少しずつ大きくして、次に稟議をする、正式なプレゼンテーションをする、最高決定機関で決める、まさにこの流れをしっかり踏んでいることで敵が極めて少ない歩の進め方をしています。
 
 弱点はないのか、といえば大ありで外交はダメだと思います。そもそも印象に残らないので、就任直後に行ったCOP26にしろ、先日のG7にしろ、「参加したという事実」だけであってそこで強い印象を残してきたわけではありません。インドで大盤振る舞いしたことへも批判の声があります。つまり外務大臣経験者なのに外交が下手という弱点はあります。
 
 しかしうまい具合に国内の選挙の場合、外交案件は選挙民にとって主たるイシューにならないのでこの夏の選挙ではほとんど影響することはありません。上手にやったな、と思ったのが堀内詔子ワクチン担当兼五輪担当相の実質更迭です。「実質」というのは更迭にすると首相の任命責任を問われるので「五輪担当相は3月末までの時限ポジションで大臣ポストそのものが消え、内閣法上のワクチン担当相の枠がないのでそちらも降りてもらう」ということです。
 
 実際には堀内氏のワクチン担当相としての働きぶりはひどかったと思います。河野太郎氏がたまらずに助け船を出すシーンもあり、それに対して堀内氏が「教えてください」でした。何を甘ったれたことを言っているのか、とあきれ返ってものも言えませんでした。当然、評価担当者である岸田首相は「落第点」の評価だったはずで、どこでこの人事を動かすか、考えていたはずです。(つづく)
 
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