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2022-02-08 18:51

(連載1)企業の「値上げできる自由」好循環の兆しか

岡本 裕明 海外事業経営者
 日本企業の10-12月決算発表が本格化しています。ここまでの流れを見ていると正直、強いと申し上げます。業種によってその辿る道は違いますが、今まで苦しんだ企業はトンネルの出口が見えてきています。また「不足」を理由に絶好調となっていた業界は更に上伸しているようです。これは日本経済復活ののろしなのでしょうか?
 
 苦しんだ航空業界ではANAが8期ぶりの営業黒字、JALも純損失が事前予想の376億円から233億円になり、期待を持たせる結果となっています。消費関連では三越伊勢丹が2年ぶりの黒字となりました。オミクロンで1-3月は航空、消費関連ともそこまで伸びはないかもしれませんが、足腰はしっかりしてきているので春以降の更なる回復が期待される状況です。総合商社、海運は絶好調と言ってよいでしょう。商社は3月末決算見込みの上方修正が相次いでいるのは資源価格の上昇に拠るところ。海運も運賃上昇の波にのったわけですが、これはいつまでも続くわけではないのでその点は浮かれすぎない方が良いでしょう。
 
 ソニーは3月末見通し営業利益を1兆2000億円とさらに上方修正しましたが、内容は映画が当初予想より利益が倍増したことが大きかったものの最大の利益源であるゲーム部門はPS5が半導体不足で十分作れていない点で頭を押さえており、22年も同様となれば販管費の抑制で利益が上伸した部分は剥がれるとみた方がいいでしょう。同様に任天堂も手放しになれず、ゲーム機依存型のビジネスモデルがどう転換するか、注視する必要があります。 銀行は堅調のようで三菱UFJは利益1兆円を7年ぶりに越えそうです。思い出せばその頃だったか、同行トップが日経ビジネスのインタビューで「利益が1兆円も出たら、ねたまれるからあまりそこは超えたくない」という日本的で奇妙な発言をしたのが印象に残っています。私はいくらでも儲けてもらっていいと思います。2兆でも3兆でも構わない、むしろそれで法人税を払って頂ければ日本全体に血液が廻るわけで三菱グループの総本山がそんな遠慮しては日本経済の復活はありません。なので、今回、回復軌道にのり、よかったと思っています。
 
 年初、ゴールドマンサックスの今年の株価予想で日本株は買いとなっていました。理由はアメリカ株が高すぎる一方、日本株が安すぎるという点です。日本だけで暮らしていると案外見えないものですが、海外の物価は先進国も新興国もコンスタントに高くなっており、積年のギャップが大きく出てしまったのが今日の状況です。(つづく)
 
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