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2022-01-14 22:08

厳冬下、不安定化する世界

大井 幸子 国際金融アナリスト
 私はBBCニュースの天気予報が好きです。さすが、かつての日の沈まない大英帝国だけあります。予報士が世界地図や偏西風の様子を示しながら、世界の天気がどう変わっていくのかを説明してくれます。日本の天気予報は日本列島しか示さないので、世界の俯瞰的な天気との関連性が見えてきません。この冬、日本列島は大寒気に包まれていますね。東京もかなり冷え込んでいます。が、寒いのは日本だけではありません。欧州も中国も今年は厳冬で、しかも、石炭や天然ガス価格が高騰し、エネルギー危機に直面しています。一般市民はクリスマスや新年の休暇を楽しむどころか、オミクロン感染拡大に加え、エネルギー価格の上昇で暖房費の値上がりなど生活不安が増しています。
 
 今、ウクライナ、中国、中東情勢でキナ臭い動きがあります。特に、ロシアと中国に関しては、トランプ政権の時に経済制裁を強め、米国はかなりの抑止力を効かせました。しかし、バイデン政権下では、米国の優柔不断さが、中露に隙を与えてしまい、両国は敵対的で攻撃的な外交姿勢を強めています。実際、ロシアによるウクライナへの侵攻、中国による台湾への侵攻の動きは、かなり現実感が増しつつあります。
 
 ウォールストリート紙やブルームバーグといった有力紙では、中露に対するバイデン大統領の外交力の弱さから、世界が不安定化に向かうリスクが指摘されています。では何故弱腰なのか?民主党極左の外交方針なのか、それともバイデン大統領の固有の要因に基づくのか?私は両方あると考えます。特にバイデン・ファミリーにまつわるウクライナと中国との関係については、かなりの払拭しきれない疑惑の部分があることが以前から判明しています。そうした個人的弱みのある大統領がなぜ外交の主役になるのか?
 
 この厳冬で、欧州のエネルギー危機、中国では食糧不足も加わり、深刻です。ウクライナに関しては、ドイツとロシア、米国をめぐるノードストリーム2というガスパイプラインをめぐる地政学上のリスクが横たわります。中国とウクライナ情勢は、これから年末年始にかけて緊張が高まると予想されます。2月に北京冬季オリンピックが迫っていますが、2008年の北京オリンピックの裏では、ロシアがジョージア(グルジア)に進行し、南オセチア紛争が起こりました。同じような歴史が繰り返されるのではないかと予想しています。
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