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2021-06-01 23:59

救命の必要は法律を越える

荒木 和博 特定失踪者問題調査会代表
 「必要は法律を越える」という言葉は、昨年予備役ブルーリボンの会のシンポジウムで渡辺周・元防衛副大臣が語った言葉です。要は拉致被害者の救出に必要であれば自衛隊が使えるということですが、先日救う会兵庫の島尾副代表からワクチン接種に関する厚労省の文書を教えてもらってさらにその意を強くしました。
 
 これは厚労省から自治体に出された「新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種のための筋肉内注射の歯科医師による実施について」というもので、平たく言えば「歯科医師がワクチン注射をするのは医師法違反だけどこんなご時世だから認めますよ」ということです。もちろん法律を変えるわけではなく、「公衆衛生上の観点からやむを得ないものとして、医師法第17条との関係では違法性が阻却され得るものと考えられる」として単なる事務連絡で片付けてしまっています。
 
 この状況ですから(ワクチン自体の是非は別として)、その対応自体は別に問題ないと思いますし、この措置に「医師法違反だから反対」という人もいないでしょう。だったら「北朝鮮に拉致された国民を救出するという観点からやむを得ないものとして、憲法及び自衛隊法との関係では違法性が阻却され得るものと考えられる」という筋道も立ちうるのではないでしょうか。防衛省が厚さ8センチの資料を出そうがなんだろうが、法律が国民の命に優先するはずはありません。何かこんなことを考えていくと、結局これまで大きな壁だと思い続けてきた法律が、実は絶対に超えられない壁というわけではなかったのだなと実感します。これは拉致認定なども同様なのですが。
 
 政府も「緊急事態」と言っているこの時期ですから、あらためて本当に必要なことは何なのか考えてみるべきではないでしょうか。そして、国民の命を救うためにやむを得ず必要なら「法律を越える」こともしていかなければならないと思う次第です。
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