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2021-05-29 22:15

(連載1)泥船の自民党、沈没船の野党、景気回復は最後尾

中村 仁 元全国紙記者
 自民党の泥船状態を示す材料が増えてきました。2019年の参院選における買収事件の原資になった政党交付金、迷走するコロナ対策、ワクチン接種を巡るドタバタ劇、議論を封じた東京五輪の開催強行などです。党内は混乱の度を増し、週刊文春(5/27)は「菅政権、壊れた/閣僚5人がNO」「首相批判が噴き出す」「できっこないことばかり」「対策がブレブレで酷い」と、政権の裏事情を伝えています。
 
 泥船状態の自民党が沈没するかというと、そうではありません。野党のほうが沈没船です。週刊誌情報に頼って、政権の失点ばかり追及し、日本沈没の危機もというのに、基本の政策論争を仕掛けられません。ですから、菅政権に対する支持率は30%台に低下したとはいえ、政権交代に追い込まれるという危機感は皆無です。泥船と沈没船という政治の無残な姿です。その結果か、景気回復では先進国としては最後尾です。
 
 二階自民党幹事長の会見で、林幹雄幹事長代理が割って入り、報道陣に「幹事長もいろいろ発言しているのだから、根掘り葉掘り、党の内部のことに踏み込まないでもらいたい」と、酷い発言です。「根掘り葉掘り」はジャーナリズムの原点です。身内の会合での発言ならともかく、報道陣に対する「根掘り葉掘り聞くな」は、与党の政治意識のレベルの低下を示しています。以前はこんな発言は聞かなかった。同時に、永田町(日本政界)を取材する政治ジャーナリズムがこの程度にあしらわれているのか思うと、愕然とします。
 
 2019年参院選の買収事件で有罪が確定した河井案里氏に、自民党本部が1億円5千万円もの資金を供与していました。買収の原資になったこの1・5億円を誰が決裁したか。そのことを党内で追及する動きもないに等しい。当時の安倍首相、二階幹事長らが中心人物で、当時の菅官房長官も事情を知らなかったはずはないという見立てを否定できません。それほどの重大事件なのに、二階氏は「私は関与していない」と、とぼけます。当時の担当者として名指しされた甘利選対委員長は「1ミリも、1ミクロンも関わっていない」と、言います。菅首相は「検察に押収されている関係書類が返還されてから、監査する」と、無表情です。(つづく)
 
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