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2020-10-19 09:08

親日政権の後遺症、その他について

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 中曾根総理の葬儀が行われ、菅総理らが弔辞を読んだ。中曽根総理は米のレーガン大統領とロン・ヤス関係を築くなど米との関係促進に努力したが、中国の胡耀邦総書記とも極めて親密な関係を持っていた。胡耀邦は親日家でまだ貧しい財政事情の中、日本の青年3千人を中国へ招待したり、日本との関係促進へ熱心だった。作家の山崎豊子さんを招き、中国事情を何でも見てほしいと要望もし、名作「大地の子」が書かれた。北京に立派な日本人学校がありその後の日本企業進出の環境整備になっているが、その敷地は山崎さんが胡耀邦に懇願して実現したものだ。しかし、お決まりの権力闘争で、胡は鄧小平たちに敗れ退陣したが、その罪状の最大の目玉は日本への過度の好意だった。

 台湾の李登輝総統がお亡くなりになった。李も極めて親日家であった。それに甘えてか、思えば日本は必ずしもパーフェクトに答えたわけではなった。日本のトップ企業の副社長が、決めた面会をドタキャンするし、多くの日本人は既に忘れてしまっているが、その頃日本の若い女性が、現地で知りあつた男性の家を各地で泊まり歩き、その一つで殺されるという事件があった。はじめは、日本の若者が行方不明ということで、李総統が台湾警察にはっぱをかけ、数か月の大捜査が行われ、解決したわけだが、その頃の台湾警察は、まだ陣容も育っておらず、戒厳令を解除し、治安も相当荒れている中、この日本女性の捜査に多大な金と人を費やした。これは、当時苦労した警察の関係者が私に述べたことだ。
 
 今、台湾は中国から虐めにあい、日本へ親近感を寄せているが、東大の川島真教授が述べるように、いつ事情が変わり、韓国のように反日に転じるか分からない。私は台湾にも友人が多くいるが、彼らとよもやま話をしていて、年配の台湾の方が「日本時代私たちは、親にお前は医者か弁護士を目指しなさい。政府の役人などになっても出世はできないのだから」と言われたと述懐するのを聞くと心痛む思いだった。
 
 中国人学者と最近会話したが、彼らの自信ある態度は、ほんの10年前のまだ謙遜が勝っていた頃と大違いになってきている。彼は述べる「米は、中国は国ぐるみで何でもやる怪しからん言うが、米国自身、戦後の科学技術はじめ各部門での挙国体制、それも軍事と密接に連携してやってきたのだ」「米は、自由市場を叫ぶが、米国は保護主義と国家の介入をさんざんやっている」「米国は言うことと実際の政策との乖離が大きすぎる」「コロナのワクチン開発競争では、中国、米、英の熾烈な争いになる。米や英では、ワクチン実験での副作用が少し出ただけで、大騒ぎとなり、ボイコットが起こるが中国は大丈夫だ。そもそも中国は世界のマスク、消毒液、防護服の50%以上を製造しているのだ」。
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