国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2020-07-26 11:15

米中対立のはざまでどう生き抜くか

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 米中対立のはざまでどう生き抜くか。私の年代の人間は、第二次大戦直後、満州にいた人たちから「満州は日本の生命線だ!」「お前たちは、何があっても頑張れ」などと言われていたが、戦局が少し怪しくなると、そういう大言壮語していた人間たちは、家族ともどもさっさと逃げていた。現在の緊迫した極東情勢で言うと、ロシアとは少しでも協調関係を築き、万一の時にはロシアが100%中国の味方にならないようにするのが王道だが、まだ多くの日本人は昔の裏切りを忘れないのだ。

 80、90年代日本の自治体を悩ませた問題は、日本へ中国から留学、旅行で来た人間が不幸にして事故などでなくなった場合だ。中国遺族からは、金もないので行けない。国も出国許可をくれそうにない。そちらで適宜処理してくれと言われる。自治体の費用で火葬にした後、その遺骨をどうするかの大変だ。親切なボランティアの人がわざわざ届けてくれたりしたが、中国入国時に、説明した書類を保持し、世界共通のルールで、遺骨は開封しないことになっているにもかかわらず開けさせられたり、現地についたら貧しい遺族から懇願され墓の手配、現地官憲との対応に疲労困憊させられたりした。若い中国で日本語教師をしている人たちを、集団で日本へ招待し、日本を体験してもらうという事業をお手伝いしたことがあるが、東京から箱根へのバス旅行で、多くの男女がげーげーと吐いたことだ。中国の車はスプリングが固く、道路も舗装が悪くガタガタである。日本のバスはスプリングが柔らかで、道路もスムーズなので、かえって気持ちが悪くなるのだと述べていた。しかし今や、中国は経済力では世界第2位で、多くの中国人が世界中に逞しく進出している。世界の変わり身の早さ、人間の適応力の力に驚くばかりだ。
 
 米について述べると、今や公開されている米中国交前の中国の周恩来首相と米のキッシンジャーとの秘密会談での一つのテーマは、如何に日本を封封じこめておくかで、そのために米中で協力してゆくというものだ。キッシンジャーは別のところで、日本か中国か、東アジアで選べと言われるなら、勿論中国だと述べている。米のエリート層の厳然たる思考の一つだ。
 
 某自民党関係者と話したが、中国市場をあきらめろと口で言うはたやすいが、現実はなかなか困難だ。サプライチエーンについても、中国の代わりにある程度の水準のものをキチンと納期を守り継続して届けてくれるのは、そう簡単には見つからない。米の先端技術を主とした中国との対決では、日本でも、特許の問題、中国からの資金提供、留学生受け入れへのきめ細かい対応、日本の先端技術の分野の人間への情報流出問題への対応の関心を高める教育が重要になると述べ居た。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会