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2007-06-24 20:28

21世紀の「参勤交代」政策

四条秀雄  不動産業
 江戸時代の「参勤交代」制度は、覇権国である江戸幕府が被覇権国である諸藩に政治的判断で出費を強いた公共事業という側面を持っていました。それは経済的必然性のない行為でしたが、この制度運用の結果として、当時の主要な街道沿いに経済発展のための需要を創出し、同時に中央と地方の情報交換を促しました。それによって日本全体がまた刺激を受けました。江戸時代の鎖国経済は、究極の内需中心経済と看做せますから、日本経済が内需によって成長するための知恵をここに求めることが可能です。

 現在、日本政府は、「アジア・ゲートウェー」構想を打ち出し、日本と外国間の移動の強化を訴えており、それはそれなりに貴重なアイデアですが、私はここで上記「参勤交代」制度の故智に学びながら、日本国内での需要喚起のために可能な2つのアイデアを付け加えてみたいと思います。

 その一つは、「古民家市場」を創り出し、地方の古民家を都市近郊に移転再生させるというアイデアです。日本の富裕層は100万人を越えるということですから、この層の人々に資産形成の投資をさせつつ、新たな市場を創り出すということです。現在、日本の古民家再生に取り組んでいるドイツ人建築家によると、日本の古民家の質は非常に高いということです。従って、「古民家市場」というものを創り出し、これに流動性を与えれば、日本人富裕層はもとより、アジア圏の富裕層相手の投資物件として成立する可能性があると思います。
 
 次に、バブル期以降順調に推移している「クルージング市場」についてですが、これは日本の富裕層を長時間にわたって1箇所に集めているという点が重要です。ここに、日本の美術品などの市場を結びつけると良いと思います。どのように結びつけるかといいますと、美術品の価値や評価の仕方を教え、覚えてもらうプロセスを組み込むということです。富裕層としての教育を受けてもらうということです。それによって、富裕層のクォーリティ・オブ・ライフが高められると同時に、美術品市場が拡大されると思います。

 
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