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2020-03-17 15:26

WHO批判についてのコメント

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 新型コロナウイルスについて、「パンデミック」に当たるとのWHOの見解表明が遅すぎる。WHOの今回の対応は、あまりにも後手に回っていると評判が悪い。各国の利害関係を中立的な立場で調整すべき国際機関が、一国のいうことばかり聞いて、そのダメージの卑小化やその権益拡大の手伝いをするなどとんでもないとの声まで出ている。人間の作るシステムにはいつも完全はない。こうした国際機関は今まで、途上国のエリートたちの就職口として、利用されることが多かった。組織はどんな優秀な人材をそろえようとも、時間とともに官僚化、非能率化は出てくる。先進国の大使館のような、国の伝統を背負った気構えやプライドには乏しくなる。

 では中国だけが、国際機関を利用しての足掻きをしているかと言えばそうではない、金だけ出して口数の少ないのは日本ぐらいだ。米は、自国の政策に異なる事業を遂行する機関には金を出さないと脅しをかけることが多い。トランプ政権となってからは極端に多い。教育、科学、文化の発展と推進を目的とした国際専門機関のユネスコへの拠出金は、米22%、日本9%だったが、米は長いこと金を出さなかったから日本は事実上1位だった。米は1984年から脱退し、松浦晃一郎事務局長時代に懸命の努力によりいったんは復帰したが、また、トランプ政権になって2018年に再脱退してしまった。

 理由は、パレスチナ自治区のヘブロン旧市街を世界遺産登録したことによる。日本も世界遺産登録では、中国や韓国に南京事件や慰安婦問題の登録などで嫌がらせを受けている。米のように脱退してオブザーバーとなると、あとは中国のような国が勢いを増すこととなる。今、フランスの事務局長の下にナンバー2には中国人がいる。WHOも18年前のSARSの中国蔓延の頃は、日本人の有能なスタッフがいて機敏に動き大活躍をした。これは、当時の温家宝総理や中央からの派遣チーム主任を担当した呉儀副総理などが高く評価している。

 色々文句は有るだろうが、今世界は協力して新型コロナウイルスの感染拡大抑止を図るよりほかはない。米中は対立を深めているとのニュースが多いが、米のハーバード大学と中国の武漢大学その他中国の研究機関との提携協力の情報も出てきている。これから冬に入りつつある南半球、特に医療体制に劣るアフリカでの被害の深刻化は懸念されるところだ。日本は、今、政府、国民の努力で一定程度持ちこたえつつあると言われているが、それに満足することなく、検査器具など医療品や資金提供など前向きに協力していくべきだろう。世界のために、中国や韓国とも協力できるところは提携すれば、より相乗効果も出るだろう。
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