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2020-01-08 12:08

新年に思う今年の日本外交の展望

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 日本外交は、内閣の安全保障部門のトップを外務省から警察官僚に切り替えるなど、経済最優先姿勢で動き始めている。ところが一部報道によると、通産主導の習近平訪日へのお土産的プロジェクトであるフィリピンにおける中国企業を絡ます開発計画に、米からの猛烈な圧力が出てとん挫しているとのことだ。

 また、中近東平和環境作りの一環としての米とイラン橋渡し外交もトランプ大統領の迷走でおじゃんいなりそうだ。ゴーン氏逃亡のレバノンとの問題も頭が痛いところで、八方ふさがりの感も出てきている。これは、戦前の松岡外交が、本音では独、伊などのユダヤ人排斥、独裁専制政治には距離を置く外交が大きく頓挫し、未だ日本がホロコーストを起こしたナチと同一視される現状を招いているのに少し似てもいる。
 
 歴史を振り返ると、米国にも南北戦争のころの状況で、詩人のホイットマンがその雑記「Specimen Days」で、米は欧州各国の移民を何百万と快く引き受けたり、欧州に色々尽くしてきたのに、いま欧州各国は皆米国がこのまま分裂し不具の国家になればよいと考えている。もう欧州(旧大陸)の道義心、抽象的友情など信じないと述べている。また同詩人は、唯一例外は、米が真に悪を行った隣国メキシコだけが米への応援をしてくれているとも述べている。この例で行くと、日本外交も将来、米はじめ今まで友人だと考えていた各国が冷たくなり、唯一隣国韓国が温かい支援の手を差し伸べてくれるなどという将来図もあながち皆無ではないのだ。
 
 英字紙「ガーデアン」などに寄稿するインド人学者のモニカ・チャンドラさんが述べるところでは、今年の日本外交において、インド太平洋構想を維持してゆくのは正解だ。インドも日本が東シナ海で抱えると同じように、中国との間でヒマラヤでの地域問題を抱えている。しかし、民主国家同士として、今や西側各国は皆、トランスナショナルになってきており実行の面で同一行動をとることが難しい面もある。それに、中国は民主国家と違い、長期的外交に長けているので、その対応には繊細な対応が望ましいとも述べている。彼女の論述は参考になるがさて実際の行動ではどう動くかだ。
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