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2019-01-16 14:40

(連載1)東アジアの勢力地図

岡本 裕明 海外事業経営者
 東アジアでいろいろな動きが出てきました。金正恩委員長が中国に4度目の訪問をし、習近平国家主席と会談をしました。一方、中国、北京ではアメリカと貿易問題を協議する次官級会談が行われ、一日延長しながらも一定の成果が出ているようです。そんな中、日本と韓国の関係は悪化の一途をたどっており、徴用工問題では日本政府がいよいよ踏み込んだ交渉を韓国側に求めています。レーザー照射問題は政府間が双方、一歩も譲らないバトルとなっています。東アジアの勢力地図はどう塗り替わるのでしょうか?

 まず、金正恩氏の訪中ですが、金氏からトランプ氏に送った親書、それを受けて「さほど遠くないうちに二度目の会談の場所を…」と述べるトランプ大統領の発言を受けて、米朝首脳会談の下準備に動いたとみる向きが強いようです。ただ、アメリカと北朝鮮で事前交渉が進んでいないようですし、ポンペオ国務長官の北朝鮮に関するニュースもこのところありません。トランプ大統領が事前交渉を経ずして首脳会談に臨むことはないと思われ、トランプ大統領の「近いうちに」はかなり幅があるように感じます。外交的にはアメリカは中国との貿易問題を解決する方が先決で、北朝鮮問題に一刻を争う理由はないとみられます。

 よって3月1日までの米中貿易問題交渉の結果を踏まえ、金正恩氏との会談に展開するのではないかと思います。私は二度目の会談はあっても4月以降ではないかと察します。ただ、会談をするということは一定の問題解決を模索するということですし、トランプ大統領の性格からすれば「必ず成果を上げる」前提に立ちますので会談後、何らかのメリットが北朝鮮に生まれる可能性はあるでしょう。そのメリットを享受するのは地政学的にも歴史的関係からしても中国以外にあり得ないと考えています。

 では、それを前提に北朝鮮は韓国とどう取引するでしょうか?朝鮮半島の歴史からすれば北朝鮮が優位に立っている中で中国からの支援を取り付けたなら韓国は配下ぐらいの感覚で接することはあり得ます。文大統領はさらに北にすり寄る姿勢を見せていますので攻守逆転はたやすい状態になります。その韓国には米軍が撤退カードをちらちらと見せ、中国はそっけなく、日本とも関係を悪化させる中、最後にババをつかむシナリオも出てきました。(つづく)
 
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