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2017-08-26 14:15

(連載2)一帯一路に対する日本のスタンス

鈴木 馨祐  衆議院議員(自由民主党)
 その後は、二階幹事長・公明党の井上幹事長を日本側のトップとする(中国側は党の外交トップの中国共産党中央対外連絡部長が代表)、日中与党協議会のセッションの一部に出席しました。出席した「一帯一路」構想をはじめとする経済交流についてのセッションにおいては、以下のとおりの発言をし、問題意識を指摘させていただきました。

 「まず、AIIBに関して、日本においてはAIIBに関して案件選定及びマネージメントにおけるガバナンスに関しての懸念が存在している。具体的には意思決定における投票権の構成がどのようになっているのか、また常設の理事会が機能しているのか、案件選定やマネージメントに関してどこまで関与できているのか、といった点についての懸念が大きいので、そうした点に関してクリアにしていく努力を求めたい」「また改革開放を進めていくということは歓迎したいとしたうえで、改革開放を周辺地域を巻き込んで進めていく上では、ヒト・モノ・カネが自由に行き来できる環境が死活的に重要であり、その点から特にカネの面で、為替における完全フロート制への移行、そして資本規制、金融規制に関しての完全自由化、こうしたことを実現できなければ改革開放の経済などできるはずがなく、年限を区切って明確に進めることが必要だ」という二点について指摘しました。

 当然のことながら中国側から回答はありませんでしたが、中国経済の今後の成長という意味でも日本がどこまでそこに関与すべきかという観点からも、非常に重要な点ですのできちんと見てきたいと思います。ここのところ、報道を中心に日本が一帯一路やAIIBに前向きであるかのような誤解を招きかねないものがあり、私も若干懸念しています。少なくとも、私が様々な会議や個別の会話で総理の発言の趣旨などを関係者に確認したところでは、そのような「前向き」という趣旨では一切ないとのことのようです。

 むしろ中国主導のこれらの構想に、透明性や運用の面で国際社会が受け入れられるような高いレベルへの改革・変革を求め、それができれば参加することに対する懸念は小さくなる、との趣旨の発言が誤解されて伝わっているような印象を受けています。TPP、RCEPの問題もそうですが、単なる経済的なものではなく、戦略的な意味合いを持つこれらの構想であるからこそ、日本のスタンスが国際社会に誤解されることがないよう、私も正確な発信を心がけていきたいと思います。(おわり)
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