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2017-06-07 12:13

(連載1)パリ協定から離脱するアメリカと悪乗りする中国

鈴木 馨祐  衆議院議員(自由民主党)
 トランプ大統領がパリ協定からの離脱を発表しました。気候変動に関しては、実際に対策を講じて大気中の温室効果ガス濃度が一定に抑えられたとしても、植生や疫病など大きな影響を人類が長期にわたって直面せざるを得ません。また気候変動は加速化することから、一刻も早い対策が求められてきたいところです。なるべく早く対策を講じることが人類全体がかけなばならなくなるコストの抑制につながることが明確であることから、国際的な合意作りに世界全体が取り組んできたところです。

 必要な削減量という科学の議論と、誰が負担するのかという政治の議論。従来前者については一定の合意がされるものの、後者については中国などの新興国を中心に負担を避ける動きが出て交渉が停滞するという状況が続いていて、結果的に事態がどんどんと深刻化していたという経緯がありました。そこをどうにか乗り越えようと、様々な妥協もしながら必要最低限の枠組みとして、世界の主要国が合意に至ったのがこのパリ合意です。

 今回のアメリカの行動は、自国の利益だけを考える一国主義を前面に押し出し、負担の政治論への不満から、科学からの必要性を無視した暴挙であって、アメリカの国際社会における信用を大きく損なうものであり、残念としか言いようがありません。特に、アメリカの国内にあっても、「正しい規制がイノベーションを生み、結果的にダイナミックな経済成長の原動力となる」との考えの下で、IT関係の新興企業は言うに及ばず、エクソンなどのエネルギー業界からも、パリ協定離脱への懸念の声が大統領に伝えられている中で、また政権中枢にも離脱に反対する声が大きい中での今回の決断だったようです。

 アメリカの良識からもかけ離れた、あまりにも近視眼的で愚かなトランプ大統領による決断としか言いようがありません。同時に、ここに悪乗りしている中国の動きも滑稽としか言いようがありません。そもそも中国の排出目標自体が中国の交渉過程での抵抗により、日本やイギリス、EUやアメリカ等と異なり、絶対量に規制がかからずGDPの単位当たりの排出量の削減にとどまっており、さらにはそこに罰則などもかからないような状況です。(つづく)
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